257  ベタ踏み坂
 福井市ほか北陸三県はじめ、日本海側で大雪に見舞われました。福井市では1981年の「五六豪雪」以来37年ぶりに積雪が130センチを超えました。坂井市内の国道364号で雪に埋もれた軽乗用車が見つかり、運転席で富山県の男性会社員(19)が一酸化炭素中毒で死亡していました。国道8号は2018年2月6日から、福井県のあわら市や坂井市を中心に大型トラックなどの立ち往生が発生、巻き込まれた車両は最大約1500台に上り、陸上自衛隊などが除雪を進めて、国土交通省福井河川国道事務所は2月9日午前5時までに状況が解消されたとして、通行止めを解除したと発表しました。雲の画像を見て、近年大雨災害をもたらしている「筋状降水帯」というのが雪でもあるんだ!と驚きました。これでもか、これでもかと西から雪雲が襲い掛かって来るのです。恐ろしい。雪下ろしで多くの人が亡くなりました。
 2018年2月4日は立春でした。その後も冷え込みが続きましたが、筆者は寒いと思いませんでした。日照があったからです。庭の沈丁花も、色鮮やかになってきて春近しと感じます。少年野球の小学校校庭の片隅にオオイヌノフグリが小さな青い花を咲かせています。

オオイヌノフグリ

■ 平昌冬季五輪が始まりました
 女子3000メートルで日本勢初の表彰台が期待された日本長距離界期待のエース高木美帆(日体大助手)は、トップと2秒14差の4分1秒35で5位入賞しましたが、メダルには届きませんでした。表彰台はオランダ勢が独占し、金メダルは3分59秒21のカレイン・アクテレークテ。初出場の佐藤綾乃(高崎健康福祉大)が4分4秒35の自己ベストを出して8位入賞したのはアッパレでした。2大会連続出場の菊池彩花(富士急)は19位に終わりました。レース終了後、高木美帆はひざに手を当ててうつむいたままでした。不本意なタイムだったわけです。ドイツの選手がやってきて、高木美帆の腰に手を当ててなぐさめているのが印象的でした。それだけ愛されている選手なのでしょう。
 それにしても近年圧倒的強さを発揮するオランダ勢のメダル独占、スゴイのひと言に尽きます。まあ、近くでオランダ人と会えば、この人たちには勝てないな、と思いますよ。身体がでかい、足が長い、その上頭も良いときているので、手が付けられません。昔柔道でヘーシンクというものすごい人が居ましたが、オランダに行って街を歩いているとまるで林の中を歩いているみたいです。とにかくみんなデカイのです。
 高木美帆は、昨季、世界一のオールラウンダーを決める世界選手権で初の3位、今季はワールドカップでこの種目初優勝、努力が結果に結びつき、手応えを得て臨んだオリンピックでした。この日、序盤は大きなゆったりとしたフォームでラップを刻み、5周目まで31秒台を保って、実況を見ながら「イイゾ!このラップをキープして頑張れ!」と声援しました。しかし、課題にしていた終盤に滑りのリズムが怪しくなっていきました。6周目は32秒05、最終周33秒31。設定した4分を切れませんでした。佐藤綾乃が終盤踏ん張って、好記録を出したのとは対照的でした。終盤にスピードが落ちないオランダ勢との違い、ペース配分を考え過ぎか?

美しい高木美帆の滑り
 しかし高木美帆が最も得意とするのは1500メートル、頑張れ!

■ こんな激坂、本当にあるの?ベタ踏み坂
 歯医者の待合室で週刊新潮を見てビックリ!まるで中空を切り裂くように延びる激坂の写真が載っています。「え〜〜っ、ウソだろう?」と思いました。左の写真をご覧下さい。まるで車がこぼれ落ちるみたいじゃありませんか。
 この坂は鳥取県と島根県の県境を結ぶ通称「ベタ踏み坂」だそうです。自動車メーカーダイハツのCMで「(アクセル)ベタ踏みだろ?」と何度も繰り返されたことから一躍有名になったこの坂、「さかなと鬼太郎のまち」境港市の観光ポスター(右)を見ても確かにスゴイ!
 このCMは、自動車雑誌の編集長・豊川悦司さんが編集者の綾野剛さんにタントカスタムで江島大橋を渡らせるというものでした。CMで豊川さんはしきりに綾野さんに「ベタ踏みだろ?」と聞くのですが、運転する綾野さんはすました顔でスイスイ、何なのコレ?

■ 境港と中海に浮かぶ江島を結ぶ江島大橋
 「ベタ踏み坂」は、鳥取と島根の県境を結ぶ「江島大橋」の島根県側の坂の部分です。ベタ踏み坂のある場所は正確には島根県なのですが、最寄りの町が鳥取県の境港市のため、通常は鳥取県の観光スポットとして紹介されることが多いようです。鳥取県境港市といえば、あの水木しげるさんの出生地で、現在は「さかなと鬼太郎のまち」として観光客誘致に力を入れているそうです。この境港駅から5、6kmほどの場所に江島大橋、そしてベタ踏み坂があります。
 ベタ踏み坂のある江島大橋は、境港と中海に浮かぶ江島(島根県松江市)を結ぶ全長1.446 kmの大きな橋で、PCラーメン構造の橋では日本一の長さだそうです。船が下を通れるように高い橋にしているわけです。ラーメン橋と言うのは橋台と橋桁が一体化して繋がっている橋のことで、PCラーメン橋に限れば、江島大橋は世界で第3位に入る巨大な橋なのだそうです。中海や宍道湖などのあるこの一帯は有名な観光スポット、鳥取県観光連盟のホームページをご覧下さい。

■ 実際にはそんな激坂ではありません
 江島大橋を鳥取県側の坂下から望むと、ゆるやかにカーブした比較的どこにでもありそうな普通の橋です。橋の途中で県境を越えると、その先は島根県松江市、江島大橋の最頂部の高さは44.7m、正面には対岸の江島と地続きになっている大根島が、天気がよければ南東に伯耆富士と呼ばれる秀峰大山もはっきりと望めます。
 江島大橋の頂上から島根県側に進むと、いよいよベタ踏み坂の激坂下りです。ところが、右写真の通り、実際はそんなに斜度のある激坂ではありません。確かに多少は急な坂ではありますが、目の前の中海と島根半島の美しさしか感じません。
 江島大橋を渡り終わり、島根県側の坂の下から眺めても「ベタ踏み坂」には見えません。実はこのベタ踏み坂は、できるだけ遠く離れた場所からカメラのズーム機能を使って撮影することで、初めてあの激坂に見えるようになるのだそうです。

■ カメラの望遠機能による撮影トリック
 ベタ踏み坂の本当の撮影スポットは、実は対岸の大根島だそうです。大根島は江島と陸路でつながっていますので、船を使わなくても簡単に行くことができます。中海の美しい海岸に沿って県道338号線を西へ進むと、途中で江島大橋の全貌が横から眺められる場所もあります。
 「ザ・ベタ踏み坂」の撮影スポットは、江島大橋のたもとから3kmほどの場所で大根島の西の端に近いところです。ベタ踏み坂から中海を挟んで直線距離で2キロほど離れたあたりに土手があり、そこが格好の撮影場所となります。カメラの望遠(ズーム機能)を使うとあのベタ踏み坂が目の前に現れてくるのです。カメラを望遠にすると距離がギュッと短縮される分、実際よりも急な角度に見える一種の撮影トリックなのです。

■ 株価の乱高下
 日米株式相場の乱高下がすさまじいですね。ニューヨーク・ダウ工業株30種平均は2018年2月5日に過去最大の1175ドル安となって、連動する日経平均株価は1071円下落、6日のダウ平均株価が567ドル高と反発すると、7日午前の日経平均株価は一時700円超上昇し、前日の下落幅の3分の2程度を取り戻すという大揺れでした。火元のダウ平均株価下落の誘因は長期金利の上昇によるもので、金利が上がるとリスキーな株は手放すという投資家心理によるものですが、米国景気は只今絶好調、世界的にも同時好況と言われているのに何故?この乱高下の理由としては、今や株取引が人間によるものではなくコンピューターを使った自動取引で行われているからということもあります。まだ途上の技術で、AI(人工知能)のレベルまで高まったものではなく、ソフトウェアによる「アルゴリズム」の段階なので、「売りが売りを呼ぶ」ということが起きるのです。週明け以降は米国予算教書や消費者物価指数の発表など金利が上がりやすいイベントが控えていることから、引き続き不安定な動きが予想されます。
 ただし前から書いていますが、今回の下げは上昇のエネルギーを貯めるには絶好のものと思います。リーマン・ショックのときも日本政府は「心配ない」とコメントしていながら現実はとんでもないことになりましたが、今回はサブプライムローンなどの真の原因がありません。「上げ100日、下げ3日」というのが株式相場の格言です。下がらなければ上昇のエネルギーが貯まらないのです。恐ろしい上げから急落のバブルの頂点はまだ先です。
 怖いのは仮想通貨です。ヴァーチャルですからね、夢を見ているならともかく、ヴァーチャルとリアルの見分けがつかなくなったら「錯乱」です。まさしくバブルそのものです。そもそも仮想通貨のコンセプトを考え出したサトシ・ナカモト42歳とは何者でしょう?しかも仮想通貨取引の中心は日本円、もしかして私たちが生きていること自体がヴァーチャルなのかもしれません。
(2018年2月11日)


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