419 文春砲
我が家の西洋サクラ草;プリムラ・マラコイデスや陽光桜が満開です。スオウもそのピンクの花を咲かせてきました。家の周囲はグルっと、ピンク色であでやかです。陽光桜は鉢植えにしています。銀杏もモミジも枇杷も南天も大きな鉢に植えています。地植えにするとヤバイからです。紫陽花や薔薇は地植えと鉢植え、両方ありますが、その鉢の多いこと・・・連れ合いの仕業です。
我が家の陽光桜
ところで花桃が咲きません。毎年源平咲きで楽しんできたのにどうしたんでしょう?原因が分かりました。接ぎ木だったのです。台木が元気で、上がダメになったようです。泣く泣く廃棄処分...ア〜残念!
■ またしても東日本大震災の余震発生
2021年3月20日(土)18時9分ごろ、宮城県沖(牡鹿半島の北東20km付近)を震源とするマグニチュード7.2の地震が発生、震源の深さは60km、緊急地震速報と津波警報が発令されました。地震があるとすぐ時計を見る癖がありますが、我が家では18時11分でした。テレビは各局とも通常番組から地震に関するニュースを伝える画面に切り替わりました。仙台市や石巻市など宮城県内10市町で最大震度5強を観測しました。気象庁は宮城県の沿岸に津波注意報を発表しましたが、19時半に解除しました。弟の住む仙台市泉区では震度5弱でしたが、すぐ机の下にもぐったそうです。塩釜市の市道で崖が崩れ通行止めになりました。東北新幹線の東京−盛岡間で、上下線で運転を見合わせ、在来線も一部止まりました。高速道路は東北道、山形道、三陸道が通行止めとなりました。414『ダイバーシティ』(2021年2月14日)で紹介しましたが、2月13日(土)23時8分にも東日本大震災の余震があり、震源地は福島県沖で、震源の深さは55km、マグニチュードは7.3、宮城県と福島県で最大震度6強を観測しました。このときはスマホが唸り、各テレビ局も一斉に地震のニュースになりました。我が家では震度3ぐらいだなと思いました。今回はスマホは唸らず、震度2ぐらいだなと思いました。ただし揺れは2月13日より長く続きました。今回震源地は北緯38.4度、東経141.7度で、東日本大震災の震源の位置:北緯38.03度、東経143.15度に近いところです。東日本大震災のときは宮城だけでなく岩手、福島でも連動してプレートがずれたので大地震になりました。震源は深さ10kmと浅かったので大津波となりました。今回の地震で埼玉県ではさいたま中央区、加須市、春日部市、久喜市などで震度4、その他ほとんどの地域で震度3、武蔵野台地上の所沢市や飯能市、秩父地域など埼玉県西部は震度2でした。これは東日本大震災のときの震度分布と全く同じです。ふじみ野市では荒川寄りの東部地域が震度3、台地の西部地域が震度2でした。それにしても10年経ってもこれだけの余震があるのですから、地震大国ニッポン、油断なりませんね。
■ 1都3県緊急事態宣言解除
73日間にわたった緊急事態宣言も、2021年3月21日(日)をもって解除の運びとなりました。1都3県における感染者数は、変異ウイルスの影響と思われますが、リバウンドの兆しを見せている中での解除です。そもそも報道で明らかですが、街中の人出を見ても人々が緊急事態宣言に辟易して、もう我慢できないという意識になっていることは明らかでした。専門家の中には、いくら緊急事態宣言を続けても実効的な対策が打ち出されていない以上、続けても無駄だという意見さえありました。ワクチンの調達さえG20のなかで18番目という有様ですから、日本という国の衰退を見せつけられているようで、悲しくなります。ひたすら感染対策を怠らぬようにしながら、ワクチン接種を待つしかありませんね。
我が家の花桃はきれいでした
■ 仙台で独自の緊急事態宣言発令を余儀なくされた理由
1都3県の緊急事態宣言解除の結果がどうなるか、参考になるのは宮城県の有様です。宮城県の日毎新規陽性者数を見ると、2/12頃に第三波が一応収束しました。実効再生産数は、1/24の0.99から2/14には0.49という良い値になりました。2月8日、宮城県独自対策が終了して、やがて新規陽性者数は緩やかな増加に転じ、ゆっくりと増加を継続して行きました。そして2/27(土)から強い増加傾向となり、その後一貫して増加、実効再生産数は1を超えて感染拡大が明白になりました。宮城県の1日の新規感染者は3月20日(土)には125人と過去最多を更新しました。3/12〜3/18の人口10万人当たり感染者数は全国の都道府県で最悪の19.38人に達しました。宮城県と仙台市は3月21日(日)、仙台市全域の酒類提供店を対象に時短営業を再要請する方針を決めました。期間は3/25〜4/11の20日間です。これまで実施された時短要請は22時まででしたが、21時までに前倒しするそうです。この再拡大の要因は何か?仙台に住む弟に聞いたら、地元では3.11の東日本大震災10年経過に絡む様々なイベントのせいではないかと言われているとのことでした。しかし2/27(土)から強い増加傾向となったわけですから、感染の始まりは2週間前と考えられます。それならば2月13日(土)23時8分に発生した福島県沖を震源とする東日本大震災の余震がきっかけではないでしょうか。10年前の恐怖が人々を買いだめに走らせたのでしょう。当然人出が急増します。更に追い打ちをかけたのが2月23日(火・祝)より再開された宮城県のGo To Eatプレミアム付き食事券の販売でした。繁華街の飲食店に人が繰り出します。これは狂気の沙汰でしたね。震源地の福島県も感染者数が増えており、宮城県に隣接する山形県、岩手県でも人の交流がある以上、増加は避けられません。
我が家の花桃は源平咲きでした
■ 文春国会;注目の水曜日
このところの国会はコロナと総務省で大揺れです。文春オンラインが2021年2月3日、「総務省幹部が利害関係者にあたる放送事業会社『東北新社』から接待を受けていた」と明らかにして、これが菅義偉首相の長男の正剛(せいごう)氏が勤める会社だったのでスキャンダルになりました。日曜午前のTBS「サンデージャポン」でコメンテータのテリー伊藤氏が、「菅正剛さんの風体、ウケルね。是非サンデージャポンのコメンテータにスカウトしたいね」と言ってました。さもありなんという感じです。2月17日に、「総務省の秋本芳徳情報流通行政局長(当時)と東北新社側の会食時の音声が公開」されると、それまで「記憶にない」とシラを切っていた状況が一変、会話が同社の衛星放送事業に及んでいたことが判明したのです。総務省は翌週、秋本氏や谷脇康彦総務審議官(当時)ら11人を処分しました。3月3日には「谷脇氏らがNTTからも接待を受けていた」と暴露し、谷脇氏もウソをついていたことが判明して辞職。3月10日には「NTTと総務相在任中の自民党議員との会食」が報じられました。そして3月17日には「武田総務相とNTT澤田社長が会食していた」ことが報じられました。ウソをついていた役人や大臣に次々と証拠を突き付けていく週刊文春の調査能力がスゴイ。「文春砲」と呼ばれますが、こんな音声が取れるということは、協力者の存在が疑われます。政府も防衛戦略を考えないとイカンちゃいますか。
■ MNP無料化を機に大戦争勃発
総務省疑惑が顕在化するのはそれだけ利権があるということです。役人や大臣をNTTやテレビ局が接待することがそれを示します。菅義偉政権が「大きな節目を迎えた」と成果を誇る携帯料金の「官製値下げ」ですが、NTTドコモをNTT本体に吸収したこととの関連が疑われています。このニュースが流れた時に、他の携帯各社が政府に反対の意見書を連名で出していたのも、公正な競争が失われることを危惧したからです。いま3月末を区切りに携帯大戦争、関連して固定回線大戦争が勃発しています。ネット広告、新聞折り込みチラシで一目瞭然です。携帯大手各社が一斉に新プランを打ち出し、格安スマホ各社が慌てて対抗しています。4月からMNP(携帯電話番号ポータビリティ)が無料化されます。携帯の会社を乗り換えたいときに電話番号を変えたくない場合、これまで各社とも税別3,000円の手数料(MNP転出手数料)をとっていましたが、これが廃止されるのです。競争を促すための政策で 総務省が2020年10月にまとめた「モバイル市場の公正な競争環境の整備に向けたアクション・プラン」の「第3の柱:事業者間の乗換えの円滑化」に基づくものです。いわば気軽に事業者を替えられるわけですから、各社とも奪い合い、守り合いに必死になるわけです。しかも通話料無料などが目玉で打ち出されていますから、いよいよ固定電話の存在意義が薄れて行きます。するとインターネット接続事業者にもこれが波及し、光回線と無線の客の奪い合いが出てきます。携帯は無線です。電線(有線)の人もまだまだ多いですが、これを光ファイバーに替えると通信速度が速くなる、電話もできる、テレビも見れる、携帯電話事業者とセット割引いかがでしょうかという大戦争です。無線と言っても4Gから5Gへ、LTEもある、いやいやWi-Fiならばもっと安いよ、なんて言われるともうワケが分からなくて眼を白黒という人が多いのではないでしょうか。4月になるや携帯事業者を替える、光事業者を替える、Wi-Fiに替えるなどと言う人が続出するはずです。スマホやルーターも当然替えますから、ここを狙って各社必死なのです。
我が家のスオウ
■ 格安スマホが淘汰される?
大手各社の新プランに対抗して、格安スマートフォン事業を行うMVNO(仮想移動体通信事業者)各社もさらなる値下げに乗り出しています。一番の売りだった「安さ」という特徴が薄れ、経営体力のない格安スマホ会社が淘汰されるのではないでしょうか。競争を活性化させるはずの政策が、逆に大手が市場を独占する構図になるのではないかと危惧されているのです。通信大手のインターネットイニシアティブ(IIJ)が2月24日発表した個人向け格安スマホサービス「IIJmio」の新プランは、データ容量20GB(ギガバイト)で月1,880円(税抜き)、2GB780円、4GB980円と小容量需要にも細かく対応した料金体系です。意識したのは、416『Telecom』(2021年2月28日)で紹介した楽天モバイル、大手3社に次ぐ「第4勢力」です。楽天は1GBまでは無料、3GB超20GB未満1,980円とする段階制の新プランを発表しました。値下げが後発になったIIJは、楽天に対抗できる料金設定を迫られ、20GBで楽天より100円安い1,880円を打ち出したわけです。
■ 大手の値下げに対抗してMVNOも値下げ
携帯料金の値下げは、NTTドコモが昨年12月、先陣を切る形で20GB2,980円(後に2,700円に値下げ)の新プラン「ahamo(アハモ)」を発表したのが皮切りでした。KDDI(au)が、同じ20GBながら、音声通話を抜いて2,480円にした「povo(ポヴォ)」で追随、ソフトバンクはKDDIと料金を同水準に設定した上で、無料通信アプリ「LINE(ライン)」のメッセージや音声通話はデータ容量を消費せずに使用できる新プラン「LINEMO(ラインモ)」を発表しました。
携帯電話市場は大手が約9割のシェアを占め、残りを1450社あるとされる格安スマホ事業者で奪い合っています。両者の価格差が縮めば、通信品質などの面で優れる大手に流れる顧客が増えるかもしれません。MVNOは大手から音声通話とデータ通信の回線を借りてサービスを提供しているので、格安スマホ会社を守り、市場の寡占化に逆戻りさせないために、政府は2021年度から回線レンタル料を半額に値下げすることを大手に求めたのです。このようにして総務省が業者を統制しようとするので、なんとか自分たちに有利にしてもらおうとすり寄って来るヒトが出てくるわけです。
我が家の陽光桜
■ 我が家の場合
我が家は夫婦でMVNO:イオンモバイルを使っています。夫婦でそれぞれAndroidスマホを持ち、シェア音声データ4GBプランです。契約は月4GBですが、パケット消費量が少ないので、3月は前月分の繰越分3.67GBを加えてデータ通信容量は合計7.67GBもありました。つまり、パケット消費量は二人で容量の5%も使っていないのです。4月から更に料金値下げとなり、60歳以上「やさしいプラン」となり、月6GBで1,580円(税込1,738円)、すなわち容量2GBアップして200円値下げとなります。支払額は2021年3月分利用金額合計2,787円(税込・消費税252円)、内訳シェア音声4GBプラン1,780円+消費税(10%)178円=計1,958円、追加音声シェア料金700円+消費税(10%)70円=計770円、その他SMS通信料、イオンでんわ割引通話料、ユニバーサル料併せて59円でした。つまり夫婦で3千円も使っていないのに、4月からさらに値下げされるというわけです。しかしパケット消費量が少ないので楽天に乗り換えようかと思っています。無料になるからです。更に通話も無料になります。スマホも5年経ったので新品に替えようか...機種によってはこれまた無料...
■ WiHi使えばパケット消費しません
何故我が家でパケット消費量が少ないか・・・それはWi-Fi利用が多いからです。スマホを使ってインターネット接続し、検索エンジンでの情報収集やブラウザでのホームページ参照、SNS、動画を見て楽しむ、メールするなど、さまざまな使い方ができますが、ヘビーユーザーは、スマホのデータ通信量を気にするそうです。確かに移動しながらいろいろなところで使えば、スマホの通信規格である3Gや4G、LTEなどのデータ通信を使います。しかし我が家では自宅ではNURO光のWi-Fiルーターにつながりますからパケット消費しません。更に温泉旅行に行ってもホテルには今やほぼWi-Fiがありますからパスワードを入れて接続できます。新幹線車中や駅ではJRのWi-Fiが使えるし、地下鉄の車中でもメトロWi-Fiが使えます。更に今やWi-Fiにつながりますよというスポットが多く、フリーWi-Fiスポットも増えています。したがってこれを意識すればパソコンやテレビ、スマホ、タブレット、ゲーム機などはWi-Fiに接続して通信料金を大幅に節約することができるのです。Wi-Fi(ワイファイ)とは、無線(ワイヤレス)でLAN(Local
Area Network)にインターネット接続する技術のひとつで、「無線LAN」とも呼ばれています。統一された技術を使っているため、メーカーや機種の違いに関係なく、インターネットに接続できます。インターネットは基本的に無料です。スマホのデータ通信は通信事業者が基地局を設置してますから当然有料になります。スマホは今やデジカメ替わりにもなりますが、写真を撮ると何故かパケットを消費しますね。
我が家の陽光桜
■ WiHiルーターに切り替える人が増えるでしょう
Wi-Fiの最大のメリットは、LANケーブルがなくてもインターネット回線に接続できることです。そのため、ごちゃごちゃとした配線から解放されるほか、電波の届く範囲であれば、どこにいてもインターネットに接続することができます。また、スマホの通信規格である4GやLTEといったインターネット回線よりも、Wi-Fiのほうが通信速度が安定しているという点もメリットです。つまり、データ通信量が多い場合でも、Wi-Fiなら比較的スムーズに通信ができるのです。スマホの契約には、電話の通話料金のほかに、データ通信量に応じた従量課金制などが含まれるのが一般的です。大手携帯電話会社では、これまで1GBなら月2,900円、5GBなら月5,000円程度の料金が相場でした。そのため、月末には、データ容量の上限を超えないように注意しなくちゃ、などということがありました。もし、上限を超えてしまうと速度制限がかかり、通信速度が低下してしまうからです。しかしスマホでインターネットに接続するときにWi-Fiを利用すれば、スマホで契約しているデータ通信量を消費しないで済み、速度制限を気にせずに使い続けることができます。こういうことを知らないで、高いお金を払っていた人が多いのではないですか。今では、セキュリティ技術を搭載しているWi-Fiルーターや、外出先でのスマホの利用に適したコンパクトサイズのモバイルルーター(ポケットWi-Fi)などが売られていますから、固定回線をやめてWi-Fiに切り替える人が増えて行くでしょう。
■ 楽天と日本郵政の提携
2021年3月12日、日本郵政と日本郵便、楽天は資本業務提携を結び、物流とモバイル、DX(デジタルトランスフォーメーション)などの分野で、広く協業を深めると発表しました。日本郵政は楽天に対し1500億円を出資します。特に物流の分野では、日本郵政グループが持つ郵便局や配送網といった資源をベースに楽天とデジタル化を進め、新会社設立も視野に事業展開を進めるとのこと。我が連れ合いのハトコである日本郵政の増田寛也社長はこの提携について「互いの関係をより強固にし、今後、幅広い領域での協業を進める原動力になる」と話しました。このビッグニュースについては様々な論評や解説がなされています。ただ増田寛也社長は安倍内閣と福田内閣で過去総務大臣2期勤めているだけに、現在総務省問題がいろいろ騒がれていることを考えると、いろいろな意味で、きな臭いですね。大手キャリア3社にとっても心中穏やかならず、経営統合したばかりのヤフーとラインもそうだし、アマゾンなども注目しているのではないでしょうか。この時期にこの提携が発表される裏には、当然菅内閣の意思を感じますね。楽天の三木谷浩史社長は大きなバックボーンを得ました。機を見るに敏な人は勝ち馬に乗ろうとするはずです。
(左)楽天の三木谷浩史社長と日本郵政の増田寛也社長
■ 「LINE(ライン)」の使用停止拡がる
国内で8600万人以上が利用する国民的アプリ「LINE(ライン)」の個人情報が中国の関連会社で閲覧可能になっていた問題が波紋を広げています。IT分野では開発業務の一部を海外企業に委託するのはよくあることですが、個人情報の危うい管理実態が明らかになり、海外への漏洩リスクが浮き彫りになったのは、ヤバイです。ヤフーを傘下に持つZHDとLINEはインターネットサービスで国内最大級のIT企業になる構想を描き、今月1日に経営統合したばかりで、スタート早々に出鼻をくじかれました。武田良太総務相は3月19日の会見で、総務省でのラインを使用した意見募集や問い合わせの対応について、運用を停止する方針を明らかにしました。
■ 大相撲ピンチ
大相撲春場所は波乱続きです。白鵬が3日目から休場し、鶴竜を含めて2横綱が不在、これは5場所連続です。その上3大関に早々に土が付き、6日目には全勝力士が居なくなるという事態、中日折り返し8日目の3月21日(日)まで大関3人が揃って勝った日が無く、朝乃山と貴景勝が5勝3敗、正代は4勝4敗、ヤバイですね。横綱は居ない、大関はだらしない、大相撲ピンチです。1敗で並んでいた元大関・照ノ富士を破った元大関・高安が7勝1敗で単独トップ、歌手の杜このみと結婚して子どもが生まれただけに張り切ってますね。この二人が頑張って、是非大関に復帰してもらいたいものです。
■ 横綱は休めるということではない
NHK大相撲中継で、解説を務めた舞の海秀平氏(53)が、横綱の引き際について話したことが世間的に共感を呼んでいます。「袋だたきを承知で言わせてもらうとですね、過去にはおそらく1年くらい休ませてもらえたらもうちょっとやれるのにな、と思いながらも去って行った横綱っていると思うんですよね。でも、なぜやめたかっていうところですよね。それは自分の事情とか感情よりも、横綱の地位とか名誉とかというものを守ってきたからこそ、それを大切に思ったからこそだと思うんですよね。そして見ているファンはですね、横綱になってしまったがために辞めざるを得なくなってしまった、そこに無念さとか悲劇をファンは共感すると思うんですよね」・・・確かにそんな横綱はたくさん居ました。日本相撲協会の芝田山広報部長(58=元横綱大乃国)は横綱審議委員会の言葉を引用して「横綱は休めるということではない」と指摘しました。横綱には降格がなく、自らが進退を決するまでその地位が保証される特権があります。その代わりに出場すれば優勝か、それに匹敵する成績が常に求められる重責も背負っているのが横綱です。直近の横綱は第72代横綱稀勢の里ですが、在位12場所中9場所休場、その率75%は突出しているのに、世間の目は温かかったですね。それは日本人だからということではなく、舞の海さんの言葉そのものだったからです。横綱昇進まで一度も休むことがなかったのに、昇進後初の場所で初日から12連勝、13日目の第70代横綱日馬富士戦で左肩を負傷、とても相撲を取れない深刻な状態だったのですが、横綱になったばかりで休むわけには行かないと強行出場、しかし14日目の鶴竜にはなすすべなく寄り切られ、千秋楽優勝争い単独トップの照ノ富士との直接対決を迎えます。優勝決定戦と合わせて2連勝が必要な稀勢の里の優勝は考えられませんでした。本割で左への変化から最後は突き落としで勝利、決定戦に望みをつなぎます。稀勢の里が変化するなんて考えられませんでしたが、綱の使命感だったのでしょう。引き続いての優勝決定戦では、もろ差しを許して土俵際まで押されるも、体を入れ替えての一発逆転の小手投げが決まって勝利し、物言いなしの奇跡的な逆転優勝を決めました。こういう気力、責任感に日本人は酔うのです。怪我の快復を祈り、再起を期待して待った大相撲ファンには、今の白鵬、鶴竜に向けられる冷たい視線はありませんでした。第71代横綱鶴竜は通算19場所休場という歴代横綱ワースト記録であり、しかも休場率36.8%は歴代2位です。第69代横綱白鵬が17場所休場で第2位、第65代横綱貴乃花と並びました。ちなみに第62代横綱大乃国は、休場率31.3%で歴代7位です。第58代横綱千代の富士や第61代横綱北勝海(現八角理事長)などの強豪と同世代だったためなかなか優勝できませんでした。春場所終了後の横綱審議委員会が注目ですね。
(2021年3月21日)
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