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 いよいよ師走となりました。12月7日は二十四節気の「大雪」でした。本格的冬のシーズンですが、南関東ではいまいちピンと来ません。今年の1月5日、356『中東』(2020年1月5日)のカルロス・ゴーン逃亡劇で始まったESSAYですが・・・改めて見返していたら、357『Cinema』(2020年1月13日)では「アルゴ」や「グリーンブック」、「パラサイト 半地下の家族」、「風の電話」そして「影裏」を紹介、358『湯河原』(2020年1月19日)では中村哲さんの追悼本を紹介、359『さざんか』(2020年1月26日)では不倫に触れ、椿と山茶花の違いを書き、360『人気温泉ランキング』(2020年2月2日)で武漢から発した新型コロナウイルスが猛威を振るっていると紹介して、以降COVID-19一色になってしまった感があります。

■ 今年の流行語、漢字
 今年も残すところあと少しとなりました。2020年は「コロナ禍」や「ニューノーマル」といった新しい言葉を日々のニュースで見ない日はないほどの一年となりました。それほどまでに新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るったということです。今年の"ユーキャン新語・流行語大賞"は「3密」でしたが、「鬼滅の刃」や「愛の不時着」、「ソーシャルディスタンス」、「ステイホーム」、「アベノマスク」、「アマビエ」、「ウーバーイーツ」、「GoToキャンペーン」なども候補に上がりました。では公益財団法人 日本漢字能力検定協会 が募集し、毎年12月12日の「漢字の日」(いい字1字の語呂合わせ)に京都の清水寺で発表される"今年の漢字"は何になるでしょうか?2019年は『令』でした。筆者の予想は今回の主題『禍』です。年賀状には使ってはいけないとされていますね。不吉だからです。ちなみに2018年は『災』でした。この字は2004年にも選ばれています。ちなみに多く選ばれているのは2000年、2012年、2016年の『金』です。1995年の『震』はイヤですね。阪神・淡路大震災や、オウム真理教事件、金融機関などの崩壊に"震えた"からです。米国同時多発テロ事件の2001年『戦』もイヤですね。

■ 1月は温泉三昧だったのに...
 COVID-19第三波で世の中にはイヤ〜な雰囲気が漂っています。新型コロナウイルス騒ぎ以前は良かったなぁ〜。360『人気温泉ランキング』(2020年2月2日)で紹介したように、2020年1月25日(土)から三泊四日で単独東北温泉紀行に行ったんですよ。今思えば♪そんな時代もあったねと〜歌いだしたくなります。1月25日(土)朝上福岡駅→川越駅→大宮駅からやまびこで郡山駅へ、磐越西線に乗り換えて磐梯熱海温泉萩姫の湯・栄楽館で日帰り入浴、再び郡山駅に戻りやまびこで仙台へ、はやぶさに乗り換えて盛岡駅〜盛岡随一の高級料亭駒龍で高校新年会と二次会、その日は盛岡のホテルに泊まり、26日(日)朝はやぶさで仙台へ移動し、仙山線に乗り換えて愛子(アヤシ)駅に迎えに来てくれた弟夫婦の車で秋保(アキウ)ヴィレッジへ、その後秋保温泉ホテル華乃湯でランチバイキングし、仙台市内に帰る弟夫婦を見送った後、引き続きチェックインして宿泊、27日(月)朝の送迎バスで仙台駅に行き再びはやぶさで盛岡駅へ、大学の昼食会と会議に出席し、盛岡駅から東北本線で花巻駅へ、大型の花巻温泉周回送迎バスに乗って花巻温泉湯の杜ホテル志戸平へ、28日(火)朝の送迎バスで新花巻駅へ、やまびこで古川駅下車、陸羽東線に乗り換えて鳴子温泉駅下車、滝の湯で日帰り入浴、再び古川駅に戻りやまびこで仙台へ、はやぶさに乗り換えて大宮駅→川越駅→上福岡駅、迎えの車でふじみ野市立余熱利用施設「エコパ」に行きバーデプールと露天風呂、スゴイでしょう 2月1日(土)にはグランドヒル市ヶ谷で高校在京同期会を催し、翌日は東入間学童野球連盟の”風の子駅伝”・・・あの頃は良かったなぁ。以降コロナ禍で世相一変したのです。

■ 「Go To キャンペーン」を中断すべき?
 384『秩父』(2020年7月19日)で「Go To キャンペーン」や、宮澤賢治で町おこしの小鹿野町のことを書きました。いまCOVID-19第三波で、テレビでは政府が推進する「Go To キャンペーン」を止めるべきだ、中断すべきだとのキャスターの主張が連日繰り広げられていますが、菅総理は頑として首を縦に振りません。そしたら安部前首相の桜を見る会問題や、河井夫妻の捜査過程で吉川元農相の500万円受領問題などが出てきて、スッタモンダの大騒ぎ、内閣支持率が急減しているとか...


小さな旅川越温泉

 12月7日(月)エコパが休みなので小さな旅川越温泉に行ってきました。そしたらガラガラなのです。実は隣接する川越市立野田中学校でCOVID-19クラスターが発生し、教師1人を含む35人が集団感染したことの影響と思われます。野田中学校は休校となり、全員PCR検査するようです。反対側の隣は川越法務局とハローワーク、近くには尚美学園大学のキャンパスもあります。我がふじみ野市も結構感染者が多く、埼玉県の市町村の感染者数を見ていると、人口が多くて東京との往来が多い地域が多くなっています。唯一ゼロなのが「宮沢賢治で町おこし」の小鹿野町、ひところの岩手県みたいです。

■ 「GoToトラベル」対象外地域と自粛
 政府は札幌と大阪市発着の旅行について、11月24日〜12月15日までの3週間、Go To トラベル事業の割引の対象外としましたが、実は北海道の鈴木知事はGoToについては止めたくなかったそうです。地元の受ける痛手に配慮したからでしょうが、菅総理から止めようと言われて翻意したとのこと。GoTo推進の菅総理がなぜ?と思いますが、やはり何か政府としての姿勢を示さなければと思ったのでしょう。大阪市の松井市長はこのところとんと現れず、代わって大阪府の吉村知事が登場して大阪市のGoTo停止はスンナリ。医療のひっ迫が明白だからとのこと。さあ東京どうする?とテレビのワイドショーはやんやの催促、結局菅総理と小池知事が会談して、小池知事は発着共に止めましょうと言ったようですが、菅総理が難色を示し、結局感染すると重症化しやすい65歳以上と、合併症を起こしやすい基礎疾患のある方のみ東京発着の対象旅行を自粛、期間は12月17日までと決定しました。自粛ですから従わなくても良いわけで、実はある人気宿ではキャンセル以上に予約が増えたとか・・・?先の土日も都心繁華街では人出が減りましたが、箱根や熱海では3割も増えたそうです。筆者が以前GoToトラベルで箱根に行ったことを紹介しましたが、お客さんは高齢者少なく、30代が多かったのは、もともと高齢者は怖いので自粛している人が多く、今がチャンスと現役世代が出かけているからでしょう。つまり政府と東京都の決定は的を射ていないと言えそうです。

■ 新型コロナウイルスのワクチン
 新型コロナウイルスのワクチン接種がいよいよイギリスで始まりました。米ファイザーと独ビオンテックが共同で開発した遺伝子ワクチンで、メッセンジャーRNAを人工的に生成したものです。これを接種すると、スパイクたんぱく質だけが作られ、免疫細胞がこれを新型コロナウイルスと勘違いして抗体を作るというものです。米モデルナも同様のものを開発し、英アストラゼネカとオックスフォード大学が開発中のワクチンも実用化申請しています。日本では12月2日に改正予防接種法が成立し、来年半ばに接種が始まる予定です。

■ 自動車産業の未来
 政府は、地球温暖化対策の一環として、ガソリン車の新車販売を2030年代半ばに禁止するそうです。50年までに二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出を実質ゼロとする政府目標の実現に向け、「ガソリン車販売ゼロ」に踏み込むわけで、これは世界の趨勢ですから避けられません。日本はいま自動車産業が主要産業ですが、いずれ中国にとって代わられると見て、航空機や宇宙に産業の機軸を移そうとしていましたが、COVID-19パンデミックで航空各社が苦境となり、連れて航空機産業も急降下、MRJも一気にしぼんでしまいました。


MRJはどうなることやら... 日本の製造業の未来には暗雲が...

 日本の自動車産業が隆盛を誇ったのは、内燃機エンジンとその周辺技術が、日本人の気質と品質管理技術にマッチしたからです。レシプロエンジンが地球温暖化や健康面で先行き懸念されると、日本の自動車メーカーが強みを持つハイブリッド車(HV)に加えて、燃料電池車(FCV)などに転換する動きを見せましたが、中国が一気に電気自動車(EV)に舵を切ったことで、日本の自動車産業の未来には暗雲が立ち込めています。というのはエンジン回りの複雑な技術や膨大な種類の部品が、電気自動車ではモ−ターになることでシンプルになって不要になるからです。そうなると中国には勝てません。


TOYOTA Crown Athlete カッコイイ! しかし現在のクラウンは前世代より大きく売り上げが落ち込んでいます

 ただ電気自動車にはバッテリー技術の課題が残っています。また現状火力発電所で化石燃料を燃やして二酸化炭素を排出しながら発電しているわけですから、今のままでは電気自動車が環境にやさしいとは言えません。様々な矛盾をはらみながら、いま三菱自動車を筆頭に自動車各社では早期退職など人員整理の動きが進んでいます。内燃機エンジンとその周辺技術の技術者が不要になりつつあるのです。時代の流れとは言え、悲しいですね。もうずいぶん前からトヨタ自動車なども自動車以外の分野への進出を進めています。先が見えているんですね。

■ 2020都市対抗野球でHonda(狭山市)が優勝
 甲子園の高校野球はじめ、あまたのアマチュア野球大会が中止となる中、唯一行われた社会人野球の最高峰「第91回都市対抗野球大会」は、観客数を絞り、鳴り物や大声での応援が禁じられる中でも、野球ファン待望の大会でした。結果はHonda(狭山市、南関東第一代表・4年連続34回目)がNTT東日本(東京都、東京第二代表・5年連続34回目)を4−1で破り、3回目の優勝を成し遂げました。二回戦や準決勝での苦しい戦いを勝ち抜いた結果であり、野球は紙一重の勝負を潜り抜けて初めて頂点に立てるものということを実感させるものでした。ホンダ狭山の野球チームはじめ関係者の皆様に、心からお祝いを申し上げます。おめでとうございます。
 この決勝戦、筆者はテレビかぶりつきで応援していました。というのは5年前まで住んでいた家の向かい3軒隣のNさんがPL学園からHondaに入り、狭山の野球部監督も務めた人だったからです。あの清原が先輩を訪ねてきたこともありました。息子さんが小学生のとき我が少年野球チームに入り、指導してくれましたが、その縁で日本ハムや西武の現役野球選手がシーズンオフに無償で教えに来てくれて、お蔭で埼玉南部と地元の大会で同日ダブル優勝したこともあります。プロは上手いだけでなく指導のコツをわきまえていて、しかも褒めるのです。褒めるのが上達させるモトなんだなということを教わりました。埼玉県鶴ヶ島市のホンダ狭山雨天練習場も子どもたちと共に見学させて頂きました。Nさんのお子さんたちは今や立派な社会人です。

■ 種苗法改正法案がやっと成立
 380『農業法令』(2020年6月22日)で種苗法改正案の成立が見送られることになったことを書きましたが、2020年12月2日にやっと国会を通り、2021年4月施行となりました。この件についてTBS「サンデーモーニング」でジャーナリストの青木理(オサム)氏が批判的なコメントをしていました。この期に及んでもいまだに農家が被害者の如きことを言う人がいることに驚きます。現実にはずるい人が儲かるような世の中を許すことが間違いなのです。そういうことを知らない視聴者が聞いて、農水省が悪いとか、巨大資本を利するものだなどという認識を持つことのほうが怖いですね。中国や韓国が日本が開発した品種を平気で栽培して利益を上げている、これこそ泥棒行為です。それを防止する法律であり、日本の農家がF1種を正当に購入して栽培して利益を上げることこそ正しい姿です。ほとんどの農家はそうやって栽培しています。一部のずるい農家の肩を持つようなことをテレビを通じて堂々と言う人がコメンテータとしてまかり通っているのは驚きですね。工業のみならず、農業でも開発者の権利を尊重しなければなりません。それは芸術でも同じこと、中国のように国際的に批判されても平気でコピー製品を作るようなことは排除すべき、ましてやそうしたヤカラの肩を持つなど、断じてあってはなりません。


シャインマスカットが種苗法改正案のキッカケ

■ 香港情勢不穏
 香港情勢が不穏です。民主活動家に禁固刑が課され、日本でもおなじみの周庭さん(24)は10ヶ月の投獄となりました。更に国家安全維持法に基づき、過去のデモを主導した罪で次々に逮捕者が出ています。海外逃避の動きもありますが、当局の徹底取り締まりで、もはや民主派は壊滅状態です。日本人から見ると、いつの時代の話かと目を疑います。立法会の民主派4議員が資格はく奪され、これに抗議して15人の議員が辞任して、もはや親中派だけという状態、米国政府は全人代常務委員数名に制裁を科しました。
 日本政府は金融センターとしての香港の役割を東京へ移そうとする動きに出ています。またこのままでは中国に進出した日本企業がいつ資産没収されるかわからないので、引き上げを勧告する動きがあり、中国の各地方組織では引き留めに躍起です。

知り合いからクリスマスリースを頂きました・・・買うと高価なシダーローズが付いています

■ 尖閣の領土問題
 中国の王毅外相(国務委員兼外交部長)が日本を訪問し、日本国政府に秋波を送る動きに出ました。菅総理誕生に祝電を送ったのは歴代首相では久しぶりで、米国との対立が激しくなる中で、何とか日本を敵に回したくないからです。一方で、尖閣諸島への中国公船の度重なる侵入を問われると、「尖閣は中国の固有の領土だ」として領有権を一方的に主張しました。これに対し、共同記者発表で隣に並ぶ茂木敏充外相がその場で反論しなかったとして自民党内で批判されています。二階幹事長は親中派で知られ、菅総理はその意向を無視できません。また経済界からも中国とは上手くやって欲しいと言われており、これに自民党内の右派が反発しています。興味深いのは日本共産党で、志位委員長が王毅発言を厳しく批判しました。尖閣が歴史的に中国の領土ではなく、日本が手をあげて領有宣言した過去の歴史を詳しく説明して、そのとき中国は何も言わなかったことを列挙したのです。一方で、中間の各政党は強い発言をしていません。経済的にうまくやるのは当然ですが、領土問題だけはうやむやな態度ではいけません。

シダーローズは樹齢30年以上のヒマラヤ杉の松ぼっくり、我が家の目の前の川越街道の中央分離帯に生えています

■ 米国の左右の振れの激しさを危惧
 米国のトランプ大統領は今でも選挙の不正を唱えていますが、民主主義の国米国で現職大統領がこんなことを言うなんて世も末です。ただ、そういう大統領を支持する人が現実に半分近くいるのですから、これはバイデン新大統領も大変です。こういう事態を招いたのにはオバマ元大統領の責任もあるかもしれません。左右に振れ幅が激しいのは好ましくありません。過激派が何をするかわからないからです。

我が家の目の前の川越街道・中央分離帯には銀杏並木、間にヒマラヤ杉、銀杏の落ち葉を国土交通省から依頼された業者が清掃

■ 高齢者医療費の負担増
 2024年から実施する高齢者医療費の改定、負担を1割から2割に引き上げる所得の分かれ目をいくらにするか、菅総理は年収170万円、公明党の山口代表は240万円を主張しています。現役世代の負担が重くなっているためですが、基本はやはり負担はきちんとして、生活がひっ迫する方には別途保護するのが正しいでしょう。恐れるのは政府の大盤振る舞いです。「Go To キャンペーン」や持続化給付金などバンバンカネを使って、将来世代に負担を押し付ける現状、これは由々しき事態です。日本人の給与所得は長年下がり続けていますが、特にこのコロナ禍で前年比の所得減が顕著です。更に将来税負担や社会保険料負担が増加するわけですから、日本人はドンドン貧しくなって行きます。そういうことを平気でやっていることに多くの日本人が異を唱えない現状、何故でしょう?
(2020年12月9日)


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