蝉の声がうるさくなってきました。超大型の台風10号が西日本を襲いました。襲来の前後、東日本を猛烈な暑さが覆いました。この時期に思うのはやはり「戦争の記憶」です。ななめのつぶやき82『戦争の記憶』(2004年8月1日)をご覧下さい。もうあれから15年も経つんですね。 ■ 戦争の記憶
■ 北方領土問題 北方領土問題で安倍首相はプーチン大統領に会談を働きかけて、河野外相もラブロフ外相と会談して、何らかの進展があるかと期待した人も居るかもしれませんが、これは空振りに終わりました。ロシアという国がどういう国かということを冷静に考えれば、期待するほうがおかしいと言えるでしょう。ソ連が日本から不当に奪い、占拠した北方四島は、北海道を目の前にして日本に匕首を突きつけている形です。
■ 韓国との対立 8月15日は韓国にとって、日本の朝鮮半島統治からの解放記念日「光復節」であり、ポンペオ米国務長官は14日、韓国に対し、光復節を迎えたのを祝う声明を発表しました。韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は、光復節記念式典で演説し、「日本の不当な輸出規制に立ち向かい、我々は責任ある経済強国に向けた道を歩む」と宣言しました。一方で「日本が隣国に不幸を与えた過去を省察する中で、東アジアの平和と繁栄を一緒に導いていくことを私たちは望む」とも述べ、慰安婦問題や元徴用工問題への具体的言及は避けました。 日韓の対立が激しくなっていますが、この問題への経済産業省や内閣府の対応がそもそもまずく、河野外相の突っ張りもいささか大げさです。ロシアへの甘い姿勢とは逆に韓国に対して突っ張るのは、反日世論を煽って支持率回復を図る文大統領を利するだけです。日韓経済界の結び付きは強固ですが、ここまで政治が対立を煽ると、影響は避けられません。文大統領の言うことなど無視すべきです。日本製品不買運動などのニュースが報じられていますが、そうした大人気ない行動が日本では起きないことを考えると、日韓の民度の差は明白です。日本国政府は韓国に対し、「約束を守れ」と言っていれば良いのです。 ■ 表現の不自由 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で、「表現の不自由展・その後」が開幕から3日で中止に追い込まれた事件、標題そのものの如く「表現の自由」が、脅迫や政治家の発言で踏みにじられる現代日本の姿をさらした苦いものとなりました。元従軍慰安婦をテーマとする「平和の少女像」など、日本では展示できない作品などを展示した企画展で、芸術監督を務めたのはジャーナリストの津田大介さんでした。開幕前から、作家の百田尚樹さんがツイッターに「(津田さんは)売国運動に必死やな」と投稿するなど、ネットで炎上状態になりました。松井一郎・大阪市長は「(展示内容について)河村たかし・名古屋市長に確かめる」とツイッターに投稿。2日に展示を視察した河村市長は記者団に「多額の税金を使ったところで展示しなくていい」と発言。松井氏も記者団に「我々の先祖を、人としての失格者というか、けだもの的に取り扱うような展示物を日本の国民の税で展示されるのは、僕は違うのではないかと思う」と語り、菅義偉官房長官や柴山昌彦文部科学相も記者会見で「補助金決定にあたっては事実関係を確認し適切に対応する」と言及しました。8月3日に大村秀章・愛知県知事が記者会見して「表現の不自由展・その後」の中止を発表しました。「県内の小中学校、高校、保育園、幼稚園にガソリンを散布し着火する」「県庁職員らを射殺する」などという脅迫が殺到したためだそうです。京アニの事件を髣髴とさせるような手口をメールやその他の手段で言及するなど、こんな卑劣な行為があるでしょうか。愛知県は14日、芸術祭実行委員会などに届いた「県庁等にサリンとガソリンをまき散らす」などと書かれた脅迫メール770通について、県警東署に被害届を提出し、受理されました。 ■ 脅迫で文化事業をやめさせる前例を残した この事件で、日本という国もおかしくなってきたのではないかと感じました。特に名古屋市の河村市長や大阪市の松井市長の心の狭さです。右翼の百田尚樹さんについては言及すべくもありませんが、少なくとも大都市の市長は、自分の意に反するものならば無視すれば良いのであって、税金を使ってこんなもの展示すべきではない、などと言ってはいけません。見る人がどう感じるかは自由であって、普通なら見られないものを見れるという場を提供するという趣旨に対し、見せるべきじゃないと言うことこそ、戦前的考え方ではないでしょうか。その点、愛知県の大村知事はすごいなと感じました。河村市長や松井市長に真っ向から反論し、日本国憲法の表現の自由は守られるべきだ、とキッパリ言いました。 企画展が中止されたことに抗議して、国際芸術祭に出展していた海外の出展者が相次いで「表現の自由は奪うことの出来ない権利だ」として出展を辞退する動きが続きました。しかしサリンはともかくガソリンを撒くというのは非現実的ではないため、企画展中止はやむなきという気がします。ただ、脅迫で文化事業をやめさせることが可能な日本、という前例を残したことは口惜しいことです。 ■ 米国債券市場で「逆イールド」発生 前々回トランプ米大統領のツイートで世界の株式市場、為替市場が振り回され、米国株式市場の暴落、リスク回避の円買いで急激な円高ドル安になって日経平均株価も急落というパターンになっていると書きました。その後、中国やドイツで軟調な経済指標が相次ぐ中、米国債券市場で一時、米2年債利回りが米10年債利回りを上回る「逆イールド」(長短金利差の逆転)が発生しました。これは過去事例に照らし米国が景気後退入りする予兆ということで、米国株式市場が今年最大の下げとなりました。世界全体で株式市場が下げ方向になっていて、さすがのトランプ米大統領もこれはまずいと考えているでしょう。彼にとってアメリカファーストとはいえ、来年の大統領選挙を考えると、これ以上この状態を放置できないと考えて、また何かツイートして、これを株式市場が好感して株価回復ということが起きるのではないでしょうか。 ■ 迎え火と送り火
■ 草津温泉源泉と共同浴場 6月に草津から万座の温泉巡りをし、今回はその報告です。24日(月)は草津温泉に向かい、湯畑脇の宿に泊まって、日中は湯巡り、草津の強酸性泉で傷を洗い、25日(火)は万座温泉に移動してここでも湯巡り、白・黄・透明の酸性湯に浸かって、日本国道最高地点を経験、白根山の雄大なパノラマを展望して26日(水)に帰って来ました。 草津温泉には共同浴場が19ヶ所ありますが、観光客が利用できる無料の湯は三箇所のみ、白旗の湯(湯畑の脇にある白旗源泉)、千代の湯(湯畑源泉)、地蔵の湯(地蔵源泉)です。源泉は6ヶ所ありますが、わたの湯を加えて7ヶ所という場合もあります。いずれもpH2ぐらいのキツイ酸性で50℃ぐらい、したがって湯畑などで冷まさないといけないわけです。酸性度が最も強いのは高台の万代鉱で湯量も最多、その下のほうに西の河原源泉、煮川源泉は透明で旅館には引かれておらず、町営大滝乃湯(大人900円)に引かれています。
■ 草津温泉湯畑源泉 大東舘 草津温泉・湯畑に一番近い温泉宿 大東舘に宿泊しました。大東館かなと思っていましたが、大東舘が正しいようです。湯畑に面した大きな旅館なので、かねて泊まってみたいと思っていました。部屋数95の大きな宿です。2019年4月1日(月)よりマイステイズ・ホテル・マネジメントの傘下に入ったようです。草津温泉ホテルリゾートも傘下なので、その隣の広大な駐車場に車を停めました。マイクロバスで頻繁に大東舘まで送迎してくれるので便利です。姉妹館の草津温泉ホテルリゾートは万代源泉で、こちらとの湯巡り無料送迎もしてくれます。ちなみにマイステイズ・ホテル・マネジメントは、全国で多数のホテルを運営する大きなホテルチェーンですが、303『四国一周T』(2018年12月31日)で紹介したホテルマイステイズ羽田も傘下のホテルです。
大東舘のお風呂は壱の湯と弐の湯がそれぞれ内風呂と露天風呂があり、男女入替制なので、宿泊客は四つの湯船を楽しめます。草津温泉は、共同浴場も充実していますが、湯巡りしてみての結論は「大東舘のお風呂が最高」でした。
■ 浅間山噴火 8月7日22時8分に長野と群馬の両県にまたがる浅間山の山頂火口で小規模の噴火が発生しました。気象庁は、噴火警戒レベルを5段階のうち1(活火山であることに留意)から3(入山規制)に引き上げた、と発表しました→ホームページ。浅間山での噴火発生は2015年6月以来で、火口縁上から1800m以上の噴煙が上がり、大きな噴石が火口から約200m先に到達。噴火は約20分続いたそうです。8日未明の緊急会見で気象庁は、噴火の前兆となる火山性地震の増加や地殻変動といった「明瞭な変化はなかった」と語り、厳重な監視態勢を敷きながら予測できなかったことにショックを受けた様子でした。 入山規制と言っても火口周辺だけで、小諸市、軽井沢町、御代田町、嬬恋村では規制はなく、鬼押ハイウェイも通行できます。 ■ 「かんぽの宿」が「伊東園ホテル草津」になっていた
■ 草津白根山噴火 2019年1月23日の草津白根山(群馬、長野県境)の本(もと)白根山の噴火は、同日午前10時ごろに鏡池付近で発生、本白根山での噴火はおよそ3千年ぶりとのことです。鏡池から数百メートルの草津国際スキー場(群馬県草津町)に噴石が落下し、スキー場で訓練中だった陸上自衛隊の男性陸曹長(49)が死亡、隊員7人とスキー客4人の計11人が重軽傷を負いました。スキー場の山頂付近に外国人客19人を含む約80人が取り残されましたが、全員が自衛隊などに救助されました。気象庁は噴火後に噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)→2(火口周辺規制)→3(入山規制)と段階的に引き上げました。 草津白根山は、群馬・長野県境に位置する白根山、本白根山、逢ノ峰などの総称で、噴火した本白根山は標高2171m。白根山や本白根山の山頂部には複数の火口湖があります。周辺には草津温泉や万座温泉があり、噴気活動が盛んで硫化水素による死亡事故例もあり、日本百名山などに選ばれ、登山客が多い山でもありますが、今はムリですね。 ■ 志賀草津道路を走り山越え
■ 草津→万座 草津国際スキー場を出発して国道292号(浅間・白根・志賀さわやか街道)をグイグイ上ります。殺生ゲートを過ぎると、確かに鼻にツーンと硫化水素ガスを感じます。万座三差路ゲートまで駐停車禁止なのですが、どこにでも規則を守らない人は居ます。オバサンなど悠然とスマホで写真を撮っていました。草津白根レストハウスも駐車場はロープ閉鎖され、建物も過去の遺物状態、噴石避けトンネルがさすが火山だなと感じさせます。この辺りは湯釜、弓池、鏡池と、皆かつての噴火口です。万座三差路ゲートには群馬県の係員が居て、通行規制の説明をしています。我が車は規制区域から来たので、どうぞどうぞと案内され、左折して万座温泉に下ります。グイグイ下るとお馴染みの万座温泉のホテル群が見えてきました。万座温泉というのはホテルのほか何もありません。お店も無ければドライブインもありません。単独レストランは1軒だけ、万座しぜん情報館という立派な施設があり、ここは是非ご覧になったほうがいいですが、実に無愛想な女性が一人座ってました。
■ 万座観光 標高1800メートルにある名湯万座温泉の湯畑、辺りは硫黄の匂いがして、あちこちの地面が黄色くなっています。ガスが発生しているので立ち入り禁止のロープが張られている場所もあります。湯畑は黄白色で「姥湯」と言われ、約80℃、日本一の硫黄泉です。湧出量540万リットル/日です。見晴らしの良い所にぽつんと建っているのが薬師堂です。万座温泉を発見したという長嶺藤吉翁の碑が手前にありました。ここの脇を登ると熊四郎歩道に入り散策も楽しめます。道端に高山植物があってきれいです。コマクサもあります。
■ 万座高原ホテル
■ 日本国道最高地点までドライブ
■ 眼の錯覚 ここで眼の錯覚経験をしました。国道最高地点に立って北側を見ると道路が上っているように見えるのです。アレ〜、おかしいな、最高地点はインチキか?と思ってより高い方面へ歩いて行ってみて、振り返ると、やはり最高地点のほうが高く見えるのです。もう一度引き返して振り返ると、最高地点から上り坂のように見える、そんなバカな・・・不思議でした。眼の錯覚だろうと思うのですが、その理由は解明できないまま引き返しました。 眼の錯覚と言えば257『ベタ踏み坂』(2018年2月11日)で紹介した鳥取県と島根県の県境を結ぶ「江島大橋」の島根県側の坂の部分が有名ですが、これは明らかに坂です。単に勾配が急に見えたというものです。 しかし国道最高地点から上り坂に見えるのが実は下り坂だったというのはどう考えてもオカシイ。調べてみたら、「坂道錯視」というのがあるそうで、俗に、おばけ坂、幽霊坂あるいはミステリー坂と言われるのだそうです。専門用語では「縦断勾配錯視」と言われる現象とのこと。香川県高松市の屋島ドライブウェイにあるミステリー坂が最も有名です。道路のくぼ地を境に下り坂、上り坂に見えてしまうのですが、実際にはどちらも上り坂だそうです。道路の周りの木の生え方や坂道の長さ、幅などによっても見え方が変わってくるようです。他に青森県三戸郡階上町の「後戻り坂」、岩手県花巻市東和町の「ミステリー坂」、福岡県遠賀郡岡垣町の「ゆうれい坂」、鹿児島県熊毛郡中種子町の「ミステリー坂」、沖縄県島尻郡久米島町の「おばけ坂」など、全国各地にも同じような坂があるそうです。 香川県高松市の屋島ドライブウェイにあるミステリー坂、下って上っているように見えませんか? ■ 第101回高校野球選手権大会4強揃う 8月20日の準決勝は、明石商―履正社、中京学院大中京―星稜となりました。
(2019年8月18日) |