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 ただ今岩手県雫石町の鶯宿温泉ホテル加賀助に居ります。この温泉は今から約460年前の天正年間に、加賀国(今の石川県)からやってきた山賤(やまがつ;きこりや猟師など山を生業として生きる者)の「助」という男が雫石の山林を気に入って住みつき、湯煙が上がっているのを見て、辿って温泉を発見したと言われます。そこで傷ついた鶯が湯で脚の傷を癒していたという「助」の証言からその名がついたと言われます。

 真偽の程は別にして、大変良い名前の温泉ですね。絶頂期は戦後、高度成長期で、20軒以上の温泉宿が建ち、飲み屋も沢山あって、まさに温泉街という名にふさわしい温泉郷を成し、今でも当時の昭和の雰囲気が続いています。ただ、少子化と、企業の社員旅行などの衰退もあり、温泉でどんちゃん騒ぎの文化は廃れて行き、1軒、また1軒と廃業する宿も出ています。なんとか頑張ってほしいものです。
 筆者が子どもの頃は田植えや稲刈りの繁忙期を過ぎた農民が長湯治していたものです。今はそうした湯治文化も廃れたのではないでしょうか。
 加賀助の湯は前にも紹介しましたが、熱い!とにかく熱い、しかし工夫すると入れて、やがてこれは良い湯だと実感するのです。温泉オタクとしてはお勧めです。本日は檜風呂でした。明朝は大理石風呂ですね。今日は思いのほか熱くない、たぶん前に入った人が水でぬるくしたのかと思います。ぬるくは出来ても熱くは出来ないからね。

加賀助6階のお風呂


■ 温まる加賀助の湯

 鶯宿温泉ホテル加賀助は外装の手入れをしたり、様々なプランを考えたり、大変営業努力をしています。ホームページを見れば、その頑張りが良くわかりますし、鶯宿温泉の四季、宿周辺の美しい景色が見てとれます。トップページには社長と女将が載っています。女将さんは、座敷わらしで有名な岩手県二戸市金田一の生まれだそうです。284『終戦』(2018年8月21日)で金田一に行ったことを紹介しながら、その詳細を書かなかったのは、残念ながらお奨めできる宿でも温泉でもなかったからです。座敷わらしの宿『緑風荘』ならば違うかもしれませんが、半年以上前に予約しないととれないようです。
 加賀助のお風呂は6階にあって、鶯宿の温泉街が展望できます。とにかく体の芯から温まる湯なのですよ。ここのお風呂に入ると部屋の暖房など不要です。温泉なんて皆そうだろうと思っている方、そんなことはありません。温まる湯とそうでない湯があるのです。掛け流しの湯はジョージョーともったいないほど豊富に流れます。23時から1時間、男女入れ替え作業の時間がありますが、夜中でも入れます。6階にあるのですからポンプアップしているのでしょうが、これだけ溢れる湯を掛け流しする電力はもったいないなとケチなことを考えてしまいます。

6階建て加賀助の夜の外観

 サウナは大理石の湯にあるので、男は朝風呂サウナ付きの贅沢を味わえます。まさしく小原庄助さんですな。サウナ好きにはたまりません。加賀助の社長は高校の後輩です。盛岡駅から無料シャトルバスがあるのも嬉しいサービスです。たいへんお得なプランもあるので是非ご利用下さい。

■ 少年野球も大詰めです
 2018年11月7日の立冬を過ぎた11月11日(日)、埼玉県鳩山町の梅沢運動場で朝から埼玉県西部地区少年野球連盟の秋季選抜大会、埼玉県西部地区各地から選りすぐった強豪チームが集まっての大会の試合でした。早朝から集まってグラウンドでアップ、しかしやけに暖かいのです。昼は汗ばむ陽気でした。冬はグラウンドに霜が張ることもあるので、12月初旬で試合は終わり、冬場はランニングなどの基礎トレーニングになります。今の6年生と野球ができるのも来年2月まで、試合はほぼあと1ヶ月で終わり、頑張らなくっちゃ。

■ 『襟裳岬』
 森進一の『襟裳岬』(1974年1月発売)の歌詞はつくづくすごいと思います。悲しみを暖炉で燃やすんですよ。燃料は、黙りとおした歳月です。「襟裳の春は 何もない」という歌詞に当初襟裳岬のあるえりも町の住民は怒ったそうですが、歌が大ヒットすると、町を有名にしてくれたということで後にえりも町から感謝状を渡され、襟裳岬には歌碑も建ったそうです。森進一は3番の「日々の暮らしはいやでもやってくるけど 静かに笑ってしまおう」という歌詞が大好きだったそうです。自身の苦難に照らし合わせて共感したのでしょう。「襟裳の春は 何もない」の意味は?      襟裳岬
 作詞:岡本おさみ
 作曲:吉田拓郎

 ♪北の街ではもう 悲しみを暖炉で
 ♪燃やしはじめてるらしい
 ♪わけのわからないことで 悩んでいるうち
 ♪老いぼれてしまうから
 ♪黙りとおした歳月(としつき)を
 ♪拾い集めて 暖めあおう
 ♪襟裳の春は 何もない春です
  ・・・・・・・・・・
 ♪寒い友達が訪ねてきたよ
 ♪遠慮はいらないから 暖まってゆきなよ

 きびしい北国の冬、わけのわからないことで悩んでいると老いぼれてしまうのです。極寒の地に暮らす人々の生活の知恵、冬の悲しみなんて燃やしちまえ、黙りとおした歳月は忘れよう、みんな暖炉で燃やしちまって、すっきりリセットして、さあ春だ、新しい生活が始まる、「襟裳の春は 何もない」のです。すごい歌詞です。厳しい北国の冬を経験しないと書けない詞のように感じます。
 森進一は、自分は演歌歌手ではない、流行歌手だと言うそうですが、『襟裳岬』の作詞・作曲はフォークソング・コンビです。したがってもともとフォークソングの『襟裳岬』を森進一が自分らしく歌った違和感が、この歌を100万部の大ヒットにしたのかもしれません。

■ 『旅の宿』

 岡本おさみと吉田拓郎のコンビは数々のヒット曲を世に出していますが、最初のヒット曲は『旅の宿』です。1972年7月発売、筆者が大学を卒業して社会人になったときです。当時吉田拓郎は『結婚しようよ』が大ヒットしてフォークソング界のスターでしたが、テレビには出ませんでした。
 岡本おさみが青森県十和田市の一軒宿「蔦温泉旅館」に泊まったときの思い出を歌詞にしたものだそうです。宿の浴衣がすすき模様だったのでしょうか。冒頭に登場する「浴衣のきみ」は、結婚したばかりの妻だそうです。新婚夫婦の温泉旅行、いいですね。
 我々の世代はグループサウンズよりもフォークソングですね。そうは言いながらキャンディーズやピンクレディも可愛かった
 旅の宿
 作詞:岡本おさみ
作曲:吉田拓郎
 ♪浴衣のきみは 尾花(すすき)の
   簪(かんざし)
 ♪熱燗徳利の首 つまんで
 ♪もういっぱい いかがなんて
 ♪みょうに 色っぽいね
 
 ♪ぼくはぼくで あぐらをかいて
 ♪きみの頬と耳は まっかっか
 ♪ああ風流だなんて
 ♪ひとつ俳句でも ひねって
 
 ♪部屋の灯を すっかり消して
 ♪風呂あがりの髪 いい香り
 ♪上弦の月だったっけ
 ♪ひさしぶりだね 月みるなんて
  ・・・・・・・・・・

 ジュリーやかまやつより、森山良子、ビリーバンバン、加藤和彦、赤い鳥、青い三角定規、ガロ、よしだたくろう(当時は漢字じゃなかった)、井上陽水、チューリップ、南こうせつとかぐや姫、小坂明子、グレープ、アリス、小椋佳、来生たかお、因幡晃、五輪真弓、安全地帯、松山千春、中島みゆき、高橋真梨子、河島英伍、N.S.P、さだまさし、村下孝蔵、久保田さき、太田裕美、フォーククルセダーズ、ユーミン、サーカス、山本潤子などなど・・・他にもいっぱい好きな歌手が居ます。

■ 『冬隣』
 歌手の中で誰が一番好きかという問いには答えられません。好きな歌手が沢山居るからです。でももう一度聞いてみたい歌手はと問われたら、迷わずテレサ・テンとちあきなおみです。テレサ・テンは日本人ではないのに、どうしてあんなに情感を出して歌えるのか?大好きな歌手でした。歌が上手いと言えばちあきなおみですね。愛する旦那さんが死んだらプッツンと引きこもりました。『紅い花』が最後のシングルでした。

『喝采』も有名ですが、『紅とんぼ』なんて最高です。『黄昏のビギン』もいいですね。
 でも『冬隣』という歌はちあきなおみの歌の中でも傑作です。作曲したすぎもとまさとさんも歌っていますが、やはりちあきなおみが良いですね。
 死んだ彼はもう戻ってこないとはわかっていても、彼がよく飲んでいた焼酎のお湯割りを作って飲んで想い出しながら、「この世に私を置いてった あなたを恨んで呑んでます」という歌です。切ないですね。冬隣は晩秋の頃を表す言葉です。郷^治が亡くなる4年半前にリリースした歌ですが、まるで彼女の運命を予言したような曲でした。
冬隣

 ♪あなたの真似して お湯割りの
 ♪焼酎のんでは むせてます
 ♪つよくもないのに やめろよと
 ♪叱りにおいでよ 来れるなら
 
 ♪地球の夜更けは 切ないよ…
 ♪そこからわたしが 見えますか
 ♪見えたら今すぐ すぐにでも
 ♪わたしを迎えに 来て欲しい

  作詞:吉田 旺 作曲:杉本眞人

 160『あきちみ』(2016年4月2日)で、孤高の歌姫ちあきなおみと、井の頭公園の歌姫あさみちゆきを紹介しました。あさみちゆきさんは只今育児休暇中です。第2子も男の子でした。売れっ子の歌手なのに、歌手活動を休んでまで子育てするとはエライ!長男のやまとを産んだ直後に、岩手県の松川温泉でお会いしました。

■ あさみちゆき 阿久悠の最後の原石
 「井の頭公園の歌姫」として知る人ぞ知る人気の「あさみちゆき」の名前の由来は、故郷の山口県光市の朝の海の景色が好きということから名字の「あさみ」、「ちゆき」は若くして亡くなった兄の名前「智幸」からとったそうです。本名は山本陽子でしたが、今は松田陽子です。筆者と同じ産業人会の幹事を務める社長の妻です。歌謡曲、フォーク、演歌、J-POPとジャンルを越えて、古きよき昭和を感じさせる歌を聴かせるので、いわば「団塊の世代のアイドル」的存在です。若い人には名前が知られていないかもしれませんが、往年の名歌手ちあきなおみを彷彿とさせる歌唱力、小さな身体に大きなギターを担ぐスタイルで、思わず助けてあげたくなるヒトです。しかも短いステージでも一生懸命歌う姿勢は、多くのファンを惹きつけてやみません。
 3rdアルバムは、故阿久悠氏が全曲を作詞し、彼女に提供しました。阿久悠が最後に見つけたすばらしい原石と言われています。ちあきなおみの歌を数々手がけた杉本眞人氏もあさみちゆきに曲を提供しています。『鮨屋で』なんて良い曲ですね。

 『四畳半の蝉』という歌はデビュー15周年記念曲第二弾であり、第50回日本作詩大賞新人賞受賞作品です。作曲の山崎ハコさんは、あさみちゆきが大好きな歌手でもあります。かすみ草エレジーに続いて山崎ハコさんに作曲をお願いしたんですね。
 第50回日本作詩大賞新人賞には総数2,039編の応募があったそうです。歌唱はあさみちゆきと決まっていました。それにしても結木 瞳さんの歌詞、スゴイ!蝉はひと夏の間、命をかけて鳴くのですが、命をかけて愛した男に捨てられたおんな...四畳半一間にじっとして、二日も三日も何もせず、土に還った蝉のように電気も消して布団にくるまっている、哀し過ぎます。
 第50回日本作詩大賞については日本作詩家教会のホームページをご覧下さい。
四畳半の蝉
作詞:結木 瞳
作曲:山崎ハコ

 ♪あなたに捨てられた 人生は
 ♪生きているのが 辛いから
 ♪電気も消して 布団にくるまり
 ♪わたしは時々 死ぬのです
 ♪二日も三日も 何もせず
 ♪泣き声ひとつ あげないで
 ♪四畳半一間 じっとして
 ♪土に還った 蝉のように


あさみちゆきはキュートですね

 あさみちゆきさんは、アマプロ問わず参加できる2016年の第1回全日本こころの歌謡選手権大会に出場、足掛け9ヶ月の全国各地区予選を勝ち上がった人たちが12月初めに東京での決勝大会に臨みました。ここでこころうた大賞に輝き、文字通り日本一の歌うまを証明しました。長く活躍してほしい歌い手さんです。
あさみちゆき公式ウェブサイト →https://asamichiyuki.com/
あさみちゆきオフィシャルブログ by Ameba「いつも青春!!ボロロンブログ」→https://ameblo.jp/chiyuki-asami/(新ブログ)
テイチク あさみちゆき→http://www.teichiku.co.jp/teichiku/artist/chiyuki/

■ 16歳紀平梨花さんがシニア初戦女王に続き、NHK杯優勝!

 2018年9月22日、スロバキア・ブラチスラバで行われたフィギュアスケート:オンドレイ・ネペラ杯フリーで、ショートプログラム(SP)首位の紀平梨花さん(16=関大KFSC)がフリーもトップの147・37点を記録し、合計218・16点で衝撃のシニア初戦優勝を飾りました。冒頭でトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)−3回転トーループの連続ジャンプを成功させ、さらに2本目のトリプルアクセルにも成功。新フリー「ビューティフル・ストーム」で次々とジャンプを決めていき、得点表示を見るや、笑顔で万歳をして喜びを表現しました。今季から新ルールとなり、シーズン前に過去の得点記録がリセットされたため、横一線のスタートとなっていますが、合計点はシニア女子において世界最高得点(ジュニアではロシアのトルソワが221・44点をマーク)です。浅田真央さんに憧れる日本女子屈指のジャンパーが、最高のスタートを切りました。
 11月10日広島県立総合体育館で行われたグランプリ(GP)シリーズ第4戦、女子では、ショートプログラム(SP)5位と出遅れた紀平梨花は、フリー1位の154.72点をマークし、合計224.31点で逆転し、日本勢初となるGP初出場優勝を果たしました。SP2位の宮原知子(関大)が合計219.47点で2位、SP3位の三原舞依(シスメックス)は合計204.20点で4位でした。紀平梨花の演技に、静寂に包まれていた会場が大歓声に包まれました。演技冒頭、紀平梨花はトリプルアクセルを9月22日同様、3回転トーループとのコンビネーションで決めました。続けて単発のトリプルアクセルも決め、大逆転でGPデビュー戦優勝、これは日本人初です。ミスなく滑りきったその度胸は恐るべきですね。「一つ一つのジャンプに集中すればできる」と、手を上げて出来栄え点(GOE)を稼ぐなど圧巻の滑りで、演技後は観客も総立ちの大拍手。これに「自然に出た」という両手を上げたガッツポーズで応えました。フリー154.72点の高いスコアは、フィギュアスケートをよく知る観客たちにも驚きの高得点、自身も「こんなに点数が出るとは思わなかった」と興奮の様子でした。またひとり、新星出現ですね。

紀平梨花さん


■ 大谷翔平MLBアメリカンリーグ新人賞
 大谷翔平新人賞、良かった!鶯宿温泉ホテル加賀助でテレビを見ていて、岩手県はこの話題で持ち切り、出身の奥州市小澤市長は栄誉賞を贈らなくっちゃとニコニコ、その後のニュースで岩手県の競馬に出場する競走馬から相次いで禁止薬物が検出されて、岩手県競馬組合の副管理者でもある小澤市長は渋い顔。ただ今岩手競馬はこの問題のため、開催停止中です。
(2018年11月13日)


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