410 手話
緊急事態宣言が発出されて、余熱利用施設エコパも閉館時間が2時間繰り上がりました。プールの始めは9時からで、男女各15名まで、毎時50分には退出しなければなりません。最終組は18時からです。したがって18時50分最終退出です。朝8時45分から入場整理券が配られるのですが、長蛇の列なのです。男は毎時すべて満員になります。施設の開門時間は7時半ですが、7時前にはもう門前で並んで待っている有様だそうです。それで8時45分から入場整理券を貰い、最初の組は9時からです。筆者は朝に入場整理券を貰いに行き、夕方プールとお風呂に行くので2往復、毎日20km車で走るのです。ヤレヤレ...
■ 寒暖差激しい今日この頃
1月16日(土)はえらく暖かくて17℃、4月並み、少年野球のグラウンドでもグラコンを脱ぎました。朝は零下が続いていたのに珍しくマイナスではなく2℃でした。17日(日)は春の陽気から一転、真冬の空気に入れ替わりますが、朝は前日同様寒くありませんでした。ただ最高気温は、前日比10℃ぐらい下がり、この温度差が問題です。このまま寒い日が続いて、1月20日(水)は二十四節気の「大寒」ですから昼でも6℃ぐらいとの予報です。翌日は一転13℃ぐらいに上がり、23日(土)は8℃まで下がり、24日(日)は18℃まで上がるというのですから、アップダウンの激しいこと!ちなみにこれはあくまでふじみ野市の温度(日本気象協会のtenki.jpによる)で、東京都心では24日(日)は20℃ぐらいまで上がるのでは?と言われています。こういう「ヒートショック」、すなわち「熱衝撃」は、機械等の不良品のふるい落としに使われますが、人間の体にも悪いのは当たり前、風邪をひきやすいので要注意です。
■ 阪神・淡路大震災から26年
1月17日と言えば忘れてならない「阪神・淡路大震災」、あれから26年経ちました。6年前の98『大震災から20年』(2015年1月17日)をご覧ください。筆者は26年前当時東京都板橋区熊野町の川越街道に面した社屋に勤務していました。会社の営業所が神戸にあり、販売店さんの本社もあり、朝から大騒ぎで、救援隊派遣やら物資調達やら各部門がテキパキと対応して、全国ネット企業の凄さというものを実感するとともに、災害に対してこんなに素早く適切に対応できる企業に勤務していることを誇らしく思ったものです。それは16年後の東日本大震災でも同じく企業力を発揮出来ました。被災者への多額の寄付も実施しました。私たちは災害列島ニッポンに暮らしていますから、いつどこで何が起きるかもしれません。富士山だって噴火しないとも限りません。あの宝永大噴火で宝永山ができたのは1707年、わずか300年前ですよ。地球の歴史から比べたら誤差範囲みたいなものです。東京の直下型地震は30年以内に必ず起きると言われています。そして今体験しているコロナ禍は自然災害ではありませんが、感染症という人類が過去さんざん悩まされてきた敵で、人間が密になってはいけないよという警鐘であって、大都市集中が進んできたことへの痛烈なパンチであると考えるべきです。日本の若者の7割が東京に集まって来るなんて、どう考えても異常です。身の保全を考えるならば、「脱東京」を本気で考えなければならないときが来た、と言えるでしょう。
日本の断層分布・・・鳥取、島根、宮崎、四国南部辺りが無いんですね
茨城県や岩手の北上山地、北海道の北見、紋別等のオホーツク地域も有りません
■ 聴者?
毎日新聞2021年1月12日朝刊1面下部のコラム「余録」の中に「聴者」という言葉があって、聞き慣れない言葉なので注目しました。聴者?難聴者に対する健聴者のことを指しているのかな?と疑問だったのです。このコラムの要旨は、マスク着用が当たり前になって、耳の聞こえない人が困っているという話です。読唇出来ないし、感情が伝わらないわけです。そのために透明なマスク着用を呼びかける話も載っていました。最近はニュースや記者会見でも手話通訳が当たり前のようになってきましたが、耳の聞こえない人にとってみると、唇の動きで相手の言葉を読むことが多いそうです。聴覚に障害が無い人のことを、「健聴者」と呼ぶ場合がありますが、この呼び方は、「健聴者=耳が健常な人」、裏返せば「健聴者ではない=耳が異常な人」という無意識の意味が込められていると考え、「異常」という言葉に違和感を持つ人が当然居るでしょう。したがって耳が聞こえる人を「健聴者」ではなく「聴者」と呼ぶようです。一般社団法人 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会という団体があります。「全難聴」と略称されるそうです。
■ 全日本ろうあ連盟
言葉を発せられない人を「ろう者」と呼びますね。307『伊香保』(2019年1月27日)で紹介しましたが、伊香保温泉の渋川市市有地に「全日本ろうあ連盟 結成の地記念碑」があります。戦後の混乱が冷めやらぬ1947(昭和22)年5月25日、全国から「われらの組織」をという思いを胸にたぎらせた約二百名のろうあ者たちが伊香保温泉の木暮旅館に集結し、昼夜にわたる議論の末、ろうあ者の生活や権利の擁護を目的に、「ろうあ者による、ろうあ者のための、ろうあ者の組織」の立ち上げを決議したのだそうです。「かくして、すべてのろうあ者が待ち望んでいた全日本ろうあ連盟が、ここ群馬県伊香保温泉の地で創立された」と記念碑には刻んであります。
伊香保温泉のホテル木暮前にある碑 一般財団法人 全日本ろうあ連盟の設立記念碑
木暮旅館はその後ホテル木暮となりましたが、その第一駐車場にも、「全日本聾唖連盟 結成大会記念碑」「手話はいのち」の黒い石碑があります。おそらくホテル木暮は伊香保温泉で一番大きい宿だと思います。ここの露天風呂から朝日が昇るのを見た記憶が今でも鮮明です。
■ 手話と口話法
全日本ろうあ連盟が、2017年参議院事務局企画調査室編集・発行「立法と調査」2017.3 No.386に掲載されている「日本語と日本手話 ―相克の歴史と共生に向けて ―」に対し、反論レポートを公表しています。それによりますと「手話言語はろう者の生きる力であり『命』です。その手話言語に対して正しい認識を広めるために、レポートを公表することといたしました」とあります。この一文を読むと、日本の手話と、ろう教育における口話法のことも知ることができます。日本ではろう学校の教育において好むと好まざるとに関わらず、日本語を発音発語すべきことを教えられてきた歴史があるのだそうです。すなわちろう学校では手話を教えず、口話法、聴覚口話法により「国語」を身につけ、聞こえる人たちが大多数の社会に適応して生きていくことを目標に指導する時代があり、手話が「手真似」と呼ばれ排除されてきたのだそうですよ。え〜〜〜、じゃあ聴覚障害者や、ろう者はどうやって手話を覚えたんだろう?と疑問ですね。日本で手話サークルが生まれ、全国に広がり手話が聞こえる人たちに普及していく過程で、聞こえる人たちが手話を理解し覚えやすいよう、発語しながらの手話で教えた時期があったそうです。今や手話を学んでいる聞こえる人たち、難聴・中途失聴者は、ろう者とコミュニケーションしやすいように手話の上達に努めている状況だそうです。そうか、全日本ろうあ連盟でも「聞こえる人たち」という表現を使うんだな、と思いました。「聴者」という表現より「聞こえる人たち」のほうがなじみやすいですね。
■ ろう教育の変遷
手話を使い、お言葉を述べる秋篠宮佳子さまのように、手話を学ぶ人が増えています。秋篠宮佳子さまは「手話の甲子園」に手話でエールを送られましたね→YAHOO!ニュース;日テレNEWS24
手話と共に挨拶される秋篠宮佳子さま
手話は、聴覚に障害のある子どもたちにとって、自然に身につけることができる言語ですが、ほんの十数年前まで、多くのろう学校では手話を使うことが禁止されていました。20世紀はじめ、「口話」という新しいコミュニケーションの方法がアメリカから伝わり、日本のろう教育の中心となっていったからです。日本初のろう教育は、筆談や指文字、そして手話を使って行われていました。1933年、時の文部大臣、鳩山一郎は、全国のろう学校に口話の指導に力を入れるように指示します。これ以後、口話教育は全国に広まっていきました。手話は、多くのろう学校で禁止されました。口話ができないことは、本人の努力や能力に問題があるとされていました。しかし、1980年代になると別の原因が分かってきます。一方、手話の禁止に関しても議論が巻き起こります。90年代、ろう者たちは、教育現場への手話導入を各地で訴えました。2009年、ついに文部科学省は学習指導要領を改訂します。手話を初めて明記、ろう学校でのコミュニケーション手段の一つとして認めたのです。文部科学省の「聴覚障害教育の手引(PDF)」 を見ると、その歴史が分かります。
■ 緊急事態宣言7都府県追加
菅義偉首相は1月13日、栃木県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県に新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく、緊急事態宣言を出しました。これで計11都府県に出したわけです。記者会見で菅首相は、「福岡県」と言うべきところを「静岡県」と言い間違え、西村大臣が菅首相が退席した後、移動しながら、慌てて「福岡県ね」と訂正していました。西村経済再生相は14日の記者会見で、広島市を緊急事態宣言の対象区域に準じる支援を行う地域とすることを検討していると述べましたが、政府は16日、当面見送る方針を決めました。熊本県をはじめ、感染者数が増えている地域は続出しています。栃木県はそんなに多くない印象でしたが、実は人口当たりでみると直近では全国4位とのことで、納得しました。追加7府県の中で福岡県だけは県から要請が出ていないのになぜ?といぶかる報道もありましたが、これまた直近では人口当たりで上位ですから、政府の判断は当然です。
■ 自粛警察もいい加減にして欲しい
菅首相が、「福岡県」と言うべきところを「静岡県」と言い違えたのは、静岡県の川勝知事の話題が脳裏にあったためかもしれません。テレビ朝日を見ていたら、静岡県の川勝平太知事が12月に「不要不急の帰省は我慢して控えるようお願いします」と県民に訴えていたにもかかわらず、年末年始、自宅のある長野県軽井沢町に夫人と2人で帰省していたことがわかったと批判的に報じていました。これに対して知事は、帰省は高齢者にうつすリスクが高まることが問題で、夫人と2人で車で往復し、自宅にも2人だけで滞在したことから、問題はないと説明していました。これは知事のおっしゃることが正解で、自宅に帰るのは帰省ではありません。県境をまたいではいけないということもありません。静岡県の知事公舎から、長野県に帰宅することが不要不急と言われたらたまりませんね。むしろ静岡市に居たら、政治家は会食が仕事と言われていますから、いろいろなお誘いがあって、中には石破さんみたいに断れない場面が出てくるかもしれません。過激が売りの週刊誌ならともかく、マスメディアは自粛警察的な報道はいい加減にしてもらいたいところです。
■ 菅内閣の支持率は谷落とし
菅内閣の支持率は、時事通信が1月8〜11日に実施した1月の世論調査で、前月比8.9ポイント減の34.2%、不支持率は13.1ポイント増の39.7%と初めて不支持が支持を上回りました。毎日新聞と社会調査研究センターが1月16日実施した全国世論調査では菅内閣の支持率は33%で、2020年12月12日に行った前回調査の40%から7ポイント下落、不支持率は57%(前回49%)でした。2020年9月の政権発足直後の調査で64%だった支持率は、真っ逆さまに奈落の底へ向かっている感じです。やはり「後手後手」感が否めないからでしょう。
政府は昨年12月28日に全世界からの新規入国を原則停止しましたが、相互往来の合意がある中国や韓国など11ヶ国・地域は例外とされました。菅首相の強い意向があったと報道されましたが、実はニッポン経済は今や外国人労働者抜きでは成り立たなくなっているからでしょう。これには足元の自民党内からも全面停止を求める声が相次いでいました。これを受けて一転、例外的に認めている11ヶ国・地域からのビジネス関係者らを含め、外国人の新規入国を全面停止することに方針転換しました。こういう揺れ動きが支持率急落につながっているのでしょう。
■ 居酒屋崩壊
しかし菅首相ならずとも現状は大変厳しく、菅首相の表情から段々自信が失われていくのを見ると「頑張れ!」と励ましたくなります。言葉が少ないとか言われますが、ぺらぺらと雄弁にウソをつく前首相よりは余程誠実ではありませんか。前回居酒屋崩壊と書きましたが、西村大臣は夜だけでなく昼も不要不急の外出は自粛してくださいと言い、「ランチはいいと言うわけではありません」と言ったらサイゼリアの社長が「フザケルナ!」と怒っていましたね。ランチもだめなら居酒屋だけではなく、外食業全体がダメになるかもしれません。自治体が緊急事態宣言を求めるのは、休業補償の8割が国から出るからです。ところが東京都は大手チェーンは対象から外しました。その結果大手の居酒屋チェーンの中には、店名を公表されても構わないと開き直って、20時以降も営業を続けるところもあります。地方の感染者が少ない地域の居酒屋店主からは、「緊急事態宣言が出ていなくても客が来ない。このままではつぶれる、1日6万円もらえる首都圏の小さな店がうらやましい」と悲鳴が上がっています。一番の問題は、国民の多く、特に現役世代が今回は本気で自粛していないように見えることです。前回の最後に「遠からずもっと過激な対策が出て、大変な事態が発生しそうだ」と書きましたが、今は一旦過激でもやるべきことをやらなければいけないと思います。
■ 春の七草・ぺんぺん草と七草でないホトケノザ
春の七草は、「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ・春の七草」と唱和したものです。新しい年を祝い、お正月気分がまだちょっと残っている1月7日は、五節句の一つ「人日の節句」で、この日には「七草粥」を食べて邪気を祓い、一年の無病息災と五穀豊穣を祈るとされる風習があり、スーパーなどでも「春の七草セット」を売っていました。その中で、ナズナ(アブラナ科)は道ばたや畑、土手、荒れ地に生える二年草で、早春に白い十字形の花をつけます。花後、ハート形の実ができます。形が三味線のバチに似ているので、「ペンペングサ」とか「シャミセングサ」とも呼ばれます。高血圧・解熱・便秘・利尿・解熱・止血作用に効果があるといわれ、特にビタミンKが豊富に含まれ、骨粗しょう症の改善効果が期待されます。煎じた汁で洗眼すると目の充血や痛みを和らげる効果があるともされています。
またホトケノザ(仏の座)は、正式名をコオニタビラコ(小鬼田平子)といい、田平子の一種でキク科の植物です。今の時期、寒くてまだ草があまり生えない時節でも、畑にビッシリ生えて困るのがシソ科のホトケノザという植物です。これは春の七草のホトケノザとは全くの別もので、食べられません。キク科のホトケノザは黄色い花を咲かせるのに対し、シソ科のホトケノザはピンクの花を咲かせるので、見た目も異なります。花は可愛いですね。これら野草については、270『野草』(2018年5月14日)をご覧ください。
(左)ナズナ(ぺんぺん草) (右)シソ科のホトケノザは春の七草ではなし
(2021年1月17日)
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