51  大雪被害

 120年振りの大雪で、その被害が大変なことになっています。当初カーポートがつぶれたとか、富士見市の市民総合体育館の屋根が抜けたとか、3日間も車が動かず住民が炊き出しをしたとか、いろいろなニュースがありました。住民が孤立状態になってヘリで救出、自衛隊が出動して除雪、とにかく「想定外」などというのはもはや当たり前のようです。甲府の積雪が「120年振り」というのは、実はデータを取り出してから120年ということで、実はもっと前に遡るのかも知れません。筆者は豪雪地帯で育ちました。真冬は1階の戸が雪に埋もれて出入りできないので、2階への階段の踊り場にドアを付けて、冬はココから出入りしました。冬以外の季節に見ると、壁の途中にドアがあって、そこには足場も何も無いので実に異様な光景に見えました。筆者も埼玉南部、もう東京に隣接した地域に住むようになってから最も大雪だったと思います。
 山梨県、栃木県、群馬県、埼玉県などで農業被害がそれぞれ数十億円と当初報道されていましたが、映像を見たら桁が違うだろうと思っていました。案の定、大変なことになっています。絶望状態の人たちがたくさんいるでしょう。こういうときこそ助け合い、頑張りましょう!

大雪でハウスは甚大な被害
■ 積雪量の多さ+湿った雪で質量過大
 大雪のバレンタインデー2月14日(金)、特に夜からモサモサと降り続いた雪は翌朝にかけて大変な大雪をもたらしましたが、山梨県や埼玉県秩父、長野県、いわゆる甲武信に大雪を降らせ、群馬県から栃木県にわたる一帯にも15日(土)にかけて大きな被害をもたらしました。関東南部では2月15日(土)未明から雨に変わり、大量の雪に雨が浸みて、ものすごい質量になったものですから、富士見市の市民総合体育館の屋根が抜けたわけです。この地域の積雪による耐荷重基準は積雪30cmで、それより大分多めに設計すると思われますが、除雪した時の感想では、恐らく設計基準の倍以上の荷重があったのだと思われます。

■ 雪がもたらす功罪
 題名の「功罪」とは、積雪被害者から見れば何言ってるの?とお叱りを受けるかもしれませんがご勘弁下さい。前週は2月8日(土)が大雪でした。休みだった人が多かったので、2月9日(日)は我が家の路地も各家の住民が出て来て除雪しました。2月14日(金)の大雪の後は、15日(土)の昼から同じように除雪に汗をかきました。こんなときでなければできない協働作業、思わぬコミュニケーション、和気藹々と働きました。ついでに表通りのほうまで除雪してたら、孫をおんぶしたおばあちゃんも精出していて、後でご苦労様ですとお煎餅をくれました。こんな人が近所に住んでいたんだと、初めて知りました。
 ところが路地入口角地の、いつもゴルフの素振りをしている屈強なお父さんが出てきません。するとご近所の女たちで悪口が始まりました。その人の家の前は残しておこうと相談しています。しかしそうすると我が家はじめ、奥の家は車が出る時に狭くて不便です。結局筆者が片付けて、女たちの手前、気持ちだけ残しました。一番奥の家の比較的若いお父さんも、若い息子、娘がいるのに除雪に出てきません。こういうときに、住民の気持ちが分ります。助け合い、共同の大切さを教えてくれます。

■ 電車衝突事故が連続
 雪が積もった2月15日(土)午前0時30分頃、東急東横線元住吉駅構内(下り・2番ホーム)で衝突事故が起きました。元住吉駅でホームに停車していた各駅停車(渋谷発、元町・中華街行き8両編成)車両に、後続の各駅停車(渋谷発、元町・中華街行き8両編成)の電車が衝突したのです。東急電鉄は「自動列車制御装置(ATC)は作動していたが、ブレーキが十分に働かなかった」と理由を説明しました。積雪のため車輪がスリップして、ブレーキが利きにくかったようです。東急電鉄はすぐさま、降雪時、積雪時の運行対応についての対応を決めて発表しました。実際この日はブレーキが利きにくいとの運転士からの報告が上がっていたそうです。
 車でもそうですが、乗用車に比べて大型バスやダンプカ―は滑りにくい、雪道に嵌まった時は、「オーイ」と、住民をいっぱい集めて来て荷台に載せて脱出するというのは雪国では当たり前の知識です。すなわち重ければ摩擦力が増えるので滑りにくいのです。最近では、コストとスピードアップ(加減速性能向上)を優先するため、車両の軽量化が急ピッチで進められており、この「車両の過度な軽量化」も要因のひとつと指摘されています。
 この事故の記憶が鮮明なうちに、2014年2月23日(日)未明、JR京浜東北線の回送電車が工事車両と衝突し、脱線・横転しました。JR東日本は、京浜東北線の蒲田 - 鶴見駅間の運転再開について、24日の始発を目指したいとしています。このような事故はついぞ起きないものと思っていました。ATCが整備されて、電車はぶつからないものと思っていました。何ということでしょう?

■ 東武東上線トラブル
 筆者が通勤で使う電車、東武東上線がトラブル続きです。以前はこんな電車ではありませんでした。2014年1月20日(月)6時47分頃、東武練馬〜下赤塚駅間で発生した人身事故の影響で、池袋〜小川町駅間の運転を見合わせ。2014年1月29日(水)6時50分頃、埼玉県川越市藤間にある東武東上線第143号踏切で自動車と電車が衝突する事故が発生〜11時30分頃に全線で運転を再開しました。この影響で、東武東上線のほか、相互乗り入れの東京メトロ有楽町線・副都心線・東急東横線・みなとみらい線、西武池袋線のダイヤに大幅な乱れや遅延が発生し、一部電車の運転取りやめや行き先変更などが発生しました。この事故は、軽乗用車を運転していた通勤途中の女性会社員が踏切待ち中に踏切手前の郵便ポストに郵便物を入れるため、車から離れた際に、車が無人のまま動き出して踏切内に進入して電車とぶつかったものです。車は大破しましたが、女性と、電車の乗客約 300 人にけがはなかったそうです。オートマでドライブに入れたまま、サイドブレーキも引かなかったということです、なんちゅうことだ!
 この2件は東武鉄道が悪いわけではなく、被害者です。しかし2014年2月12日(水)6時31分頃、東武東上線若葉駅で車両点検のため、川越市〜小川町駅間の運転を見合わせ。この影響で東武東上線との東京メトロ直通運転、女性専用車両を中止。東京メトロ線、都営地下鉄線、JR線、東武線、西武線、りんかい線、ゆりかもめ線で振替輸送を実施・・・これは事故ではなく車両故障です。
 10日に一度大きなダイヤ乱れって、どうなってるの?と思ってしまいますが、実は最近では東武東上線大山駅で降車する時刻は、普通に3分ほど遅れます。遅れるのがフツウ、たまに時刻通りだったりすると、どうなってるの?と思ってしまいます(>_<)

■ 福島第一原発でまた事故が
 福島第一原発のH6エリアタンクから高濃度汚染水が溢れ出ました。何ということでしょう?東京電力は2014年2月21日(金)、汚染水貯蔵タンクにつながる配管の弁が何者かにより開閉されていたことを明らかにしました。当初の説明では3つの弁のうち1つは閉じられており、故障により汚染水が流入したようだとの説明でした。しかし、漏えい前に撮影された写真では3つの弁はすべて開いており、漏えい発覚後に1つが閉じられていたということです。弁は大きいので、専用のハンドルを取り付けて操作する構造であり、人為的な操作ないし誤って弁を開け、ミスを隠すために閉じた可能性もあるようです。どうやら、事故か確信犯か、どうなってるの?

■ 牛丼業界に変化が
 標題の通り、牛丼業界に変化が起きています。東京チカラめし、「焼き牛丼」を引っ下げ、2011年に牛丼業界に殴り込みをかけたチェーンですが、その業績が伸び悩み、2013年後半の半年間に39店を一気に閉店。かたや、丼ものチェーンのなか卯は、2014年2月12日に「和風牛丼」の販売をやめました。吉野家など大手3社も、客単価の高い「牛すき鍋」などに力を入れ始めています。もうからない¥280牛丼から、より高いメニューにお客様の視線を転換させよう、客単価を上げようという作戦、アベノミクスへの便乗ですね。予想された事態が起きてきました。何ということでしょう?

■ 新聞社の軸は移動する
 新聞社は右寄りから左寄りまで、いろいろあります。毎日新聞社の軸は中立的、朝日新聞社は左、読売新聞社は右、産経新聞社は極右といったところでしょうか?筆者の高校同期の今松英悦君が2013年11月肺がんのため逝去されました。最後まで生きる希望を失わなかった最期だったそうです。あっぱれです。彼は非常にリベラルな毎日新聞経済担当論説委員でした。ちょっと毎日新聞社の軸がこのところ右傾化してきたためか、定年で会社に残らず退職しました。その2か月前には岸本正人さんという、やはり論説委員と千葉支局長を歴任された方が60歳で心室細動のため逝去されました。この方は痛烈なアンチ小沢一郎でした。一方今松英悦君の14年先輩で、サンデー毎日編集長なども務めた毎日新聞特別顧問の岩見隆夫氏は2013年6月、末期の肝臓がんであることを告白し、2014年1月18日肺炎のため慶應大学病院(東京都新宿区)で逝去されました。78歳でした。がんで入院して、肺炎で亡くなる、よくあるパターンです。この方は72歳まで毎日新聞社に勤務しました。いわゆる政治担当で、どちらかと言えば毎日新聞社の平均的な軸より右寄りでした。退職後政治評論家となり、みのもんたの番組などで有名でしたが、その後毎日新聞社は特別顧問という形で再び岩見隆夫氏を迎えました。社の軸が右傾化したことを象徴しています。小沢一郎批判の毎日新聞社がかつて主張していたのは、今小沢一郎が主張していることです。それなのに相変わらず小沢一郎批判を止めません。ゼネコンとの癒着がどうしたと言っていたのに、今の政権はゼネコンさまさまです。悪役だったゼネコン批判はマスコミから消え去りました。安倍晋三首相は岩見隆夫氏の訃報を聞いて「長州・山口県の先輩であり、私の父と同じ毎日新聞記者だったこともあり、私が新人議員のころからご指導いただきました。私が再び自民党総裁選に勝利し首相に就任する際には、三宅久之さん(故人、政治評論家)とともに大変喜んでくださいました。心からお悔やみ申し上げます」という談話を発表しました。

■ 毎日新聞が安倍総理批判に転換
 このところ毎日新聞の論説の調子が安倍批判へと変化してきました。安倍首相誕生当時は前記のように好意的でした。アンチ小沢、親安倍で、アベノミクスやTPP推進を評価していました。原発政策だけは批判的でした。新聞社には右も左もいますから、軸は力関係によってぶれます。今や毎日新聞を代表する顔でもある岸井成格氏も右寄りですが、テレビ出演で新聞社から離れ気味で、岩見隆夫氏も亡くなったことで、軸が左寄りになってきたのかも?
 それもあるでしょうが、やはり安倍首相の靖国参拝や、特定秘密保護法のあたりから論説委員の調子が変わったようです。その後NHKの会長や経営委員など、歴史認識が問われる事態が次々出て来て、米国の有力新聞各紙が次々と安倍批判の論説を載せるようになってきて、これは親安倍というわけにはいかん、となったのでしょう。自民党の古参の野中さんとか古賀さんが安倍批判を強めているという事態は、無視できないでしょう。今や自民党の良識は石破幹事長にかかっていると言えます。

■ 潟uリジストンが米国司法省に罰金4億25百万米ドル支払
 米司法省は2014年2月13日、ブリヂストンが米国などでの自動車用ゴム部品に関する価格操作を認め、4億2500万ドル(約447億円)の支払いに同意したと発表しました。米独占禁止法に基づく措置で、日本企業への罰金額としては、過去2番目の大きさだそうです。独占禁止法違反のカルテルに対する罰のようです。これによってブリヂストンの発表では、2013 年12 月期決算で447 億90 百万円を特別損失として計上、しかしこれによる2013 年12 月期通期連結業績予想の修正はありませんって→コレってスゴイね?

■ 太陽光発電事業を進めない業者の認定取り消し
 太陽光で発電した電気の固定価格買い取り制度(FIT)を巡り、経済産業省は、発電の認定を受けたのに事業を進めようとしない約670件の業者の認定を取り消すそうです。もちろん業者から事情を聞いた上で、3月にも初の取り消し処分に踏み切る模様です。発電用の土地と設備のいずれかしか準備していない約780件についても、8月末までに両方を確保しなければ認定を取り消す方針とのことです。
 この制度は、事業者が認定時に設定された価格で電力を電力会社に売れる仕組みです。制度が始まった2012年度の太陽光の買い取り価格は1kWh当り42円と高額に設定され、その分電気料金に上乗せされています。買い取り価格はその後、低下していますが、認定時点の高い価格で電力を売れるため、多くの企業が参入を表明したものの、もうけが大きくなるように、太陽光パネルの値下がり待ちで事業を始めない業者が続出していました。認定制度には発電開始の期限はありませんが、経産省はこのままでは太陽光発電の普及の妨げになると判断して、この措置に及んだものです。当然ですね。

■ ソチ・オリンピック閉幕
 いろいろな感動を頂きました。上村愛子、惜しかった!でもありがとう。サラ、大丈夫だ、次がある。真央、頑張った!森喜朗元首相の言ったことが物議を醸しているけれど気にするな、あの人は失言レジェンドと言われている人、真央を好きだから故の発言が、あんなことになっただけだよ。ほとんどの日本人が、あのフリーの演技に感動しました。だけど、あれほど素晴らしい出来でも、キムヨナがその上を行き、さらにロシアの新星アデリナ・ソトニコワがその上を行って金メダル。ソトニコワは3連続ジャンプで着氷した際、バランスを崩したもののフリー自己ベスト(131.63点)をなんと18.32点も上回る149.95点。ノーミスだったキム・ヨナ(144.19点)や女子選手初の「エイトトリプル」で自己ベストを更新した浅田真央の142.71点を上回る今季最高得点で、母国に金メダルをもたらしました。ソトニコワの採点をめぐり、韓国は大騒ぎ、再審判の署名運動が起きているようです。キム・ヨナや真央が最高の演技をしたのにそれを上回るなんてことが有り得るか?という疑問です。ただ、ジャッジが地元選手に高い得点をつけると言われるフィギュアでは、このぐらいのハンデは仕方ありません。むしろ、失敗を恐れずガンガン攻めたソトニコワの勇気が高く評価されたということです。世代交代ですね。
(2014年2月23日)


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