568  新幹線ストップ

 二十四節気「大寒」を過ぎ、例年恒例の東北温泉旅に出掛けました。1月26日(金)は永田町の都道府県会館15Fの岩手県東京事務所分室で岩手県人連合会の会報発送、役員会、そして懇親会が有るのでその前にひとっ走り寒い冬を体感して来るのです。やはり寒冷地は一番寒い時期に行くのが一番なのです。1月28日(日)は東入間学童野球連盟風の子駅伝大会が有ります。2月3日は「節分」、季節を分ける日で、暦の上では翌日4日(立春)から春です。

■ 磐梯熱海駅で驚いたこと
 2024年1月22日(月)から東北温泉旅に出掛けました。と言っても「おとこひとり旅」です。まずは恒例磐梯熱海温泉、大宮からやまびこ号で郡山下車、ここから磐越西線の快速「あいづ」に乗ってすぐ、磐梯熱海駅に着いて驚いたことが有ります。この線は単線ですが、磐梯熱海駅では上りと下りがすれ違うのでホームが二つあり、郡山から来ると下り電車は左側のホーム、駅舎は右側なので、跨線橋を上って右へ行き、突き当りを右へ、階段を下りて、歩いた先の左側が改札口でした。ところが今年は右側のホームに停車したので、降りてすぐ改札でした。なるほど、とピーンと来ました。温泉客のために便宜を図ってすぐ出られるようにしたのでしょう。上りも下りも磐梯熱海駅では駅舎側のホームに停車し、すれ違いは他の乗降客の少ない駅にするようダイヤ改正したのでしょう。これは粋な計らいだなと感心しました。


郡山駅の磐越西線快速「あいづ」


昨年までは郡山から磐梯熱海駅に着くと、このホームの先にある跨線橋を上って下りて右ホームへ
海外から見えたお客様は大きなトランクを携えての階段の上り下りは大変だったでしょう


改札のあるホームは昨年までは会津若松から郡山行きの電車が停まるホームでした


跨線橋を下りて改札口へ向かう手前にある「きらくや」の宣伝看板

■ 磐梯熱海温泉
 磐梯熱海温泉は磐梯熱海駅前にも宿がいくつもあり、東側には郡山市営の「ゆらっくす」というプール付きの大型温泉保養施設もありますが、源泉と中心的温泉街は西側へ、五百川を遡った先に有ります。アルカリ性の単純泉で、肌に優しい温泉です。高温泉で湧出量が多いので、ジョージョーと掛け流していて、大好きな温泉です。ほぼ毎年行ってます。実は郡山市が源泉管理している温泉のほかに、「萩姫の湯」という温泉があり、磐梯熱海駅の目の前にある「きらくや」という宿の日帰り温泉に、市営源泉のほかに「萩姫の湯」があって、これが人肌程度なのでサウナ上がりに最高なのです。新幹線でわざわざ行く価値が有ります。昨年も行きました。518『みちのくひとり旅』(2023年2月12日)ご覧ください。磐梯熱海温泉の後、盛岡つなぎ温泉に移動、これも昨年と全く同じ行動パターンです。

磐梯熱海駅を出てすぐ左側に遊歩道と公園が有ります



その公園の前にある「きらくや」


磐梯熱海駅から徒歩20分のところに温泉街が有ります
JR磐越西線、国道49号、五百川が並行しています
蓬(ヨモギ)山という山の遊歩道もまた楽し、ケヤキの森の樹間の道です


ケヤキの森から磐梯熱海温泉街を見下ろした光景


磐梯熱海温泉街(西から見たところ)

■ 温泉街のわびしさ
 磐梯熱海温泉もご多聞に漏れず昔に比べれば寂しくなってきました。閉館した宿のたたずまいを見るとわびしさを感じます。どでかいホテル華の湯が駅前から送迎バスを出して頑張っていますが、伊東園ホテルズ磐梯向滝のようにリニューアルして安価に集客しているところはお客さんがいっぱい来ているものの、昔ながらの宿には厳しい情勢のようです。コロナ禍で老人客が繰り出さなくなったためでしょう。東北の温泉には台湾人観光客が多く訪れています。中国本土からの人に比べればやかましくないのでそれと分かります。何故か女の人たちが多いですね。旦那は働いて、女同士でニッポン温泉旅なのでしょうか。湯布院・別府の韓国人旅行客の多さにビックリしましたが、これからの日本の温泉地は、インバウンド無くして成り立たない気がします。

ホテル華の湯


五百川は水量が多く、ゴーゴーと音を立てて流れています


源泉神社入り口(源泉近くの足湯から撮影)


国道49号ふれあい通りにある日本きもの美術館の新しい建物


郡山市が建てた看板


山の上から崖崩れ〜土石流の恐れあり、一応両側の谷筋に砂防ダムが有るけれど...
空の青さ、山の木々をご覧ください 一番の厳寒期に雪がありません これが東北の冬?

■ 新幹線指定席パー、在来線乗り継ぎで仙台へ
 翌朝磐梯熱海駅から郡山に向かうため、磐越西線快速「あいづ」に乗ろうとしました。ところが磐梯熱海駅に着いてまたまた驚きました。「東北新幹線で停電事故があり、現在ストップしています。運転再開の見込みは立っておらず、情報不明のため、ご利用の方は郡山駅でご確認ください」と放送が有ったのです。2024年1月23日(火)10時頃に何か事故が有ったみたいです。磐梯熱海11:17発11::36郡山駅着で移動、郡山駅に着いたら、お客さんが塊になって駅員と話していますが、駅員も情報不明のようで、上越新幹線も北陸新幹線も止まっているとのこと。すると大宮以南、上野との間で事故が有ったようです。情報では仙台−大宮間運転停止とのことなので、仙台まで行けば新幹線の折り返し運転に乗れるかも?ということで、四の五の言わず、とにかく仙台まで行こうとすぐさま決断、郡山11:41発12:27福島着の東北本線に飛び乗りました。新幹線を諦めたビジネス客もいっぱい乗っていて混んでいます。福島駅で情報確認するもやはり運転再開見込み不明、福島駅12:39発で13:12白石駅着、13:16発に乗り継いで14:04仙台駅に着きました。

1月22日郡山駅で翌日のやまびこ57号の指定席を取っていましたが
無駄になりました。やまびこ57号は10時36分東京駅発ですから、
東京駅折り返しで、おそらく大宮−東京間で立往生になったはず

■ 仙台から盛岡へも在来線乗り継ぎ
 さて仙台駅でも、折り返し運転してるかと思ったら、一番早いはやぶさで18時過ぎとのこと、え〜〜〜、それって運転してると言えないでしょう。駅の中は乗客がいっぱい、いろいろな場所で駅員と話しています。ただパニックになっている様子はありません。こうなったら長期戦だとばかりに弁当買って来て食べてる人も居ます。日本人は冷静だなぁと思いました。可哀そうなのはインバウンドの人たち、信頼する日本のShinkansenが動かない、目的地までどうやって行けば良いの?言葉の通じる窓口に群がってワイワイ...こちらも駅員の女性に聞いたら、「仙台と新青森、新青森と新函館北斗の間でそれぞれ折り返し運転すると聞いてますが、詳しい情報がまだ入ってきません、盛岡へは在来線乗り継ぎが確実だと思います」とのこと。じゃあしょうがない、仙台駅14:34発小牛田行きの東北本線に飛び乗りました。幸いなことに座れました。小牛田駅に15:18着、今夜の宿に電話で状況を伝えました。小牛田駅15:35発一ノ関行きに乗り継ぎ、16:22一ノ関駅着、16:27発盛岡駅行きに乗り継ぎ、東北本線なのに2両編成です。岩手飯岡と盛岡間で頻繁に乗っていますが、まさか始発に乗ることが有るなんて、夢にも思いませんでした。でも考えてみればこんなローカル線の旅なんて滅多にできません。そう思って楽しむことにしました。一ノ関16:27発→16:31山ノ目→16:35平泉→16:41前沢→16:46陸中折居→16:51水沢、大谷翔平の生まれた水沢は雪が無いことにビックリ!大谷翔平の生家は東北本線陸中折居駅と水沢駅の間、そしてやや離れて東側を走行する東北新幹線水沢江刺駅にも近い姉体というところです。鉄道でも東北道でも冬は水沢から白い風景になるというのが一般的で、一ノ関、平泉、前沢は雪が少ないのです。ところが今年は雪がありません。ちなみに金ケ崎や江刺までが伊達・仙台藩、その北は南部藩です。つまり、雪があって白くなったら南部藩というのが認識でした。水沢→16:57金ケ崎→17:01六原→17:07北上→17:11村崎野→17:18花巻→17:24花巻空港(東北本線)→17:29石鳥谷→17:34日詰→17:37紫波中央→17:41古館→17:45矢幅→17:50岩手飯岡→17:55仙北町→17:59盛岡駅着、ここでまたまたビックリ、なんと6番線に着いたら、向いの田沢湖線8番線に「こまち」が停車してるではありませんか!見たことのない光景に遭遇して東北本線から下車した乗客たちがスマホでパチパチ写真を撮ってます。秋田新幹線こまち号はいつも高架の新幹線ホームで東北新幹線はやぶさ号と連結するので、下の、というか地面の在来線ホームでは見かけないからです。

盛岡駅8番線に停車中の秋田新幹線こまち号)
9番線には田沢湖線大曲行きの在来線車両が発車待ち


盛岡駅のみどりの窓口には長蛇の列


盛岡駅の新幹線構内は乗客と駅員が話す姿があちこちで見られました
運転状況を表示してるボードを見ると、やはり本数が少ないですね

■ 着いたときから盛岡駅は雪の中
 盛岡駅に着いて盛岡つなぎ温泉行きのバスの時刻を確認しました。盛岡駅前はイルミネーションでとてもきれいでした。雪が降り始めていました。盛岡駅で夕食を済ませ、駅前のバス乗り場から岩手県交通の盛岡つなぎ温泉行きのバスに乗りました。この頃にはもう雪がシンシンと降っています。

イルミネーション輝く盛岡駅、路面にはこの時点でまだ積雪はありません


盛岡駅前広場の光のトンネル、翌朝には路面真っ白


JR東日本が2023年12月から盛岡−釜石間で運行開始した新しい観光列車「ひなび(陽旅)」のポスター

■ 盛岡つなぎ温泉の露天は雪見風呂
 盛岡つなぎ温泉行きの岩手県交通のバスは雪が降る中をぶっ飛ばします。途中から完全に雪道になりました。タイヤが滑っても気にせず走ります。盛岡つなぎ温泉バス停に着いた時は5分遅れ、定刻に盛岡駅前を発車して、オイオイ大丈夫か?というほどぶっ飛ばしたのに???別に渋滞も無かったので、運行予定時刻は途中停車しない時刻で組んでいるのかもしれません。確かに途中のバス停では予定より早く発車できないからでしょう。チェックインしたのは結局20時ちょっと前、磐梯熱海温泉の宿をチェックアウトしたのは10時過ぎですから、長い旅でした。さっそく露天風呂、これがまあ、シンシンと降る雪の中、雪見露天最高、サイコー!
 さて翌朝ホテルで朝食を済ませ、送迎バス(有料:盛岡まで500円)に乗るため外に出たら、下の光景でした。ポストを見て白黒写真でないことが分かりますね。盛岡駅では新幹線が始発から定時運航していました。新幹線の有難さがつくづく分かった旅でした。

吹雪です


これが普通の雫石やつなぎの1月の光景です


1月24日(水)は始発から運転している東北新幹線、盛岡駅で空席情報を見たら
午前中は盛岡駅から仙台までは空席有り、仙台から大宮へは満席の列車もあり
グリーン車やグランクラスの指定席が先に無くなるのは東北新幹線の特徴です

■ 女子マラソンで前田穂南が18年半ぶりの日本記録更新の快挙
 2021年東京五輪女子マラソン代表の前田穂南(天満屋)が、2024年1月28日行われた「第43回大阪国際女子マラソン」(大阪・ヤンマースタジアム長居発着)で日本新記録の2時間18分59秒を達成する快挙を成し遂げました。この日は富士見市第二運動公園周回コースで、第31回東入間学童野球連盟風の子駅伝が行われ、必死にタスキをつなぐ子どもたちの姿に感動して、その結果を連盟ホームページにアップすべく帰宅したら、前田穂南の力走振りに目がテレビにくぎ付けとなり、行け!行け!と応援しました。松田瑞生(ダイハツ)、佐藤早也伽(積水化学)、ウォルケネシュ・エデサ(エチオピア)、ステラ・チェサン(ウガンダ)と先頭集団を形成した前田穂南は、ナント、中間点通過後にペースメーカーを振り切って抜け出しました。ペースメーカーは設定タイムを守って走れるトップランナーたちで、30kmまでレースを主導しますから、それより速いということは大会記録を上回るペースということです。31.2キロ付近で2時間18分台の自己ベストを持つエデサに抜かれ、ペースが落ちて、離されるかな?と思いきや、沿道の声援や、両親、天満屋コーチ陣の激励の声を受けて、再びペースアップ、後ろを振り向きながら必死に逃げるエデサの背中を追って8秒差の2位でゴール。この日のテレビ解説も務めた野口みずきさんが2005年9月のベルリンマラソンでマークした2時間19分12秒の日本記録を更新しました。日本陸連の設定タイム2時間21分41秒を突破し、残り1枠のパリ五輪代表候補に名乗りを上げました。2024年3月10日に開催される名古屋ウィメンズマラソンで日本新記録を出す選手が現れない限り、2大会連続のパリ五輪代表に選定されます。これまでの記録は海外で達成されたもので、国内大会で日本新記録が出たというところに大きな意義があります。

前田穂南;日本新記録のゴール(iZa産経デジタルより、恵守乾さん撮影)
(2024年1月29日)


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