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 今回のテーマ”CLOSE"とは・・・さてはこの”ESSAY"もいよいよ終わりか...いいえそうではありません。事のキッカケは2022年9月20日(火)、我が書斎のPCデスクに取り付けてあるフレキシブルアームタイプのワークランプがプッツンと消えたことがキッカケです。


フレキシブルアームタイプのワークランプ

■ LEDランプがプッツン
 フレキシブルアームタイプのワークランプは山田照明株式会社製で、もう20年以上前に買ったものです。最初は白熱球ランプを使っていましたが、省エネのため、秋葉原でLED電球を買いました。”TEKNOS”というブランドで、秋葉原では大量に陳列・販売されています。AC100V3.8W昼光色「LE-38W30」という商品でMade in chinaと書いてあります。今やこうした家電製品でMade in japanなんてほぼ見なくなったので抵抗なく購入しました。”TEKNOS”というブランドは日本の株式会社千住のブランドでれっきとした日本の会社ですが、製品は中国で製造しているようです。購入してからもう10年は経っていますが、寿命4万時間ですから、パソコンを使う時しか点灯させないので、ほぼ永久に使えるだろうと思っていました。LED電球の寿命の前にこちらの命が尽きるだろうと思っていたのです。他のソケットでも試しましたが間違いなく切れているようです。この商品は先駆け的な製品だったのでアルミの放熱フィンみたいなものが付いていてズッシリと手に重いものです。昔の白熱球はフィラメントだったので、フィラメントが切れてるのが見えたり、耳元で振ってみるとカシャカシャと音がして「あぁ切れてる」と納得したものです。LED電球は振っても何も聞こえません
 仕方なくとりあえず以前使っていた株式会社武田コーポレーションの電球型蛍光ランプをソケットに差し込んで使うことにしました。これは100円ショップ「セリア」で買ったもので、家中の照明をLEDに代えた折に使わなくなって、しまっておいたものです。AC100V8W昼白色「KR6-840WH」という商品で、これまたMade in chinaと書いてあります。白熱球なら40W相当の明るさです。
 しかしやはり長寿命のLED電球にしたいと思って、近くの2nd STREETに行って、株式会社オーム電機の白熱球40W相当の明るさのLED電球を購入しました。AC100V4.8W昼白色550ルーメンの「LDA5N-G AG53」という商品で、これまたMade in chinaと書いてあります。電球型蛍光ランプより随分明るいですね。しかも軽いです。LED電球は回路を必要とするため、白熱球ランプより重いはずですが、TEKNOSの商品とは比べものにならぬ軽さです。さてこれも寿命4万時間、今度こそ命尽きるまで使えるかな。

■ ネットワーク機器も調子悪く・・・
 さてPCデスクのワークランプがプッツンと消えた事件はこうして始末したわけですが、今度はどうもパソコンの調子がおかしい、やがて「インターネットに接続されていない」というメッセージが出ました。2台のノートPCはWiHiで使っていますが、書斎のデスクトップPCはイーサネットケーブルでつないでいます。つい先日も、隣りの部屋に設置していたLogitecの100BASE-TX対応・3ポート小型スイッチングハブ「LAN-SW03PSWE」が壊れたばかりです。ケースが変色しており、熱で壊れたみたいなので、RJ45プラグを直接中継ソケットでつなぎました。なにしろ我が家にはこうしたネットワーク製品や部品はたくさんあるのです。

Logitecの100BASE-TX対応・3ポート小型スイッチングハブ「LAN-SW03PSWE」
 今回は何が原因だろう?コンピュータと大もとのルータの間に有るものと言えば、BUFFALOのAir Station「WHR-G」だけです。これはWiHiルータですが、WiHiルータとしてはNURO光からレンタルしているブロードバンドルータを使っているので、この「WHR-G」はスイッチングハブ代わりに使っているのです。色々試したら、どうやら壊れてはいないのですが、不調で、ご機嫌悪くなるとネットが繋がらなくなるみたいです。仕方なく、昔使っていたcoregaの5ポートスイッチングハブを引っ張り出して来て繋ぎ変えました。なにしろインクジェットプリンタとレーザプリンタをイーサネットにつないで、別の部屋からノートPCからも印刷できるようにしているので、イーサネットの分配器は必要なのです。corega・・・懐かしいですね。今やアライド・テレシスの傘下です。

調子悪いBUFFALOのAir Station「WHR-G」


coregaの5ポートスイッチングハブ「FSW-5PL」

■ 井上歯科医院・・・閉院
 さて、”CLOSE"というテーマはLEDプッツン、ネットワーク機器不調から始まり、やがて本格展開していきます。連れ合いが「どうしよう?」と首傾げています。掛かりつけ医の井上歯科医院に歯のお掃除をしてもらおうと電話したら、「この電話はおつなぎできません」とメッセージが返って来るというのです。ネット検索したら、「閉院」と出ます。そんな馬鹿な・・・というので、コロナで有名になったふじみ野救急病院の近くにあり、三芳町で3km以上ありますが行ってみました。そしたら張り紙が張ってあり、「急なことで申し訳ありませんが6月末で閉院します」と書いてあります。5月末に行ったばかりなのに、それからわずか1ヶ月で閉めるなんて...何十年も通っていたのでガーンとショックでした。もう3ヶ月近く知らなかったことになります。そう言えば井上院長はしばらく見なかったな、高山医師だけで診療してた、ということは井上院長が...それにしても私達お得意様には住所も電話も分かっているのだから、一言あってしかるべきなのに...と思いました。あっ、そうか、家電は留守電にしてるから...そんなことで歯医者を変えなければなりません。馴染みのお医者さんを変えるのがこんなにショックだとは思いませんでした。


■ にいざ温泉・・・休み
 9月20日(火)は余熱利用施設「エコパ」が休みなので、我が家から車で12kmほどの「にいざ温泉」に行きました。埼玉県新座市本多2丁目にあり、関越自動車道の側道に面している施設で、新座市民体育館や新座市営球場の間にあります。新座市は埼玉県の南端にある市で、東京都の練馬区や清瀬市、西東京市、東久留米市等と接しているまちです。「武蔵野うどん」や「平林寺」で有名で、大学教授が多く住むまちと言われています。「ばかやろう〜!」で有名になった豊田真由子さんの地盤でした。にいざ温泉はオープン後随分経ってから一旦”CLOSE"したのですが、埼玉スポーツセンターが買い取って再オープンしました。地下1500mから汲み上げるナトリウム−炭酸水素塩・塩化物温泉(低張性・弱アルカリ性・低温泉)です。「美肌の湯」というキャッチです。久しく行ってませんでした、10数年ぶりかなぁ、ところがどうも様子が変です。広い駐車場に車がありません。玄関ドアに、本日休業という張り紙が・・・ガーン!月に一度の休業日だったのです。しまった〜、ネット検索すれば良かった...そんなわけでこれまた”CLOSE"...ちなみににいざ温泉と競合する東京都東久留米市にある「スパジアム・ジャポン」は、にいざ温泉から約2km南にあって、2019年3月にオープンした温浴施設で、関東最大級の広さとうたわれています。そのうち行ってみよう。またにいざ温泉と同じ経営の埼玉スポーツセンター天然温泉は、埼玉県でもトップクラスの人気で、ヌルヌルしてとても良い温泉です。405『』(2020年12月15日)で紹介しました。源泉名は「みずほ温泉」で、住所は所沢市南永井ですが、三芳町役場からすぐ近くです。

にいざ温泉入口

■ 小さな旅川越温泉へ行こう!
 じゃあしょうがない、いつもの「小さな旅・川越温泉」にするか...本来エコパ休みのときはこのパターンです。たまたま井上歯科医院の件があったので、埼玉県ふじみ野市の我が家から南下して埼玉県三芳町の井上歯科医院へ、次に関越道に沿って埼玉県所沢市→東京都清瀬市→埼玉県新座市と走ってにいざ温泉に行ったのですが、にいざ温泉は実は東京都清瀬市と埼玉県新座市の境目にあるのです。埼玉県川越市へは来た道を戻って埼玉県新座市→東京都清瀬市→埼玉県所沢市→埼玉県三芳町→埼玉県ふじみ野市→埼玉県川越市と北上します。これだけ市町を通るのに距離は20kmです。埼玉県の市町がいかに小規模か、よくわかりますね。608.8kuの広さの岩手県雫石町なら埼玉県南部がスッポリ入ります。山手線内の広さは63kuで、岩手県雫石町の約10分の1です。ちなみによく遊びに行く埼玉県秩父市は577.8kuで、いや〜〜スゴイ!雫石町に迫る広さ、チチブ、スゴイ!山ばかりですからね。

小さな旅・川越温泉

■ 川越市岸町のステーキガストが丸源ラーメンに...
 「小さな旅・川越温泉」に行く途中、国道254号線−川越街道−を通りますが、ガーン!烏頭坂のちょっと手前のステーキガスト川越岸町店が工事中、何やら別の店になるようです。2022年5月8日(日)に閉店したみたいです。今は近くのジョナサンにたまに行きますが、前はよくステーキガスト川越岸町店を利用しました。サラダバーが良かったのですが、店の雰囲気が明るくなくて、最近は足が遠のいていました。どうやら、全国チェーンで「肉そば」が人気のラーメン店;丸源ラーメンがオープンするようです。開店時期は10月中旬とのこと。丸源ラーメンは株式会社物語コーポレーションの一つのブランドです。

■ 駒林のガスト閉店
 ふじみ野市のヤオコー駒林店の近くにあるファミリーレストラン「ガスト ふじみ野東店」が閉店してしまうようです。「10月10日(月)閉店」という上り旗がたくさん、ヒラヒラはためいていました。「から好し」のから揚げも楽しめる便利なお店でした。何度か行き、テイクアウトもしました。すかいらーくHDが8月12日、海外を含め展開している3085店のうち、不採算店舗の約100店を順次閉店すると発表して大きなニュースになりましたが、今や「外食」から「中食」の時代になり、ヤオコーでパック買っておうちに持ち帰って食べる、そんな時代なんですね。スーパーの総菜、弁当、寿司などの売り場は随分広くなりました。やはりコロナで時代が変わったということです。
 
 すかいらーくHDは新型コロナが猛威を振るった2020年にも約200店の閉店を発表しましたが、コロナの軽症化もあり、グループ全体だと客足は戻っているようです。しかし原材料費と光熱費の高騰が水を差し、値上げを進めてきました。かつてのような「ガストは安い」というイメージは薄れつつあります。普通に食事すれば900円弱が安いメニューでしょうか。そもそもガストやサイゼリヤは安いファミレスとして、金融バブル崩壊後の日本で「失われた30年」のデフレ対応の象徴でした。しかしコロナ禍と海外でのインフレ、ウクライナ戦争、円安など様々な逆風でエネルギー価格は高騰する、石油由来のプラスティック製品の高騰、輸入原材料の高騰、最低賃金の引き上げなど、とにかく値上げするか、サービスへの手入れでコストをカットするか、様々な工夫が求められています。この2年でマグロの仕入れ値が1.6倍、サーモンが2倍になった回転寿司業界では100円のメニューを諦めるようになりました。お客様も外食手控え層や高くても味やサービスを求める層などに分かれています。我が家の周りも「マクドナルド」が大賑わい、店自体のデリバリーサービスもありますが、Uber Eatsのお兄ちゃんたちが店の周りにたむろしています。定食の「大戸屋ごはん処」が価格が上がっても繁盛し(およそ定食は¥890〜¥1,380)、「豚骨ラーメン一指禅」は夜中まで行列(一番安いラーメン¥820)、「焼肉きんぐ」は常にもうもうと煙を出して満員(食べ放題¥2,980〜)、向かいのハワイアンカフェ「コナズ珈琲」は開店前から行列ができています。ハワイアンコーヒーとパンケーキで客単価は1,500円にはなろうというのに、何故行列ができるほどの人気なのでしょう?すなわち、お客様の求めるニーズは様々だということです。ガストがただ値上げするだけでは客離れが進む一方でしょう。
 








■ 焼肉閉店・・・「牛角」と「かるびとはらみ ふじみ野店」
 川越街道沿い、イオン大井店隣の焼肉店「牛角」が2022年8月29日(月)閉店しました。その並びの「かるびとはらみ ふじみ野店」も2022年9月11日(日)閉店しました。この一帯は「肉肉街道」と言われ、焼肉店やとんかつ、ステーキ、ハンバーグ店などが近年ズラリと並んで、過当競争気味でした。ラーメン店や回転寿司店が次々と閉じて肉の店に代わりました。長崎ちゃんぽんのリンガーハットの後にできた東京トンテキも1年で閉めて、モンスターグリルに変りました。そう言えば、「ステーキの宮」も工事中で、ミヤちゃんお前もか、と思ったら、リニューアルオープンでした...行ったことないけど、あ〜〜〜良かった、と何故か思いました。
上の写真は2022年9月16日に撮影したものです。この道路は国道254号線(川越街道)で、奥が東京方面です。左奥にイオン大井店の看板が見えます。左手前の「牛角」を取り壊し始めたところ、今は影も形もありません。隣のCENTURY21というのは住宅販売会社です。その向こうに焼肉「かるびとはらみ ふじみ野店」の黄色地に赤い字の看板が見えますが、これまた閉店しました。その先には「松屋」や、息の長い「麦とろ」、かつやグループの唐揚げ店「からやま」、「ラーメン五葉」が並んでいます。焼肉「かるびとはらみ ふじみ野店」の向かいにはこれまた息の長い蕎麦屋さん「喜久家」が有り(注:その隣にめぐむ動物病院と並んで超人気の「まりぱん」というパン屋さんがあります)、その手前には、「とんかつ・かつ庵」という赤い看板が見えますが、これは「すき家」や「はま寿司」を展開する外食最大手のゼンショーが、「かつや」の二番煎じで展開しているお店です。その手前が車のNISSANの販売店、そして振り返れば「はま寿司」です。423『町会役員』(2021年4月21日)で、「焼肉 かるびとはらみ」1号店が4月26日開店するそうですと紹介しました。1年半もたなかったわけですね。この店の前身は、熟成醤油を使った、パリパリきゃべつ、巻バラチャーシューが自慢の「きゃべとん」で、開店から2年持たず2021年1月末で閉店したのでした。 ちなみに「かるびとはらみ ふじみ野店」も「きゃべとん」も、「焼肉きんぐ」や「丸源ラーメン」を展開する株式会社物語コーポレーションのブランドです。




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■ 時流・・・
 上福岡駅前のカラアゲの人気店「福から」が今年閉店しました。今や、コロナ禍で世の中がガラリ変わりました。カラオケ「ビッグエコー」も閉店しました。これは仕方ない、コロナでお客様が来なくなったのです。パチンコ店やガソリンスタンドが”CLOSE"しているのはよく見ますね。最近では高級食パンの店が次々”CLOSE"、何故か餃子のテイクアウト店が続々”OPEN"、近所では「マミーマートふじみ野店」が”CLOSE"して、ちょっとして「生鮮市場Top!鶴ケ舞店」としてリニューアルオープン、すごい賑わいです。斜め向かいの家電量販店「コジマ」が新しいショッピングモール;「イオンスタイルふじみ野」に移転した跡地に、激安スーパー「ジャパンミート卸売市場ふじみ野店」がオープンして客を奪われたので、対抗してのリニューアルオープンなわけです。このスーパーの競争もすさまじいものがありますね。

ふじみ野こどもエコクラブの畑のヒマワリとマリーゴールドを玄関に飾りました。華やかでしょう?

■ 追い詰められたプーチンの演説
 前回「プーチンの狂った戦争」と書いたら・・・ロシアのプーチン大統領は、2022年9月21日、国営テレビを通じて演説を行い、ロシアで部分的な動員を実施するための大統領令に署名したと述べました。対象はロシア軍の予備役30万人で、動員の措置は直ちに導入されるということです。また、プーチンはウクライナ東部と南部で23日から実施するとされるロシア編入に向けた住民投票について、結果を支持すると述べました。ロシアは親ロシア派市民の意向まで含めた決定だとして、勢力の確保を図り、ウクライナに対する難題をさらに増やしていく戦略と思われます。この演説直後、ロシア各地でこの動員令反対デモが起き、千数百人が逮捕・連行されました。民主国家を装いながら実態は違うことが分かります。また国外脱出しようとする人々が航空機座席を予約しようとして窓口はパンク状態、陸路隣国へ逃れようと国境付近には車列が出来ているとのこと、ロシア人だって死にたくないし、泥船から逃れたいのです。
 この演説でプーチン大統領は核使用を匂わせ、「これはハッタリではない」と述べました。しかし核を使ったら、米国はロシア軍の軍事施設だけでなくクレムリンも攻撃すると述べていますから、自分たち自身が破滅するであろうことが分からないはずはなく、窮鼠状態に陥っているのだろうと思われます。

故安倍晋三首相(当時)と仲良く握手しているころのプーチン大統領


2022年9月21日、国営テレビを通じて演説を行うプーチン大統領・・・眼がすわっています

■ 10月は値上げラッシュ
 食品の値上げラッシュは10月に山場を迎えるようです。帝国データバンクのまとめによりますと、今年値上げとなる累計2万品目超のうち約3分の1が10月に集中するそうです。従来みられたマヨネーズやハム・ソーセージなどに加え、ビールや清涼飲料も値上げされます。食品の値上げによる1世帯当たりの家計負担額は、年間で7万円近く増えると試算されています。今年の食品の値上げは、実施済みの分に今後の予定分を加えると、再値上げを含めて累計2万品目超、10月は6,532品目と最も多く、2番目に多かった8月(2,493品目)の約2.6倍と飛び抜けています。

■ 24年ぶり為替市場介入
 ついに政府・日銀が9月22日、円買いドル売りの為替市場介入に踏み切りました。日米欧の金融政策決定会合の結果が出揃い、1ドル=145円台後半まで円安が進んだタイミングでの介入でした。どうやらここが防衛ラインだったみたいですね。日本政府の持つ「外貨準備」を原資として円を買うわけですが、その「外貨準備」の残高は約200兆円で、日本の外為市場の取引高は1日あたり約54兆円ですから、日本政府が買い支えると言っても限度があります。日銀と日本政府のかたくなな姿勢を見て、世界中のヘッジファンドが儲けるチャンスと見て日本売りを仕掛けて来ています。さて市場との攻防、どうなるか?日銀が量的緩和を継続して円を供給し続ける政策を取る一方で、政府が円を買うというチグハグな政策対応をしているわけで、市場関係者の多くは介入の効果に疑問を持っているみたいです。電撃的な政府の為替介入の実施で140円台まで5円程度の円高が進んだものの、9月26日の東京市場で、ドル円レートは一時1ドル144円台まで再急落、僅かの間に、為替介入の効果が剥落しました。また英ポンドが一時対ドルで5%近く下落しています。英国中央銀行は0.5%の政策金利引き上げを決めましたが、トラス新政権が大規模な減税策と国債の増発計画を打ち出したのがそのきっかけです。それが財政の悪化、国際需給の悪化につながり、そして物価上昇率をさらに高めるとの懸念から、英国債は急落し、さらに、英国株とポンドも下落し、「トリプル安」の状態に至ったのです。市場は日本政府と同じ危険性を感じ取ったのでしょう。岸田内閣のガソリン補助金・・・これは麻薬です。消費者にいったん良い顔をして補助金を始めると、簡単には止められません。政府が市場に介入したら、しっぺ返しを食らうのが歴史上明らかです。「市場原理」に任せれば、価格が上昇した場合、消費者は無駄な使用を抑えて節約しようとする・・・そうなると需要が抑えられることになり、価格が下落します。補助金を出していれば需要の抑制は起きませんから価格は下がらないということになり、結局は、需要減を避けたい石油元売会社を助けているわけです。ガソリンだけではありません。政府は農林水産省が行っている輸入小麦の政府売り渡しで、その価格を現行のまま据え置いています。いずれその財政支出のツケは消費者にまわって来ます。ガソリンにせよ、小麦にせよ、財政支出はすぐに兆円単位になります。岸田流「新しい資本主義」とは何なのか?世界が「日本売り」に走る現状の先にあるもの・・・恐ろしい予感がしています。円安の影響を抑えようとして、さらに円安を加速することになるのではないでしょうか。怖い、コワイ...

■ビックマック値上げ
 日本マクドナルドは今月30日から「ビックマック」など6割の商品を値上げすると発表しました。「ビックマック」は390円から410円になります。前回日銀は「株を買え」と言ってるようなものだと書きましたが、アメリカやイギリスなど各国の中央銀行が進める金融引き締めで世界的な景気悪化が避けられないとの懸念が広がり、ニューヨーク市場ではダウ平均株価がドンドン下がって、節目の3万ドルを割り込みました。連れて東京市場では日経平均株価が大きく値下がりし2ヶ月ぶりの安値を更新しています。今の円安もいつまで続くか?黒田総裁の任期が来年4月ですから、その後はまた戻るのではないかと予想します。当面の円安、前回書いたようにピンチをチャンスに変える必要があります。多くの分野で国内自給率を高める、生産拠点の国内回帰を図る、経済安全保障を考えて中国にあるアメリカ企業の生産拠点を日本に誘致する、一時的に原発を再稼働させてエネルギー自給率を高める、農地法を改正して企業を農業に進出させ、食料自給率を高める、水際対策を緩和してインバウンドを自由にして日本にドンドンお金を落としてもらう、世界に完全に遅れているコロナ対応、マスクを外して経済を活性化させている外国に比べて、日本人はオカシイ、お金に余裕のある人に旅行させて観光業界振興をはかるのは一つの策ではありますが、そのために使うお金も将来世代へのツケ回しです。日本が再生するには国内自給率を高めること、その1点です。少子化を解消するには、甲斐性を高めることです。そのためには政治を変えること、これしかありません。ふと小林幸子の代表曲「雪椿」の歌詞が浮かびました。今は亡き巨匠・星野哲郎の詞です。
♪やさしさと かいしょのなさが
♪裏と表に ついている
♪そんな男に 惚れたのだから
♪わたしがその分 がんばりますと
♪背(せな)をかがめて 微笑み返す
♪花は越後の 花は越後の
♪雪椿
 2010年の歌です。星野哲郎さん、この時代に、収入が少ない夫の稼ぎじゃ生きていけないと、自分が働いて頑張ろうとする妻の姿を描いたのです。今では夫婦で働かなければ生きていけない時代になりました。共稼ぎしてるのに世帯収入は以前より減ったと日本政府が発表しています。これでは子どもの数は制限されます。それどころか、収入が少ない男は結婚もできません。独身のままの男が増えています。当然独身のままの女も増えています。子どもが少なくなるわけです。

■ ちあきなおみ
 1992年9月11日に55歳で肺がんで亡くなった俳優・郷^治は宍戸錠の弟でしたが、1978年に結婚した歌手・ちあきなおみの個人事務所を設立し、社長兼マネージャー・プロデューサーとして、俳優を引退し、喫茶店も営んでいました。我々世代にとっては俳優としての郷^治も魅力的でしたが、なにしろちあきなおみと言えば歌唱力で絶大な人気で、そんな妻のためなら仕方ないだろうなと思っていました。ところが、最愛の夫の死にショックを受けて、44歳で表舞台から去ってからちょうど30年、その歌手のCDが未だに発売され、3年半前に発売されたCDは4万枚以上売れる人気でした。その前作CDに続き、この10月19日にも、過去の歌唱を再構成した新アルバム「残映」が発売されるそうです。このタイトルが示すのは、ちあきなおみの復帰を待つファンがいるかたわら、復帰しないことで永遠の存在になる...ということです。今ファンが支持しているのは、実際のちあきなおみではなく、復帰しないもう一人のちあきなおみであり、その残映にファンはいつまでも喝采を送っているということなのでしょう。

ほのぼのと、切なさと、懐かしさと、ちあきなおみの“黄昏のビギン”はあなたの恋する勇気をサポートします。
というキャッチのちあきなおみのアルバムジャケットです。今は亡き永六輔の詞、こんな時代なら少子化は無し

■ 大相撲秋場所の危機的結果
 大相撲秋場所は、平幕の玉鷲が千秋楽に高安に押し出しで勝って、13勝2敗で3年ぶり2回目の優勝を果たしました。二人とも気合の入った素晴らしい相撲でした。37歳10ヶ月での優勝は、年6場所制が定着した昭和33年以降、最年長です。アラフォーですよ。その気力体力は見事ですが、逆に言えば周りがだらしないということです。日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、「横綱の休場、上位陣の成績不振は大変遺憾」と異例の言及をしました。1横綱3大関は6、9日目にそろって敗れ、全員出場した横綱、大関による1場所2度の総崩れは昭和以降初と不名誉な記録です。横綱照ノ富士は深刻な膝の怪我で10日目から休場し、大関陣は正代と御嶽海がともに4勝11敗で、御嶽海は関脇転落が決まりました。もはや東幕下15枚目の朝乃山が上がって来るのを待つしかないという悲惨な状況です。
(2022年9月26日)


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