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 3月とは思えない暖かい日が続きます。緊急事態宣言が解除されたので、少年野球の春季大会が始まりました。春分を過ぎたとはいえ、天気予報ではこれからずっと最低気温が10℃以上が続き、最高気温が20℃越えの日がパラパラ断続するそうです。本日3月29日は満月、最低気温13℃、最高気温24℃、もう半袖で良いような日和です。

■ コロナ禍・・・マンボウ適用か?
 緊急事態宣言が首都圏1都3県で解除されましたが、それでも飲食店には21時の閉店要請が4月21日まで続くということで、飲食店業界では落胆の声が聞かれます。しかし宮城県が2月23日(火・祝)からGo To Eatプレミアム付き食事券の販売を再開したことで急激に新規陽性者が増え、仙台市と山形市が独自の緊急事態宣言を出す破目となりました。大阪府は東京を越える感染者が発表され、政府の対策分科会が示す6指標の大半がステージ3(感染急増)に達し、専門家が「第四波の兆し」と指摘しています。法改正により新設された「蔓延(まんえん)防止等重点措置」(いわゆる”マンボウ”)の政府への発令要請が仙台市で現実味を帯びつつある中、大阪府も吉村洋文知事が「十分あり得る」と言及しており、今後要請是非の判断が焦点となるでしょう。東京越えですから大阪府はどうやら第四波に突入したようです。吉村知事が緊急事態宣言解除に前向きだったので心配していましたが、やはり府民が呼応したようです。吉村府知事は、街角の通行人にPCR検査しても陽性者がつかまる率はわずかだと発表しました。つまり全員検査できれば別ですが、抜き打ち検査ではなかなか無症状感染者をつかまえられないということです。これまでの知見で、感染者が発生する場所がどうやら明らかになってきました。もちろん感染者が自宅で家庭内感染を起こすことはあるにしても、感染が拡大する場所は人が密になっているところで且つ感染者が発生しやすいところ、病院や介護施設、学生寮、飲食店やカラオケ店などです。学校やパチンコ店、温泉施設などではクラスターが発生していません。病院は患者が集まるところなのでさもありなんと思いますが、介護施設はどうしても密着が避けられないためのようです。その他はやはり人が開放的になって会話が発生するところです。感染対策を徹底すれば、容易には罹患しないことが分かってきました。しかし若者たちの中には「もう我慢できない」という人が居るということも事実、リバウンドは避けられないみたいです。

■ コロナ禍でも花は咲く
 今年はお花見宴会はできません。歩いて、あるいは自転車で桜を見に出ている人はいますが、皆さんわきまえて密を避け、騒ぐ人も居ません。静かなお花見です。


歩いてすぐ、「コスモガーデンズ七彩の街」の一角にある公園のシダレ桜やソメイヨシノ、まさに「乱舞」の表現がふさわしい(2018年3月28日撮影)

■ 花桃を求めて東秩父村へ
 265『野球の季節』(2018年4月7日)で、埼玉県唯一の村;秩父郡東秩父村大内沢の花桃の郷を紹介しました。我が家から北西に45kmです。埼玉県西部の秩父地方と山で隔てられた東側にあることから「東秩父」と名付けられたようです。「和紙の里」として知られますが、桃源郷という言葉がピッタリの美しい村、山また山で、埼玉は田舎だなぁ〜と思いたい人にはピッタリです。我がふじみ野市から見ると乳房の形の笠山(837m・別名オッパイ山)が村の南にあります。その更に南には天文台のある堂平山(876m)があります。詳しくは東秩父村の観光サイトをご覧ください。今年も行きました。大内沢の花桃の郷は道幅が車1台ギリギリ、片側崖で急カーブの一方通行の急坂道が続きます。車でぐるっと回り、南下して落合集落から内手で右折して西側に山登り、右に左にクネクネ登って二本木峠着、ここは埼玉の山道好きな人ならだれでも知ってる場所です。尾根沿いを南下して秩父高原牧場(彩の国ふれあい牧場)を過ぎ、「首都圏自然歩道休憩地」という見晴らしの良いところで一休み、ここから南に行けば粥新田峠を経由して大霧山(766m)です。笠山、堂平山と併せて比企三山と呼ばれます。しかし車はシャットアウト、徒歩で行くハイキングコースです。ここから車は右折して皆野町に入ります。この辺り一帯には5月下旬から6月上旬に見ごろを迎える1500万本を越える「天空のポピー」が咲き誇ります。昨年はコロナ禍で泣く泣く抜いて、人が集まらないようにしたそうです。今年は再び開催される予定だそうですから、もう種まきしたんでしょう。

花桃の郷の展望台に登り、眺めた光景はまさしく桃源郷、桜、花桃、レンギョウ、ムラサキツツジ・・・

手前がムラサキツツジ、黄色のレンギョウ(黄桜)、梅、桃、花桃、桜、みな一斉に咲きます

首都圏自然歩道休憩地から小鹿野町方面を展望(筆者撮影)
 いたるところでオオアラセイトウ(大紫羅欄花)が目に付きました。アブラナ科オオアラセイトウ属の越年草で、別名:ショカツサイ(諸葛菜:諸葛孔明が広めたとの伝説から)、もう一つの別名はムラサキハナナ(紫花菜)で、「紫色の菜の花」という意味で、菜の花(アブラナ)に形状が似ているというだけではなく、実用面でも野菜としての利用や種から油を採取する点などでもアブラナとの共通点が見られます。

オオアラセイトウ/諸葛菜/紫花菜 葉っぱを見ればアブラナ科の野菜だなと思います

■ 両神温泉目指して・・・どさん子ラーメンで昼食
 今回の目的は埼玉県秩父郡小鹿野町の両神温泉です。384『秩父』(2020年7月19日)で秩父の観光スポット、グルメ、小鹿野町が宮澤賢治で町おこししていることを紹介しました。385『小鹿野と宮澤賢治』(2020年7月28日)では「花と歌舞伎と名水のまち おがの」と宮澤賢治の秩父地質調査の足跡を紹介しました。続いて386『イーハトーブ』(2020年8月3日)では宮澤賢治について紹介しました。今回の旅は埼玉県で新型コロナ感染者の最も少ない地域を目指した旅です。最少は東秩父村4人、皆野町と小鹿野町が7人、横瀬町13人、長瀞町18人です。少ないほうから5つがこの地域なのです。東秩父村から天空のポピー経由、皆野町を通り、小鹿野町へ、途中苗屋さんに寄ったり道草しながらですが、「どさん子ラーメン」という看板を見て衝動的に立ち寄りました。1961年創業ですからナント!60年経つんですね。昔は良く見た看板、あの味噌ラーメン、懐かしい!混んでましたが、「あ〜、この味だ」と美味しく頂いて、再び車で走ったら今度は、「どさん娘ラーメン」という看板がありました。こちらもチェーンですが、当初「どさんこ」と発音していたものの、明らかに模倣ということで裁判で敗れ、「どさんむすめ」と読み方を変更したそうです。しかし看板の「札幌ラーメン どさん娘」を見ると、どっちが本家なのか分からなくなります。今や中華人民共和国のお家芸の「真似」の元祖はニッポンかもしれません。小鹿野町の、しかも近所に、2軒の「どさんこ」があるなんて、消え行くラーメンチェーンを懐かしむラーメンオタクの聖地かも?昔の恐竜の化石が出る町、味噌ラーメンもしぶとく生き残っているのです。ちなみに一時は全国に味噌ラーメンを広げた大チェーン「どさん子ラーメン」は、今や全国で300店舗ほどに減り、埼玉県では小鹿野町下小鹿野と、お隣の秩父市別所にしか残っていないそうです。

■ 国民宿舎両神荘宿泊
 皆野町から小鹿野町へ行くには秩父市を突っ切りますが、「美の山」というところを迂回するために南にぐるっと回り、「和銅遺跡」の近くを通って荒川を越えます。西暦708年、この地で採掘された自然銅が朝廷に献上され、日本最古の流通貨幣と言われている「和同開珎」が作られたそうです。今回の目的は小鹿野町営国民宿舎両神荘(宿泊定員168名/本館鉄筋2階建、別館4階建)のアルカリ性単純温泉です。pH9.1 強アルカリ性美肌の湯がキャッチフレーズです。確かに良い温泉でした。湧出温度は低いので加温していますが、メタホウ酸成分が多いので肌がツルツルします。埼玉県誕生150周年を記念した、5つの特典付き特別プランを予約しました。アーリ−チェックイン13時、夕食に「深谷牛の陶板焼」付き、お土産…両神荘オリジナル「温泉の素25g」付き、「平成の名水百選」に選ばれた「毘沙門水500ml1本」付きなどの特典がありました。宿泊料金は12千円、リーズナブルでした。駐車場に停まっていた車はすべて埼玉県内のナンバーでした。やはり県境をまたいでの外出は皆さん避けているんですね。

小鹿野町営国民宿舎両神荘の外観 建物はもう大分築年数が経過(筆者撮影)


夕食の「わらじカツ」は食べ放題 「秩父名物豚味噌漬け陶板焼」は旨かった! 感染対策は厳しく、注意されるヒト続出!私ら慣れてるのでOK

上記は小鹿野膳、鍋は「秩父名物豚味噌漬け陶板焼」に代わり、これに「深谷牛の陶板焼」が別途付き豪華でした
お酒は筆者:イチローズモルトのオンザロック、連れ合い:秩父ワインを注文 足りないので秩父錦の燗酒を追加
まだそれほど年数が経っていないのに、2017年から連続して世界最高賞を受賞している秩父産イチローズモルト
確かに甘くて美味しくて、世界のウィスキーファンから人気があるのは当然だな、と納得しました 高価ですが


朝食

■ クライミングパーク神怡館
 国民宿舎両神荘に隣接して「クライミングパーク神怡館」があります。「しんいかん」と読むそうです。いかにも中国の建物で、埼玉県と中国山西省との友好県省締結を記念して1992年に開館しました。「神怡」とは、中国北宋時代の政治家・范仲淹の書物に由来し、心が開けて気持ちが和らぐという意味だそうです。内部にはボルダー壁が設置され、突起につかまりながら登るボルダリングが楽しめます。難度別に各種あり、キッズコーナーも設置されています。

両神荘から見たクライミングパーク神怡館の外観 左奥の建物は鳳鳴館…カフェ&ギャラリー兼山岳観光情報センター(筆者撮影)


旧両神村と中国山西省との友好の館跡の碑(筆者撮影)


きれいな彫刻です(筆者撮影)

■ 丸神の滝観光
 埼玉県内で唯一「日本の滝百選」に選定された「丸神の滝」を見に行きました。両神荘からすぐの道の駅に「小鹿野町地域資源活用センター」や「両神温泉薬師の湯」、「両神農林産物直売所」があり、野菜や花:ラナンキュラスを4鉢購入しました。ここを出て間もなく、【右→丸神の滝】という標識を見て右折、間もなく「セツブンソウ園」が左にありました。入園料¥300という料金所は閉鎖されています。5000平米の自生地は日本一だそうですが、季節でないのか、ウラ淋しい限りです。更に進むと、途中、大型ダンプと次々すれ違います。その理由が途中で分かりました。両神興業鰍ニいう会社の採石場があったのです。

両神興業鰍フ採石場 山肌を削る様は武甲山同様ですが、石灰石採掘の武甲山の山肌は白いのに、ここは黒い(筆者撮影)
採石場を過ぎて道は急に細くなり、車がすれ違えない程度で、ところどころに退避場があります。丸神の滝の取りつきまでの細い道を小森川に沿ってクネクネと登っていきます。途中「おくちちぶ両神キャンプ場」の脇を通りました。更に進んで丸神の滝の駐車場に車を停めて、東口から「学校橋」を渡り徒歩で登りました。約1.5kmの遊歩道が整備されています。まだ新緑には早かったものの、様々な山野草の花が咲いて、実にきれいでした。途中の「本谷橋」で滝まであと350mと書いてあり、「灰岩橋」で滝まであと250mと書いてあるのですが、この二つの橋の間はどう見ても100m以上ある感じです。両神山から流れ落ちる3段からなる落差76mの滝は、なるほど見事でした。水がとてもきれいです。マイナスイオンを感じながら、しばし滞在しました。駐車場から滝の往復は万歩計で2800歩でした。キャンプ場跡地がありますが、いまは完全に廃墟です。

丸神の滝(筆者撮影)
ちなみにもう少し進めば、「両神山麓キャンプ場」があり、民宿もあります。道の終点は「白井差」というところで、ここまで小鹿野町営バスが通っています。両神山への登山道は3ヶ所、その一つがこの白井差新道です。筆者が登山したのは日向大谷口からで、清滝小屋に泊まりました。標高1723mで大して高くも無いのになぜ日本百名山なんだろうと不思議に思いましたが、登ってみればわかります。鎖場もあって、ガレ場、岩場の急登です。遠くからも見えないし、ヘンな形の山です。

関八州見晴台から見た両神山(手前に小鹿野町の観光名所:二子山)

■ ようばけ
 さあ帰宅しましょう。山村留学を埼玉県で唯一実施している小鹿野高校を見て、次に町の中心部の商店街へ、なかなか素敵です。須崎旅館〜宮澤賢治が宿泊した本陣寿旅館→今は小鹿野町観光交流館に寄り、JA小鹿野の農産物直売所で沢庵を買い、どさん子ラーメン前を通って「ようばけ」を見るためにおがの化石館に向かいました。途中、武甲山がその三角に尖った山容を見せます。秩父の名峰ですね。

本陣寿旅館→今は小鹿野町観光交流館(筆者撮影)


ようばけ(国指定天然記念物)をバックに、おがの化石館には、2つの歌碑が寄り添うように並んでいます(筆者撮影)
  宮澤賢治 「さはやかに半月かゝる薄明の秩父の峡のかへり道かな
  保阪嘉内 「この山は小鹿野の町も見へずして太古の層に白百合の咲く

■ 秩父ミューズパーク
 小鹿野町から秩父ミューズパークを通って秩父市街に向かいました。女神の公園ですね。見どころいっぱいです。下写真の左下にH状の橋の二本柱が見えますが、これは荒川に架かる秩父公園橋(秩父ハープ橋)で、これを撮影した翌日;2021年3月26日朝には放射冷却で一面の雲海になり、NHKのニュースでこの模様が流れました。

秩父ミューズパーク;旅立ちの丘から秩父市街展望、右奥に見えるのは武甲山(筆者撮影)

■ Android版のLINEやGmail、YAHOOなどがトラブル
 3月23日午前7時ごろから「Android版のLINEやGmail、YAHOO、ゲームなどが正常に起動できない」とする報告が相次いだそうです。筆者も「エコパ」のプールである人から「Androidのシステムエラーが起きていてスマホがまともに動かない」と言われました。しかし我がスマホもAndroidですが正常に動いています。「ほら、YAHOOだって見れるよ」・・・「オカシイナ〜、AndroidOSのせいじゃないのかな?」ということで別れました。帰宅して調べたら、米Googleが提供する、Androidアプリ内でWebブラウザを利用するための部品である「WebView」の不具合だったようです。パソコンでGmailは正常です。Googleは15時18分に、Google Playストアから「WebView」および「Google Chrome」を更新することで不具合が解消されると発表したとのこと。どうやらアプリの更新を自動アップデートに設定しているユーザーに起こっている現象のようで、筆者はそれをしていなかったため影響が無かったようです。

■ 大相撲春場所は照ノ富士優勝
 大相撲春場所は12勝3敗で関脇・照ノ富士が優勝しました。もう来場所大関復帰は100%確実です。モンゴル出身ですが、この力士が好きだという大相撲ファンは多いみたいです。間垣部屋に入門し、途中で間垣親方の死によって伊勢浜部屋に移り、大関まで早々に駆け上がって、横綱間違いなしと思われましたが、膝の怪我と内臓疾患で序二段まで落ちました。そこから這い上がったのは史上初です。その不屈の闘志が日本人の共感を呼ぶのでしょう。またあの怖い顔、お寺の門前、両側に居るような...それがまたいかにも強そうでカッコイイですね。ふがいない日本人大関に比べていかにも強そう、白鵬はもうダメで横綱不在は確実そうなので、横綱最短は照ノ富士でしょう。ただ、膝が、いかにも痛そうなのが心配です。照ノ富士を破った元大関・高安が途中単独トップに立ちました。歌手の杜このみさんと結婚して子どもが生まれただけに応援してましたが、終盤相手を圧倒しながら土俵際自らコケル相撲が続いて10勝5敗に終わりました。来場所以降も頑張って、高安も是非大関に復帰してもらいたいものです。土浦市民も応援しているでしょう。

■ 鶴竜引退
 第71代横綱鶴竜が引退しました。鶴竜は2001年九州場所で初土俵、もろ差しからの速攻など技巧派で活躍し、2014年春場所後に横綱に昇進しました。6度の優勝を果たしたものの、腰痛などにも苦しみ、昨年11月場所後に横綱審議委員会で引退勧告に次ぐ重さの「注意」を決議されていました。昨年12月に親方となる条件の日本国籍を取得できたことで、引退を決断したのでしょう。横綱は引退後5年間、自身のしこ名で年寄を名乗れることから、鶴竜親方として協会に残って、その間に年寄名跡取得を目指すようです。鶴竜は性格も穏やかで、後輩力士の面倒見も良いので、角界からも大相撲ファンの間からも好意的に受け止められました。残る問題は白鵬ですね。
(2021年3月29日)


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