128  キツネのカミソリ

 NHKのニュースで、「キツネのカミソリ」という名前のヒガンバナ科の花の群生地が埼玉県新座市にあり、今盛んに咲いているとの紹介がありました。早速行ってみようと出掛けました。

■ キツネのカミソリ
 ネットで調べたら、埼玉県新座市の市営墓園から黒目川への斜面に群生しているとの事、お盆のお墓参りも終わった時期なので行ってみたのです。この辺は埼玉県朝霞市と和光市、東京都練馬区大泉と複雑に交錯しています。隣接する陸上自衛隊朝霞駐屯地(尾崎豊のお父さんの職場でした)も、新座市と朝霞市、和光市にまたがっています。関越道沿いに南下して、黒目川にかかる市場坂橋を上ると新座市営墓園の門があり、広い駐車場は空いていました。この市営墓園には清掃作業のおじいさんがたくさんいました。お盆のお墓参りが終わったので片付けているのでしょう。植え込みがきれいにカットされて素晴らしい墓地です。

キツネのカミソリが斜面に」咲いています
 キツネノカミソリは本州から九州に生育するヒガンバナ科の植物で、ヒガンバナと同様に、花が咲くときには葉がありません。早春からスイセンに似た葉を展開し、夏草が茂るころには葉が枯れます。その後に花茎を形成し、花を咲かせます。キツネノカミソリはお盆ころに、ヒガンバナはお彼岸に真っ赤な花を咲かせるので、なにやら墓参りと因縁のある植物のようです。おもしろい名前ですが、これは細長い葉っぱをカミソリに見立てて付けられたと言われています。なぜキツネと付くのか、花の色をキツネの色に見立てた、葉がない状態でいきなり花がにょっきり伸びてくる姿が、キツネに化かされたようだからという説もあります。キツネだとお稲荷さんみたいな色ですからちょっと違う気がします。
 北側の日陰の斜面に咲きます。黒目川は、隅田川となって東京湾に注ぐ新河岸川の支流で、78『』(2014年8月31日)で紹介しました。人口密集地の中を流れる川にしては驚くほど綺麗な水がサラサラと流れています。

ヒガンバナの形でオレンジニッコウキスゲみたい
鮎が棲む川ですが、多分昔は汚れていたのでしょう。埼玉県の川の浄化策はいろいろな川で成果となって顕れています。

■ 朝霞市膝折
 この辺り一帯は『膝折(ヒザオレ)』という地名です。何故こんな地名かと言いますと一般には膝折宿という川越街道の第四の宿場町で、ある武士の馬がこの付近で足を骨折したためといわれています。確かに川越街道を走っていても、この膝折の坂が長くきついと感じます。ここより北面の地域では、この坂のためテレビ電波が坂に当って頭越しとなり、難視聴になるのです。新座郡膝折村→北足立郡膝折村→朝霞町→朝霞市となりました。東京ゴルフ倶楽部が世田谷区の駒沢から当地に移転してきて、倶楽部の名誉総裁で、当時の皇族であった朝香宮にちなんで、町制施行と同時に倶楽部の許可のもとに朝霞町となりました。この時、朝香という宮号をそのまま使用するのは畏れ多いということで、一字変えて朝霞となったそうです。膝折という地名についてはこちらも面白いですよ→目からウロコの地名由来参照。

■ 新座市はうどん・ソバが有名
 埼玉県新座市には高級住宅地があります。東京の練馬区や清瀬市に隣接し、都心にも近い割りに「平林寺」という松平信綱公の墓所がある有名な寺があり、うっそうとした武蔵野の樹林があって、住むのにも適しているからでしょう。大学教授や芸術家が多く住んでいるようです。
 ところで新座と言えばグルメには「うどんのまち」というイメージがあります。うどんは加須も有名ですが、概して埼玉は「武蔵野うどん」という腰の強いうどんが有名です。農家では自家製うどんを作ります。蕎麦は江戸前の二八そばのように、気の短い江戸っ子向き、さっとゆでてズルッと食べて腹ごなしが良い、一方うどんは力仕事の農作業のため腹に十分なものです。

■ 武蔵野うどんを食す
池田屋うどん
地元の人や常連で賑わう“池田屋うどん”
 農家のうどんとも呼ばれる「武蔵野うどん」を食べるには?ネットで調べたら、「池田屋うどん」が良さそうです。この辺では平林寺近くの「たけ山」が有名ですが、地元の人が行くと書いてあるので、おいしいはず。平日の午後2時なのに、駐車場の空きは1台のみです。混んでますネ。店の中も中学生から、カップル、家族連れ、おじいちゃんまで様々、夏休み時期とはいえ、午後2時なら空いているだろうというヨミは外れました。
 メニューを見て驚きました。うどんでもソバでも、もり¥380、ざる・きつね・たぬき・月見・野菜天みんな¥400、肉汁¥550、鴨汁¥800、他にもたくさんメニューがありますがいずれも千円札1枚以下、しかも税込みです。

典型的武蔵野うどん

■ 茹で時間がかかる武蔵野うどん
 ざるうどんを注文しました。後から入ってきた中学生ぐらいのグループ男子3人、女子2人、何やら外国語を話しています。中国語や韓国語ではありません。日本人に見えるのですが。大阪で殺された男女の中学生と同じかチョット上かな?と思ってみていたら、ざるソバやもりうどんを日本語で頼んでいます。おじいちゃんとおばあちゃんで切り盛りしている店です。ざるうどんがなかなか出てきません。丸亀製麺や山田うどん、はなまるうどんならあっという間に出るのにな、と思っていたら、中学生のざるソバは直ぐ出てきましたがもりうどんは出てきません。やっと我がざるうどんが出てきて、中学生のもりうどんも続けて出てきました。ようやく出来上がったうどんを食べて納得しました。武蔵野うどんですから非常にコシが強く、茹でるのに相当時間がかかるようです。しかもこれでも茹でが足りないと思いました。讃岐よりずっと硬いのです。顎が痛くなるくらいの噛み応えで、天童の蕎麦みたいで、美味しい手打ちの太麺うどんでした。次は温かい肉汁うどんにしようと思いました。このコスパはなかなか得られません。
 以前、118『入梅』(2015年6月13日)で美味い蕎麦屋の話を聞いて、行ってガッカリした話を紹介しましたが、やはりネットで調べて行くべきですね。どちらのお店もおじいちゃん、おばあちゃんでやってますが、全く評価が分かれます。高くてまずいほどガッカリすることはありません。

■ 志木街道もグルメ通り
 ちなみにこの「志木街道」(東武東上線の志木と西武池袋線の清瀬を結ぶ)には塩ラーメンで有名な「ぜんや」など様々な飲食店が並んでいます。ずっと前になりますが、「ぜんや」に行って、あまりの行列に恐れをなし、「池田屋うどん」に近い「バリバリラーメン」に入りましたが、ここはお勧めでした。なかなかラーメンには辛い筆者でも合格です。ちなみに「志木街道」には立教大学新座キャンパスもありますが、所沢に本部のある「山田うどん」や、今や世界ブランドになった「丸亀製麺」、ゼンショーグループの「久兵衛屋」もありますよ(^-^)

■ 「天津」の爆発
 2015年8月12日、天津市沿海部の浜海新区で大規模な爆発事故が起きました。今回の事故が起きたのは天津港に近い中心部で、東京でいえば東京湾から銀座・丸の内にかけての一帯と思えば良いでしょう。爆発を起こした倉庫には、水分と反応すると青酸ガスになるシアン化ナトリウム700トンをはじめ、計3000トンもの危険化学物質が貯蔵されていたと報道されています。10日経った現在でも事故の全容は明らかになっておらず、死者は約120人、行方不明者が約100人で、その多くが消火にあたった消防士だったようです。彼らは火災現場に危険化学物質が貯蔵されていることを知らされておらず、放水が爆発を引き起こしてその犠牲になったと言われています。天津市の中心部から浜海新区は40キロほど離れており、東京と横浜の位置関係ですから、これを「天津」爆発というのには語弊があります。新区という名前でわかるように、ここは開発区で、ロンドンで言えばドックランド、東京で言えばお台場です。2002年、天津市出身の温家宝が首相に就任して天津の開発は加速しました。そして2006年、天津市は600億元(約1兆円)を投じ、「東洋のマンハッタン」を生み出すべくビジネス特区の建設に着手しました。ところが今や、この一帯は建築途上の高層ビルが放棄され、摩天楼のゴーストタウンと化しています。国家の威信をかけたビジネス特区のプロジェクトは、わずか2棟が完成しただけで、2年間の建設ラッシュのあとにすべて止まってしまったのです。高層ビルから壁が剥がれ落ちて落下する有様で、危険地帯と言えるでしょう。直径百メートルの穴が開いたという大爆発の規模にもかかわらず死傷者の数が少なかったのは、もともとここには誰も住んでいなかったからなのです。今回の事故でトヨタやイオンは大被害を受けています。更に最大の衝撃は、飛散した有毒物質の影響でこの一帯が居住できなくなる恐れがあることです。上海市場の株価暴落や人民元の切り下げなどで中国経済の減速が明らかになりましたが、この国はいたるところでゴーストタウンが生まれ、その資金源だった地方政府が抱える膨大な債務を今後どうするのか?ヤバイですよ。これまで株を買い支えてきた中国政府もこれを止めると宣言し、大口投資家に株売却禁止令を出しました。青くなった個人投資家の投売りで、1週間で11%株価が下落しました。こんなもので済んでいるのは株売却禁止令のためです。

■ バンコクの爆弾テロ
 バンコクの中心部で2015年8月17日に起きた爆弾テロ事件では、20人が死亡、日本人1人を含む128人がけがをし、タイの警察は、事件の直前に現場から立ち去った男が、爆弾を入れたリュックサックを置いて爆発させたとして、殺人などの疑いで逮捕状を取り、行方を捜査しています。
 これまでの捜査で、男は、事件の直後、現場近くからバイクタクシーに乗って移動する際、携帯電話で英語とは違う外国語を話していたことが分かっていて、警察は、外見の特徴などからも男が外国人の可能性があるとみています。このため、タイ警察は、バンコクの中央駅など男の足取りが確認された場所の周辺にある監視カメラの映像の分析を続けるとともに、懸賞金の金額を当初の3倍、日本円で1千万円余りに引き上げて情報の提供を呼びかけるなど、男の行方の捜査に全力を挙げています。タクシン派と反タクシン派の対立は今も続いていますが、これとは関係ない国際的陰謀ではないか?と見る向きもあります。

■ 日経平均は節目の1万9500円割れ
 東京株式市場で2015年8月21日、日経平均は節目の1万9500円割れ、東証1部全体の9割超が値下がりし、全面安となりました。日経平均の下げ幅は今年2番目の大きさでした。中国経済や米金融政策の行方など外部の不安要素の影響ですが、日本の証券業界は強気の見通しを崩していません。意識されているのは、過去最高水準に積み上がっている個人マネーの流入期待だそうです。国内企業の好業績や相対的な割安感も支えとなり、日本株は次第に切り返すと見ているようです。
 日本株安の背景は世界同時株安です。グローバル景気の失速懸念に加え、米利上げの有無に対する不透明感が強まったためです。19日に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、9月に利上げするかどうかはっきりしなかったことが嫌気されたためで、次回のFOMCまでは不安定な値動きが続くでしょう。
 これまで2万円を一時的に割れた場面で、日本株のファンダメンタルズに根本的な疑義が出たかというと、そうではありません。外部環境の悪化により、相対的に値持ちの良い日本株が世界の景気敏感株として売られるといったことが繰り返されています。すなわちそれだけ海外投資家が日本株を持ってるということです。国内企業業績はおしなべて3割弱の経常増益で、遂にバレル40ドルを割った原油安による業績の更なる上振れ余地も出てくるでしょう。リスク回避で2万円を割れたとしても、証券業界は瞬間風速的な動きとみているようですが、中国が失速すると日本企業への影響は避けられません。
 またリスク回避で円が買われています。日本企業は円安効果を受けて業績を改善してきましたが、市場の混乱に加え、過度に円高が進めば輸出企業を中心に打撃を受ける可能性があり、恐らく日本の証券業界の強気の見通しは「期待」に過ぎず、1万9千円割れとなるでしょう。

■ 黒田電気の臨時株主総会
 黒田電気の2015年8月15日に開かれた臨時株主総会で、大株主のファンド、C&Iホールディングス(東京都港区)から推薦された村上世彰氏ら4人の社外取締役候補を選出する案が否決されました。村上氏らによる黒田電気のガバナンス体制の強化や業界再編などへの期待感が剥落したことも、日経平均株価の下げにつながりました。黒田電気は電子部品の販売で大きな利益を上げていて、内部留保が多過ぎる、株主に還元せよ、という主張がそれでも全体の4割の賛同を得ました。株主にしてみれば、利益を還元せよという主張には賛成したくなる気もしますが、次なる発展のために内部留保するわけですから、稼いでもドンドン株主へお金を渡していたら、健全な企業発展は出来ないという経営陣の主張が海外投資ファンドを含めて支持されたようです。

■ 桜島の噴火警報
 鹿児島県の桜島に噴火警戒レベル4の噴火警報が出されてから1週間になります。桜島と言えば噴火するのが当たり前で、何で今更警戒するの?と思っていましたが、避難する人が居るほど近くに人が住んでいることになおビックリ!でも、待てよ、秋田駒ケ岳が噴火した時、そういえばこの山は雫石町と秋田の県境、自分も火山のすぐ脇に住んでいたのだと思うと、他人事ではありませんね。雲仙普賢岳の麓に住んでいる人がたくさん居るくらいですから。箱根や御嶽山の麓の人たちも、危険は承知の上で住んでいますし、浅間山はじめ火山あって軽井沢や佐久、上田があるわけです。

■ 夏の甲子園、東海大相模が優勝
 第97回高校野球選手権大会(夏の甲子園)は東海大相模の優勝で幕を閉じました。埼玉県代表:花咲徳栄、岩手県代表、花巻東、宮城県代表:仙台育英を応援していましたが、残念でした。数々のドラマがありました。こちらをご覧下さい→クリック
(2015年8月22日)


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