581  日本の未来

 いよいよ大型連休突入ということで、海外へ飛び立つ人、国内でレジャーしようかという人、色々いらっしゃるでしょうが、まさにそのとき1ドル158円突破という為替のニュース、実に34年振りということですが、このニュースに暗澹たる気持ちになってる人が多いのではないでしょうか。もちろん外貨で資産運用している人はウハウハでしょう。筆者は「まさか」という、見通しの甘さに、反省しきりです。


我が家のアマリリス

■ 「円安」ではなく、「円弱」と言うべき
 TBSの番組を見ていたら、今や「円安」ではなく、「円弱」と言うべきだと提言していました。アベノミクス前までは「円安」や「円高」という表現でも良かったが、アベノミクスが円弱を作ってしまったというのが出演した経済評論家たちの統一意見でした。テレビ朝日でGWに向けてハワイ旅行に行く日本人が、円を米国ドルに換えて、その少なさに驚き、2011年の映像を示して「安い、安い」とブランド品を買い込む日本人旅行客の姿と対比し、この10年ちょっとの間に何が変わったのだろう?とやってました。2012年以降何が変わったか?明らかですね、アベノミクスです。アベノミクスは円安誘導政策でした。ところがここに黒田前日銀総裁を一役かませたのが大間違いでした。下のグラフで明らかな通りアベノミクスで円安誘導し、その後2022年から急激に円安が進みました。ハワイで外食したらとんでもないことになるのでスーパーで食材を買って見たら?というテレビ朝日ディレクターの現地レポートによれば、大根1本1400円、キャベツ1個1200円・・・コンドミニアムで自炊してもスゴイ出費です。知人が今アメリカに居て、日清カップヌードルカレー味が1個450円だと言ってました。スゴイなんてものではありません。

1980年以降のUS$/円の推移;マネックス証券のホームページより
 では、なぜ「円弱」と言うべきかについて経済評論家たちがおっしゃっていたことについては、後で紹介します。

■ 世界に取り残されたニッポン
 上図で明らかなように、1985年9月の「プラザ合意」は、ドル安に悲鳴をあげた米国が米ドル切り下げを当時のG5(先進5ヶ国)に持ちかけ、合意形成して米ドル売りの協調介入に出動したものです。これをきっかけに、それまで1米ドル=250円程度だった米ドル/円は1年余りで150円、さらに120円までの大暴落となりました。もちろん日本経済界は真っ青になり、倒産企業も続出しましたが、それでも日本企業は原材料を輸入して付加価値付けて製品を輸出するという生産活動を頑張って続けました。ここが今のニッポンと大きく違うところです。その後米ドル/円は円高傾向を強め、2011年には1米ドル=75円まで下落しましたが、日本の単独介入で円高阻止を達成しました。そして、まだ記憶に新しい2022年、110円前後で上下していた日本円が、約32年ぶりに150円を超える円安が起き、ここでも日本単独の介入で一段落しました。150円超えで2年連続日本単独の介入がありました。今回の場合も含めて、事実上の円独歩安なので、米ドル高阻止の協調介入はありえません。2022年以降、歴史的なインフレ対策として先進国は軒並み大幅な利上げに動きました。コロナ禍明けで、市場に溢れた対策マネーによって起きたインフレ対策です。ところがアベノミクスで既に金融ユルユルだった日本はデフレが続き、利上げどころかマイナス金利です。日本がほぼ唯一利上げができなかった・・・何故ならアベノミクスで膨大な借金を作った日本は金利が上げられなかったからです。金利を上げたら世界でも突出して借金の多いニッポン財政はどうなるか?日銀破綻も?そうなるとまたバンバンYENを刷って、日本はハイパーインフレに突入するかも?黒田前総裁と違って学者の植田日銀総裁は慎重にマイナス金利を解除しましたがそこまでです。それ以上上げたらバブル崩壊が起きるかもしれないからです。何のバブル?借金バブルです。財務省が行う為替介入は、素直に円買い介入となりますが、実はやりたくありません。ドルを売れば手持ちの外貨が減ります。米国と契約している莫大な兵器購入の資金を減らしたくありません。そういう点を見透かした外資が、投機を仕掛けて円安がますます進んでいるのです。

各国の政策金利推移;マネックス証券のホームページより

■ なぜ「円弱」か?
 なぜ「円弱」と言うべきかについて話を戻しましょう。いまニューヨークでのビッグマック価格は6.85ドルだそうです。米国でも地域によって値段は変わります。超インフレのニューヨークはラーメン一杯3000円ですから、158円/US$を突破したレートでみれば1082円は高くありません。日本ではつい先頃値上げされて480円になりました。つまり480円÷6.85US$=70円/US$ですから、購買力平価の考え方からすれば、日本円の価値は70円/158円=0.443、すなわち米国ドルの半分以下だということです。8割だ、9割だというのなら円安でも良いですが、半分以下です。しかも世界的に見れば新興国の通貨よりも価値が低い、日本円に比肩できるのはトルコリラぐらいだと言われています。金利は悪だという、あのエルドアン大統領の滅茶苦茶な経済政策の国の通貨と比較されるなんて...10年前、トルコリラの対円レートは1トルコリラ=90円台でしたが、今4.87円です。ものすごい円高です。そんなトルコリラと...となるともはや日本円は「安い」のではなく「弱い」と言わなければなりません。

ビッグマック

■ もしトラ
 自民党の麻生太郎副総裁が4月23日午後(日本時間24日午前)、米ニューヨークのトランプタワーでトランプ前米大統領と1時間ほど会談したそうです。両者は揺るがない日米同盟の重要性を改めて確認し、海洋進出を強める中国や核・ミサイル開発を続ける北朝鮮、経済安全保障などについて話し合い、麻生氏が岸田政権の防衛費増額について伝えると、トランプ氏はそれを称賛し、日本のことが大好きだと満面の笑みだったとのこと。11月の大統領選でトランプ氏が返り咲けば安全保障上の負担や貿易赤字の削減などを求められる可能性があるので、シンゾー亡き後コネクションしておく必要が有ったということでしょう。「トランプ詣で」はハンガリーのオルバン首相や英国のキャメロン外相(元首相)、ポーランドのドゥダ大統領など、各国とも保険を掛けておく必要があって相次いで行われています。ちなみにトランプ氏は外国為替市場の円相場が約34年ぶりの円安・ドル高水準を更新したことを受け、「米国の製造業にとって大惨事だ」として、大統領選に勝利したらドル安誘導策を導入するとしています。

■ 日本の人口
 国土交通省が日本国土の長期展望を「今後の社会・経済情勢の変化」というリポートとして発表しています。これから日本はつるべ落としのように人口が減り、四半世紀後にはなんと今より3,300万人も減るそうです。東京圏と名古屋圏だけに人口が集中し、地方は衰退するそうです。そこまでわかっていたら、するべきことは分かりますね、何故やらないのでしょう?


■ 増田リポート
 10年前、「全国の896の自治体が消滅の可能性がある」という分析が発表され、大きな衝撃が走りました。いわゆる増田リポートです。「ストップ少子化・地方元気戦略」というこの提言は、岩手県知事を3期、総務大臣を2期務めた増田寛也氏が座長としてまとめたものです。その狙いは「不都合な真実」を正確かつ冷静に把握すれば、対策は迷うことなく今すぐ若者や女性が活躍する社会を作らなければならないというものでした。高齢者政策を見直して、将来世代へのツケ回しを止めて、東京一極集中を止めよう、女性や高齢者、海外人材が活躍できるシステムへ社会の仕組みを変えよう、というものでした。東京五輪はこれに反するものだ、と当時よくもまあ言ったものですが、今になってみれば納得です。増田リポートの衝撃は東京都区部で唯一消滅可能性都市と指摘された豊島区にビビビッと走りました。ここが地盤なのは小池百合子さんです。しかしその後池袋の西武百貨店の状況を見たら、なるほどと納得しますね。今すぐ社会を変えなければならないという提言に対し安倍政権が採った政策は「地方創生」でした。いくら地方にカネをばらまいたところで、若者が東京に集まる現象は変わりませんでした。

増田寛也氏 我が親戚です

■ 消滅可能性市町村
 増田リポートから10年後、県知事や大学教授、企業のトップなどで構成する民間組織「人口戦略会議」が2024年4月24日に新たな分析の結果を発表しました。2050年までの30年間で、若年女性人口が半数以下になる自治体は全体の4割にあたる744あり、これらの自治体は、その後、人口が急減し、最終的に消滅する可能性があるとしています。10年前に行われた同様の分析に比べると「消滅可能性自治体」は152少なくなっています。これは、最新の人口推計で、将来の外国人の入国者が増加すると見込まれるためですが、「実態として、少子化の基調は全く変わっておらず、楽観視できる状況にはない」としています。「自立持続可能性自治体」は、関東では茨城県つくばみらい市、群馬県吉岡町、埼玉県滑川町、千葉県流山市、印西市、東京都八丈町、神奈川県葉山町、開成町、わずかこれだけです。出生率が低くほかの地域からの人口流入に依存している25の自治体をあらゆるものを吸い込むブラックホールになぞらえて「ブラックホール型自治体」と名付けました。関東では埼玉県蕨市、毛呂山町、千葉県浦安市、酒々井町、東京都新宿区、文京区、台東区、墨田区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、青ヶ島村です。


■ 岩手県の場合
 岩手県内では「26の市町村が消滅の可能性がある」とされました。33の市町村のうち盛岡市や花巻市など7つの市と町を除く26の市町村が消滅の可能性があるとされました。このうち、20歳から39歳までの女性の減少率が7割を超えるのが普代村、洋野町、西和賀町、田野畑村の4つの町と村です。矢巾町は県内では唯一今回の分析で消滅の可能性がある自治体から脱却しました。全国で見ると744の自治体が消滅の可能性があり、地域別にみると東北地方が割合と数ともに最も高くなりました。元岩手県知事で、人口戦略会議の増田寛也副座長は「少子化の基調は全く変わっていないし楽観視できる状況ではない」と述べています。こうしたリポートに対し、後ろ向きな反応が多く見られます。元岩手県知事なのに何言ってんだ!とか、反発する声が聞かれますが、良くリポートを読め!と言いたいですね。岩手の自治体が、一生懸命努力したって事態は変わらないのです。地方創生ではなく、東京からの機能移転、流入禁止の促進が必要です。ブラックホール”東京”へ若者が吸い込まれる現象を変えなければ止まらない、そのために東京以外の地方がいくら努力してもダメ、10年前にも提言していたのに政治は反応しませんでした。極端なことを言えば、東京での税金を多額にする、東京の高層ビル建築禁止ぐらいのことをやらなければなりません。エネルギーを食う高層ビルのために、地方が発電を行うような事態はSDGsに反します。もし高層ビルを建てたければ、東京に原発を建設したらどうでしょう。地方の努力に期待しても無理なのです。国会議員は皆東京人ですから。

テレビいわてより

■ 日本再生に向けて
 貨幣の価値はその国の将来性の指標です。円が弱いということは、日本の将来性が低いということです。長年の日本の政治が国力を弱くしました。だからといって野党もあまり変わりません。立憲民主党のルーツは、以前にも指摘したように保守本流です。「連合」なんて労働者の味方ですか?日本共産党や日本維新の会は左右に飛び出したような軸にあります。日本の政治家は地元に益をもたらす人が選ばれて来ましたから、日本の未来はかくあるべきだ!などという政治家は当選できません。その烏合の衆が日本の政治を動かしてきました。ここまで弱くした日本を再生するにはその何倍もの年月がかかるでしょう。しかしやるしかありません。高邁な精神を持った政治家を支える土壌を、日本国民に醸成してもらわなければならない、そのためには一にも二にも教育です。若者を輝かさせなければなりません。高齢者はドンドン道を譲るべきです。

■ サッカーU23
 パリ2024オリンピック男子サッカーアジア予選を兼ねて開催されるAFC U23アジアカップカタール2024・・・U23日本代表は4月22日、U23大韓民国(韓国)代表とグループステージ最終戦で対戦し、前半スコアレス、75分にコーナーキックからヘディングで痛恨の失点を喫し、そのまま1-0で敗れ、グループB2位で通過となりました。
 準々決勝の相手は地元カタール、嫌な予感がしました。4月25日にドーハで行われた準々決勝、ドーハと言えばあの「ドーハの悲劇」を思い出さずにはいられません。試合は2-2のまま延長戦へ、寝てしまいました。翌朝見たら、延長前半、後半各1点GETして勝ったとのこと。ところがその後でB組1位の韓国が、初出場のインドネシア(A組2位)に常に先制を許しては追い着く展開で延長戦突入、PK戦で10−11と敗れる大番狂わせ、やはりサッカーは何が起きるか分かりません。
 ベスト4は日本、インドネシア、ウズベキスタン、イラクとなり、準決勝は4月29日、日本はイラクとの対戦となります。勝てばパリオリンピック出場が決まります。

アカバナユウゲショウ…外来種ですが駆除しろとまでは言われません

■ メタのなりすまし広告による被害甚大
 米IT大手メタ(旧フェイスブック)がフェイスブックやインスタグラムなどを通じて今年配信した投資広告のうち、半数以上がなりすましだそうです。警察庁の集計によると、SNSを使った投資詐欺の2023年の認知件数は2271件で被害総額は約278億円に上るそうです。犯人と最初に接触した際に使われたSNSは、男性はフェイスブックが22・1%、女性はインスタグラムが31・5%で最多、こうした広告に名前が登場した著名人では、経済アナリストの森永卓郎氏が最多、堀江貴文氏、「2ちゃんねる」開設者の西村博之氏、前沢友作氏や池上彰氏など、多数の人が登場しています。国内の被害者4人がメタに対して損害賠償を求める訴えを起こしましたが、メタの対応が不誠実だとして、自民党では規制を求める声が上がっています。筆者など明らかにウソとわかるのに何故引っかかるんだろうと不思議ではありますが、名前や画像を使われた有名人にとっては頭にくるでしょうね。

ナガミヒナゲシ…ポピーに似て綺麗ですが有毒外来生物、直ぐ駆除しましょう

■ 中華料理「百番」閉店
 上福岡駅西口「ココネ」の先、霞ヶ丘1丁目5-11にある町中華「百番」が5月5日をもって閉店するそうです。ご高齢ご夫婦ですから仕方ないですが、美味しいし、リーズナブルプライスだったので残念です。4月27日新宿で飲んで帰宅する途中立ち寄りました。惜しむ客がたくさん来てました。
(2024年4月28日)


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