
11月3日、東京と近畿で木枯し1号が吹いたと発表されました。我がふじみ野市は自衛隊入間基地に隣接しているので、まさに航空ショー当日、轟音を響かせて空飛ぶブルーインパルスの編隊飛行・・・・この強風で大丈夫だったのでしょうか?そもそも「木枯らし」というのは一般に、晩秋から冬にかけて吹く、木を吹き枯らすような強く冷たい風のことを指します。気象庁が発表する「木枯らし1号」は、ただ強く冷たい風というだけでなく、「晩秋から初冬の間に初めて、冬型の気圧配置で吹く、8m/s以上の北よりの風」と決められています。「木枯らし1号」は、雪や寒さのシーズンが始まりましたよ、というお知らせなのです。実は「木枯らし1号」は、全国どこでも発表されるわけではありません。東京と近畿地方の2ヶ所のみで発表されます。なぜ「関東と近畿」ではなく「東京と近畿」なのか、その理由は不明です。
■ 木枯らし1号〜無秋の感
「木枯らし1号」が吹くということは「冬の始まり」を意味します。東京では10月半ばから11月末、近畿では二十四節気の霜降(10月22日頃)〜冬至(12月22日頃)の間に「木枯らし1号」が吹くとされています。ふじみ野市はこれから2週間、天気予報に雨マークがありません。最高気温は20℃を下回り、最低気温は10℃未満の日が多くなります。今年は「天高く馬肥ゆる秋」の風情が無く、まさしく無秋の感があります。快晴の秋空が無い、そうこうしているうちに桜やハナミズキは一気に色付き、プラタナスも色めき立ってきました。空気も乾燥して、感染症が大流行、一気に季節が進みそうです。
■ NPBはソフトバンクが4勝1敗で阪神を下し優勝
日本シリーズはソフトバンクが4勝1敗で阪神に完勝して5年ぶり12度目の日本一に輝きました。巷では阪神有利予想が多かった中で、どうしてソフトバンクが優勝できたのか?ことほど作用に野球の短期決戦の予想は難しいということです。実は筆者も阪神有利と予想していました。ペナントレース独走V、投手陣も充実して打線も上位の破壊力が抜群、一方のソフトバンクは近藤が故障、中村晃も腰の手術でCSの途中で離脱、ベストメンバーが揃わない上に日ハムとのCSが第6戦までもつれこみ投手も疲弊していました。昨年は誰もがソフトバンク優勢と予想する中、DeNAの勢いに押されて下剋上優勝をさらわれただけに、ここ一番の弱さを考えると勢いのある阪神かな?と思いました。
■ 今季交流戦はソフトバンク優勝で阪神は8位
ただしセパ交流戦では毎年のことですがパが強く、昔言われた「人気のセ、実力のパ」は今や死語となって、子どもの好きなもの「巨人・大鵬・玉子焼き」のジャイアンツは昔の子ども=今おじいちゃんの好きなものになるも、昔はプロ野球と言えばほとんど巨人ばかりだった地デジの放送から姿を消し、NHKさえもメジャーの試合を放映する様変わり。今季の交流戦はソフトバンク優勝で、1位から6位の上位はパが独占。7位からがセのチームで阪神は8位、こういう結果を見ればソフトバンクを甘く見過ぎたかな?と反省しました。
■ 実力はソフトバンクでも昨年の例があるし...
ソフトバンクはモイネロと有原が投げる試合は勝てる、この二人を上手く回せば、攻撃力は柳田、山川が居て近藤もDHや代打で使える上に、周東の足もある、下位打線は7番に首位打者の牧原が居て9番まで切れ目がない、今宮を控えに回せるほどの層の厚さ、普通に考えればソフトバンクなのですが、昨年の日本シリーズを思い起こすと、勢いのある阪神かなと思っていました。
■ 両監督の表情の違い
ベンチにおける両監督の表情の差が気になっていました。阪神の藤川監督は監督1年目、ピンチになってもひょうひょうとして落ち着いていて心配そうな素振りを見せません。選手が活躍すると一緒になって喜びます、余裕があって理想的な監督に見えました。一方のソフトバンク小久保監督は、選手が活躍したときはもちろん一緒に喜びますが、喜び方も控えめ、ピンチではありありと心配そうな表情になって、大丈夫かなぁ、選手に伝染しないかな?と心配でした。しかしソフトバンクは昨年の日本シリーズ敗退で監督も選手も学ぶものがあったのでしょう。小久保監督はこの1年で人間的にも成長して、選手の褒め方、どこでどう叱咤するかがわかってきたと言われます。昨年の経験から、シリーズでの投手陣の使い方が見事で、選手の調子や能力、相性などをよく観察していました。よく見ているからこそ、大丈夫かなぁ、期待に応えてくれるかなぁと心配そうな表情になったようです。
■ 第1戦はペイペイドームで村上と有原の投げ合い、ソフトバンク1-2阪神
ソフトバンクの第1戦先発は今季の最優秀防御率投手のモイネロだろうと思いました。モイネロと有原で勝てば俄然有利に進められます。ところが敵地第1戦での先発は有原で、モイネロは10月20日の日ハムとのCSファイナル第6戦に先発していたため、中4日だから有原なんだな、と納得しました。阪神の先発はエースの村上、7回6安打2四球自責点1、8回及川、9回石井で8安打のソフトバンクを1点に止めました。ソフトバンクの有原は6回6安打無四球自責点2、7回藤井、8回松本、9回杉山というシーズン定番の中継ぎ、抑えで無失点に抑えましたが、2-1で阪神先勝、ただし阪神6安打1失策に対しソフトバンク8安打無失策、ここぞの1本が出なかっただけで、無四球リレーのソフトバンク投手陣の方が上と見ました。
■ 第2戦は山川の一発で波に乗ったソフトバンク10-1阪神で1勝1敗
第2戦はさすがに中5日のモイネロだろうと思いましたが投げさせず、上沢が先発でした。ナント!6回5安打1四球自責点1、続く3イニングを3人の投手がそれぞれ無失点、上沢が気持ちよく投げられたのは1回裏3点、2回裏6点で早々と試合を決めた攻撃陣のお蔭です。1番柳田が5打数3安打、2番周東が5打数5安打1打点、3番柳町が2打数1安打3四球、4番DH近藤が5打数1安打1打点、5番栗原が4打数1安打1打点、6番に第1戦代打で1四球だった山川を置いたら値千金の一発で第1戦緊迫の投手戦のムードをガラリと変えました。なにしろホームランというのは守っている野手にはどうしようもなく空を見上げるしかありません。本塁打は短期決戦の行方を決定付ける物なのです。7番川瀬は3打数無安打だったので代打今宮を出したらヒット、8番海野は4打数無安打、9番牧原は3打数無安打1四球、何しろ先発した打者中得点しなかったのは海野捕手だけでした。一方阪神はCS同様村上、才木の順で行くはずと思ったら、8月9日のヤクルト戦以来、1軍登板のないデュプランティエを先発させたのです。奪三振マシンの剛腕は、下肢のコンディション不良で長期離脱していた間に別人となって、2回持たずに大量7失点でゲームをぶっ壊したのです。結局ソフトバンクは阪神7投手に14安打を浴びせて10得点、阪神は7安打で1得点、ヒットが出てもなかなか得点につながらないのは打線になっていないからです。
■ 第3戦は甲子園球場でモイネロと才木の投げ合い、ソフトバンク2−1勝利
モイネロは甲子園での第3戦に登板しました。阪神は先発才木、期待に応えてバッタバッタと三振を奪いましたが5回3分の1、5安打3四球自責点2、第1戦のソフトバンク有原同様好投なのですが味方の援護少なく、一方のモイネロは6回4安打2四球自責点1、第1戦で7回6安打2四球自責点1の阪神村上と同じ様な投球で、肝心なところで打者を打ち取ります。リリーフ陣は共に無失点で、第1戦とは反対にソフトバンクが2−1で勝利。やはり4番に入った山川の一発が効きました。その後の打席はすべて勝負してもらえませんでした。
■ 第4戦はソフトバンク3-2阪神、小久保監督采配が光りました
第4戦阪神は高橋遙人先発、4回3分の1、6安打1死球自責点2、不調の5番大山がやっと1安打、これがタイムリーとなりましたが、1〜5番で6安打、4番佐藤輝明は左の切り札ヘルナンデスから貴重なタイムリーで1打点、左打者では到底打てないだろうと言われてるヘルナンデスを打ったのはさすがでした。しかし6番以降は無安打で好調1番の近本に繋がりません。ソフトバンクは大津亮介を先発させました。4回3安打1四球自責点0のナイスピッチング、その上投手が打席に立たなければならない阪神甲子園球場でなんと安打と四球で2打席とも出塁して1得点、5回に得点圏に走者が進むと、無失点の大津に代えて、小久保監督は迷うことなく代打近藤を起用しタイムリー、見事な采配でした。この試合もやっぱり4番に入った山川の一発が効きました。8回に松本裕樹が2失点は誤算でしたが、そのまま投げさせて9回は杉山で締めました。救援陣を信頼している小久保監督らしいと思いました。打線は下位までつながり9安打、6安打2点の阪神を上回りました。
■ 第5戦はまさかの石井被弾で8回追い着いたソフトバンクが延長11回3-2勝利
第5戦、阪神は後がありません。大竹耕太郎を先発させました。6回3安打無四球自責点0の素晴らしいピッチングでした。ここまで投げてくれれば残る3回は、2-0のまま勝ちパターンの継投に入ります。一方のソフトバンクは本来であれば今季13勝5敗、防御率1.66の大関のはずでしたが、CSファイナルの日ハム戦で3回持たずに4失点するなど、シーズン後半に調子を落としていたため、シーズンの実績にとらわれず、中4日で有原を登板させました。しかし有原は4回3分の2、6安打3四球自責点2で降板、ヘルナンデスを投入せざるを得ませんでした。しかし6回以降ソフトバンクは盤石のリリーフ陣が6イニングを僅か1安打に抑えます。投手ながら打撃の良い大竹耕太郎が安打を放ち無死1、2塁の好機があり、二塁走者の大竹に思い切って代走を送り、中野のバントを楽にさせる采配をするかと思いましたが、藤川監督は動きませんでした。一方小久保監督は7回二死1、2塁で、結果的に見逃しの三振に終わりましたが、首位打者の牧原に代打近藤を送る攻めの采配、このシリーズ通じてここぞという時の勝負の打ち手が光りました。阪神は7回を及川(オヨカワ)で抑え、8回に石井大智を投入しました。秋田県秋田市生まれ、秋田高専出身で、NPB史上唯一の高等専門学校卒業選手です。ペナントレースで50試合連続無失点の日本記録を更新し、クライマックスシリーズのファイナルステージ、日本シリーズでも6試合連続無失点を継続して世界記録保持者の石井が、柳田にまさかの同点2ランを浴びたのです。シーズン防御率0.17、1年半ホームランを打たれたことの無いその初球150kmのストレートは、ストライクゾーンの外角低めいっぱい、投手からすれば最高の球です。バットで擦り上げるように捉えた打球はレフトへの大きなファウルと思いましたが、しぶとく切れずポール際ギリギリの一角へ着弾するまさかの同点弾に、甲子園は沈黙しました。ソフトバンクの選手たちに言わせれば、これは柳田しかできないバッティングだと言います。呆然とし、そして口惜しそうな石井の表情が印象的でした。延長に突入すると、藤川監督は第1戦で先発した村上を中4日でスペシャル投入しましたが、延長11回に野村勇に逆方向のライトへ勝ち越しのソロアーチを浴び、4番の佐藤から始まる11回裏は松本裕樹に抑えられて、本拠地の甲子園で、小久保監督の胴上げを見ることになりました。
■ ソフトバンクは5年振り優勝、山川がMVP
第1戦では控えだった代役4番の山川が、3試合連続本塁打で7打点、打率.385をマークしてシリーズMVPに輝きました。一方シリーズを通じて2点以上得点のできなかった阪神は5番大山が不調、しかし替わる選手が居ません。6番以降は全く打てません。1点差ゲームが4試合、選手層の差が短期決戦で浮き彫りになりました。ソフトバンクは故障しても代る選手がたくさんいます。DH制なので打力が上回り、投手も連れて強力になる、ソフトバンク・ホークスは5年振り12度目の優勝です。

■ MLBはドジャース優勝
いやはや凄い展開でした。ロサンゼルス・ドジャースは昨年ニューヨーク・ヤンキースを破りWS優勝、ヤンキースと同じ地区のトロント・ブルージェイズは昨年菊池雄星が所属し、地区最下位でしたが、今年は投打がかみ合ってそのヤンキースやマリナーズを破ってWSに進出しました。
第1戦 ブルージェイズ 11−4 ドジャース
第2戦 ブルージェイズ 5−6 ドジャース
第3戦 ドジャース 6−5 ブル−ジェイズ
第4戦 ドジャース2−6 ブルージェイズ
第5戦 ドジャース 1−6 ブルージェイズ
第6戦 ブルージェイズ 1−3 ドジャース
第7戦 ブルージェイズ 4−5 ドジャース
第3戦は延長18回にわたる大熱戦、6時間半テレビで野球を見続けたのは初めてです。大谷翔平選手が2本のホームランを放ちましたが、延長戦に入ると両チームの投手が力投し、なかなか得点が生まれず、両チームブルペンが空になる事態、ブルージェイズは野手全員出場で控え無し、延長18回になってドジャースは次の回に向けて山本由伸がブルペンでピッチングを始め、佐々木朗希が「マジか」と驚いていました。これを見たフレディ・フリーマンがサヨナラソロを放ち、6時間を超える死闘をものにしました。最終7戦目も延長突入、残念ながらこの日は池袋で献血ボランティア、その後志木市で少年野球の試合があったので見れませんでしたが、スマホで随時戦況チェックしていました。ロサンゼルス・ドジャースとトロント・ブルージェイズの死闘、日本人3選手の活躍がドジャース連覇に繋がりました。
ドジャースが21世紀初&球団史上初のワールドシリーズ連覇を達成した最終戦は、延長11回までもつれる熱戦になりました。ワールドシリーズ最終戦が少なくとも11イニング以上の試合となったのは、1924年(12イニング)と1997年に続いて史上3度目とのことです。両チームの合計投球回は146イニングに及び、これは1912年のワールドシリーズ(147回2/3)に次ぐ2番目の数字ですが、1912年は引き分けが1試合あったため、ワールドシリーズは8試合行われたのです。
この最終戦では様々な記録が生まれました。MLBは長い歴史を持ちますが、きろくをしっかり管理していることには驚かされます。
【1】第6戦で6イニングを投げた翌日、山本由伸は第7戦2回2/3を投げて勝ち投手、ポストシーズンで6イニングを投げた翌日に連投した最多イニングの投手だそうです
【2】山本は2001年のランディ・ジョンソン以来となるワールドシリーズ3勝ですが、敵地3勝はワールドシリーズ史上初の快挙だそうです
【3】ワールドシリーズ第6戦と第7戦で勝利投手になったのは、1925年のレイ・クレーマー、1946年のハリー・ブレキーン、2001年のランディ・ジョンソンに続く4人目ですが、ともに敵地だったのは山本由伸が史上初
【4】ワールドシリーズ最終戦の9回以降に同点・勝ち越し・逆転の本塁打を放ったのは、ミゲル・ロハスが史上2人目(起死回生の同点本塁打)。1960年にビル・マゼロスキーがサヨナラ本塁打を放って以来の快挙
【5】延長11回にウィル・スミスが勝ち越し本塁打を放ちましたが、ワールドシリーズ最終戦の延長イニングでの本塁打は史上初めて
【6】ウィル・スミスがワールドシリーズで捕手として全試合フル出場、7試合合計で73イニングはワールドシリーズ史上最多
【7】ウィル・スミスは2020年、2024年に続いて自身3度目のワールドシリーズ制覇。2021〜23年はリリーフ左腕のウィル・スミスがワールドシリーズで優勝したチームに属していて、「ウィル・スミス」という名前の選手がワールドシリーズ制覇6年連続という、非常に風変わりな記録が継続されています
【8】2024年と同様に、ドジャースは逆転勝利でワールドシリーズ優勝を決めましたが、ワールドシリーズ優勝決定試合で3点差以上の逆転勝利を収めたのは今年のドジャースが10チーム目で、最大の逆転劇は2024年ドジャースの5点差逆転(第5戦)です。3点差逆転は3位タイの記録です。ドジャースは2年連続で3点差以上を逆転してワールドシリーズ優勝した初のチームです
【9】4勝先取制のシリーズの最終戦での3点差逆転は史上3位タイとのこと。1925年ワールドシリーズでパイレーツ、2003年ALCSでヤンキースが4点差逆転を成し遂げています
【10】ドジャースは9回が始まった時点で1点のビハインド、「勝てば世界一、負ければ敗退」のワールドシリーズ最終戦において、ビハインドで9回を迎えたチームは通算3勝33敗で、今年のドジャースのほかに、1997年マーリンズと2001年ダイヤモンドバックスしか勝利していませんが、敵地で勝利したのは今年のドジャースだけ
【11】敵地で行われたワールドシリーズ第6戦と第7戦に勝利したのは、今年のドジャースが史上9チーム目とのこと

■ ツキノワグマ捕獲に自衛隊出動
盛岡市では市役所裏、原敬記念館、岩手銀行本店、岩手大学といった、市民や観光客がよく行く場所にもクマが現れました。もはや「人里」というより「人混み」にクマが出ます。筆者が何度も泊まった紫波町のラフランス温泉館には「クマ注意」の看板が立てられていますが、今年も現れました。全国では今年度に入って過去最多の12名がクマに襲われて亡くなっていて、13人目と見られる79歳女性が傷だらけで発見されました。中でも岩手県内の被害者は最多の5名(北上市3名、雫石町1名、一関市1名)に上ります。
秋田県の鈴木健太知事は小泉防衛大臣に自衛隊の派遣を要請し、政府もクマ被害対策に関する「関係閣僚会議」を開催、「ガバメントハンター」と呼ばれるクマを捕獲するための自治体職員を確保したり、警察官がライフル銃でクマを駆除できるようにしたりすることを、11月半ばまでに政府内で検討して結論を出すことになりました。自衛隊の派遣については、現在の法令の下で隊員ができることは捕獲したクマの輸送などに限られ、銃器を使ってクマを駆除することはできません。仮に法改正したとしても、自衛隊にはクマを駆除するノウハウや装備はなく、一から訓練する必要があります。もっとも即効性があるのは、機動隊員などライフル射撃の能力が高い警察官にクマの駆除を担当してもらうことです。全国では今年既に6千頭以上のクマを捕獲していて、これは史上最多です。秋田県では1千頭を超え、恐らく自衛隊出動で2千頭ぐらい駆除するのでは?と言われています。
岩手県の達増知事は10月31日の定例記者会見で、本年度の当初のツキノワグマ捕獲上限数は796頭ですが、200頭を追加で捕獲すると説明しました。自衛隊派遣に関しては「市町村からは要請がない」とのことです。
■ 岩手大学構内にも熊が・・・
10月28日午前11時50分ごろ、盛岡市上田の岩手大学構内の国際交流会館近くで、同大学生が体長約1メートルのクマ1頭を目撃しました。同大は同日午後から全学部で臨時休講とし、29日も終日全学部で休講にすることを決めました。大学の担当者は「クマが構内に出たというのは聞いたことがなく、学生と近隣住民の安全を第一に、今後の対応を協議したい」との報道でした。実は筆者は10月29日に岩手大学で会議が予定されていて、盛岡日帰り予定でしたが、28日に大学職員の女性から電話があり、熊が出たので会議は急遽リモートに切り替えますとのことでした。

国際交流会館は、岩手大学「自然観察園」に隣接し、鬱蒼とした森に囲まれて、緑豊かというか、マイナスイオンむんむんの地に在って、海外からの留学生の宿泊施設です。岩手大学農学部の実習地を挟んで南側には学生寮も並んでいます。実習地には圃場のほか果樹の林もありますから、熊には絶好の場所ですが、これまで熊を見た人はいませんでした。岩手大学キャンパスは緑が豊かではありますが、周囲はぐるりと商店街や住宅地に囲まれて、人がたくさん居る地域なので、まさか熊が入り込むとは?と皆さん驚いたそうですが、北上川周辺ではしばしば熊の目撃情報が出るようになっていました。岩手大学「自然観察園」は非常勤講師などが宿泊する施設「桐丘荘」のところに入口があります。北上川に架かる館坂橋の東、「館向十字路」のところにファミリーマート、その東側に業務スーパー、そして岩手大学理工学部があります。そのファミリーマートと業務スーパーの中間のところから道路を挟んで南側に「自然観察園」入口があり、誰でも入れますから、熊もここから入ったのかもしれません。「桐丘荘」の南側に国際交流会館があり、その東側、坂道をのぼったところに教育学部「芸術棟」があります。昼なお暗い鬱蒼とした緑に覆われて、様々な山野草があり、宮澤賢治の碑や、各種の彫刻が点在し、なんと「狭窄射撃場跡」なるものまであるのです。太平洋戦争当時、大日本帝国陸軍が学生たちに軍事教練として、狭窄弾による射撃訓練を行ったのだそうです。考えようによっては野生動物は普通にいると思われますが、さすがに熊は居ませんでした。筆者はこの「自然観察園」が大好きで、「桐丘荘」の入口から入って散策し、国際交流会館のところから教育学部「芸術棟」の脇を通り岩手大学中央食堂、図書館、大学本部事務所棟へ歩いて行くことが良くありました。





なお岩手大学では10月29日を休講にして、門を閉ざし、学内をくまなく捜索した結果、クマは学外へ出て行ったものと判断して、10月30日から休講解除、平時に戻しました。
■ 熊が怖い
福島県学法石川高校は秋田県での駅伝出場を男女ともに辞退すると発表しました。少しでも危険を避けようという判断です。また秋のキノコ採りは止めようという風潮が定着したため、野生のキノコが高くなっています。マイタケ、シメジ、エリンギ、ナメコ、椎茸、エノキなど施設栽培のものはともかく、マツタケ、アミタケ、ハツタケ、ヒラタケなどはこの時期の楽しみなのに残念です。紅葉狩りもやめようという人が増えて、秋のハイキングも熊の生息地は避ける人が増えているそうです。本州で唯一熊の居ない千葉県はこれを機に観光客が増えているそうです。
英国外務省は、公式サイトの「日本に関する安全情報」ページで、「クマの目撃や被害は山岳地帯や森林地帯に加え、人口密集地の近くでも増加しています」と警告しています。そのうえで、旅行者に対しては次のような行動を求めています。
・地域を調査して、地元の野生生物について学ぶこと
・クマが目撃されている地域では一人で出歩かないこと
・食べ残しやごみをすべて持ち帰ること
・地元当局の注意や警告に従うこと
■ コメ政策が昔帰り、これでいいのか
鈴木憲和農水大臣が就任して、石破−小泉ラインのコメ増産、価格低下路線を否定したことで議論沸騰しています。今年はコメが豊作で、やがてコメ余りで価格が暴落するかもしれないので、2026年は減産するそうです。国家が米の生産量を管理し、転換作物に補助金を出すという前時代的農政がやっと廃止されて、ヤル気ある農業者の時代が来たと喜んでいたら、農水官僚出身大臣になって元に戻すと言うのです。5kg小売価格は4千円以上が定着し、我が家近くのスーパーでは新米はほとんど4千円台後半、ブランド米は5千円を越えています。お米5kg1袋の値段を全国のスーパーで価格調査した結果、2025年9月の平均価格は4,652円でした。
ちなみに業務スーパーでカリフォルニア米;カルローズは5kg3,499円でした。1,705円の関税が掛かっていますから、これを引くと1,794円です。米国からの輸送費がかかっているのに、これでも利益があるわけです。全国のスーパーの米販売価格の推移をご覧ください。これを見て「農水省は市場価格に関与しない、するべきでない」という発言をどうしてできるのでしょうか?高くて買えない人にはお米券を配るそうですよ。高市首相はこれで良いと言うのでしょうか?高市首相の農業政策は植物工場の推進だそうですが、長く植物工場に取り組んできた筆者に言わせれば、ペイするのはレタスやイチゴ、トマトぐらいです。


心配なのはスーパーのコメ売り場の状況です。昨夏、棚が空っぽになった異常事態と正反対に、棚にはコメが溢れていますが、どうも動きが少ないのです。売れている時期には棚のコメが減ったり増えたり、商品の変動があるのですが、いつも溢れているのです。そこで農水省の発表データを見ますと、2025年10月20日〜26日の米販売平均価格は、5kg3,808円ですが、これはブランド米、ブレンド米、随意契約備蓄米の平均価格です。2025年10月28日のブランド米販売価格は、5kg4,725円でした。農水省の発表データでは関東・首都圏は5kg4,058円です。2千円ぐらいの備蓄米をほとんど見なくなりましたから、平均価格と言われても4,058円なんてコメは何処にあるの?という感じです。カルローズは業務スーパーやイオンにしか置いていないし...コメどころの東北が関東・首都圏より高い、北陸や東海は更に高い、どうしてでしょう?スーパーでのコメ販売数量は農水省発表データでは下がっています。さすがに高くて購入量を減らし、小麦製品などで代替する家庭が増えているのでしょうか。
農水省は10月31日、コメの民間在庫が9月末時点で前年同月比47万トン(32%)増の196万トンだったと発表しました。9月末としては2年ぶりの高い水準で、増加幅は2010年(48万トン増の212万トン)以来、15年ぶりの大きさだそうです。
国内コメ卸最大手・神明ホールディングスの藤尾益雄社長は、コメの適正価格は「(店頭価格で)5kg3,500円」と話します。その上で「どこかで暴落するのではないか」と言います。「スーパーの店頭において、急ブレーキがかかっている。(例年と比べて)全く動かないと言ってもいい。取引先のスーパーの9月の販売状況では、一番売れているのが(米国産の)カルローズ米。次が備蓄米、その次がブレンド米で、この三つでかなりのシェアだ」そうです。
財務省が10月30日公表した貿易統計によりますと、2025年度上半期のコメ輸入量は8万6,523トンで、前年同期(415トン)の208倍となったそうです。最大は米国産の7万714トンで、前年(59トン)の1000倍超に達しました。統計によると、コメの民間輸入は年間でも23年度が730トン、24年度が3011トンでしたが、今年度に入り一気に拡大、2025年度上半期の国・地域別輸入量は、米国が全体の8割を占め、台湾(6068トン)、ベトナム(3495トン)が続きます。前年同期には実績が見られなかった韓国やミャンマーなどからの輸入も出て来ています。鈴木憲和農水大臣が今の姿勢を続けていれば、消費者のコメ離れ、国産米離れが進み、最終的に米作農家にしわ寄せが行くでしょう。
■ 円安進行
10月の米ドル/円は、「高市新政権誕生」をきっかけに154円台まで上昇、円安・株高の流れが加速しました。しかし、マネックス証券チーフFXコンサルタント・吉田恒氏は、その背景を「高市トレード」として説明するには違和感があると言います。高市氏は第2次安倍政権の経済政策「アベノミクス」を継承する姿勢を示し、一部にはこれを「サナエノミクス」とはやす筋もあります。アベノミクスの柱は、日銀による大胆な金融緩和とそれにともなう円安容認によるデフレ脱却です。そのため、「高市トレード」とはアベノミクス継承による円売りを意味するとされています。ただしアベノミクスの総括としてほとんどの経済専門家は、第三の矢が機能しなかった結果、円安となって物価が上がり、日本国民の実質賃金が下がって、これは失敗だったと結論しています。したがって「高市トレード」を歓迎するのは輸出企業や投資家だけで、実際ほとんどの新聞社説は「円安を抑えて物価高を回避せよ」と唱えて、日銀に利上げを求めている、これはかつて無かったことです。しかし実際には、高市新総裁誕生以降、日米の金利差はむしろ縮小しており、米ドル高・円安の動きはかつての「トランプ・トレード」すなわちトランプ氏の経済政策(関税強化や大型減税)を背景に米金利上昇→日米の金利差拡大→米ドル高進行という構図で、実際当時の米ドル高・円安は日米の金利差の拡大に沿ったものでしたが、今回は金利差が縮小しているのに米ドル高・円安になる、これは理論上説明できない、投機筋の動きとしか考えられないというのです。
FRBのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は10月のFOMC会合後、12月の追加利下げは既定路線ではないと述べ、米国経済への懸念が深まっていると述べました。FRBの中には追加利下げに積極的な二人と、慎重な人が居て、今のところまだ後者が優勢です。日銀では利上げしてインフレを抑えるべきだという委員が2名、まだ利上げ慎重派が多数です。こうした日米金融当局の姿勢から円安が進行しているわけです。先日米国のベッセント財務長官が来日した時、「日銀は正しい金融政策によってインフレ抑制を図るべきだ」と述べ、日銀に利上げによって円安進行を抑えるべきだと提言しましたが、植田総裁は完全に無視した形です。
アベノミクスを主導した黒田前日銀総裁は、現在の円安は異常であり、いずれ120円〜130円/USドルに戻るだろうと言っています。しかしヘッジファンドなどは、まだまだ円安に引っ張ろうとしているみたいですね。
(2025年11月5日)
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| 見る | 651 | 洋上風力 三菱商事撤退、ロシアのウクライナ侵略が原因、新型アクア発売 | 2025年9月2日 |
| 見る | 650 | Close down 安楽亭閉店、鶯宿温泉「寿広園」「赤い風車」閉館、沖縄尚学優勝 | 2025年8月25日 |
| 見る | 649 | 熊谷 少年野球チームの夏合宿、暑い、バレーボールの応援、熊谷空襲、千玄室 | 2025年8月18日 |
| 見る | 648 | 国宝 エコパ休館、レジオネラ属菌、歌舞伎、李早日監督、吉沢亮、釜本邦茂 | 2025年8月11日 |
| 見る | 647 | 遠地地震津波 カムチャツカ半島沖地震津波、万座温泉から四万温泉へ | 2025年8月4日 |
| 見る | 646 | 叙勲祝い 岩渕明先生叙勲祝い、記念講演と祝賀会、盛岡日帰り、縄文人 | 2025年7月28日 |
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| 見る | 644 | 恩人捜索 NHK「あさイチ」、上福岡駅周辺捜索、口唇ヘルペス、原因トランプ? | 2025年7月13日 |
| 見る | 643 | いわき湯本温泉 |
2025年7月7日 |
| 見る | 642 | 岳温泉 |
2025年6月30日 |
| 見る | 641 | 代替湯 エコパ故障休館、さいたま市桜環境センター、イラン、増位山、藤村志保 | 2025年6月22日 |
| 見る | 640 | 多死社会 元同僚たちの死や病気、頑張れば報われる社会を、橋幸夫さん復帰 | 2025年6月15日 |
| 見る | 639 | ミスターロス 長嶋茂雄さん逝去、えきねっと予約、トランプとマスク、備蓄米 | 2025年6月8日 |
| 見る | 638 | 一指禅閉店 肉高麺低、らーめん五葉、ラーメン業界の栄枯盛衰、のぶが嫌い | 2025年6月1日 |
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| 見る | 636 | いじめ対策 日本のいじめ対策は間違っている、あんぱん、米価、農水相更迭 | 2025年5月21日 |
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| 見る | 634 | ストーカー 川崎区女性遺体、桶川、博多駅前、ストーカー?、リトルチャイナ | 2025年5月5日 |
| 見る | 633 | 同窓会 存在意義、迷いとモチベーション、トランプショック、コメ政策、 訃報続々 | 2025年4月27日 |
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| 見る | 621 | 熱海 |
2025年2月2日 |
| 見る | 620 | 長野駅通り魔事件 善行寺口バス停、ナカジマ会館天ぷらそば、豊昇龍横綱 | 2025年1月27日 |
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