265  野球の季節
 ふじみ野市の各種並木道の中で、ハナミズキ通りが鮮やかになってきました。4月ですから春ですが、入学式前にすっかり葉桜というのも珍しいですね。春と言えば野球シーズンが本格的幕開けです。

■ 大谷翔平投げて勝利、打って2戦連発!
 開幕戦のメジャー初安打を皮切りにメジャー初勝利、メジャー初本塁打、そして2戦連発・・・米大リーグのエンゼルス・大谷翔平投手が4月4日(日本時間5日)、本拠地インディアンス戦に「8番・DH」にスタメン出場し、5回の第2打席で2号2ランを放ってリードされていた試合を振り出しに戻しました。全米を驚かせたメジャー1号から2戦連発、それもここ4年で3度18勝を記録し、2014年と2017年にサイ・ヤング賞を受賞している右腕コーリー・クルーバーから放った衝撃の一発、メジャーリーグでも常識を覆す大谷の勢いに驚愕が広がっています。

■ メジャーリーグは高校野球?
 大谷は3回の第1打席で見逃し三振に倒れたものの、2点ビハインドの5回2死二塁の第2打席でセンターへ同点2ランを放ちました。それまでセーフティーバントの1安打のみに抑えられていた右腕から衝撃の一発、しかも前日に続く2戦連発に本拠地は興奮のるつぼと化しました。大谷は野手として3試合で2本塁打、5打点、打率.429と驚異の数字です。あのアレックス・ロドリゲスは、「彼はこのメジャーリーグが(人々にとって)高校野球なのかと勘違いさせているんだ。このレベルで打者として活躍すること、そして投手として支配的な力を持つことがどれほど困難なことかを考えると、(大谷が今していることは)今までに見たことがないよ」と賞賛したそうです。シカゴ・カブスのダルビッシュはブログで、「大谷がまたホームラン!しかも神様クルーバーから。俺なんかクルーバーの球一生当たらんのやろなぁ。。」と驚きを綴りました。

■ 野球の常識から一歩抜けた存在
 ただ本人が出来過ぎですと謙遜しているように、まだ始まったばかりで、これでメジャーの選手たちは目の色変えて大谷対策をしてくるでしょうから、いつまでも好調が続くとは思えません。ただ、日本での活躍がそうだったように、大谷翔平はコレまでの野球の常識から一歩抜け出ています。あの張本さんでさえ「無理だ、やめたほうがいい」と言っていたのに、最後は脱帽でした。「二刀流なんて日本だから出来たのさ」と言っていた米国球界も、唖然として「アンビリーバボー!」と叫んだように、どうやらこれは只者ではなさそうだ、と思わせたところがスゴイ!ワクワクしますね。

■ 春の高校野球選抜大会;大阪桐蔭連覇
 決勝戦・・・大阪桐蔭5―2智弁和歌山、結果は予想通りでした。史上3校目の春連覇です。今回の大阪桐蔭ほど戦前から圧倒的優位と言われて来たチームは珍しいです。解説者の口ぶりからもそれはうかがえました。何しろ投手力が良い、守りが良い、打撃が良い、走塁も良い、非の打ち所がありません。しかも西谷監督が目指してきた「後半に強いチーム」がその通り出来ました。リードされていても、後半には失点しない、ジワリジワリと相手にプレッシャを掛けていく、見ていて負ける気がしませんでした。

■ 1塁踏み外しの悪夢を乗り越えた中川主将
 大阪桐蔭の主将、中川卓也は、泥だらけになったユニフォームで、開会式で返還した紫紺の優勝旗を取り戻しました。「アルプスに先輩たちの姿が見えた。うれしいです」とインタビューに答えました。一塁手で出場した昨夏の甲子園3回戦、仙台育英を1-0でリードして迎えた9回二死一、二塁で遊ゴロが飛びました。「ショートが二塁に投げてアウトを取ると思った」と、気を緩めた瞬間、遊撃手は一塁へ送球してきました。慌ててベースへ入ろうとしたが、踏み外してセーフに。直後に逆転サヨナラ打を浴びました。夜の宿舎で三年生に頭を下げ続けましたが、前主将の福井章吾さんから「お前のせいじゃない。まったくない。なんでそんなに背負うんだ。明日から元気を出してやれ。キャプテンでチームは変わるぞ。主将力や」と言われ、使っていた打撃用手袋を貰いました。西谷浩一監督は新チームの選手たちに主将選びを任せ、中川主将が誕生しました。

■ 史上初;センバツ2年連続優勝投手となった根尾昂
 西谷浩一監督は「攻撃の前にベンチ前に集まったとき、中川がすべて指示するので、私は、さあ行くぞ!と言うだけです」と言っていました。こういう任せることが出来るところがこのチームの強さです。次に何をしなければいけないか選手自身が分かっているところです。準決勝でエース柿木をロングリリーフして逆転勝ちの立役者となった根尾が決勝戦でも先発、本人が失投という一打で2点を先行されましたが、その後は無失点ピッチング、強気の投球で、全く危なげない感じで、6安打2失点で完投しました。今すぐプロで使えると言われています。PL学園時代の桑田を彷彿とさせます。投手としての反応、判断、守り抜群、強気で、打撃も良いところです。送りバントを併殺にとるのです。柿木が投げるときはショートの根尾ですが、マウンドへ行くと本来サードの中川主将がショートへ回ります。この日も中川主将は素晴らしい守りと2安打や四球で、史上初のセンバツ2年連続優勝投手となった根尾投手を助けました。2-2の7回、一死二塁で1番・宮崎仁斗外野手(3年)が中前適時打を放ち勝ち越し、さらに8回、3番中川主将が歩いて無死二塁から4番藤原恭大外野手(3年)、5番根尾昂投手(3年)の連打で2点を加え、ダメ押ししました。このチーム力だと、もしかすると春夏連覇も有り得ます。

■ 少年野球は「教育」です
 少年野球も春季大会真っ盛りです。ただ少子化でチーム数が年々減ってきました。複数校で1チームというケースが当たり前になって来ました。それでもふじみ野市はまだ小学生が多いのですが、サッカーをやる子や塾に行く子、ゲームをやる子などで選手集めに四苦八苦しています。
 グラウンドで練習しているときに、子どもが泣いて頑張る姿は感動的です。失敗して、それを無くそうと一生懸命練習するのですが、なかなか上手くなりません。コーチが厳しく指導します。上手くなりたいと涙を流しながら必死に努力する姿...親だと可哀そうでできませんが、コーチたちはみんなで子どもたち一人ひとりに教える、指導する、それは学校の先生や親とはまた違う「教育」です。
 やっとできた!うれしい、笑顔になる、コーチが褒める、ますますヤル気が出る...こうして子どもは成長しますが、個性があるのでそれぞれに違った対応が必要です。中には最初から全然ヤル気が無い子もいます。どうしたら楽しいと思ってもらえるか...苦労します。それが「教育」です。
 野球は複雑なルールのスポーツです。しかもチーム内の連携が肝心で、1球ごとに次はどうする?と先を考えて緊張と弛緩を繰り返します。したがって頭を使います、失敗した経験から学んで向上する、頭脳教育のスポーツです。

■ 親の責任は「教育」の機会を与えること
 グラウンドで練習を見守るお母さん、お父さん、お茶当番が出来ないから...という話も聞きます。片親の子もいます。仕事の都合で、家庭の事情でグラウンドに来れない親も居ます。そういう親に代わってチーム全体で子どもたちを見守り、教え、育てていますから、取り越し苦労せず子どもを送り出してもらいたいと思います。
 コーチたちはボランティアですが、真に野球が好きで、子どもが好きな人たちです。今や少子化で子どもは貴重です。地域全体で大切な子どもを見守り、「教育」する時代です。半世紀前には「教育」を受けさせたくても、お金が無くて子どもの夢をかなえてあげられない親がたくさんいました。親が辛酸をなめてでも、借金してでも、「教育」の機会を与えられた子どもが将来の幸せを得られたのです。今は時代が変わりましたが、親の責任は「教育」の機会を与えることです。

■ 教育格差「当然」「やむをえない」6割超
 朝日新聞社とベネッセ教育総合研究所が共同で実施した「学校教育に対する保護者の意識調査」によりますと、全国の公立小中学校の保護者7,400人に聞いた結果、経済的に豊かな家庭の子どもほど、よりよい教育を受けられるのは「当然だ」「やむをえない」と、教育格差を容認する人は62.3%となったそうです。「格差容認」の考えを持つのは、特に、高学歴で、経済的ゆとりがあり、都市部に住む保護者ほどその傾向が強いそうです。調査に加わった専門家からは、「社会の分断が進んでいることの表れだ」と懸念する声も出ているそうですが、経済格差が拡大する世界的な傾向は、こうした教育格差に対する意識が根底となっているのかもしれません。

■ 埼玉県唯一の村に行って来ました
 前回書いたように、埼玉県唯一の村;秩父郡東秩父村大内沢の花桃の郷に行って来ました。我が家から北西に45kmぐらいです。
 埼玉県西部に位置し、この随筆で何度も紹介している武蔵嵐山渓谷を成す槻川の最上流域であり、山の中腹や川沿いに集落が開けています。外秩父山地などの山々に囲まれており、秩父郡に属しているものの秩父盆地から山を隔てた東側にあることから、広域行政においては秩父地方ではなく隣接する比企郡の自治体とともに比企広域市町村圏組合を構成しています。北は寄居町、西は外秩父山地がそびえ、山の向こうは北部が皆野町、南部が秩父市です。外秩父山地は北から南へ釜伏峠、登谷山668m、皇鈴山678m、山ツツジの二本木峠、彩の国ふれあい牧場、天空のポピー、粥新田峠、定峰峠、白石峠と山並みが続きます。車道が整備されており、ハイキングで歩く人やサイクリングの自転車がいっぱい連なっています。昔はハイキングにも行ったし、車やオートバイで峠道を走り回ったものです。南はときがわ町です。白石峠から北へ堂平山875m、笠山837mと比較的高い山が続き、東側は比企郡小川町で、共に「細川紙」の産地であり、古くから「和紙の里」として知られています。

■ まさしく桃源郷でした
 虎山の千本桜が満開でした。大内沢の花桃の郷では、地域住民が狭い車道を一方通行にして交通整理していました。だいたいおじいさんですが、ボランティアでしょう。「アレがオレの家だよ」と指差していました。斜面に家が点在しています。よくこんなところで暮らしているなぁと感心しましたが、見晴らしは最高です。


花桃の郷の展望台に登り、眺めた光景はまさしく桃源郷、桜、花桃、レンギョウ、ムラサキツツジ・・・
 中腹の茶屋みたいなところでうどんを頂きました。一杯300円、おいしいうどんでした。これも地域住民のおばあさんたちです。トイレのある駐車場は300円、自分で料金箱にお金を入れる仕組み、まったく営利的でなく、観光客が来てくれるのを喜んでいる風情でした。
 人の温かさが感じられる地域です。こうした桃源郷で暮らしていると、自然にそうなるのでしょうね。村には鉄道も病院もスーパーもありません。コンビニはもちろんありません。職場は遠いのではないでしょうか。でもここには確かに何かがある、そう思いました。
 東秩父村の花はムラサキツツジです。ミツバツツジの一種でしょうか。役場にドンと咲いています。2014年冬、村伝統の「細川紙」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録され、東秩父は一躍全国区の村になりました。せっかく来たのだからと、帰路「道の駅 和紙の里ひがしちちぶ」に立ち寄りました。ニワゼキショウも咲いていました。向かいの全く商売気の無い園芸店で花桃の木を買いました。まだ蕾です。

手前がムラサキツツジ、黄色のレンギョウ、梅、桃、花桃、桜、みな一斉に満開です
 店主が言うには、「白に赤が混じった枝垂れ花桃のはずなんだけど...」と自信無さそうに言います。値札が着いていません。「千円でいいよ」と言うので、これは安いと二百円の百合(カサブランカ)と共に購入しました。家に持ち帰ってすぐ開花しました。右写真のように、白に赤が混じっています。これは「源平枝垂れ」という品種のようで、源氏の旗印の白と平家の旗印の赤の競い合う花色に由来しているそうです。

■ 有働由美子アナウンサーNHKを退局
 有働由美子アナウンサー(49)が、3月31日付でNHKを退局したそうです。有働アナはチーフアナウンサーという部長・部次長級の職位で、更に上級の局長・局次長扱いのエグゼクティブ・アナウンサーへの昇進もささやかれていましたが、2017年に、有働アナの1期上の阿部渉アナと武田真一アナがこのエグゼクティブアナウンサーに昇格しました。これで有働アナの昇格の道筋ができたわけで、あくまで現場を貫きたい有働アナは、退局を選んだわけです。生涯現役、管理職にはなりたくないという人は居ますよね。有働アナは元々、報道志望でNHKに入局、『あさイチ』の邪魔をしないために夜の報道番組のキャスターや、海外に出掛けてジャーナリスト活動をするのではと言われています。一方、芸能プロダクションや民放各局は早くも大争奪戦をスタートさせた模様です。
有働アナ

■ 今度は防衛省と厚生労働省
 モリカケで財務省と文科省の官僚と政治家の問題が巷を騒がせていますが、今度は防衛省と厚生労働省です。もうグダグダ書きませんが、官僚が政治家を信用しないということがすべての基底です。どうしてそうなってしまったのかを、根本から問い直すことです。世界情勢が緊迫度を増しているときに何やってるんだ?との声がありますが、ここをきちんと正さないと政府が海外からも信用されません。

■ 貿易戦争
 トランプ政権は、中国からの輸入品約1300品目に25%の関税を課す案を公表しましたが、これに対して中国も同規模の関税を発表して対抗しました。「貿易戦争」の懸念が現実となるかもしれません。貿易量の減少は世界経済の停滞につながり、円高の影響も加わる日本の輸出は大きな打撃を受けることになります。下手すると円ドルレートが100円を切ったりすることも考えられ、そうなったら日本の国内総生産(GDP)が1.4%程度、押し下げられるとの試算も出ています。
 トランプ米大統領は、米国による対中関税に対する「中国の不当な報復」を踏まえ、1000億ドルの追加関税の検討を通商代表部(USTR)に指示したことを明らかにしました。「米国の知的財産を不当に取得する不正行為を是正する代わりに、中国は米国の農家や製造業者に損害を与えることを選んだ」とカンカンです。しかし中国は真っ向から対抗することが考えられ、日本政府は「貿易戦争に勝者は居ない、世界中が不幸になる」と自制を求めていますが、トランプ・リスクがいよいよ現実のものとなってきました。
(2018年4月7日)


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