569  大学の動き

 昨週は竹林のメンテナンスを行いました。真冬は畑の雑草も伸びないので、畑仕事は必要なく、竹林の間引き、枝切りを行いました。こうすることでまた良い竹が生えてくるのです。また外食が多かったので体重が増えました。週末から週初にはイベントが続きました。上野・東天紅で岩手県人連合会「新春の懇親会」、役員として10時集合で準備、会費8千円です。230人ぐらい集まりました。終わってご苦労さん会、これまた参加者多数。翌日は降りしきる雪の中、神宮球場向いの日本青年館ホテルで盛岡広域企業立地セミナー、終わって外苑前駅近くで盛岡市長や雫石町長と二次会、あらかじめスノーブーツとダウンジャケットで完全武装、帰宅は日付けが変わってしまいました。大分出費の多かった週でした。

■ 進む大学の統合・合併・吸収
 2000年代に入って大学の統合・合併・吸収が急速に進んでいます。2002年に大阪国際大学・大阪国際女子大学 ⇒ 大阪国際大学、筑波大学・図書館情報大学 ⇒ 筑波大学という事例が有りました。文科省の意向もあって、国立大学に、同じ地域の単科大学を吸収させる動きもあり、特に医科大学が組み込まれて医学部となったケースが多数です。2002年の山梨大学・山梨医科大学 ⇒ 山梨大学を皮切りに、2003年には福井大学・福井医科大学 ⇒ 福井大学、島根大学・島根医科大学 ⇒ 島根大学、香川大学・香川医科大学 ⇒ 香川大学、高知大学・高知医科大学 ⇒ 高知大学、佐賀大学・佐賀医科大学 ⇒ 佐賀大学、大分大学・大分医科大学 ⇒ 大分大学、宮崎大学・宮崎医科大学 ⇒ 宮崎大学など、神戸大学・神戸商船大学 ⇒ 神戸大学、九州大学・九州芸術工科大学 ⇒ 九州大学もありました。2005年には東京都立大学・東京都立科学技術大学・東京都立短期大学・東京都立保健科学大学 ⇒ 首都大学東京、大阪府立大学・大阪女子大学・大阪府立看護大学 ⇒ 大阪府立大学、富山大学・富山医科薬科大学・高岡短期大学 ⇒ 富山大学、2007年には大阪大学・大阪外国語大学 ⇒ 大阪大学、2008年には慶應義塾大学・共立薬科大学 ⇒ 慶應義塾大学が有りました。公立や私立では他にも多くの統合が有り、2022年には大阪府立大学・大阪市立大学 ⇒ 大阪公立大学という事例もありました。2024年には東京工業大学・東京医科歯科大学 ⇒ 東京科学大学という驚くべき合併があり、慶應義塾大学・東京歯科大学 ⇒ 慶應義塾大学もいずれ実現される見込みです。


神宮球場と日本青年館ホテル

■ 1法人複数大学;アンブレラ方式
 2020年には国立大学法人岐阜大学と国立大学法人名古屋大学を統合して、「国立大学法人東海国立大学機構」が出来ました。大学そのものは合併せずに存続しますが、法人として一つになり、その傘下に各大学が有り、教育的にも連携して行こうとするものです。こうした動きは今後も現れるでしょう。カリフォルニア大学が、バークレー校やサンディエゴ校など複数の学校で構成しているイメージです。今後「総合大学と教員養成単科大学の統合の検討」や「教員養成単科大学同士の統合の検討」などが考えられます。

■ 大学間の連携
 18歳人口の減少やグローバル化の進展など高等教育を取り巻く環境が大きく変化する中、大学は多様化する学修者のニーズや社会からの要請に応えていかなければなりません。このためには、各大学が個々で取り組むだけではなく、自らの強みや特色を生かしつつ、一定の地域や特定分野において、幅広く他の大学や地方公共団体、産業界などと連携・協力して教育研究活動等に取り組んでいくことが効果的であり、大学間の連携をより強固なものにしていくことが求められています。
 全国各地の国立大学法人と自然科学研究機構分子科学研究所が連携する「大学連携研究設備ネットワーク」は、参画大学等が所有する研究設備の相互利用と共同利用を推進して、将来の新たな共同研究を促すことを目的としています。

■ 急速に進む中高一貫校と大学連携
 2024年2月3日の毎日新聞の記事で、2023年に私立中高一貫校との連携協定を結んだ大学が載っていました。大学教員による出張講座やキャンパス見学の受け入れなどで連携するほか、大学入学の推薦枠を設けるケースもあり、中学受験の学校選びにも少なからず影響を与えそうな高大連携がなぜ今、急速に進んでいるのか?というものでした。上智大は、横浜雙葉(ふたば)(横浜市)、湘南白百合学園(神奈川県藤沢市)、清泉女学院(同県鎌倉市)、福岡雙葉(福岡市)、不二聖心女子学院(静岡県裾野市)など全国計48のカトリック校と協定を結んだそうです。大学生と高校生の交流により「受験偏重から脱却し、社会に関心を持ち、行動を起こす意識を中高時代からしっかり持ってほしい」とのメッセージだそうです。立教大は香蘭女学校(東京都品川区)と連携協定、東京女子大は東京女学館(渋谷区)、三輪田学園(千代田区)、普連土学園(港区)との協定を追加し、これまで締結してきた学校と合わせると協定校は計12校となりました。順天堂大は、桜蔭(文京区)や本郷(豊島区)など計26校と提携を結んでいます。芝浦工業大は実践女子学園(渋谷区)との連携協定を発表、これまでも山脇学園(港区)、昭和女子大付属昭和(世田谷区)などと協定を結んでおり、その狙いは「理系分野は女子学生が少ないという状況を是正していきたい」からだそうです。北里大は2023年だけで、東京や神奈川の計6校の私立女子校と協定を結び、順天(北区)を付属高校として大学への内部進学を進めるそうです。立教大と連携した三輪田学園は、これまで法政大と高大連携してきましたが、2023年度から内容を拡充して、従来の指定校推薦とは異なり、生徒の志望に応じて学部学科を選択できる協定校推薦により、30人程度の進学枠ができました。高校在学時から、人工知能(AI)やデータサイエンスなどを学ぶ大学の授業を聴講でき、入学後には単位として認定されます。高校教員と大学教員による連携講座も開講しており、これに伴って三輪田学園の志望者数は上昇しており、2024年度の中学受験でも女子の最注目校となっています。

2024年2月4日シンシンと降る雪に霞む神宮球場

■ 国公立大学の推薦入試
 大学入試でいま受験生の追い込み時期と思いますが、実は優秀な高校生は夏で大学が決まって今は残る高校生活を楽しんだり、既に大学で学ぶべきジャンルに取り組んでいるという実態をご存知ですか?こういう人たちにとっては過酷な入試選抜は関係ないのです。実は国立大学でも東北大などではこうした選抜枠を増やし、それでも優秀な学生が集まるのだそうです。それはやはり大学のブランド力だということもできるでしょう。国公立大学の推薦入試には大きく分けて2種類あります。学校型選抜(旧公募推薦)と総合型選抜(旧AO入試)です。国公立大学は公募制のみ採用しており、私立大学が採用している指定校推薦はありません。公募制一般選抜で一番重要視される点は学業成績です。特に高校1年生時の成績が最重要視されます。つまり端から頭の良かった人ということですね。高校での課外活動なども評価基準として見て、総合的に受験生の評価をします。部活やクラブでの全国的な活躍や、コンテストや発表会での優秀な実績などを重視する、公募制特別推薦選抜も有ります。総合型選抜(旧AO入試)は学校ごとに評価基準や選考方法が違いますが、書類選考・面接・小論文を主として、学生の大学側に対する意欲を総合的に判断するものです。高校での課外活動は入試を後押しする武器になります。面接でのコミュニケーション力が高い人や、論文筆記の得意な人は有利でしょう。

■ 日本の獣医学
 獣医は6年間教育があり、獣医師になるために、非常に多くの科目を習う必要があるので、教員の数もそれなりに沢山必要です。入学学生定員より教員の方が多いという学科なのです。現在、日本には17の獣医系の学部や学科があり、国立大学法人10校、公立1校、私立6校が獣医学の学科を置いています。国立大学法人のなかで、単独で獣医学部として存在しているのは北海道大学のみ(定員40名)です。帯広畜産大学は畜産学部の下に共同獣医学課程(定員40名)が有って、北海道大学獣医学部と共同しています。この「共同」というのは、獣医学というのは設備も大変、教員の数もそれなりに必要なので一つの大学だけでまかなうのは大変なので「共同」するわけです。コロナ禍でリモート授業は一般化しましたが、それ以前から共同獣医学科ではリモートが一般的でした。逆に言えば、リモートが出来るようになったので「共同」が実現したのです。二つの大学で一つの学部を作っている共同獣医学部は山口大学(定員30名)と鹿児島大学(定員30名)だけです。岩手大学(定員30名)と東京農工大学(定員35名)はそれぞれ農学部の下に共同獣医学科が有ります。岐阜大学(定員30名)と鳥取大学(定員35名)も共同獣医学科が有ります。東京大学は農学部の下に獣医学専修(定員30名)があり、宮崎大学は農学部の下に獣医学科(定員30名)が有ります。大阪公立大学は獣医学部の下に獣医学科(定員40名)が有ります。私立大学では酪農学園大学(定員120名)、北里大学(定員120名)、日本獣医生命科学大学(定員80名)、麻布大学(定員120名)、日本大学(定員60名)、岡山理科大学(定員140名)と、国公立大学に比べると定員が多いですね。岡山理科大学は、西日本の私立大学として初めて2018年4月に獣医学部を開設、この3月に初めての卒業生を送り出します。獣医学部の開設は実に52年ぶりのことで、教員確保が大変だったみたいです。例の加計学園問題で大騒ぎでしたね。何故大騒ぎだったかというのは皆様ご存知でしょうが、ユーザー側の農水省は獣医増やす必要ないと言い、教育側の文科省も先行きの人口減少を考えると、いま獣医学部新設には慎重であるべきだとしていたのを首相官邸が押し切った形だったからです。現実に歯学部定員を増やしたら歯科医が増えて過当競争になったり、法科大学院を新設したらイソ弁が増えて法科大学院をたたむ大学が出るなどの事例を受けて、文科省は及び腰だったわけです。現実にペット獣医は過当競争になるのが目に見えている一方で、産業獣医は不足、特に都道府県の公務員獣医不足が深刻で、同じ獣医と言ってもそのアンバランスが問題となっています。産業獣医とは畜産関係の牛、馬、豚、鶏などを扱いますが、身体がデカイだけに扱いが大変なので、なり手不足が深刻なのです。

雪の中、外苑前駅に向かって歩く人たち

■ 農学部共同獣医学科
 国立大学法人岩手大学は、令和7年度(2025年度)から、理工学部・農学部の改組ならびに獣医学部の新設を計画しています。本計画は、現在、文部科学省と協議中のため、変更となる場合があります。現在の農学部共同獣医学科を獣医学部にランクアップするもので、その狙いは「国際通用性のある獣医学教育の実現」にあります。東京農工大学との大学間共同教育システムが構築されており、リモートで岩手大学と東京農工大学の学生が同じ授業を受けることができます。実習などはお互いに大学間交流して一緒に出来るような仕組みです。
 国立大学法人東京農工大学は、農学と工学が共存する珍しい大学で、農学は府中キャンパス、工学は小金井キャンパスです。今は東日本大震災の復興にからんで釜石キャンパスも出来た岩手大学ですが、すべての学部が同じキャンパスにある全国的にも珍しい大学で、それ故に農工連携が実現しています。岩手大学と東京農工大学は緊密な教育連携を行い、平成24(2012)年度から東日本の獣医学拠点として共同獣医学科に改組しました。現在、東京農工大学には「動物医療センター」と「国際家畜感染症防疫研究教育センター」、岩手大学には「動物病院」と「動物医学食品安全教育研究センター」があります。家畜衛生や公衆衛生分野における獣医師養成と、高度獣医療技術の習得を目指しています。岩手大学の「動物病院」は、ペット獣医からの紹介で伴侶動物の診療・治療を受け容れ、それが好評で遠隔地からもわざわざ訪れるお客様も居て、貴重な大学の収入源となっています。

岩手大学の産業動物病院(2024年1月24日撮影)

■ 岩手大学獣医学部
 獣医学の偏差値ランキングで言えば@東京大学67.5、A北海道大学65.0、B岩手大学と東京農工大学62.5、偏差値が低いのは、やはり私学ですね。獣医師に必要な「獣医師免許」は、獣医師国家試験に合格すると、農林水産大臣から与えられる国家資格です。農林水産省が発表した「第74回獣医師国家試験(令和4年度)」の結果によりますと、「獣医師国家試験の合格率が高い大学」は「山口大学」が受験者35人のうち33人が合格しています。山口大学は、2012年度に共同獣医学部を設置、鹿児島大学と連携した教育組織で、獣医師に必要な幅広い教養と専門的知識を学べます。2019年には、欧州獣医学教育機関協会による国際認証(EAEVE)を取得し、国際水準の獣医学教育が行われていることが認められました。「岩手大学」の2022年度の獣医師国家試験の結果は、受験者数32人のうち30人が合格、山口大学と共に不合格は2人だけでした。岩手大学は、農学部に共同獣医学科を設置。東京農工大学と連携した学科で、「獣医師は人類と動物の健康と福祉に貢献する」という理念のもと、高度獣医療に必要な知識や技術を持った人材の育成を目指しています。

岩手大学のペット動物病院(2024年1月24日撮影)

■ アジアカップ準々決勝で散った森保ジャパン
 2月3日のアジアカップ準々決勝、テレビに食らいついて見ていました。28分に先制点を奪って、イイゾと思っていたら、以降様相が怪しくなりました。どうにかしのいで1-0のままハーフタイムを迎えましたが、後半10分に同点に追いつかれると、以降防戦一方、久保建英と前田大然が必死の守りでどうにか凌いでいましたが、67分にこの二人が南野拓実と三笘薫に交代すると、イランは後方からより自在に、より質の高いロングボールを供給できるようになりました。終了間際、アディショナルタイム6分にゴール前で板倉が痛恨のファウルをとられ、PKを与えてしまいました。キャプテンのアリレザ・ジャハンバフシュが蹴って、GKの鈴木彩艶が飛んだ方向はバッチリでしたが、どんなGKでも防げない角度とスピードで蹴り込まれ、終戦。力負けでした。今回のアジアカップは日本最強との評価が海外でもありましたが、予選からずっと日本は不調、守りがダメでした。イラン戦にしてもイラク戦と同じような展開で、裏を突かれて失点しました。イラン戦の交代も「違うだろう!」と思いました。久保建英と前田大然がいなくなったことで相手に勇気を与えました。防戦一方ですから南野も三笘も活躍するいとまもない有様、替えるなら守りの方でした。守りに守って一瞬のスキを突く、日本がドイツやスペインを破った時のことを忘れたのか?過去のジャパンはGKがしっかりしていました。頑固に代えない森保采配に疑問を感じました。

■ 芦原妃名子さん自殺
 昨年10〜12月に日本テレビ系で放送されたドラマ「セクシー田中さん」の原作者で 漫画家の芦原妃名子さんが2024年1月29日に栃木県内で死亡しているのが見つかりました 50歳になったばかりでした 自殺とみられるようです 「セクシー田中さん」実写ドラマ版の制作陣との間に起きたトラブルを 自身のブログ及びXで明かしていましたが 28日に一連のポストを削除し 「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい」とのコメントを残していました 心を病んだのでしょう SNSもひとつの要因かもしれません 安らかな眠りを祈ります  合掌
(2024年2月6日)


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