■ NHK朝ドラ100回記念「なつぞら」 NHKの朝ドラは、ドラマ界の中では安定的に20%以上の視聴率を稼ぎ出す国民的ドラマです。忙しい出勤時間に見れない人のために深夜0時45分から再放送したり、BS3;NHKプレミアムで朝にも放送されています。 2019年4月からの朝ドラは、100回記念の「なつぞら」です。戦争で両親を亡くし、父の戦友の養女として引き取られたヒロイン奥原なつ(広瀬すず)が、北海道を舞台に、亡き父の戦友の柴田剛男(藤木直人)と、その妻・富士子(松嶋菜々子)、柴田夫妻の父泰樹(草刈正雄)に育てられ、豊かな想像力と開拓者精神を生かし、アニメーターを目指す姿を描くものです。 このドラマはヒロイン奥原なつ(広瀬すず)が最初に出てきて、北海道の広大な景色の中でキャンバスに向かい絵を描いているところから始まります。そして東京からわざわざ懐かしい男子学生が訪ねて来ました。こうした、将来を予感させるところから舞台は一転、東京大空襲で焼け出され、母も失った幼いなつ(粟野咲莉)が苦労して生き抜く中、孤児院の兄と親戚の家に預けられた妹と別れて、戦死した父の戦友柴田剛男に連れられて、北海道・十勝の酪農牧場にやってくるのです。柴田剛男の妻富士子は優しく受け入れてくれます。しかし、富士子の父泰樹は「赤の他人」のなつに優しい言葉はかけません。「何でもやりますからここに置いてください」というなつに、「じゃあ明日から朝早く起きて手伝え」と言います。なつは必死に働き、それを見ていた泰樹は牛の乳搾りをやらせます。牛は心許した人間でなければ受容れず、時には蹴飛ばされて命の危険さえあります。 ■堂々とここで生きろ ある日泰樹は、なつ(粟野咲莉)を馬車に乗せて帯広の闇市に出かけます。泰樹は、両親を亡くして戦後の東京で必死に生き抜き、兄弟と離れて北海道にやってきたなつに長靴を買い与えます。さらに馴染みの菓子屋・雪月へ行き、出迎えた雪月のとよ(高畑淳子)は泰樹が孫の夕見子(荒川梨杏)を連れてきたと勘違いし、戦地から帰還したばかりの息子、菓子職人の雪之助(安田顕)と妻の妙子(仙道敦子)も出てきて、どんどん話が膨らんでしまって収拾がつかなくなりますが、結局は孫ではなく「弟子」だということが分かります。なつと泰樹は雪之助が作ったアイスクリームを食べ、泰樹はなつに静かに語り掛けます。「それは、おまえがしぼった牛乳から生まれたものだ。よく味わえ。ちゃんと働けば、ちゃんといつか報われる日が来る。報われなければ、働き方が悪いか、働かせる者が悪いんだ。そんなとこはとっとと逃げ出しゃいいんだ。だが、一番悪いのは、人が何とかしてくれると思って生きることだ。人は人をアテにする者を助けたりはせん。逆に自分の力を信じて働いていれば、きっと誰かが助けてくれるんだ。おまえはこの数日、本当によく働いた。そのアイスクリームは、おまえの力で得たものだ。おまえなら、大丈夫だ。だから、もう無理に笑うことはない。謝ることもない。おまえは堂々としてろ。堂々と、ここで生きろ」・・・なつは涙を流して黙って聞き入っていました。 ■歴代ヒロイン7人出演 「なつぞら」は100回記念であるだけに、NHKにも特別な思い入れがあるようです。出演者の豪華さを見ても、いかに気合が入っているかがわかります。男優はイケメン揃いだし、これまでのヒロインがバンバン出てきます。松嶋菜々子(45)は1996年前期「ひまわり」、小林綾子(46)はNHK放送開始30年記念1年ドラマ;1983〜84年「おしん」、山口智子(54)は1988年後期「純ちゃんの応援歌」、比嘉愛未(32)は2007年前期「どんど晴れ」、貫地谷しほり(33)は2007年後期「ちりとてちん」のヒロインです。1961年に放送された朝ドラ第1作「娘と私」のヒロインを務めた北林早苗(75)も、東京の焼け跡で、妹を背負って食べ物を乞うなつに、死んだ孫の分をあげるよと芋をくれるお婆ちゃんとして登場しました。1996年後期の「ふたりっ子」のヒロインを務めた女優の岩崎ひろみ(42)もなつの先生役で出演して、朝ドラヒロイン経験者が7人集結しました。もしかすると、展開によってはさらに...? ■ なつは「むじょけ」
■ 「むじょけ」を調べたら・・・ 「むじょけ」と言う言葉をネットで調べたら、呉善花さんの「日本語の心」−言葉の原風景をたずねて−(日本教文社)と言う本が真っ先に出てきました。その第二章「心の歴史を保存する言葉」の第十二項「愛と憐れみ」(131ページ)のところに「むじょけ」が出てきます。
■ 愛と憐れみは「もののあわれ」 「ムゾイ」と「メゴイ」は同じ「かわいい」を表す言葉で、千葉方言や四国方言にはかわいいことを「ムゴイ」と言うことがあります。ムゴ=愛子で、「ムゾイ」と「ムゴイ」は同じ意味で使われていました。現代では「残酷」を意味する「ムゴイ」が、方言では「メゴイ」と同じかわいいという意味で使われてきたのは何故か?国語学から見ればかわいいという言葉の歴史的変遷がスッキリと見えて来ますが、民俗学的にはどうか。柳田国男はもともとは一つの心の感動を表す言葉が、二つに分化し、メゴイ、ムゴイと形を変えて言うようになって行ったと見ていて、この二つとは愛と憐れみである、ということらしいのです。東北では「かわいい」にはなるべくメゴイを使い、「かわいそう」「ふびんな」ときにはムゴイが用いられたということです。古くは愛されるものとは弱くて小さな相手であり、「憐れみ」とは同情ではなく小さなものを慈しむ愛の心だったのだと言います。愛と憐れみが分化する以前の感動をたどっていけば、どうしても「もののあわれ」に行き着くのだそうです。すなわち愛と憐れみは「もののあわれ」では一つのものであり、こうした日本人の精神文化が、東北や九州ではつい最近まで残っていたということに、韓国から日本に帰化した呉善花(オ・ソンファ)さんは感動したのだそうです。 ■ 韓国生まれの人に日本の歴史と文化を教えられる
■ 韓国での反日教育に染められて... 呉善花さんは今では知日派として知られますが、韓国での学校教育によって反日主義に傾倒していたそうです。韓国では「反共」「反日」を徹底的に教育します。しかし、戦前に日本在住経験のあった父母は何故か日本のことを悪く言わず、それは教育程度が低いからだと思って、ますます勉強せねばと思ったそうです。来日して初めて金日成(キム・イルソン)の写真を見ました。韓国では写真は無く、いかにも凶暴な悪魔のように描かれていた絵を見せられていて、写真との違いにビックリ、「なんてハンサムで穏和な顔をしているのだろうか」と思ったそうです。 呉善花さんによると、韓国の反日教育の根本は「野蛮な日本人」だそうです。文化も何もなかった時代の日本に、儒教・仏教・技術をはじめとする高度な文化を伝えてあげたにもかかわらず、日本はその恩を忘れ、古代には「神功皇后による三韓征伐」や「任那日本府(日本による朝鮮の植民地)」があったなどの捏造記事を国史に記載し、中世には豊臣秀吉による朝鮮侵略が行なわれ、近世末には国学者らにより韓国征伐論が唱導され、明治初期には政府内に征韓論が火を噴き、韓国の江華島に砲撃を加えて戦争を仕掛ける、遂には30年以上にわたる朝鮮支配・・・、このように歴史を連続させ、この流れを一連のものとみなして、その根本的な原因を「日本民族の野蛮で侵略的な資質」に求めるのが、韓国の反日民族主義史観なのだそうです。 ■ 韓国入国拒否
■ 若者は新大久保でフィーバー ただ呉善花さんが祖国の韓国を嫌っているわけではありません。彼女はただ、自分が受けてきた教育は間違いだった、日本はそんな悪い国ではないよと言っただけです。実際、韓国の若者たちは、本音ではニッポン大好きの人が多いそうです。公の場では「日本はヒドイ」と言っていても、水面下では日本が好き、これは日本でも実は同様みたいですよ。一部ネトウヨが激しく韓国文政権を攻撃していますが、先日NHKのテレビ番組で、今新大久保が熱い、と特集していました。新大久保と言えば、言わずと知れた朝鮮街です。ここに日本の若者たちが集まってフィーバーしているのだそうですよ。朝鮮大好きという日本の若者たちのメッカなのだそうです。日韓両国政府は只今、かつて無い冷え切った関係にありますが、若者の世界ではそんなこと関係ない、こうしたところからボトムアップして、両国関係が良くなっていけばいいと念願します。現実問題、経済界では日韓はお互い切っても切り離せない関係に有り、報道で見られるような日本財界の韓国離れなど現実的ではありません。 ■ イギリス生まれの人から見た日本
■ 日本人の勝算 この本の目次を見れば、大体大枠は分かります。 第1章 人口減少を直視せよ――今という「最後のチャンス」を逃すな 第2章 資本主義をアップデートせよ――「高付加価値・高所得経済」への転換 第3章 海外市場を目指せ――日本は「輸出できるもの」の宝庫だ 第4章 企業規模を拡大せよ――「日本人の底力」は大企業でこそ生きる 第5章 最低賃金を引き上げよ――「正当な評価」は人を動かす 第6章 生産性を高めよ――日本は「賃上げショック」で生まれ変わる 第7章 人材育成トレーニングを「強制」せよ――「大人の学び」は制度で増やせる デービッドさんの仰ることにも激しく共感します。日本は長いこと経済が低迷し、外国からどんどん置いてけぼりにされ、給料も上がらず、貧富の格差が拡大しているのに、日本人は全然怒らない、政治的には一党独裁みたいになっていて、極めて安定している。どうして日本人は現状打破しようと思わないのだろう? デービッドさんは言います・・・ただ今の少子高齢化は、国の存亡にかかわる危機です。明治維新よりはるかに大変な事態で、対処の仕方を間違えれば日本経済に致命的なダメージを与えかねない一大事です。それほど大変な状況に直面しているというのに、日本での議論はなんとも「のんき」で、危機感を覚えているようにはまったく思えません。こういう議論を聞いていると、正直、どうかしているのではないかとすら思います。「のんきな議論」は、日本社会のありとあらゆる場面で見ることができます。あらゆる問題は「給料が少ない」ことに帰するのです。生産性の向上ができない経営者は、増える一方の社会保障負担を捻出するだけの才能がないのです。潔く企業経営から撤退してもらいましょう。人手不足は当分続くので、労働者は才能のある経営者のところに行けばいいのです・・・どうですか、「なつぞら」で柴田泰樹(草刈正雄)がなつに言ったこと、そのままではありませんか。前々回、堺屋太一氏が仰ったことにも触れましたが、今の日本国政府と官僚、そして経済界にこのまま委ねていたら日本は大変なことになります。だから野党ということではありません。「ちゃんと働いていれば報われる」ようにしなければならないのです。「働けど働けど・・・」という石川啄木の世界にだけはしてはなりません。 ■ ボーイングの「737MAX8」機墜落事故原因 エチオピア航空が運航する米ボーイングの新型機「737MAX8」が墜落した事故で、操縦士は離陸から墜落までの6分間、同機の自動飛行制御システムと格闘し続けていたそうです。ボーイング社は、機体の失速を防ぐ目的で搭載された「MCAS」と呼ばれるシステムに問題があったことを認め、ミュレンバーグ最高経営責任者(CEO)が謝罪しました。
■ 第91回選抜高校野球大会は東邦(愛知)が優勝 第91回選抜高校野球大会は東邦(愛知)が習志野(千葉)を6―0で下して30年ぶりの大会制覇、それも平成最初と最後のセンバツを制するというドラマチックなフィナーレとなりました。エース兼主将の大黒柱石川(3年)が、打っては2発4打点、投げても3安打完封と大活躍でした。海外遠征から帰国した東邦のマーチングバンドに、大阪桐蔭高校吹奏楽が加わっての強力な応援が何より励みになったのではないでしょうか。 ■ イチロー国民栄誉賞3度目の辞退 先月末に現役引退を表明した米大リーグ・マリナーズのイチロー(45)が、政府が授与する方向で検討していた国民栄誉賞を辞退すると伝えた模様で、政府も了解したそうです。固辞するのは3度目で、おそらく今後も野球界に関わっていく強い意思を示したものとみられます。まだ賞を頂く場面じゃないよ、ということでしょう。「令和」時代を迎える中、受賞第1号が期待されていましたが、先般書いたように、西澤潤一先生がノーベル賞を超える存在であったが如く、イチローも国民栄誉賞を超える存在ということで、いいのではないでしょうか。 (2019年4月9日) |