455 那須
いよいよ明日から師走、寒くなってきましたね。春を彩る我が家のムラサキツツジがどういうわけか咲いています。来春の蕾が減るのが心配です。シャコバサボテンが美しい花を咲かせています。寒くなると心配になるのが感染症です。南アフリカから世界中に拡がり始めている「オミクロン株」が日本でも感染者が出てパニックを起こしています。デルタ株にとって代わるというのは感染力が強いからでしょう。このニュースが出た途端、株価は暴落して2万8千円を割りました。為替はやや円高に振れましたが、113円/ドルを越えることはありません。何かこの2年間心配ばかりしているうちに歳をとってしまった感がありますが、この冬も感染対策には注意せざるを得ません。
我が家のシャコバサボテン、デンマークカクタスとも呼ばれます
ピンクのバラやゼラニウムと華やかに競演しています
■ 財務省の権威凋落
東洋経済オンラインで、日本経済に対する様々な論説を各号で掲載しています。財務省の矢野事務次官が2021年10月10日の文芸春秋11月号で政府の「バラマキ」を批判して、「このままでは国家財政が破綻する」と寄稿したことが話題になりましたが、与野党共に「バラマキ」を主張していますから、財務省が孤立無援のような感じです。しかし財務省がかつて省庁中の省庁であり続けたのはカネを握っていたからで、これには政治家も官僚も基本的には逆らえません。しかし昨今問題化しているように日本国民が貧しくなったことの本質的原因は何でしょう。財務省の政策によるものか?「イヤ、そんなことはない、それは政治のせいだ」と言われるかもしれません。また別の人は「小泉政権以降の新自由主義によって格差が拡大したからで、確かに貧しい人は増えたが、金持ちも増えた」と言うかもしれません。一つひとつの議論は、実はどれも正しいような気がします。ただひとつ言えるのは今や財務省が「森友問題」以降、その権威が地に堕ちたということです。安倍政権の今井補佐官が示したように、官邸官僚の権限が絶大となり、財務省から経済産業省へと権力が移行したのです。これではいかんと危機感を持った財務省が、矢野事務次官を選んだのは「誰にも忖度しない」ヒトだったから、というわけです。
■ 「アッパレ!」「喝!」が消える?
岸田首相が掲げる新しい資本主義に対して、これまで反政府的と見られてきたTBSの日曜朝8時関口宏の「サンデーモーニング」が一転好意的なのはなぜ?と話題になっています。是々非々ということでしょう。「何でも反対」というわけではないということです。ちなみに「アッパレ!」「喝!」の張本勲さんは今年いっぱいで番組を降りると発表しました。東京オリンピックの女性ボクサーに対する発言で叩かれて、潮時と思ったのかもしれません。ネット叩きというのは小室圭さんのときもそうでしたが陰湿です。張本さんは老害だとか散々な言われようでしたが、テレビで言いたいことを言うのは良いことだという風潮が、顔の見えないネットで叩かれるのはいかがなものでしょう?「アッパレ!」「喝!」が長年続いてきたのは、視聴者の支持があったからです。球界のご意見番の発言が見れなくなるのは寂しい限りです。
■ 冷笑主義の日本国民?
立憲民主党の代表を選ぶ選挙は泉健太氏で決着しました。4人の候補者の中で一番若い40代です。先の自民党総裁選と違ってあまり盛り上がらなかったのは、4人の主張にほとんど差異が見られなかったからです。そのうちの一人である小川淳也氏は「君はなぜ総理になれないのか」で有名になりましたが、この人と五百旗頭薫・東京大学大学院法学政治学研究科教授が衆議院総選挙の前に日本政治の課題について対談した週刊東洋経済プラスの有料記事(2021年10月26日)を見て、なるほどと思いました。小川淳也氏は「持続可能な日本を構築するため、国民に負担増を求めることも必要だ」と言います。これまでの日本国民の政治意識を見るならば、増税を主張したら選挙に負けます。野党である立憲民主党が増税を主張したらますます負けるのではないか?ただ、待てよ、安倍晋三首相は任期中に2回も増税しましたが、史上最長の在任期間でした。結局は進め方なのでしょう。韓国メディアは今の日本国民を「冷笑主義の国民」だと言います。自分たちが貧しくなっているのに、より貧しい人を冷笑するような国民性に変わってきたのだそうです。貧しさから脱却しようと政治に改革を求める韓国国民や世界の多くの国の人々と違って、今の日本では投票にも行かない国民が増えた、若者ほど現状の変化を望まないようになっていると言います。それはそうかもしれませんが、お隣の国に言われると悲しいですね。
紫色のデンマークカクタス
■ 日本経済〜財政に関する議論
財務省の矢野事務次官が政府の「バラマキ」を批判したことに対し、専門家などの「個人の意見」を届けるオピニオンマガジン『Monavis』(INCLUSIVE株式会社)の「政治・経済」カテゴリーで高橋聡氏がそれを「間違いだ、日本財政は破綻しない」と主張しました。それは日銀がいくらでも円が刷れるからだと言います。財政破綻すれば「デフォルトする」か「ハイパーインフレになる」かのどちらかですが、日本国債はすべて円建てなので、円を刷れるからデフォルトは起きないのだそうです。一方のハイパーインフレについては、それどころかデフレが心配な現状で、インフレの傾向になったら心配すれば良いのだそうです。
参照→https://nge.jp/political_economy/145505
■ 日本の財政は絶対破綻しないという論
これについては東洋経済オンライン2019/12/26で藤井 聡・京都大学大学院工学研究科教授が、「日本の財政が絶対破綻しないこれだけの理由」という記事を書いています。
参照→https://toyokeizai.net/articles/-/320957
■ このまま行けば日本の財政破綻は避けられない論
財務省の矢野事務次官の論説を支持する人と言えば小幡 績・慶應義塾大学大学院准教授が有名です。東洋経済オンライン2021/11/27で小幡氏は、このまま行けば日本の財政破綻は避けられない・・・「MMT理論」「自国通貨持つ国は安心」は大間違い、と主張しています。。
参照→https://toyokeizai.net/articles/-/471734
■ 日本国民が経済への危機感があまりないことが問題
篠原尚之・元財務官(2010年3月〜2015年2月IMF副専務理事。2015年6月三菱重工業取締役〜現職)は2021年5月号で、2021年末に1ドル110〜115円、来年以降もドル高円安の基調が続く可能性が高いと指摘しました。実際その通りになっています。その論説の根拠として、日本のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)が相対的に少しずつ弱くなっていることを指摘しました。人口の高齢化で潜在成長率が低下し、財政赤字と政府債務の拡大で年金など社会保障制度への圧力が高まっているからとのことです。生産の海外移転で貿易収支も赤字の年が増えました。日本の名目GDP(国内総生産)の規模はまだ世界3位ですが、1人当たりGDPの世界順位はかなり下がり、2020年はドルベースで世界23位(IMF集計)、それでいて危機感があまりないことが問題だと指摘しました。
参照→https://toyokeizai.net/articles/-/426022
■ 秋は那須へ
先日那須へ旅してきました。10月の草津温泉は紅葉時期でしたが、11月の那須は紅葉も終わり、枯葉の季節でした。那須と言えば筆者定番は三ツ星ホテル「サンバレー那須」です。これまでたびたび紹介してきました。
ホテルサンバレー那須
サンバレー那須は美術館要素があり、様々なタイプの館が散在しています
■ 今回はホテルフロラシオン那須へ
今回はかねて行きたいと思っていた三ツ星ホテル「フロラシオン那須」にしました。行きは下道にしました。埼玉県蓮田市から幸手へ、東武伊勢崎線、日光線を越え、茨城県五霞町で国道4号線バイパスに入り、利根川を渡ると茨城県古河市です。茨城県結城市、栃木県小山市、栃木県下野(しもつけ)市を通って宇都宮市に入ります。鬼怒川を越え、さくら市、矢板市、大田原市を通って那須塩原市に入ります。県道30号線を走り、戸田水辺公園を越えて、「広谷地」交差点で那須街道を横切ると那須グリーンライン(栃木県道68号)となり、白河、りんどう湖方面と標識が出ています。四ツ星ホテル「ウェルネスの森那須」前を通って「池田」交差点でロイヤルロードにぶつかり、左折します。ネーミングで那須御用邸への道だということがわかります。すぐ右折して那須グリーンライン(栃木県道68号)を福島県白河、西郷方面へ向かう途中、「フロラシオン那須」の大きな看板と立派な門があって、ここを左折、敷島ファームのなだらかな傾斜を上って行った先に有ります。牧場で肉牛が草を食んでいます。ホテルフロラシオン那須の脇を流れる川は、近くの「那須御用邸」脇の川と同じ流れのようです。那須の隣はすぐ福島県白河市、有名な言葉「白河以北一山百文」です。
敷島ファームの先に見えるホテルフロラシオン那須
■ 良いホテルでした
ホテルフロラシオン那須は北イタリア調のリゾートホテルで、豪華な建物の内装はヨーロッパ調で統一され、落ち着いた雰囲気です。敷地内に43〜45℃の自家源泉があり、露天風呂は加温、内湯は一部加温・ろ過のようです。癖の無い温泉で、逆に言えば感動する点はありません。チャペルがあって結婚式が行われるホテルだということが分かります。
ホテル入口は右建物、左にチャペルが見えます
シャンデリアの輝くロビー
スウィートルームに宿泊(左の寝室だけでも広いスペース) 両方にテレビがあります
打ち合わせを行うテーブルでしょうか 右は浴室、シャワールーム、洗面所、トイレ
ツインベッド ベッドはダブルサイズ
内風呂 サウナもありましたが、入室は一人制限
露天風呂は外階段を降りて行きます 下は渓谷で川が流れています
食事はレストラン・ベルガモットでした お客様は大勢、年齢層はバラバラ、女性のほうが多数
子連れの夫婦や、裕福そうな夫婦、家族旅行、女子旅の方たちとバラエティに富む客層でした
夕食ブッフェ マスクして手袋して取り分けます 手前は前菜コーナーから取り分けた小鉢
パンでもライスでもパスタでもお好みで...サラダやドリンク、コーヒー、食後のデザートも
まずはビール、続いてワイン、ウィスキー、ちょっと飲み過ぎかな?アルコール飲料は別料金です
那須牛はオプションでオーダーすると切ってくれます
朝食は最高でした オムレツはオーダーすると目の前で焼いてくれます もちろんまずは那須牛乳
■ 乙女の滝
帰りは那須塩原市板室703の乙女の滝に寄りました。この滝は、白笹山から流れる沢名川にある幅約5m、落差約10数mの滝です→那須塩原市の観光スポットページを参照ください。
乙女の滝(筆者撮影) 危険なので滝つぼ近辺に近寄るなとのこと
■ 日大・田中理事長ついに逮捕
時間の問題と見られていましたが、仕方ありませんね。財布にはいつも百万円からの札束が入っていたようですが、本人は贅沢するふうでもなかったようです。部下や相撲関係の後輩、力士たちに振舞っていい気持ちになったり、何よりも自らの権威を維持したいがためのオカネでしょう。前回「100万人からのOBはどんな気持ちでしょうか」と書きましたが、報道ではコロナ禍でアルバイトが無くなって困窮している学生が増えている中、学費下げろという現役学生の声が紹介されていました。日大の経営陣は猛省して、出直すべきでしょう。
■ プロ野球日本シリーズ2021…ヤクルト日本一!
オリックス・バファローズと東京ヤクルトスワローズによる「SMBC日本シリーズ2021」は、ヤクルト3勝、オリックス2勝で迎えた第6戦が11月27日(土)、ほっともっとフィールド神戸で行われ、延長12回ヤクルトが2-1で勝利。対戦成績4勝2敗で20年ぶり6度目の日本一を達成しました。オリックスの絶対エース・山本由伸は9回1失点の気迫あふれる投球、ヤクルトは高梨裕稔が先発、5回途中同点降板後2番手アルバート・スアレスが好投、8、9回はセットアッパーの清水昇がピンチを迎えても何とか切り抜けて無失点で抑え、同点で試合は今シリーズ初の延長戦に突入しました。延長12回、ヤクルトは二死から1番・塩見泰隆がヒット出塁、ここで市和歌山川端監督の息子、ヤクルトの代打の切り札・川端慎吾のタイムリーヒットで、土壇場でヤクルトが勝ち越しに成功、10回途中からマウンドに上がった守護神スコット・マクガフが続投を志願して無失点で締め、大熱戦の続いたシリーズに終止符となりました。5時間の大熱戦、見ているほうも疲れましたが、このシリーズは久々に野球の醍醐味を堪能させる素晴らしい熱戦続きでした。
■ 「夕暮れ時はさびしそう」のNSP、また訃報
岩手県一関市にある一関工業高等専門学校の同級生3人で1972年に結成された人気フォークグループNSPの中村貴之さんが亡くなりました。68歳でした。NSPは「夕暮れ時はさびしそう」などのヒット曲で知られ、いまだにファンがいます。岩手県宮古市出身の中村さんは、肺がんを患い療養していましたが11月27日、東京都内の病院で亡くなりました。天野滋さんは2005年に脳内出血で亡くなり、残った平賀和人さんは、中村貴之さんや元ふきのとうの細坪基佳さんとスリーハンサムズを結成し、音楽活動を続けていました。「夕暮れ時はさびしそう」の歌をYouTubeで聴けますよ。橋本愛さんの憂い顔がマッチしています。
(2021年11月30日)
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