180  Rio→Tokyo

 本日は処暑(暑さが落ち着く時期の意)、関東の水不足などと言っていたら案の定台風で大雨、被害が出る騒ぎとなりました。台風が暑さを吹き飛ばした感じですが、西日本は連日の猛暑、この前まで九州の大雨被害が大変だったのに一転しました。これが梅雨から残暑時期にかけての毎年繰り返される大騒ぎですが、近年は災害の規模が増しつつある気がします。朝早く、庭の虫の音で目覚めます。それは良いのですが、我が家は川越街道(国道254号線)に面した飲食店街の1軒奥なので、カラスが川越街道中央分離帯の高い樹の上からカアカア鳴くのですが、1羽だけ「アッホー、アッホー」と鳴くカラスが居るのです。これは癪に障ります。どうしてやろうかと思うのですが、40m以上の高さに居るので手が届きません。

■ 埼玉県内で7つの川が氾濫
 8月22日台風9号による集中豪雨で、埼玉県内では、所沢市の東川、柳瀬川が氾濫、入間市を流れる不老川がおよそ2キロにわたって氾濫し、住宅街に水が流れ込みました。これにより、付近の複数の住宅で床上や床下に浸水したほか、一時は、道路が大人の腰の高さまで冠水した箇所があったということです。川越市では岸町で不老川が合流する新河岸川が氾濫しました。むさし野地区の久保川も氾濫しました。飯能市の南小畔川の合わせて県内7つの川が氾濫しました。埼玉県は河川面積日本一の県、川だらけですが、95『福岡河岸記念館』(2014年12月28日)や78『』(2014年8月31日)で、荒川の支流、新河岸川を紹介しているのでご覧下さい。
 22日は「いいふうふの日」で「小さな旅・小江戸川越温泉」がサービスデーなので、夜に仕事帰りの連れ合いと連れ立ってに行きました。もう雨も小降りですが、氾濫スポットの岸町を避けて不老川の上流側を渡り、くら寿司で腹ごしらえしてを楽しみました。露天風呂から見る空はもう星空でした。帰りは何気なく16号を走って、鵜頭坂で254号へ右折しようとしたら、パトカーが道路封鎖しています。これはイカンと左折して川越駅方面へ向かい、県道川越−所沢線に入って、ぐるりと回って帰宅しました。ニュースを見たら川越街道(国道254号線)のマンホールから水が噴出して、道路の数箇所に穴が開いて、通行止めになったそうです。

■ リオ・オリンピック終了
 リオ・オリンピックが終わりました。8月5日(金)から8月21日(日)までの17日間、ブラジルのリオデジャネイロで開催された第31回夏季は、冬に開催される初めての夏季オリンピックでした。リオデジャネイロは熱帯気候のため、平年の日平均気温は22℃前後なので、冬でも暖かいわけです。日本は金12、銀8、銅21、計41個のメダルを獲得して、金メダル数は6番目、総メダル数では独仏の42個に次いで7番目でした。

■ 日本初メダル獲得は三宅宏実選手

 最初にメダルを獲得したのはウェイトリフティング女子48kg級の三宅宏実選手、オリンピック直前に腰痛が悪化し、痛み止めを打つほどの万全には程遠い状態で本番に臨みました。8月6日(土)スナッチの1、2回目は失敗しましたが、最後の試技で成功し、ロンドンの銀に続く銅メダルを獲得しました。これが日本チームに大きな勇気を与えました。
 「たくさんの方々の支えがあって結果を残すことができ、感謝の気持ちでいっぱいです。東京大会では、メダルを獲得する選手がたくさんウエイトリフティングからも出るように、私自身も勉強していきたい」とコメントしました。
 三宅宏実選手は新座市在住で、お父さんがメキシコ五輪重量挙げフェザー級で銅メダルを獲得した三宅義行さん、伯父は五輪重量挙げでローマ銀、東京、メキシコで共に金に輝いた三宅義信さんです。日本女子重量挙げ史上初のメダル獲得者、日本五輪史上初となる父娘メダル獲得者でもあります。

リオ五輪重量挙げ女子48kg級で銅メダルを獲得した三宅宏実選手


■ 日本重量挙げ界の発展に貢献された三宅義行さん
 三宅義行さんは兄同様法政大学卒業後、自衛隊体育学校(朝霞市)に入りました。1968年(昭和43年)にはメキシコオリンピックで重量挙げフェザー級で銅メダルを獲得、兄の義信さんは同じ種目で金メダルを獲得しており、オリンピックの個人種目において、同じ大会の同じ種目に兄弟で表彰台に立ったのは、日本ではこの一例だけです。幹部自衛官として自衛隊体育学校に在籍しながら1969年(昭和44年)と1971年(昭和46年)には世界選手権で優勝するなど国際大会で活躍されました。現役引退後は指導者として数多くの重量挙げ選手を育成し、日本重量挙げ界の発展に貢献されました。2001年(平成13年)に、東部方面総監部勤務を最後に1等陸佐で退官、その後は娘のコーチとしてウエイトリフティングの指導にあたり、2012年のロンドンオリンピックで三宅宏実選手が銀メダルを獲得し親子でメダリストとなりました。自衛隊体育学校(朝霞市)に勤務していたのでお隣の新座市に住んでいるわけです。このまちは128『キツネのカミソリ』(2015年8月22日)で紹介しましたが、東京の練馬区や清瀬市に隣接し、都心にも近い割りに「平林寺」という松平信綱公の墓所がある有名な寺があり、うっそうとした武蔵野の樹林があって、住むのにも適している関係からか高級住宅地があります。大学教授や芸術家が多く住んでいるようです。

 ロンドンオリンピックの後、三宅義行さんは娘と一緒に2012年8月13日の「BISTRO SMAP」に出演し、その際、自らがメキシコオリンピックで獲得した銅メダルが自宅に保管されていると思っていたものが見つからず、どうしたんだろうとその在りかが話題になりましたが、その直後、宮城県の「村田町歴史みらい館」に保管されていることが明らかとなって一件落着となりました。三宅兄弟は宮城県村田町の「郷土の英雄」ですから、ここに飾ってあったわけですね。村田町は東北自動車道村田ジャンクションで山形道と分岐するところです。蔵王山の麓です。
蔵王ロイヤルホテル外観:2014年12月21日
宮城蔵王ロイヤルホテル:夜:ウッドデッキ調露天風呂
ウッドデッキ調露天風呂、やさしい湯でした
 村田町隣の蔵王町のに宿泊したのは「岩盤浴すみかわ」のコテージや蔵王ロイヤルホテルです。蔵王ロイヤルホテルは94『光のページェント』(2014年12月22日)で紹介しましたが、このページでバドミントン女子ダブルスのタカマツペアのことを紹介しています。この二人はこれからアイドルとなるでしょうと書いてありますが、まさしくリオ・オリンピックで金メダリストとなったわけですから、筆者の先見の明・・・うれしくなります。喜多方ラーメン、また食べに行きたくなりました。
 バドミントンと言えば歌手の新沼謙治さんの奥さんだった湯木博恵さん(その後新沼博江さん)を思い出します。「だった」という表現が悲しいですが、2011年にガンで病没されました。個人世界チャンピオン3度、日本人初の国際バドミントン連盟殿堂入りされた方です。バドミントンで国体にも出場したことのある新沼謙治さんが、ファンだった湯木博恵さんに猛アタックしてGETされました。

■ 諦めないことの大切さ・・・三宅義信さんの夢
 三宅義信さんは姪の三宅宏実選手の銅メダルについて「勝つことに意義がある選手にとって、五輪は地獄です。魔物もいる。「楽しむ」なんてとんでもない。でも、神様も時々は姿を見せてくれるんだと、今回の五輪くらい感じたことはありません。銅メダルを手にした宏実の最終試技は奇跡でした。あの瞬間だけ馬鹿力が出たわけじゃなくて、あの瞬間だけ痛みや不安、恐怖をすべて忘れて無心になれた、宏実は神様の手を引っ張ったんです。レスリングもバドミントンのダブルスも、奇跡の逆転がたくさんありました。登坂絵莉選手の残り2秒の逆転は最後までタックルを仕掛ける勇気がもたらした、諦めないことの大切さを教えられました。2020年の東京オリンピックのときは私も80歳です。もし元気だったら聖火ランナーになって、義行と宏実と一緒に東京の街を走りたい、金メダルから56年後の僕の夢です」と語りました。

左:高橋礼華選手と松友美佐紀選手のペア
2014年初めて世界で優勝してガッツポーズ!


■ 日本選手の活躍
 体操男子の内村航平選手…団体の金メダルと個人総合の2連覇、陸上の男子トラック種目で初の銀メダルを獲得した400メートルリレー、女子の個人種目ではオリンピック初の4連覇を果たしたレスリングの伊調馨選手、一方、4連覇を逃して銀メダルとなった日本選手団主将の吉田沙保里選手、柔道の男子90キロ級で、この階級で日本選手初の金メダルを獲得したベイカー茉秋選手、男子73キロ級で金メダルの大野将平選手、柔道女子70キロ級で金メダルを獲得した田知本遥選手、競泳では、男子400メートル個人メドレーの金メダルなど、金、銀、銅の3つのメダルを獲得した萩野公介選手、400メートル個人メドレーで銅メダルの瀬戸大也選手、女子200メートル平泳ぎで金メダルを獲得した金藤理絵選手、日本カヌー界初のメダルとなる銅メダルを獲得した羽根田卓也選手、日本のバドミントンで初の金メダルを獲得した女子ダブルスのタカマツペア高橋礼華選手と松友美佐紀選手、女子シングルス銅メダルの奥原希望選手、卓球の男子ではいずれも初めて、団体で銀メダル、シングルスで銅メダルを獲得した水谷隼選手、女子団体も2大会連続のメダルとなる銅メダルを獲得、テニスで日本にとって96年ぶりのメダルとなる銅メダルを獲得した錦織圭選手、陸上男子50キロ競歩で3着に入った荒井広宙選手は、ほかの選手と接触し、妨害したとして一時、失格となりましたが、その後、日本の抗議が認められ、銅メダルが確定しました。日本の選手がオリンピックの競歩でメダルを獲得するのは初めてです。筆者が応援していた107『競歩』(2015年3月21日)で触れた高橋英輝選手は残念ながら入賞できませんでした。

■ オリンピックでは日本から応援する人たちがたくさんいた
 今回のリオ・オリンピックは2016年8月21日(日)閉会し、ちょうどその日開会した第35回毛呂山町長杯争奪少年野球大会の開会式で、町長が瀬戸大也選手のことに触れていました。会場の大類ソフトボールパークには、瀬戸大也選手を応援するのぼりがはためいていました。瀬戸大也選手は埼玉栄高・毛呂山町出身で、毛呂山町観光大使を務めています。三宅宏実選手は我が家近くの真名井の湯にも来たことがありますし、我が少年野球チームのコーチには三宅宏実選手とのスナップ写真を大事に持っている人も居ます。こういう身近な人がメダルを獲得してくれると本当に嬉しくなります。埼玉県毛呂山町は文字通りモロ手をあげて、町をあげて瀬戸大也選手を応援していました。同じように埼玉県新座市も市をあげて三宅宏実選手を応援していましたし、それは出身の埼玉栄高校も法政大学も同様です。
 体操男子団体の白川選手を除く内村航平選手はじめ4人は草加市のコナミスポーツですし、中でも加藤凌平は埼玉栄高・草加市出身で、山室光史は埼玉栄高・さいたま市出身です。バドミントン女子シングルス銅メダルの奥原希望選手は大宮東高出身です。陸上男子50キロ競歩銅メダルの荒井広宙選手は自衛隊体育学校(朝霞市)に属しています。他にも埼玉県では所沢市の早稲田大学や川越市の東洋大学の学生でオリンピックに出場した選手もいました。

■ 「PC DEPOT」のサービスに関しSNSで炎上
 パソコンに不慣れな人に、使い方をサポートするなどの事業を運営している「PC DEPOT」のサービスに対し、「契約解除を申し出たところ、高額の解除料を請求された」といった不満がツイッターに投稿され、ソーシャルメディアで炎上し、NHKはじめテレビでも取り上げられたそうです。投稿者は、「80歳を過ぎた一人暮らしの父が、普段使用しているノートPCの修理のためにPCデポを訪れたところ、月額1万5000円のサポートサービスを契約させられた。PCやスマートフォンの初期設定、ウィルス対策、トラブル時の復旧などのサポートを「計10台」まで受けられるプランにオプションなどが付いて月額1万5千円になっていた。解約を申し出ると、20万円の契約解除料を請求され、交渉すると、10万円(税込10万8千円)に値下げされ、支払った」というものでした。SNSで批判が集まって、会社側はあわてて対策を発表しました。顧客の使用状況にそぐわない契約が結ばれていた場合は、コースの変更や、契約の解除を無償で行うこと、70歳以上の人がサービスに加入する際は原則、家族や第三者の確認を取り、さらに加入後3ヶ月以内のコースの変更や契約の解除を無償で行うこと、などとしています。このプランは月額会員制保守サービス型商品「プレミアムサービス」というものです。

■ とんでもなく高い契約解除料
 この息子さんが頭に来たのは当然でしょう。80歳を過ぎた一人暮らしの老人が、「計10台」まで受けられるサポートサービスなんてアリエナイし、PCのほかにスマホも?多分店側は丁寧に説明して当人の了解を得た、と言うのでしょうが、このクラスの老人でパソコンを使える人と言うのはかなり頭が良くかつ年金などでお金に余裕があって、月額1万5千円なんてなんちゅうこと無かったと思われます。しかし息子にしてみれば、こんなサービスに月額1万5千円払うなんてとんでもない、と思ったのでしょう。2016年8月16日に「PC DEPOT」のホームページに「弊社プレミアムサービスご契約のお客様対応に関するお知らせ」が載りました。その内容はコチラです。コレを見ると、なるほどなぁ〜と思います。このサービスを契約して、金額に見合ったサービスを受けられる人はいるのでしょうか?むしろ無知だから、なんだかわからずに契約してしまうのではないですか?しかも契約解除はインターネットや携帯電話でよくある方式で、この場合「3年しばり」で36ヶ月後のときだけは安くて21,600円、加入月の解除などはとんでもなく高い!契約した以上息子さんとしては契約解除料金は払わなければなりません。

■ 個人客に定期保守契約はそぐわない
 むしろこうした月額制のサービス、いわば「定期保守契約」というのは、企業では当たり前ですが、個人ではやるべきではない気がします。企業間契約はプロとプロですからともかく、業者と個人客では知識ギャップがあり過ぎるからです。すべてオンコール、すなわち「スポット保守」として、都度いくらかかる、やるかやらないかを話し合うのが良いと思います。そうしないといつまでたってもトラブルが起きて、しまいには悪徳業者だと言われかねません。

■ 高齢者のお金を狙うビジネス
 今回の問題で浮かび上がるのは、高齢者を巡るビジネスの問題です。高齢者は老後のためにある程度お金を貯めています。そのお金を狙ったビジネスが盛んです。あまり書くと反発されそうですが、例えばお墓、葬儀サービスはもちろん、株、投資信託、不動産やエネルギー、農業へのオーナー制度などです。マイナス金利時代ですから、金融機関に預けてもお金は増えません。将来は貸金庫みたいに手数料を取られるようになるかもしれません。お金を増やしたいので投資信託という老人が多いかもしれません。昔は信託銀行や証券会社だけでしたが、今や一般の銀行でも扱います。投資信託の場合、儲かったと言う人は口に出して言いますが、損した人は無口です。世界的に景気上昇期はもうかりますがそうでない時は損することもあります。損する人が全体の8〜9割ということも巷間ささやかれています。特にソブリン債という毎月支払い型は元本を取り崩しているだけで、最終的には損している人がほとんどと言われます。ただし金融機関は顧客が損しても手数料は入ってきますから、売ったほう勝ちと言われています。
(2016年8月23日)


次回へ    前回へ    最新ページへ つぶやき最終回