270  野草
 5月13日は母の日、心に残る日です。亡き母の誕生日、甥の誕生日、母校(高校)の創立記念日です。若葉の頃を過ぎて、植物は青々と生長を続けています。ただし庭の野菜を見る限り、まだ爆発的成長過程には入っていません。

■ 続くオータニの大活躍
 爆発的と言えば5月10日(日本時間11日)のエンゼルスの大谷翔平投手は凄かったですね。ツインズ戦に「5番・DH」で先発出場し、適時二塁打と5号ソロを放つ大活躍で7-4の勝利に貢献しました。3回の第2打席では右中間へのライナー、外野手に追い着かれたものの、大谷は一塁を回るや、解説者が「アフターバーナーを入れた」「信じられない爆発力」と絶賛した、ギアを入れ替えたかのような加速を見せてセカンドに滑り込み、タイムリー二塁打となりました。地元メディアによると、二塁到達8.07秒はエンゼルスのツーベースとしては今季最速タイムだそうです。それにしてもどこまで活躍が続くのか、毎週「サンデーモーニング」の張本さんが何言うか楽しみですが、少年野球があって見れません。

■ 庭に絶対植えてはいけない「竹」と「笹」
 庭の茗荷の芽がグイグイ伸びてきましたが、その芽をボロボロ食い荒らすのはイモムシでしょうか。昼に見ると見当たらないのです。土に潜っているのでしょう。鳥が来て食べてくれないかなぁと思いますが、生きるために虫も必死なのでしょう。ところで庭に絶対植えてはいけないといわれるものは「竹」と「笹」だそうです。繁殖力が強過ぎて、他の植物の成長を妨げます。そう言えば群馬や栃木の温泉に行くためにドライブしていて目に付くのは、空き家と竹林です。昔に比べて竹林が他の木々を侵食して面積を増やしています。竹は地下茎を広げることによって生息域を広げます。成長力が強く、ピークの時は1日で1メートル以上成長するそうです。竹林の近くにある民家で、家の中にタケノコが生えてきたなんてよくある話です。笹も地下に匍匐茎を伸ばし、密集した群落=笹原を作ります。一面に生えて、他の植物の余地は無くなります。一旦増えると駆除は難しい、地面を掘り返して茎を抜く大作業になります。

■ 山野草の一例
 雑草をふくめていわゆる野草の生命力には驚きます。人に踏まれる所でも、やせ地でも、アスファルトのすきまでも、日の当たる所ならいたる所に生えてきます。今回はその野草の一例を紹介しましょう。
アザミ(キク科)・・・スコットランドの国花ですが、世界に250種以上があり、北半球に広く分布しています。日本では100種以上あると言われますが、現在も新種が見つかることがあるくらいです。小学校にも必ず生えています   イヌタデ(タデ科)・・・湿り気のある草地に生える多年草で、別名アカノマンマ。花をこそぎとって,ままごとの茶碗に盛り赤飯に見立てた子供の草花あそびがその由来だそうです
オオイヌノフグリ・・・春も早いうちから,道ばたにもっともふつうに見られます。青色(ときにはやや紫色)の花が目立っています
オオバコ(オオバコ科)・・・日当たりの良い道ばた、庭、、野原に普通に見られる多年草。葉に5〜7本の太い葉脈が走っていて、ちぎれにくい。葉が大きいので「大葉子(おおばこ)」という名前がつけられました   カタバミ(カタバミ科)・・・道ばた、畑などいたる所に生える多年草。噛むとすっぱい味がするのは、シュウ酸を含むためです。5月〜10月に黄色の5弁花をつけます。葉の一部分がかじられたように欠けているので、「傍食(かたばみ)」といいます。アカカタバミも生命力抜群です
ツユクサ(ツユクサ科)・・・道ばたや人家の付近の荒れ地に多い一年草。6〜9月にかけて鮮やかなコバルトブルーの蝶形の花をつけます。花は朝開いて夕方にはもうしぼんでしまう、はかない命です。根を抜いてほおっておいても、茎から根を出す丈夫な植物です。昔この花の汁で布を染めたので、「着き草」といったのがはじまりといいます。食べられますし、葉っぱだけ見ても美しく、観賞用に生やしている人もいます
シロツメクサ(マメ科)・・・茎は地上を這い、葉は3枚の葉が普通ですが、時に4枚やそれ以上のものもあり、特に4枚のものは「四つ葉のクローバー」として珍重されます。花は葉の柄よりやや長い花茎の先に着き、色は白です。雑草防止、土壌浸食防止等に利用されることもあり、動物も好んで食べます   ムラサキツメクサ(マメ科)・・・シロツメクサ(クローバ)と似ていますが、単に花の色が違うだけでなく葉などもだいぶ違います。元々はヨーロッパ原産の帰化植物で、牧草として栽培されていたものが野生化したようです
スズメノエンドウ(マメ科)・・・ソラマメ属のつる性の越年草。田畑や空地などに生える雑草。より大きいカラスノエンドウは、葉の形がヤハズ(矢筈)の形をしているので、別名をヤハズエンドウ(矢筈豌豆)とも呼びます。右はカラスノエンドウです   スイバ(タデ科)・・・春の終わり頃になると、田の畦につんつんと赤い花序を立てる多年草です。子どものころはよくかじったものです。酸っぱい汁が出るのでスカンポという名で親しまれています。葉っぱは大きく、生命力に溢れています
スギナ(トクサ科)・・・土手、畑、野原どこにでも広く自生する多年草。地下茎は地中を横にはって、その節から地上茎を出します。地上茎には、栄養茎(スギナ)と胞子茎(ツクシ)とがあります。早春に筆の穂のようなツクシが出てきます。まもなくその付近から緑色のスギナが芽を出し、夏に繁茂します。形が小さい杉の木に似ているので、「杉菜(すぎな)」というのだそうです
スベリヒユ(スベリヒユ科)・・・日当たりの良い畑、道ばた、荒れ地などに地面をはうように茎が広がっている一年草。茎や葉は多肉質で、つやがあるので、葉っぱだけ見ても美しく、観賞用に生やしている人もいます。夏に黄色の小花を、晴天の午前中にのみ開きます。茎や葉をつぶすと粘液でぬるぬるするので、「滑りひゆ」と言われるのだそうです
セイタカアワダチソウ(キク科)・・・北アメリカ原産で、日本では切り花用の観賞植物として導入された帰化植物(外来種)であり、ススキなどの在来種と競合します。日本の秋の風景を変えた植物ともいえます。川辺に繁茂していますね
タンポポ(キク科)・・・日当たりのよい道ばた、土手、野原、丘陵、山地、海岸、河原などいたる所に生える多年草。在来種の関東タンポポや関西タンポポは、外来のセイヨウタンポポに圧倒されて、その影がうすれてきています。この写真はセイヨウタンポポで、花の下の緑色の総ほう片が外側にそり返っているのが特徴です。種子の毛が”たんぽ”に似ているので、「たんぽ穂」といいます
ドクダミ(ドクダミ科)・・・道ばた、日陰の庭先に普通に見かける多年草。地下茎が横に延びて増えるので、群がって生えます。夏、白い花びらに見える4枚のほう葉とその中心に黄色の小さな花を穂につけます。全草に独特の強いにおいがあります。毒でも含んでいそうな悪臭があるので、「毒溜め(ドクダメ)」といいます。また、10種の薬効があるということで「十薬」ともいわれています
ナガミヒナゲシ(ケシ科)・・・街路樹の根元やアスファルトの割れ目、とにかく隙さえあれば生える超生命力の強い植物で、野草にしてはきれいでかわいいですね。オレンジ色のヒナゲシ(雛芥子)などに似ていますが、花の色が肉色なのと、花弁にしわが多いのが特徴です。地中海原産の帰化植物で、生命力が極めて旺盛です。ひとつの芥子坊主から1000〜2000の種子(ケシ粒)、一株から8〜20万粒の種子をばら撒くために爆発的な繁殖力を示し、地場の他の草花を駆逐してしまうことが急激に増えた原因のようです。自治体によっては、見たらすぐ抜いて下さいと言う条例を設けているほどです。2017年以降、埼玉県・千葉県・東京都・茨城県等の複数の自治体が住民に対し、「特定外来生物や生態系被害防止外来種(要注意外来生物)には指定されていないものの、これらと同様に生態系に大きな影響を与える外来植物」としてナガミヒナゲシの危険性を周知するとともに、駆除の協力を呼びかけています。
なぜ道端に多く生えているかといいますと、車のタイヤに付着して広まっているのだろうと推定されています。このため、1961年に東京都世田谷区で初めて確認されたものが、2000年以降には全国へ爆発的に拡散しました。また近年どうして目立つようになったかと言いますと、地球温暖化によって日本の気温が上がったためだろうとの説があります。
なお、「東京都健康安全研究センター」のホームページに「不正なケシの見分け方」というページがあり、この中にナガミヒナゲシについても記載があります
ナズナ(アブラナ科)・・・道ばたや畑、土手、荒れ地に生える二年草。春の七草の一つ。早春に30pほどの茎を立て、白い十字形の花をつけます。花後、ハート形の実ができます。形が三味線のバチに似ているので、「ペンペングサ」とか「シャミセングサ」とも呼ばれています
ハルジオン(キク科)・・・葉と茎は黄緑色で、まばらに毛が生えます。茎はあまり枝分かれせずに伸び、先の方で何回か枝分かれして、花をつけます。花はヒメジョオンと同じく、細い舌状花を持つヒマワリのような花で、白とピンクがあります
    
  ヒメジョオン(キク科)・・・背の高さが50〜100cmにもなる、白い花を咲かせる一年草です。やがて、茎が高く伸びると、根本の葉は無くなり、茎から出る細長い葉だけになり、白か薄紫の花を咲かせます。花はヒマワリのような形で、周りの花弁がとても細い
    
ヒメオドリコソウ(シソ科)・・・葉は長さ2〜4cm程度の卵円形で縁は鈍い鋸歯を持っています。葉脈は網目状で窪み、全体に皺があるように見えます。上部では暗紫色を帯びるのが特徴です。葉をもむと悪臭がします。花は明るい赤紫色の唇形花で、上部の葉の脇から外側に向かって開き、上から見ると放射状に並びます。他の花が少ない時期にはミツバチにとって重要な蜜の供給源となります   ハコベ(ナデシコ科)・・・ハコベ(繁縷) は、春に米粒大の五弁の白花を集散花序に付ける二年草の野草です。弁は先端で二裂しています。春の七草の一つです
フキ(キク科)・・・春の足音がきこえてくると、いち早く目覚めて淡い緑の頭をのぞかせるフキノトウ。そのほろ苦さがなつかしいあの日へと誘ってくれます。他の植物が芽吹く前にいち早くお日様の光を独り占めにしようとする、なんというたくましさ!春の味、苦さがなんとも言えません 

フキノトウ

ホトケノザ(シソ科)・・・春の七草で言うホトケノザではありません。それはキク科の「田平子」(たびらこ)で、一般的にはホトケノザとは言いません。四角断面の茎は柔らかく、下部で枝分かれして先は直立します。葉は縁に鈍い鋸葉があり、下部では葉枝を持つ円形、上部では葉枝はなく茎を抱きます。花期は3〜6月、上部の葉脇に長さ2cmほどの紫で唇形状のかわいい花をつけます。まさに早春を象徴する植物です   ユウゲショウ(アカバナ科)・・・これまた小学校にたくさん自生しています。茎には柔毛があり、葉はやや広い披針形です。5月から9月にかけて茎上部の葉の脇から薄紅色で直径1〜1.5cmのかわいい花をつけます。花弁は4枚で紅色の脈があり、中心部は黄緑色です
ユキノシタ(ユキノシタ科)・・・湿った石垣、用水路のわき、庭の日陰などに群れて生える、半常緑の多年草です。根もとから長い赤色の柄を出して増えていきます。葉の両面に荒い毛がたくさんあります。葉の表は緑で裏は赤いところが何とも言えません。花びらは5枚で、下の2枚は大きく、大文字草に似ています。5〜7月にかけて長い茎の先に白い五弁花が咲きます。花が風にゆれて動く様子が、雪が降るのに似ているので「雪の下」といいます。また雪の下にあっても葉が枯れない生命力の強い草です。我が家の旧居の裏庭に自生していて、日当りが良くなくても生えるので、引越しのときに持って来ました。我が家の北西側の、隣家との境目のあまり日が当たらないブロック塀の内側に植えたら、今はビッシリと生えて、その生命力に感嘆しています。もっとも好きな植物のひとつです
ヨモギ(キク科)・・・日当たりの良い道端や草地に生える多年草。葉の表面は緑色、裏面は白い綿毛が密生、夏の終わりから秋にかけて、茎の上方に穂状の黄褐色の小さな花をつけます。草餅の原料です   ワルナスビ(ナス科)・・・米国南東部原産の多年草で世界的に拡散した外来種です。茎や葉に鋭いとげがあるうえ、垂直および水平に広がる地下茎および、牛糞などに混じる種子でよく繁殖し、一度生えると駆除しにくいものです


■めいとのん
 NHK連続テレビ小説「半分、青い。」のヒロインは女優の永野芽郁(めい)さん18歳です。「アレ?”のん”だ」と最初思いました。”のん”は「あまちゃん」のヒロイン能年玲奈さん24歳、これが本名です。「あまちゃん」は東日本大震災の被災地、岩手県北東部沿岸の、実際に活動する海女さんたちを描いたお話でしたが、周囲のベテラン演技人に囲まれてフレッシュな能年玲奈さんがいきいきと躍動して大ヒットしました。以降岩手県はこの人をCMに起用し続けています
岩手ブランド米「金色の風」のPRで金髪にしたのん

秋風羽織(くらもちふさこ)の漫画を読む鈴愛(永野芽郁)


■秋風羽織
 NHKの朝ドラはこのところ、ずっと全話平均視聴率が20%越えです。21世紀最高は2015年後期の「あさが来た」の23.5%です。「半分、青い。」は出演陣が豪華キャスト、主題歌は星野源、どうみてもヒットしなければおかしいのですが、イマイチピンと来ない印象で、視聴率も20%を挟んで行ったり来たり...ヒロイン楡野鈴愛(にれの すずめ)の幼馴染;萩尾 律(はぎお りつ)役があの佐藤健、我が高校後輩の大友啓史監督『るろうに剣心』や『天皇の料理番』で今や押しも押されもしないスターになりました。18歳にしてはどうも老けてる、一方鈴愛はビンビン18歳、違和感がありました。
 ところが秋風羽織が登場してから俄然面白くなりました。大人気の少女漫画家・秋風羽織は、今をときめく謎の漫画家ですが、多分女だろうと思われていました。漫画のタイトルからして「くらもちふさこ」です。突如としてサイン会とトークショーを開催するとのことで鈴愛と律が駆け付けたところ、現れたのは黒ずくめのぞろりとした服装で、ロン毛に黒サングラス、まるで「みうらじゅん」のようなオッサン、豊川悦司(56)が演じる秋風羽織です。トークショーの司会は加藤綾子、ご存知カトパンです。日曜日21時TBS「ブラックペアン」にも治験コーディネーターの木下香織役で出てますね。司会者に「累計5000万部を売り上げた感想は?」と聞かれても秋風羽織は「別に…」とそっけない回答。続いて「ひとことで言って先生にとってマンガとは」と質問されると、「ひとことで言えるものなら、私が命を捧げるわけがない。君とは会話が成立しない」と、マイクを置いて、会場のファンにお詫びして舞台から去って行きます。ミステリアスなオトコです...

■『3月のライオン』でもトヨエツ
 しかし、秋風は鈴愛が差し入れた自家製五平餅に感動し、彼女に弟子にならないかと誘います。本人の漫画の才能よりも五平餅に惚れた?実は鈴愛は「つなぎ」でした。
 この秋風羽織を支えるのが「怒りの沸点が低い」マネジャー(井川遥)です。美人女優トップクラスの井川遥が着るDCブランドのファッションが話題になっています。この美人マネジャーの怒りの言動におびえるところが、なんともオカシイ秋風羽織、実は豊川悦司、愛称トヨエツは、岐阜県美濃加茂市出身の作者・北川悦吏子さん(56)の脚本には無くてはならない俳優なのです。私生活を明かさないナゾの俳優でもあり、バラエティには出ません。唯一出演したトーク番組が「アサイチ」で、好きなのは「鶴瓶の家族に乾杯」だというNHK好きです。トヨエツの名演は大友啓史監督『3月のライオン』でも見られました。B級2組八段の将棋のプロ棋士幸田柾近役です。亡くなった友人の息子である主人公零(神木隆之介)を引き取り、内弟子として育てます。温厚な性格ですが将棋には厳しく、零に勝てなくなった二人の子供たちにプロ棋士の道を諦めさせますが、そのせいで親子関係にひびが入ります。長女の幸田香子役が有村架純でしたね。『3月のライオン』については206『金正男氏殺害』(2017年2月19日)、211『卒業式』(2017年3月27日)、216『3月のライオン』(2017年4月29日)と、過去三度紹介しました。筆者がよく行く盛岡の奥座敷・つなぎ温泉ホテル大観でロケが行われたことと、大友啓史監督が我が高校の後輩だからです。
 トヨエツはCMにも引っ張りだこです。花王の衣料用液体洗剤「アタックNeo 抗菌EX Wパワー」のCMでは「悪臭菌」役です。本当に生真面目な男の役でも、情にあふれた男の役でも、悪臭菌の役でも、いずれも引き込まれる俳優なのです。


■五平餅…トヨエツ効果
 「五平餅」がトヨエツ効果により東濃(岐阜県南東部)周辺の休憩施設で爆発的に売れているそうです。 ヒロイン・鈴愛の実家「つくし食堂」でも出されるなど、序盤から度々登場してきましたが、少女漫画家・秋風羽織が「うんま!(うまい)」と絶賛したことから、一気にSNSで大ブレークしたのです。鈴愛の祖父・仙吉(中村雅俊)が焼く「五平餅」が秋風羽織を感動させて、鈴愛を東京に向かわせるきっかけとなりました。一方律は日本のトップ私学西北大学に進学しました。♪都の西北○○○の森に♪と言えば、言わずと知れたアノ大学でしょう。
 JISS 国立スポーツ科学センターの「スポーツ栄養」→「アスリートのわいわいレシピ」の第129回(2012年9月)にしっかり五平餅が載っています
五平餅
五平餅は各種タイプがあります

(2018年5月14日)


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