349  災害対策と環境保護
 11月8日が「立冬」で、11月22日は「小雪」です。もう雪が降る季節だということです。気象庁の発表では、今年の冬の気温は、寒気の南下が弱いため、全国的に平年並か高いとのこと。冬型の気圧配置は長続きしないため、冬の降雪量は日本海側で平年並か少なく、冬の降水量は東日本では平年並か少ない予報です。11月22日は「いい夫婦の日」でもありますね。そして11月23日は「勤労感謝の日」です。この日は戦前も祭日で「新嘗祭(にいなめさい)」と呼ばれていました。その年に収穫された穀物(新穀)を神に勧め神を祀る行事です。皇室では「大嘗祭(だいじょうさい)」が行われましたね。

 上は我が家の庭の写真です。塀の向こうにオレンジと柿が実っていて、これは隣家の果樹です。柿は全く収穫せず、鳥のために、無くなるまでずっと残しています。ヒヨドリやスズメ、その他の小鳥が来て一生懸命食べているので、その泣き声や姿が愛らしいです。黄色い菊がキレイです。赤いアブチロンがキレイです。手前下はユキヤナギです。春になれば白く雪のように垂れて咲きます。下にはムラサキツユクサや水仙があります。右にミカンの枝が見えます。左奥は八朔の木です。

■ 雪の便り
 青森県黒石市に暮らす我が友人の「あずましの里通信」によりますと、ストーブ無しでは居られない気温になってきたようです。標高750mの沖揚平開拓地は、天空のレタスなど高冷地野菜で有名な土地柄、黒石市内でももっとも早い積雪地域です。2019年11月17日(日)の風景はいかにも寒そうですね。
 沖揚平開拓地の周囲は南八甲田山系に属していて、ちょうど横岳の麓の平坦地を開墾して造成されたのだそうです。かなりの降雪で周囲の山々は雪雲に隠れています。これから先は次第に雪が深くなり、3〜5m程度まで降り積もるそうです。天気がいい日は北八甲田山系がとてもよく見える場所とのこと。

沖揚平開拓地から南八甲田の横岳山頂方向、頂上は雪雲で見えません
 このような、戦後満州や樺太からの引揚者が拓いた土地は全国各所に点在しています。外地で開拓に汗流し、終戦でその地を捨て、命からがら引き揚げて、誰も手を付けられない不毛の地を開拓した人たち、もちろん北海道もそうですが、九州までたくさんこういう開拓地はあるのです。ここでは高齢化に伴って担い手が減っているのが現状です。もう開拓者の息子、娘もそろそろ働けません。三代目が継がない土地はどうなるのでしょうか。段々と野生化して、熊や猪、鹿などが闊歩する世界になっていくのか?どんどん緑が失われつつある都会とのGap・・・これでいいのかニッポン、と考えさせられますね。

■ 鶯宿温泉ホーホケキョ
 昨週は国立大学法人岩手大学での経営協議会があり、盛岡に行きました。前泊で雫石町の鶯宿ホテル加賀助の熱い湯に浸かって疲れを癒しました。鶯宿温泉は、今から約460年前の天正年間に、加賀国(今の石川県)からやってきた山賤(やまがつ;きこりや猟師など山を生業として生きる者)の「助」という男が雫石の山林を気に入って住みつき、湯煙が上がっているのを見て、辿って温泉を発見したと言われます。そこで傷ついた鶯が湯で脚の傷を癒していたという「助」の証言からその名がついたと言われます。
 加賀国の助さんが由来の宿;ホテル加賀助については296『』(2018年11月13日)をご覧下さい。

コスパ最高の宿です。しかも盛岡駅西口バスターミナルから無料送迎してくれます。途中つなぎ温泉を通って30分ほどかかります。23km強ありますが、信号機が少ないのでこの時間で行けるのです。
 鶯宿温泉銘菓として、右の「鶯宿ホーホケキョ」を土産に買ってきました。ウェハーの間に白いクリームを挟んだおいしいお菓子です。温泉に入る前には甘いものを食べないとのぼせます。

■ ふじみ野市環境審議会の委員を委嘱されました
 ふじみ野市環境審議会の委員を委嘱されました。委員は14名で、各界を代表する人たちが選任されました。筆者は環境団体枠3名(埼玉県生態系保護協会ふじみ野支部、ふじみ野こどもエコクラブ、彩の国環境大学修了生の会)のひとりです。他は学識経験者1名、市民代表で自治組織連合会から2名、公共団体代表2名は埼玉県西部環境管理事務所とふじみ野市校長会から、ほか関係団体代表としてふじみ野市商工会、農業委員会、日清製粉、KDDI総合研究所、花と緑部会(2008年4月ふじみ野市環境基本計画に基づき発足)から各1名です。この審議会は公開されていて、傍聴も出来ます。議事録も公開されますから、誰が何を発言したかもすべて公開されます。事務局は市民活動推進部環境課です。市役所の職員は随時変わるので、現場は実質専門員の人が把握しているようですね。
 会議の中で「花と緑部会」の藤島光男委員から、第22回新河岸川美化活動(ふじみ野市)が紹介されました。2019年11月23日(土)AM10時〜12時までの予定で開催されます。花と緑部会の小坂不二夫さん(82)が事務局で、集合場所は養老橋下船着場、葦原中学校〜254号富士見川越バイパスに架かる橋までの間の両岸を分担区域を決めて、ゴミ拾いとヤマブキ植栽を実施。主催は、花と緑部会、舟運・ふじみんの郷、新河岸川(古市場・美化)「県川の国応援団」で、協働団体は、ふじみ野市、川越市、川越県土整備事務所だそうです。軍手、ごみ袋支給、傷害保険は川越県土整備事務所にて加入。問い合わせ先は花と緑部会の小坂さんまたはふじみ野市道路課の上城さん。活動内容は、10時〜20分;挨拶、参加団体紹介、注意事項及びごみ収集方法の説明。10時25分〜11時45分:清掃活動。企画行事は11時30分〜12時。2009年4月に第1回を開催して、年2回(春、秋)実施して来て、今回で22回目だそうです。

■ 川越江川の氾濫…都市型災害;内水による被害
 ふじみ野市環境審議会委員を委嘱されることになり、元福小学校で少年野球の試合が終わった後、隣の寺尾調節池をぐるっと歩きました。この辺りの自然は貴重なので見ておこうと思ったのです。新河岸川が東西に蛇行し、南から川越江川が北上して新河岸川に合流しています。何もないときには平和で癒される自然ですが、新河岸川に目をやると、先日の台風19号の爪痕が隋所に見られます。まさしく自然保護と災害対策は、どちらも大事、これを両立するにはどうすべきかと、考えさせられました。ちなみに新河岸川は、入間川の笹井堰から分流して赤間川となり、川越市で新河岸川と名前を変えて、やがて隅田川となって、浅草吾妻橋から勝鬨、浜離宮のところで東京湾に注ぎます。
 川越江川は「江川都市下水路」とも呼ばれ、関越自動車道付近から流れてきますが、大部分が暗渠となっています。開渠になるのは、以前は新河岸川との合流点付近、元福小学校と葦原中学校の間からで、その先・上流は蓋がされていました。2017年10月の台風21号の大雨でほとんどの蓋が濁流に押し上げられて外れ、護岸が崩壊しました。周辺の川越市寺尾地区では床上浸水232戸、床下浸水196戸の被害を出しました。右写真をご覧下さい。
 2014年に新河岸川に逆流防止ゲートが設置されたのですが、これによって逆に新河岸川へ放流できず、洪水の要因となったようです。新河岸川の水が逆流しないようにとの配慮だったのでしょうが、川越江川の水量が急激に増えて、新河岸川へ流れ落ちるところの水門で阻止されて溢れたのです。その後、大工事が施され、川越江川は寺尾調節池の南端付近から開渠になりました。洪水のときに国土交通省のポンプ車が駐車して排水していたセブンイレブンも今や閉店してしまいました。

川越市寺尾小学校周辺は床上浸水 小学校の手前はセブンイレブン 車も水没(2017年10月23日)
 2017年の台風21号の内水被害については242『鎌倉』(2017年10月29日)をご覧下さい。

川越江川の上に置かれた蓋が水圧で太鼓橋みたいに変形、金網もひん曲がり
 
川越市寺尾小学校隣のセブンイレブンのところに国土交通省の排水ポンプ車が

■ 寺尾調節池
 寺尾調節池は、青森県の下北半島を左右逆にしたようなマサカリ型で、川越江川から寺尾調節池に食い込む形で元福小学校とカトリック星和幼稚園が設置されています。寺尾調節池の北側に「寺尾ポンプ場」があります。ここの横にゲートが設けられ、新河岸川の水位が上がると寺尾調節池に水が導入される仕組みになっています。調節池(ちょうせつち)というのは調整池、遊水池と言われることもあります。寺尾調節池の歴史は新しく、2003年に建設されました。周辺1820mの堤防で囲まれ、堤防の上は細いアスファルト舗装で、散歩したりジョギングする人が大変多いところで、住民の憩いの場所になっています。面積は13ヘクタール、容量は36万立方メートルです。堤防から中に降りていくと、水が溜まっていて、少し流れもありますが、とてもきれいな水です。草が富養分を吸って水を浄化しているのでしょう。いろいろな生き物を観察できるビオトープになっています。中には小さな畑を作っている人もいましたが、ここは公用地のはずですね。一部川越市が設置した木道もあります。寺尾調節池の西南角地(川越市寺尾611番)には猫がたむろしており、それも毛並みの良い裕福そうな猫が数匹居て、人を見ると寄ってきます。川越市の看板が設置されていて、「猫の餌を置かないで下さい」というようなことが書いてあります。隣には「ふんは持ち帰ってね」と犬と人の描かれた看板もあります。多分ご近所に猫に餌をやる人が居るのでしょう。こういう住民は確信犯なので、なかなかお願いしてもやめないんですね。寄ってくる猫は可愛いので、つい情が移るのでしょう。行政は、「猫は室内で飼って下さい」とお願いしているようですが、こうしたことは全国的に問題となっています。苦情を言う住民と動物愛護の狭間で、行政が困っているわけです。ふじみ野市では、少なくとも増えないようにと、野良猫の去勢をするという対策を採っているそうです。

株式会社東京建設コンサルタントの「埼玉県 新河岸川総合治水事務所 寺尾調節池利用基本計画」より
北側から俯瞰した図、下中央が寺尾ポンプ場と新河岸川、マサカリ型の堤防に食い込むように元福小学校

「猫の置きエサ禁止」、「ふんは持ち帰ってね」との川越市のお願い看板あり(寺尾611地区)

■ ミニ門松作りに参加しませんか?
 ふじみ野こどもエコクラブでは今年もミニ門松作り体験を行います。是非ご参加下さい。筆者は少年野球と二股なので、試合があるとなかなか参加できませんが、平日の竹林整備などの肉体労働には参加しています。
 
                                        チラシの皺がニクイでしょう(^_^)

■ 新潟女性殺害事件
 埼玉県上尾市出身の齋藤涼介容疑者(25)が、11月15日の夜、新潟市中央区のビルで、知り合いの飲食店店員・石澤結月さん(20)を刃物で刺して殺害したとして18日に逮捕されました。上尾市で包丁を購入して、事件当日の午後、埼玉県上尾市の家を出て新潟に向かったとみられています。母親が事件前日の14日、「神奈川県で暮らしている息子が元交際相手の女性を傷つけて自殺するとほのめかしている」と埼玉県警上尾署に電話で相談していたそうです。埼玉県警上尾署と言えば、どうしても桶川ストーカー事件の猪野詩織さんを思い出してしまいます。ストーカー被害が増え続けているそうですが、最近のニュースに接して凶悪犯罪が増えてきたように感じますが、現実には犯罪件数はドンドン減っているのだそうです。これについてはいずれ触れましょう。
(2019年11月21日)


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