337  政治
 お盆が明けて、8月19日(月)は伊香保温泉の「黄金の湯館」(こがねのゆかん)に行って来ました。伊香保温泉では多くのホテルや旅館が日帰り温泉を提供していますが、その中で公衆浴場と言われる立ち寄り湯専門の施設は3ヶ所、石段の湯、伊香保露天風呂、そして「黄金の湯館」です。

■ 伊香保温泉「黄金の湯館」
 「黄金の湯館」は無料シアターや無料カラオケ、ゲームコーナー、卓球場、漫画レストコーナー、売店、お休み処、レストラン若藤などがあって、ただお風呂に入るだけでなく、いろいろ遊べます。安い上に、65歳以上100円引き、ポイント貯めると3回から5回で無料入浴できます。ここでは内湯に浸かった後、ゆったりと露天風呂に浸かり、何度もサウナに入ります。泉質はpH6.4のカルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉(中性低張性温泉)です。右写真のように黄色い湯です。
 往きはJAファーマーズマーケット野田宿、帰りは前橋で寿司というのが定番ですが、ここでふと気付きました。肌がツルツルしています。温泉ですから当たり前のようにも思いますが、改めて伊香保温泉の効用が身に沁みました。8月23日(金)は二十四節気の「処暑」でした。暑さが止むという意味で、確かに朝夕に涼気を感じるようになりました。

黄金の湯の内湯の注ぎ口、黄金のいわれが分かります

夜の黄金の湯館の露天風呂

新緑の黄金の湯館の露天風呂、ペンギンが象徴です
 露天風呂は黄金の湯100%ではなく混合泉なので、黄色ではなく半透明です。ここに何故ペンギンが居るのか?お風呂の脱衣場に張り紙がありました・・・昭和32年(1957年)1月15日、日本で最初に南極に日本人による越冬隊が編成され、この日より実行されたことはだれしも記憶にあると思いますが、当時我が国が先進国の仲間入りを果たした、画期的出来事として新聞紙上をにぎわしておりました。その年の春(昭和32年4月)当館も当時としては全国でもっとも画期的なレジャー施設として、伊香保ヘルスセンターを建設、開業いたしました。南極観測の快挙をたたえ、南極のペンギンも、伊香保温泉で育つと云うキャッチフレーズで、ペンギン風呂と命名、現在に至り、時代は変わってもなお、ペンギンが当館のシンボル、マスコットとして、親しまれております・・・ということだそうです。スゴイ!この施設、還暦越えなんですね。

■ 第101回高校野球選手権大会;履正社優勝
 履正社(大阪)と星稜(石川)の決勝戦は、8月22日(木)我が家から車で6.4kmの小さな旅川越温泉の浴槽に浸かりながら、またドライサウナの中でも見ていました。入浴しながら甲子園の決勝戦を見れる、最高でした!履正社は春のセンバツ1回戦で星稜の奥川投手に3安打完封されていますのでリベンジ戦でした。大会1と言われた奥川のわずかな失投を見逃さず打ったのはスゴイと思いました。
 星稜の奥川投手は早めに追い込むのが特長の投手です。智弁和歌山戦の奪三振23のピッチングなど、感動モノでした。プロ野球でも即戦力になる素質があります。しかしそこを狙った履正社打線にはウームと唸りました。早めに追い込むのなら早めに打とう、言ってもできることではないのですが、それをやったのです。春の口惜しさを胸にいかに練習したかが分かる打撃でした。そして岡田監督の人間性、こういう監督、大好きですね。だから選手がついて来るのでしょう。
 星稜は履正社を上回るヒットを打ち、堂々の準優勝、アッパレです。

小さな旅川越温泉の源泉100%掛け流し風呂
 川越温泉はナトリウム−塩化物泉(弱アルカリ性低張性温泉)、PH7.7、地下1,200mから汲み上げ、毎分712リットル、泉温34.6℃(測定時、気温 7℃)、透明褐色黒湯、若干の鉱泉香 塩味含有

■ 佐々木朗希のピッチングに大学日本代表監督「度肝を抜かれた」
 佐々木朗希と奥川の比較、いろいろ言われてますが、どうでもイイ!楽しみ!それだけ。奥川の笑顔、ステキです。今の完成度からして、今年のドラフトの目玉でしょう。一方佐々木朗希は8月26日、神宮球場でU−18W杯に出場する高校日本代表の先発投手として、大学日本代表との壮行試合で1イニング投げ、たった12球だけでしたが、最速156キロをマーク、打者3人から2三振を奪い、大学日本代表を率いる生田勉監督が「度肝を抜かれた、米国でもこんな投手居なかった」と発言するほどの衝撃を与えました。佐々木の全国区デビューを見ようと神宮球場に2万8436人もの野球ファンが詰め掛けたことだけ見ても、いかに注目される投手かということが分かります。ネット裏には、各球団の編成トップ、スカウトら100人以上が大集合。中には「将来、170キロを投げるのでは?」と語るスカウトまでいたそうです。ただ、1イニングで交代したのは指に血マメができたからとのこと、手加減というものを未だ体得していないのでしょう。「未完の大器」ということです。

■ 選挙・・・8月25日、盛岡市長選挙も
 8月25日(日)は全国的に注目された埼玉県知事選挙の日でしたが、このところ、4月7日の埼玉県議会議員一般選挙や4月21日のふじみ野市議会議員選挙、7月21日の参議院議員通常選挙など、選挙続きで、正直選挙疲れの人も居るのではないかと思いますので、ただでさえ低投票率で有名な埼玉県知事選挙がどうなるか心配でした。
 ところで我がふるさと岩手では、筆者が顧問(初代会長)を務める在京盛岡広域産業人会の基盤、盛岡広域8市町の首長選挙が今年3つあり、4月の矢巾町長選と8月の葛巻町長選は無投票でしたが、8月25日(日)投開票の盛岡市長選挙は、現職市長が5選目指して立候補し、多選批判の対抗馬が出て三つ巴の選挙になりました。我が友人の弟で高校後輩の現職市長が接戦を制して逃げ切りました。次点も高校後輩で面識がありますが、前回に続く立候補ながら及びませんでした。つくづく思うのですが、首長のような仕事は、SNSをフル活用して自分の活動をPRするのが効果的です。そして、おごらず、腰低く、それを実践していれば、選挙民には好印象が残るのです。

■ 無投票回避の岩手県知事選
 岩手県知事選挙および岩手県議会議員一般選挙は9月8日(日)が投開票日です。岩手県知事選挙は4選を目指す現職の達増拓也氏(55)=立憲民主、国民民主、共産、社民推薦=と、元県議の学校法人理事長で新人の及川敦氏(52)=自民、公明県本部推薦=の2人の一騎打ちとなりました。無投票だった前回から一転し、8年ぶりの選挙戦です。達増氏は我が高校後輩ですが、もともと当時知事だった増田寛也氏(我が親戚です)の対抗馬として衆議院議員から転身して立候補しましたが、その背景には小沢一郎氏が居ました。衆議院議員の後継はこれまた高校後輩で雫石町出身の階猛(シナ タケシ)氏です。しかし増田氏は「多選は弊害を生む」と言って立候補せず、さっさと東京に戻ってしまったため、達増氏が当選しました。「長く知事をやれば県庁内に取り巻き勢力が台頭して閥ができるから良くない」という増田氏の潔さは、当時拍手喝采モノでした。そんな増田氏が放って置かれるはずもなく、第一次安倍内閣で民間から総務大臣に登用されたことはご存知の通りです。
増田寛也氏
 及川氏は八幡平市出身で盛岡市議1期、岩手県議会議員を3期務めて引退していましたが、連続無投票は避けるべきだ、と知事選に出馬表明したことで、自民党は直ちに推薦を決め、我が高校同級生の千葉伝(つとう)県連会長が及川陣営の総括責任者に就きました。そしてナント、及川氏の第一声に、立憲民主党県連顧問の黄川田徹氏(65)が駆け付けて、演説をぶったそうです→河北新報ニュース。記事によれば、「権力は持った時から腐敗する。3期、4期と続けば、どこまで腐敗するのか」・・・元復興副大臣、総務副大臣の黄川田氏は、7分30秒にわたって達増氏への批判をまくし立てたとのこと。思わぬ応援に「してやったり」とほくそ笑む及川氏陣営、一方現職達増氏を支援する立憲民主党県連は、重鎮の寝返りに「聞いてないよ」と、くちアングリ、のけ反ったそうです。黄川田氏がマイクを握っていたころ、立憲民主党県連の中村起子幹事長は約350メートル離れた達増氏の第一声会場にいて、「事前の相談もなかった。立憲民主党県連は達増候補の勝利に尽力する」とうなだれるばかりだった・・・そうです。

■ 昨日の友は今日の敵
 面白い・・・と思いませんか?こうなると選挙に関心が湧きますよね?岩手県は長いこと小沢一郎さんが権勢を奮ってきました。県南の三区が地盤です。県の中心の盛岡市周辺は第一区、かつては小沢一郎さんに担ぎ出されながら、その後壊し屋・小沢一郎さんを批判して国民民主党を飛び出した階猛さんの地盤です。もともと階猛さんは達増拓也さんの後釜でしたが、小沢一郎さんが民主党を飛び出したときに小沢さんと袂を分かちました。その後の衆議院議員選挙で階猛さんへの刺客として達増さんの奥さんが立てられましたが、階猛さんはこれを跳ね返しました。スゴイですね、昨日の友は今日の敵です。

岩手一区:階猛氏

岩手二区:鈴木俊一氏

岩手三区:小沢一郎氏

■ 刺客で国替え・・・小池百合子さん
 考えてみれば小池百合子さんだってスゴイですよ。反自民として細川護熙氏の日本新党で政界入り、比例代表で参議院議員になり、その後芦屋生まれなので土井たか子さんの地盤・兵庫2区から立候補して衆議院議員となり、更に新進党、自由党と渡り歩いて小沢さんの側近となりました。壊し屋・小沢さんと袂を分かつのは他の人と同じ、考えてみれば当時同志だった人が今や自民党幹事長二階俊博さんですヨ。更にその後自民党入り、小泉内閣で環境大臣となり、クールビズを推進しました。2005年の第44回衆議院議員総選挙では、郵政国会で郵政民営化法案に反対票を投じた同じ自民党の小林興起氏の当選を阻止するため、小泉純一郎さんの意向で東京10区に刺客として国替えして送り込まれ、圧勝しました。第1次安倍内閣では、内閣総理大臣補佐官を務め、その後女性初の防衛大臣、女性初の自民党総裁選出馬、2010年9月の党役員人事で、自由民主党総務会長に就任しましたが、党三役に女性が就任するのは結党以来初めてでした。2016年、東京都知事選挙に立候補、自民党東京都連が推す増田寛也氏を破り圧勝、その後希望の党を結成しましたがここで惨敗、党首を退いて都知事専念、今に至ります。まさしく波乱万丈、政党というものは余り固定的に考えてはいけないというお手本みたいなものです。
輝いていた頃の小池百合子都知事(2016年)

■ 有権者の参画意識を高める政治闘争
 そして岩手県第二区というのがこれはスゴイ、秋田県に隣接した雫石町から北上して滝沢市、八幡平市、青森県境の二戸市、東へ向かって沿岸部の久慈市から三陸海岸沿いに南下、宮古市、釜石市、大船渡市、陸前高田市とぐるっと岩手県一周、この範囲の広さは日本一、ここが自民党の鈴木俊一五輪担当大臣の地盤です。鈴木俊一さんと言えば、かつての東京都知事に同姓同名の方がいましたね。顔を見れば直ぐ分かりますが、鈴木善幸元首相の息子さんです。つまり岩手県は保革同舟ですが、基本は戊辰戦争で徳川方について薩長土肥の官軍と戦って敗れ、以来ずっと冷や飯なので、今でも反政府、反権力が根強いのです。その反骨心のせいか、長州・山口県に次ぐ首相輩出数なのです。ちなみに埼玉県は首相輩出ゼロです。しかし、立憲民主党県連の重鎮が、自民党の知事候補を応援するなんて通常考えられません。さはさりながら、党の方針に関係なく、是々非々で自分の主張を述べるというのは、組織的に見ればトンデモナイかもしれませんが、政治家としてはそれで良いのではないでしょうか。そもそも自民党、国民民主党、立憲民主党などと言っていますが、彼らのルーツをたどれば同じ穴のムジナみたいなものです。政治とは、そうして喧々諤々言い合うことが大事です。その根底に、民衆のためというしっかりしたものが無ければなりません。忖度したり、物言えば唇寒しということが無い風土こそ、有権者の参画意識を高めるのです。

■ 事実上の一騎打ち・埼玉県知事選は大野元裕氏当選
 任期満了に伴う埼玉県知事選は8月25日投開票され、立憲民主党、国民民主党など野党4党と、退任する上田清司知事が支援する前参院議員の大野元裕氏(55)が、自民、公明両党が推薦するスポーツライターの青島健太氏(61)ら4人を破り、初当選を果たしました。大野元裕氏91万9523票、青島健太氏氏85万9262票、およそ6万票の差でした。参院選後初の大型選挙、16年ぶりの新人同士による選挙戦であり、大野氏と青島氏の与野党対決、事実上の一騎打ちで、激しい選挙戦が展開されました。公示寸前に行田邦子氏が出馬を取りやめ、その背景がいろいろ取りざたされました。行田邦子氏は野党を渡り歩いた経歴から、大野氏支持かと思いきや、SNSで青島氏に投票すると明言しました。情勢分析では終始、青島健太氏が一歩リードと伝えられていました。しかし蓋を開けて見ると、結果的に埼玉県民は上田県政の転換を訴えた青島氏ではなく、継承、発展を強調した大野氏を選択したのです。
 青島氏は出馬会見で、県政の課題を問われ「これから考えます」と答えました。いかにも青島氏らしい率直さでした。この人の誠実性は誰しも認めるところです。最後まで自分らしさを出して行けば良かったと思いますが、終盤は国政与党とのつながりを強調するばかりでした。一方の大野氏陣営は「政策通」をアピールすることで青島氏との違いを際立たせました。新聞で各候補の課題に対する政策を読むと、大きな違いは無いのですが、これまでの上田県政に対する肯定的評価が多いことを考え合わせれば、その継承を訴えた大野氏が無難と考えた人が多かったのかもしれません。

■ かつての盟友
 実は大野元裕氏は階猛衆議院議員の盟友です。そして彼らはかつて細野豪志衆議院議員を推していました。民主党時代はホープと言われながら、小池百合子氏との希望の党設立で頓挫し、自民党の二階俊博氏のもとへ転がり込んだ細野豪志氏は、いま無節操のそしりを受けていますが、先の小池百合子氏や二階俊博氏の政治経歴を見れば、あながちそれほど異端ではないのかもしれません。ガリガリの右派、ガチガチの左派から見ればトンデモナイくらげのように見えるでしょうが、左右どちらにも偏らず、その間で揺れ動いているだけかもしれません。上田清司知事はかつて盟友だった自民党の二階俊博幹事長と親しいのですが、実は今の自民党が安倍体制になってから軸が右寄りになっただけで、かつての自民党の本流は二階俊博氏、岸田文雄氏、石破茂氏のような考え方の人たちで支えられ、それが日本の発展を実現してきたのです。安倍晋三と言う人は、こういう人たちを上手く使ってきたという意味で、無類の人たらしと言えるでしょう。「猛獣使い」と言う人もいますが、トランプ、プーチン、習近平との付き合い方を見ていると的を射た表現です。文在寅と合わないのは、彼が猛獣ではないからでしょう。本来は金正恩とも合うでしょうが、向こうが避けています。

■ 730万埼玉県民よ、選挙に行こう!
 過去3回20%台が続いた投票率は、前回(2015年)を5・68ポイント上回る32・31%でした。相変わらず低過ぎますが、実はこのわずかのアップが大野氏への追い風になったと思われます。
 なんとか投票率を上げようと、埼玉県選挙管理委員会は、今回の選挙に合わせて、徹底的に埼玉県をこきおろして話題になった映画「翔んで埼玉」の原作の漫画とコラボレーションした動画を作り、インターネットで発信したり、駅や電車で公開したりしました。「海は無い、空港も無い、だが選挙権はある!」、「無関心は ださいたま」など漫画のせりふをもじった自虐的な言葉で投票を呼びかけたのです。314『翔んで埼玉』(2019年3月18日)をご覧下さい。サイタマのことがよく分かりますヨ。
 大野氏は中東外交で活躍した人で、外交や石油問題に詳しい人からは高い評価を受けています。その後は、いわば「政治のプロ」として中央政界でも一目置かれる存在となりました。祖父が市長を務めて支持者の多い地元川口市などでは自民支持層からも票を集めたようです。新潟市生まれの青島氏は、5歳のときに草加市の松原団地に引越し、春日部高校の野球部で活躍、当時は強豪校で、その後慶応大学、社会人野球の東芝、プロ野球ヤクルトの選手を経験しました。行政経験はありませんが、スポーツ評論家として知名度抜群です。子どもの教育の充実、インフラ整備による「県土強靭(きょうじん)化」などを掲げ、「県政をダイナミックに変え、新しい埼玉をつくる」と、上田県政の転換を訴えました。県内国会議員や県議だけにとどまらず、前回の知事選では自民候補を推薦しなかった党本部も、政治、行政経験のない青島氏を手厚く支援、公明とのパイプの太い菅義偉官房長官や自民の二階俊博幹事長はじめ政権、党幹部が続々来援し、テコ入れを図る総力戦で臨んだものの、及びませんでした。
 勝敗を分けたのは最終的には埼玉県の県民性でしょう。東京、神奈川、千葉のような、いわば人気投票ではなく、地に足の着いたプロを選ぶということです。

選管のポスター

■ 埼玉県知事はプロでないと勤まらない
 上田知事の前の埼玉県知事は土屋義彦氏でした。3期目の途中で不祥事により辞職しました。驚いたのは参議院議長から転身したことでした。通常、国会の議長と言うのは、政治家としては「アガリ」の役職です。周囲には反対も多かったようですが、何しろバックには埼玉県の名門・大正製薬がついていました。土屋氏の前は畑和(はた やわら)氏で、この方は5期20年の長きにわたり在職しました。社会党系の方でしたが、筆者の会社にも企業訪問で見えて、筆者が説明役を務めました。偉ぶらず、気さくで、腰が低く柔らかい人と言う印象、これが長くその地位を保てた理由と見受けました。その前の栗原浩知事は4期務めました。つまり埼玉県は1956年以来わずか4人の知事、63年で4人ですヨ!すなわち埼玉県知事というのは余程のプロでないと勤まらないということです。ちなみに東京都知事は同じ時期に9人です。安井誠一郎さん、東龍太郎さん、美濃部亮吉さん、鈴木俊一さんと来て青島幸男さんが一期、その後石原慎太郎さん四期、猪瀬直樹さんと舛添要一さんは不祥事で途中辞任、そして小池百合子さん、なんとも派手なメンバーです。神奈川県知事の黒岩祐治さんはニュースキャスターでした。千葉県知事の森田健作さんは熱血男、俳優や歌手でした。埼玉県でも同じように青島健太さんか?そうはならなかった、ということです。
 前月の参議院議員選挙で自公が獲得した票からすると、青島健太さんが有利なはずでした。しかし今の選挙は無党派層がどちらに付くかで勝敗が決まります。投票率がわずかにアップした分、無党派層が選挙に行ったということです。そして彼らの多くが大野元裕氏を選んだ、すなわちプロ志向の県民性でしょう。

■ 日韓対立
 まさかのGSOMIA破棄、マスコミは喧々諤々です。さすがに日本国民も我慢ならないと言う人が増えたのではないでしょうか。米国・国務省や国防総省が強い表現で韓国を非難したことがこの件の本質を突いています。いわゆる歴史認識に立てば、米国は大日本帝国と戦ってそれを打ち破り、韓国を解放しました。したがって日韓の間で歴史問題の論争が起きれば、米国は日本の側に立つことはありません。オバマ前米大統領など、慰安婦問題で安倍首相を非難したくらいです。トランプ米大統領が今回の日韓対立について、得意のツイッターでも一切つぶやかないのはそのためです。しかしGSOMIA破棄となると、コトは安保問題になりますから、米国も黙ってはいられない、そういうことです。317『むじょけ』(2019年4月9日)で紹介した呉善花(オ・ソンファ)さんが、今回の件でコメントしています・・・朝鮮半島の「恨(ハン)」の文化では、被害者意識で「民族団結」が出来上がる。経済・外交政策の失敗が続くなか、来年春に総選挙を控える文政権としては、支持を維持するために「日本のせい」という被害者意識を訴え続けるだろう。韓国国民のショックは、「日本の力はこんなにも強かったのか…」と実感したことだ。「サムスンは世界一だ」と胸を張っていても、日本企業の部品や素材がなければ製品を造ることすらできない。「韓国の貧弱さ」を痛感した。私は韓国にとって「歴史の転換期」だと感じている。日本政府は現在の姿勢を緩めてはいけない・・・というものです。呉善花さんは「親日」ということで韓国政府から目の仇にされていますが、元々は韓国での学校教育によって反日主義に傾倒していた人です。しかし日本に来てみて、それが事実ではないことを知り、日本人以上に日本文化を理解する人になりました。今や学生に日本文化を教える人なのです。
 ただ、呉善花さんにひとこと言いたい。日本政府は現在の姿勢を緩めてはいけない・・・と感情的になるのではなく、一度ジックリ考えましょう。何がお互いの利益になるのか・・・と。

呉 善花教授拓殖大学教員紹介より

■ 戻せ!日韓関係
 実はこれまで韓国人は日本大好きでした。日本から韓国行き観光客より、韓国から日本行き観光客のほうが多かった!人口が半分以下の国ですよ。いかに韓国人が日本が好きかということが分かるでしょう。それが国家の対立で急減しているのです。誰が損していますか?お互いの国民です。日韓両国政府の対立に日韓両国民は巻き込まれてはいけません。ネット上での非難の応酬は無視しましょう。安倍さんも文さんもやがて交代します。両国民の草の根交流からボトムアップして、両国関係が良くなっていけばいいのです。まずは経済産業省のお役人が、大臣の意向を忖度せずに、昔ながらの考え方に戻れば良いのです。経済産業分野の重鎮である甘利明さんがテレビ出演して韓国に対して舌鋒鋭くののしっていました。戦後日本は、堪え難きを堪え、しのび難きをしのび、利益を上げて経済大国にのし上がってきました。その過程で、メンツは捨て、感情を抑えてきたからこそ、今のニッポンがあるのです。感情丸出しで舌鋒鋭く話すのは快感でしょうが、それはニッポンらしくありません。

■ G7首脳会議
 米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、日本、カナダの先進7ヶ国(G7)首脳会議(サミット)が終わりました。トランプ米大統領が地球環境問題の討議に欠席したことが象徴するように、米国と欧州各国が対立する構図が際立ち、ましてや当面の米中貿易摩擦の当事国、中国が不在の会議の意味は何か?と、G7の存在意義が危ぶまれる会議となりました。テレビ映像で見ても、これほど各国首脳の不機嫌な顔を見る会議も珍しいと思いました。一部報道によれば、初日の外交安全保障に関する討議で、イラン情勢に関する議論が終わった直後、トランプ米大統領が突然、安倍晋三首相をみながら「韓国の態度はひどい。賢くない。彼らは金正恩(キム・ジョンウン)になめられている」と言ったそうです。安倍首相はこれには直接答えず、笑みを浮かべただけだったそうです。金正恩大好きのトランプさんですから、さもありなんというところですが、安倍首相とすれば「そうだ、そうだ」とは言えなかったでしょう。
 開催国のフランスがIT企業に対し「デジタル課税」を課すとしていることにトランプ米大統領は猛反発し、フランスのワインに課税すると息巻いていますが、いわゆるGAFAの利益に課税するのは当然のこと、むしろ真っ先に日本が言いたいことですが、敗戦国日本は言い出せないだけです。
 かろうじて最後にペラペラ1枚の首脳宣言を発表しましたが、その最後で「香港情勢での暴力回避」を訴え、早速中国は「内政干渉だ」と猛反発しました。

■ 円高・株価下落
 米中貿易戦争が燃え盛り、コレを懸念して世界中の株価が下落しています。トランプ米大統領はパウエルFRB議長を激しく批判し、パウエル氏もさすがに利下げを表明しましたが、それでも下落は終わりません。投資家は安全資産の金や円を買い、今や金は史上最高値となっています。円高になれば当然ながら日経平均株価は下落します。困ったものです。

■ 日米貿易交渉合意
 トランプ米大統領はかつて「8月になれば貿易交渉について良いニュースが聞けるだろう」と言っていました。その通り、安倍晋三首相とトランプ米大統領が大枠で合意し、9月下旬に貿易協定に署名する見通しとなりました。日米貿易交渉では、農産物の関税引き下げをTPP水準に抑える一方、日本が求める自動車関税撤廃は見送られました。これについて問われた菅官房長官は「米国側に押し切られたとの指摘は全くあたらない」と否定しましたが、これはいつもの鉄面皮答弁で、むしろ自民党の松川るい参議院議員の「交渉が長引くほど、米国から追加的な関税措置や、米軍駐留経費の日本の負担増など安全保障に絡めた要求も考えられた。それが『ない』のが成果だ」という発言のほうが率直です。安倍首相はいつものように「お互いウィンウィンの交渉が出来た」と胸を張りましたが、いつもながら言葉の使い方が違っています。どう考えても農産物交渉でTPP並みまで譲歩し、日本の輸出に関しては何も変わらないのを「押し切られた」と言わないで何と日本語では言うのでしょう?「ウィンウィン」などというカタカナでごまかしてはいけません。日本が米国からの自動車輸入に関税をかけていないのに、日本からの自動車やその部品に追加関税を課すゾとトランプ米大統領は脅してきました。相手を脅して、一歩引いて間でまとめる、結果的に一歩前進というのがトランプ式「ディ−ル」のやり方です。米国から見ればしてやったりでしょう。しかし日本政府を責めても仕方ありません。戦後一貫して日本は貿易問題で苦汁を飲まされてきました。これは敗戦国の宿命です。菅官房長官がいくら強がろうと、口惜しいけれどこれが現実なのです。

■ 米国産トウモロコシの大量輸入
 フランス南西部ビアリッツでのG7サミットの合間にあった日米首脳会談で、トランプ米大統領がことさら喜んだのは日本による飼料用米国産トウモロコシの大量輸入合意です。「中国が約束を守らないせいで、我々の国にはトウモロコシが余っている。それを、安倍首相が代表する日本がすべて買ってくれることになった」と上機嫌でした。安倍首相の話が貿易交渉についてだけで終わると、トランプ氏は「トウモロコシについても発言を」と催促したそうです。安倍首相は「買うのは民間」と言いましたが、「日本の民間は政府の言うことをよく聞く。米国とは違う」と言って、来年秋の大統領選を見すえ、米中貿易摩擦のあおりで苦しむ自国農家にアピールしたのです。G7で仏頂面だったトランプ米大統領に手土産持たせて帰すところなど、安倍首相らしい手法です。
 この合意に付いて問われた菅官房長官は「国内のトウモロコシは一部で害虫被害が確認され、飼料用の供給に懸念が出ている。このため、米国産を3ヶ月分、前倒しで輸入することになった」と答えました。ところが農水省はこの害虫被害に対して「現時点では営農活動に支障は出ない」としており、しかも輸入するトウモロコシは実を食べるものですが、害虫被害が出ているトウモロコシは葉や茎を砕いて飼料にするもので種類が違うものです。言い訳の根拠に見当違いがあると、ウソだと言われかねません。輸入のために補助金を新設するようです。商社や飼料メーカーに税金を投入するわけですね。

■ 所沢温泉湯楽の里
 8月26日(月)は、我が家から車で6.8kmの所沢温泉「湯楽の里」に行って来ました。ボーリングして、2004年12月に地下1,700mから湧出、温泉は露天風呂、泉質は、ナトリウム・カルシウム‐塩化物泉(低張性・弱アルカリ性・低温泉)、pH7.1、泉温32.4℃なので加温、毎分223リットル、無色透明、無臭で、塩味とわずかな苦味が有ります。
    所沢温泉の内風呂;奥窓側が高濃度炭酸泉、手前が白湯
 この一帯は昔海底だったので、海水の塩分が染み付いていて化石海水系温泉と言われています。湧出温度が低いので沸かし湯になりますが、露天風呂はヌル湯になっています。いろいろな施設が充実していて、ゆったり過ごせるのがここの良いところです。
 九州地方で大雨災害が発生しています。近年九州、中国、四国地方は毎年どこかで大災害が起きており、映像を見ているだけで心痛みます。
 厚生労働省が参院選挙後に先延ばしていた年金検証結果を発表しました。標準的なケースで約30年後にモデル世帯の年金は実質的に2割近く目減りするとのことです。これでも甘いのでは?年金問題については、いずれジックリと触れましょう。

所沢温泉の露天風呂
(2019年8月28日)


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