465  幸せ

 北京冬季五輪が始まりました。政治的、軍事的にきな臭い中でのオリンピック、問題は閉幕後ですね。ウクライナ国境にロシア軍が集結している事態は、圧力をかけてるだけと言うのかもしれませんが由々しき事態です。なにしろロシアという国はとんでもない国ということは、第二次世界大戦終結期に日本はイヤというほど味わわされました。しかも国境を接する国で、北方領土を不当に占拠されている日本にとって、ウクライナは遠いところの出来事ではありません。凛とした態度が必要ですね。

■ 人質事件
 人質事件でふじみ野市のイメージが大きく毀損しました。筆者は日々幸せに生きていたつもりでした。しかしこの事件で、人々の心の中に残った「イメージ」というものはなかなかデリートされないでしょう。いや、deleteというよりeraseと言うべきでしょうか。私たちが毎週少年野球にいそしんでいるグラウンドの目の前に殺人犯が住んでいたなんて、驚きを通り越して恐怖を感じます。414『ダイバーシティ』(2021年2月14日)で、「最近高齢者の事件が多い」と書きました。しかしまさか目の前に散弾銃を持った老人が(と言っても筆者より若いのですが...)いたなんて想像外です。今回のテーマはそういう時だからこそ、あえて反対のイメージを採り上げます。

■ 春の訪れの希望
 朝起きて、朝日が出てくると、その方位角が随分変わってきたことを感じます。まだまだ寒い日が続きますが、この朝日で春が近いことを実感します。2月3日は節分、翌4日は「立春」でした。北国・岩手県雫石町生まれの筆者は、この時節が好きです。春の訪れの希望を感じるからです。そして寒いときだからこそ食べ物が美味しいと感じるからです。我が家の庭には鳥がいっぱいやってきて楽しい・・・庭のミカンはホオジロに食べられて残り少なくなってきたのでオニユズを切って撒いたら、オナガなどほかの鳥に食べられました。餅の残りを細かくして撒いていますが、すぐ食べられます。本来は野生動物にエサを与えるのは生態系によろしくないという説もありますが、動物園だってお金を払って動物を見に行くのですから、餌を撒いて来鳥していただくのは構わないのではないでしょうか。


我が家の日の出

■ 春の七草
 ずっと乾燥注意報続きで、火事も多くなっていました。畑のしゃくし菜、つぼみ菜、かき菜などのアブラナ野菜にも雨が欲しいところです。乾燥していてもホトケノザやハコベ、ペンペングサ(ナズナ)などは元気です。春の七草というくらいですからね。ただし私たちが一般的に見るホトケノザは、春の七草のホトケノザではありません。春の七草は、せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろです。オオイヌノフグリも元気に咲き出しました。ふじみのこどもエコクラブの畑ではバッケを収穫しました。こちらではフキノトウと言うみたいですが、筆者にとってはバッケが春の訪れの使者なのです。

ハコベ

ペンペングサ(ナズナ)

バッケ(フキノトウ)

オオイヌノフグリ

■ 2月10日から雨模様に
 我が住む地域では2月5日、6日の土日が寒さの底という天気予報ですが、日本海側では大雪に警戒とされています。2月10日(木)から雨模様になり、2月14日(月)のバレンタインデーには大雨予報ですが、最高気温17℃になるそうです(2月6日朝時点の天気予報)。立春過ぎたからといって安心できません。2014年2月14日(金)の大雪は、51『大雪被害』(2014年2月23日)で明らかなように120年振りの大雪でした。富士見市民総合体育館の屋根が崩落したのにはビックリしました。

2014年のバレンタインデーに屋根が崩落した富士見市民総合体育館

■ 辛い+”−”=幸せ
 埼玉県立ふじみ野高校のグラウンドに隣接したふじみのこどもエコクラブの畑へ自転車で片道3q強走りますが、途中、川越街道沿いに地蔵院という寺があって、そこの掲示板を横目で見て走って行きます。今は「辛いという字をひとつ乗り越えると 幸せが待っている 人生これから」と書いてあります。確かに辛いという字に”−”すなわち横棒一本加えると幸せという字になります。仏教の教えの一つなのでしょうか。
 辛い状況にいても、そこを一つ乗り越えれば幸せが待っている、辛い時期はそう長くは続かないよ、もがき苦しんでも、乗り越えた先には幸せが必ず待っている、人生はこれからです・・・ということでしょう。横棒一本は辛いという字の上に加えるんですね。「辛」という字は、音読みではシン、訓読みではからい つらい かのと です。その意味は@味がからい、舌をさすような味ということで「香辛料」「唐辛子(とうがらし)」などと使われます Aつらい、苦しいという意味では「辛苦」「辛酸」などと使われます Bかろうじて、やっとのことでという意味では「辛勝」などと使われます C甲(こう)・乙(おつ)・丙(へい)・丁(てい)・戊(ぼ)・己(き)・庚(こう)・辛(しん)・壬(じん)・癸(き)の十干の第八、かのとでは「辛亥(シンガイ)」などと使われます。この字は象形文字で、「入れ墨をするための針」から来たのだそうです。入れ墨を彫るのは「つらい」ので「辛」という漢字が成り立ちました。辛い、辛いと考えていたら下ばっかり見てしまいがちになりますよね。辛いときでも、上を見れば希望の光があります、横棒一本は希望なんですよ!と言いたいのでしょう。

■ では「幸」という字の成り立ちは?
 辛いという字に横棒一本加えて幸せ・・・そう信じていればハッピーかもしれませんが、実は「幸」も象形文字で、罪人にはめる手錠=「てかせ」から来た文字だそうです。罪を犯した者への厳しい処罰は、昔は今よりものすごく厳しかったそうです。生き埋めにする、四肢を動車に繋ぎ引き裂く、斬首や身体の一部を切断すると言った無残な刑罰が当然のように行なわれていました。そのような酷い刑罰を与えられている人もいるのに、同じ罪人でも「てかせ」をはめられるだけの刑罰で済んだ罪人は、「ひどい刑罰を受ける人もいるのに、自分は左右の手を拘束して、手の自由を奪う『てかせ』だけで済んでいる、本当に自分は幸運だ、幸せだ」と心から思ったそうです。いやはや...

■ 飛び込み自殺
 近年、東武東上線で飛び込み自殺が多くなりました。関東の鉄道線では死亡率1です。昔はJR中央線が有名でした。高架化していない、ホームドア設置遅れ、急行がビュンビュンぶっ飛ばすので飛び込みやすい、賠償金が安いなどの根も葉もない噂が流れています。理由はともかく、自殺するのは高校生以上の若い人が多いのです。いじめが原因だったり、介護や貧困の問題だったり、他にも様々な人間関係の悩みが原因のようです。「死にたい」と思うのは幸せでないからでしょう。「いのちの電話」など、死にたいと思ったら、その前に一度電話くださいなどと呼び掛けられています。

■ 日本人は幸せか?
 毎年3月20日の「国際幸福デー」に公表される、世界幸福度ランキング・・・調査は世界の150ヶ国以上を対象におこなわれ、2012年から毎年実施されています。2021年の世界幸福度ランキング1位はフィンランド、続いてデンマーク、スイス、アイスランド、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、ルクセンブルク、ニュージーランド、オーストリア、オーストラリア、イスラエル、ドイツ、カナダと続きます。ヨーロッパ諸国や、寒いところが多いですね。イギリスは17位、アメリカは19位、フランスは21位です。アジアでは台湾が24位、シンガポールが32位、タイが54位、日本が56位、フィリピンが61位、韓国が62位、モンゴルが70位、香港が77位、ベトナムが79位、マレーシア81位、インドネシア82位、中国84位でした。ちなみに2020年は韓国が61位、日本が62位でしたから、少し上昇したわけです。幸福度が高い国は、社会保障が手厚い、教育制度が充実している、ジェンダー平等などの特徴があります。世界幸福度ランキングが公開されるたび、話題になるのが「なぜ日本の順位はこれほどまでに低いのか?」ということです。その理由は「人生の自由度」と「他者への寛容さ」の2項目にあるようです。日本人は働き過ぎで、有給休暇はあっても取りづらい、職場の中で自分に合った働き方を自由に選択できないと言われます。「他者への寛容さ」の点では「イジメ社会」が典型ですが、積極的に寄付をおこなったりボランティア活動に参加したりする風習が根付いていないことが挙げられています。筆者は寄付もするし、ボランティア活動にも積極的です。だから「幸せだ」と思えるのでしょう。

ふじみ野市のマスコット「ふじみん」

■ ブータンはどうなった?
 2013年度に北欧諸国に続いて世界幸福度ランキング8位となり、“世界一幸せな国”として広く知られるようになったブータンはその後どうなったかと調べてみたら、2021年にも2020年にもアリマセン。どうしたんだろうと思ったら、2019年度版で156ヶ国中95位になって以降、このランキングから外れたそうです。その理由は「隣の芝生は青い」でした。かつては情報鎖国によって他国の情報が入ってこなかったので、自分たちは幸せだと思っていたら、インターネットが普及して、他国と比較できるようになったことで、隣の芝生が青く見えるようになり、順位が大きく下がったのだそうです。

■ 他人と比べて不幸せになる日本人
 日本社会には「同調圧力」が存在し、そこから外れると「村八分」になります。また日本人には他人と比べたがる気質があります。精神医学においても、他人と比較する人は幸せになれないことがわかっているそうです。特にSNSの普及により、他人と自分を比較して幸福度が下がる人が増えていると言われます。そういえばSNSで傷付いて自殺したなどというニュースも見ますね。普通に見ればあの人は幸せだろうなと思われる人でも、誰かと比較することで、幸福度を下げてしまうのだそうです。一方、いい意味で自己中心の人はまわりに流されないので、幸せそうにわが道を進めるのだそうです。孤独な人が増えてるニッポンのなかでも、特に若い人の幸福感が低いそうです。だから若い人の自殺が多いわけですね。

雫石町のマスコット「しずくちゃん」

■ “幸せホルモン”セロトニン
 実は幸せとは考え方次第と言われます。神経の安定に深く関わる脳内物質・セロトニンをご存知ですか。“幸せホルモン”としてメディアなどでもよく耳にするようになった「セロトニン」。心のバランスを整えてくれる脳内物質のひとつで、心と身体を安定させ、幸せを感じやすくする働きを持つと言います。しっかり分泌されていると、ポジティブな気持ちが沸き上がって活動的になるうえに、アンチエイジングや直感力を高める効果もあるそうです。そんな健康と幸福のキーを握るセロトニンが、実は日々のちょっとした心がけで増やせるのだそうです。セロトニンが不足する原因はいろいろありますが、一番の敵はやっぱりストレスだそうです。セロトニンが不足する大きな理由に日光・運動・スキンシップの欠乏があり、現代社会では、これが極端に足りないケースが増えています。一番の原因は、パソコンとスマホだそうです。セロトニンが活性する生活習慣はまず【太陽の光】を浴びること。次に効果的なのが【リズム運動】で、ウォーキングやジョギングなどです。あともうひとつは【グルーミング】です。本来は動物の毛づくろいのことですが、要はスキンシップです。グルーミングをしている時には「オキシトシン」というストレスを癒す物質が分泌されていることが研究で明らかになっています。ペットを可愛がったり、子供や恋人と触れ合ったりといった直接的なスキンシップはもちろん、気の置けない人とゆっくりおしゃべりをするとか、家族団らんを楽しむといった心の触れ合いも、セロトニン活性にはとてもいいそうです。太陽の光を浴びて、歩いて食べて、人と触れ合って…。考えてみると、セロトニン活性法はどれも決して特別なことではなく、人間が昔から当り前にやってきたことなんですね。そう言えば、我が家の向かいのハワイアン・パンケーキ・カフェ「コナズ珈琲」はいつも混んでいます。何が楽しくて集まるんだろうと思ったらこういうことなんですね。だからこそコロナ禍というのは幸せを奪う憎いヤツということです。

■ 日本一幸せなまち
 大東建託株式会社が実施している「いい部屋ネット街の幸福度&住み続けたい街ランキング2021〈全国版〉」で、埼玉県比企郡鳩山町が「街の幸福度 自治体ランキング」で、全国1位となりました。埼玉県のど真ん中と言われる東松山市の南西隣です。偏差値82.5は、第2位愛媛県伊予市の74.8を引き離してダントツ1位です。鳩山町の幸福感の高さは、2021年12月から鳩山町が実施した町民意識調査でも、約7割の町民の方が「今幸せだと感じている」と回答していたそうですから本物でしょう。鳩山町と言えば最近は「日本一暑いまち」熊谷市よりも暑いと言われ、天気予報でもよく出てくるようになりました。筆者の知り合いも多数住んでいますが、こんもりとした高台に「鳩山ニュータウン」という大団地がかつて建設され、今や多摩ニュータウン同様「オールドタウン」と化しています。ではなぜ幸せなのか?ひとつはサンプル数の問題があるのでしょう。回答者が多いほど分布法則でピークは下がります。鳩山町は大都市東京への通勤圏に有りながら、自然豊かなまちです。今やリタイヤして悠々自適な人たちが、コロナ禍にあっても東京みたいに危険ではない、いいところだ、と感じるのは自然なことです。調査が有ったら、率先して手を上げて「幸せだ〜」となれば点数は高くなって当然でしょう。

埼玉県の地図の中から「鳩山町」を探してみて下さい

■ 上沼恵美子の幸せ
 先日「徹子の部屋」に上沼恵美子さんが初登場しました。この方はほら吹きだし、うるさいイメージであまり好きではなかったのですが、話を聞いて認識を改めました。実は正直で良い人なんですね。自分の思うことをズバズバ話すのが、関西圏で長い間人気を保っている理由のようです。今は夫と別居しているそうですが、車で10分のマンションに夫が住んでいて週末だけ帰って来るそうです。週末は仕事が休みの上沼恵美子さんの手料理を美味しく食べて、日曜日の朝食を食べて、以前は言うことの無かった「ありがとう」という言葉を残して帰って行くのだそうです。もともとは上沼恵美子さんが22歳の時に8歳上の関西テレビディレクター・上沼真平さんと、親族・親類全員の反対を押し切って結婚しました。姉妹漫才コンビ「海原千里・万里」の妹として数々の賞を頂き、「大阪ラプソディー」が大ヒットするなど歌手の側面もあって若いながらスターになっていましたから、結婚する、引退する、となったら、なんで?どうして?と言われるのは当然だったのでしょう。翌年長男を出産したらまた芸能界に復帰しました。5年後には次男も出産しました。夫は定年になったら一緒にすべて辞めて世界旅行でもしようとかハワイに移住しようと言っていましたが、いざそうなったら上沼恵美子さんのほうが辞められなかったとのこと。もともと夫が大好きで結婚したけれど、単なる専業主婦には堪えられなかったそうです。「上沼さんは忙しいのに家事までやって大変ですね」とかつて言われたそうですが、芸能人なんて移動時間が多くて本番はチョット、終わったらさっさと帰って家事をやるので、パートタイマーやりながら家事をやる人のほうがもっと大変ですよ、子育てしながら大変だ、大変だとフーフー言っている人を見ると、「頑張れ」と励ましたくなる、と言ってました。子育て中の大変だった時が、実は一番幸せだったんだということに、子どもも独立して夫婦だけになって気付くもの...いざそうなると夫の世話をするのが邪魔くさい・・・なるほど、そうか。実は私は「夫源病」だったんだということに、気付いたんだそうです。夫源病というのは医学的な病名ではなく、医師の石蔵文信先生によって考案された造語だそうで、夫の言動が原因で妻がストレスを感じ、心身に不調をきたすものだそうです。モラハラともちょっと違いますね。夫が嫌いなわけではないそうです。その夫が出て行って互いに一人暮らし、でも夫婦なので週一会う、そんな関係も良いのかもしれません。上沼恵美子さんの人気の理由は、好きなものは好き、嫌いなものは嫌いとハッキリ言うことで、いわゆる忖度とか斟酌などの日本人らしい「配慮」をしない点ですね。だから旦那も別れられないのだという気がします。

■ 100年続く幸せ
 NHKの朝ドラの主題歌、AIさんが歌う「アルデバラン」は『カムカムエヴリバディ』のために制作された楽曲でオリジナルソングだとNHKのホームページに載っていました。牡牛座の一等星「アルデバラン」は、東の空から現れる時、昴(プレアデス星団)に続いて昇ってくることから、アラビア語で「後に続くもの」という意味の名がつけられたそうです。作詞作曲は森山直太朗さんです。♪笑って笑って愛しい人・・・というフレーズがステキですね。♪君と君の大切な人が幸せであるそのために・・・という歌詞がこの歌、このドラマのテーマを表現しており、100年続く幸せを君に託しているのだと思います。2月3日の放送のナレーション(城田優)では、「つつましく暮らせれば、それが一番の幸せなんや、るいはいつもそう思っていました」・・・という語りでした。

■ 宮澤賢治と岩手大学
 宮澤賢治の出身校、国立大学法人岩手大学は、宮澤賢治の言葉を前面に押し出して、教育・研究に当たって臨む姿勢、大学が目指すセントラルドグマ(中心命題)を「世界がぜんたい幸福にならないうちは 個人の幸福はあり得ない」という賢治の言葉に置いています。賢治の想いを受け継ぎ、誰一人取り残さない持続可能な社会の実現を目指し、予測不能なVUCA*時代を切り拓き、力強く生きる力を持ったレジリエントな人材の育成を通じて、社会に貢献することを目指しています(*VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を並べた造語)。この賢治の言葉は農民芸術概論綱要の中で語られたものです。2020東京オリンピックの閉会式のフィナーレは賢治の「星めぐりの歌」でした。閉会式のコンセプトは「Worlds we share」、世界が「worlds」として複数形で表記されています。賢治の言葉・・・「世界ぜんたいが」ではなく、「世界がぜんたい」とした理由は、賢治の考えていた「世界」が、単数形の「world」ではなく、複数形の「worlds」であったのだということと思います。賢治の願いが、オリンピックという平和の祭典で、全世界に発信された・・・素晴らしい出来事でした。

♪あかいめだまの さそり
♪ひろげた鷲の つばさ
♪あをいめだまの 小いぬ
♪ひかりのへびの とぐろ。

♪オリオンは高く うたひ
♪つゆとしもとを おとす
♪アンドロメダの くもは
♪さかなのくちの かたち。

♪大ぐまのあしを きたに
♪五つのばした ところ
♪小熊のひたいの うへは
♪そらのめぐりの めあて。

■ 働く人の幸福を願う「まるまつ」
 以前455『那須』(2021年11月30日)で、フロラシオン那須への旅を紹介しましたが、ここに向かう途中、ランチで「和食レストランまるまつ氏家店」(栃木県さくら市)に初めて寄りました。メニューを見たらあれもこれも安い!「なんじゃこりゃ」といささか不安ながら、「すし&ミニそばランチ」税込580円を注文しました。サラダ、お新香、茶碗蒸し付きですよ。つれあいは「ざるそば」410円でした。2人で¥990です。この店は株式会社アルラという会社が運営しており、宮城県に本社があって、東北・北関東に123店舗を展開しているそうですからなかなか大規模ですね。メニュー力(うまい・早い・同じ)、サービス力(笑顔・挨拶・アイコンタクト)、店舗力(整理整頓・乾燥・ピカピカ)を3つの柱として、「すべてのお客様が満足できる食の場」を提供することを目指しているそうです。働く人の幸福なくして企業の発展はあり得ない・・・働く人の生活向上と個々人の夢の実現を援助することを企業理念としているそうです。良いことです。

■ オミクロン株への対処
 COVID-19感染者が急増しています。大相撲は横綱はじめ感染者続出で、日本大相撲トーナメントが中止となりました。プロ野球や芸能界でも感染の勢いはすさまじく、これを見ていると感染しないほうがおかしいんじゃないか?などと考えるほどです。2月5日和歌山県にまん延防止等重点措置が適用されました。県全域には初めてです。これで全国で34都道府県となり、首都圏では山梨県だけがぽっかりと非適用となっています。2月5日現在では全国で10万2333人、2月3日の10万4454人に次ぐ10万人越えです。東京2万1122人、過去2番目、大阪1万2302人、神奈川県は9097人で、初めて9000人台となった他、埼玉県も7358人で、初めて7000人を上回りました。この他に、1日の感染者数は13道県で過去最多を更新しました。一方で沖縄は671人、山口は320人でした。沖縄ではオミクロン株による感染はピークを越えて減少傾向に入っています。沖縄県の専門家会議で座長を務め、“第6波”をいち早く経験した琉球大学病院第一内科・藤田次郎教授は、オミクロン株の潜伏期間は2日で、ほぼインフルエンザと同じ程度、デルタ株の約3分の1に短縮しているのが非常に大きな特徴だと言います。「デルタ株とは全く違う病気と思っていい」とのこと。デルタ株はインフルエンザよりも致死率が高い怖いものでしたが、オミクロン株は沖縄の実績を見るとインフルエンザよりも致死率が低い、病床使用率が高いと言っても重症者は少なく、医療逼迫ととらえなくて良いと明言されました。また神奈川県の医療危機対策統括官を務める阿南英明さんによれば、オミクロン株の特性は、ものすごく足が速く、知らないうちに他人に移してしまうので、感染したことが分かった人を隔離しても遅いのだそうです。その辺にウイルスを出している人たちがいっぱい歩いているんだそうで、感染者が増えるのは致し方ないとのこと。ただ新規感染者数の上昇が鈍化しているので、海外ほどに一気に増えることはなく、粛々とオミクロン株に合わせた戦いをして行くべきだと言います。厚生労働省の助言組織「アドバイザリーボード(AB)」のメンバーら専門家有志で、提言「オミクロン株の特徴を踏まえた効果的な対策」を発表しましたが、「人流抑制でなく人数制限」とか「若年層で重症化リスクの低い人については、必ずしも医療機関を受診せず、自宅での療養を可能とすることもあり得る」としました。これまで日本のコロナ対策をリードしてきた神奈川県では「自主療養」制度を始めました。若い人がかかったら、風邪のように自主療養して、他の人に移さないようにしなさい、高齢者には、3回目のワクチン接種を受けて下さいとお願いしたい、3〜4年たつと、ワクチンや感染で免疫ができてくる、マスクをして三密避けて長い戦いに備えましょうとのことです。

2022年2月5日までの新型コロナウイルス感染者トレンド(YAHOO!ニュースより)

■ サッカーカタールワールドカップサウジ戦完勝
 2022年2月1日、日本代表対サウジアラビアのワールドカップ最終予選がさいたまスタジアムで行われました。アウェーでの対戦に負け、崖っぷち状態から日本は踏ん張って連勝し巻き返してきました。この試合で負けたらヤバイ。例によって日本では森保監督や長友佑都への心無いバッシングが続いていましたが、日本のスタメンは1月29日の中国戦と同じで森保監督の動じない頑固さを感じました。なにしろ日本は主将の吉田麻也と富安健洋が故障不在、守りの心配がありましたが、森保監督は「日本は選手が豊富なので心配ない」と話していました。確かに試合を見たらその通りでした。欧州組が多いのでチームプレーがどうかと思いきや、素晴らしい連係です。板倉滉と谷口彰悟の両CBは中国戦に続き、サウジ戦でも安定した仕事をしました。優れたサポートや力強いボール奪取で中盤を支えた守田英正、遠藤航、田中碧などの働きも光りました。両サイドバックの酒井宏樹や長友も良かったですよ。長友の後の中山雄太もいいですね。圧巻は伊東純也でした。29分に絶妙なフェイントで相手を抜き去ってチャンスメイクすると、32分には対峙したアルシャーラニに走り勝ったうえでのクロスで南野拓実の先制弾をアシストしました。後半5分には、遠藤が左へ展開するパスを流し、南野が受けて、更に左の長友へ、ここで長友が右へパスすると大迫勇也がスルー、伊東純也がワントラップでミドルシュート、滅多に見れない美しい直撃弾、このゴラッソでサウジアラビアは戦意喪失、久し振りに楽しくサッカーを見ました。伊東純也はこれで4戦連発、絶好調です。願わくば次のアウェーオーストラリア戦まで怪我しないでいてくれることを祈ります。というのも今の日本代表では彼以外に相手ゴールをこじ開けられる選手は見当たらないからです。サウジ戦でも、他の選手がチャンスをものに出来れば、あと2点ぐらい取れても良かったと思われました。

■ 石原慎太郎氏死去
 東京都知事や衆院議員などを務めた作家の石原慎太郎(いしはら・しんたろう)さんが2022年2月1日午前 東京都大田区の自宅で死去されました 89歳でした 若くして亡くなった父・弟と違い長生きでしたが やはり八十歳を越えるとそれなりにガタが来ます 軽い脳梗塞を二度ほど 87歳の時には前立腺治療を受けていた医師によってすい臓がんが早期発見され 日本で7ヶ所しかない重粒子線治療を受けて回復しましたが 昨年10月に再発していました 訪問診療の医師に診てもらいながら自宅で亡くなりました 昨年12月には親しい人に会いたいと電話して自宅に来てもらっていたのは 死期を悟り お別れを言いたかったのでしょう 死の直前まで原稿執筆していたそうで その文筆家としての闘魂あっぱれでした 神戸市出身で 一橋大在学中の1956年(昭31)に 小説「太陽の季節」で芥川賞を受賞し 以来ベストセラーを次々に発表しました 政治家としてはタカ派の論客として 歯に衣(きぬ)着せぬ慎太郎節で知られ 時に物議も醸しましたが 東京都知事として絶大な人気を博したことでわかるように 政治家としてもスゴイ人でした 尖閣諸島の魚釣島を買い取ると表明して 当時の野田内閣が慌てて国有化するなど 行動力も半端ではありませんでした

魚釣島
 環境問題にもリーダーシップを発揮し 日本でディーゼル車が廃れたのはこの人のせいです 強烈な存在感を放ちながら時代を駆け抜けた“太陽”は 自らが映画「太陽の季節」に裕次郎さんを主演させて大スターに育て上げた弟のもとに旅立ちました 日本メディアは故人の業績を讃える報道でしたが 中国や韓国メディアは眼をそむけたくなるひどい紹介のところもありました アメリカのメディアも三国人発言やジェンダー意識などで負の側面も紹介して あまり好意的ではありませんでした こうした点では 死者に鞭打つようなことを良しとしない日本の文化もあるのでしょう しかしいまやこのような歯に衣着せぬ物言いの政治家はほとんどいなくなりましたね

1975年3月 東京都知事選に立候補した石原慎太郎氏の応援演説をする石原裕次郎 中央は典子・慎太郎夫人=東京・新宿
 石原慎太郎さんは弟裕次郎さんと とにかく仲が良かったことで知られます 自慢の弟だったのでしょう 自己紹介するときに「裕次郎の兄です」とよくジョークを言いました 「俺は弟より歌が上手いんだぜ」と言うこともあったそうです ただ裕次郎さんの歌は上手いとか言う以前に あの甘い声 これは真似できるものではありませんね 今頃天の上で2人で何を歌っているのでしょうか 「粋な別れ」でしょうか
粋な別れ
作詞・作曲:浜口庫之助
♪ 生命に終りがある
♪ 恋にも終りがくる
♪ 秋には枯葉が小枝と別れ
♪ 夕べには太陽が空と別れる
♪ 誰も涙なんか流しはしない
♪ 泣かないで 泣かないで
♪ 粋な別れをしようぜ
それとも 「わが人生に悔いなし」でしょうか
わが人生に悔いなし
作詞:なかにし礼
作曲:加藤登紀子
♪ この世に歌が あればこそ
♪ こらえた涙 いくたびか
♪ 親にもらった 体ひとつで
♪ 戦い続けた 気持ちよさ
♪ 右だろうと 左だろうと
♪ わが人生に 悔いはない

筆者の会社員人生は、モウレツ社員でしたが、合間によく先輩と飲みに行き、カラオケを歌いました。先輩たちの歌の一番人気は石原裕次郎でした。今は故人となった先輩たちも多く居ますが、大変お世話になりました。あの人も、この人も...懐かしい顔が思い浮びます。本当にありがとうございました。先輩たちのおかげで幸せな会社員人生でした。
(2022年2月6日)


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