313  スマホ料金
 3月6日(水)は啓蟄 (けいちつ) でした。冬眠をしていた虫が穴から出てくる頃という意味です。庭のダンゴムシはもうバリバリです。柳の若芽が芽吹き、蕗のとうの花が咲く頃というのが啓蟄の一般的な解釈です。我が家の庭では沈丁花が満開になり、薔薇やアジサイ、ユキヤナギも緑の葉が出てきました。11日(月)は東日本大震災から早や8年ですね。あの恐ろしかった記憶、いまだに脳裏に焼きついています。

■ アクアリゾート いるまの湯
 3月4日は月曜日、エコパが休みなので、入間市の「AQUA RESORT いるまの湯」に行きました。露天の岩風呂、湯腰掛、炭酸泉つぼ湯、寝ころび湯、屋内の癒しのぬる湯(替り湯)、電気&座楽の湯/ハイパージェット、ヒーリング&ぐるぐるジェット、爽流の湯・泡流の湯、蒸気蔵(麦飯石スチームサウナ)、熱気蔵(スタジアムサウナ)、塩サウナ、そして水風呂、色々な風呂をリーズナブルな料金で楽しみたい方に超お奨めのスーパー銭湯です。筆者は、三種類のサウナがお気に入りです。スーパー銭湯なのに、料金は銭湯と同じです。

AQUA RESORT いるまの湯の外観

料金看板…埼玉県公衆浴場業生活衛生同業組合の銭湯料金です

■ 入間川の笹井堰が新河岸川の源流
 「アクアリゾート いるまの湯」の隣には入間川が流れています。137『』(2014年8月31日)で、入間川の笹井堰が新河岸川の源流であることを書きました。豊洲や晴海、竹芝から浅草・吾妻橋と隅田川を遡ると、やがて新河岸川となり、川越で赤間川になり、笹井堰で入間川から分流する、まさにそこに「アクアリゾート いるまの湯」があるのです。川好きの筆者にはたまらない地なのです。
笹井堰

■ ルネサスが一時帰休実施
 半導体大手のルネサスエレクトロニクス株式会社が前工程工場、後工程工場ともに一時帰休を実施するそうです。前工程は5月と8月の大型連休にあわせて2回(それぞれ1ヶ月程度)、後工程工場については、顧客への出荷対応を考慮し、4〜9月のあいだ、複数回に分けて実施し、1ヶ月あたりの稼働日数は14〜15日程度になる模様です。主力製品のマイコンを中心に足元では予想以上に需要低迷が進んでいることを示しています。中国の景気減速の影響であり、これは今後工作機械や各種製造装置メーカーにも波及して行くでしょう。中国がくしゃみをすれば日本が風邪を引くという経済関係だけにヤバイですよ。実際3月8日の東京株式市場では、ルネサスエレクトロニクス <6723> が▲15%安に迫る暴落のストップ安で引けました。日経平均株価(225種)も大幅に4日続落、一時は2万1000円の節目を割り込みました。終値は前日比430円45銭安の2万1025円56銭で、2月15日以来、3週間ぶりの安値となりました。

■ 国内景気、すでに後退局面か?
 景気動向指数の1月の基調判断について内閣府は3月7日、これまでの「足踏み」から「下方への局面変化」に引き下げると発表しました。1月の景気動向指数(2015年=100)の速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月より2.7ポイント低い97.9でした。5年7ヶ月ぶりの低い水準です。悪化は3ヶ月連続です。10月が「景気の山」で、中国経済減速の影響から、中国への工業製品の輸出が減ったためと見られ、景気がすでに後退局面に入った可能性が高いと言うのです。しかし政府は1月末、景気の拡大が戦後最も長い6年2ヶ月に達した可能性が高い、と宣言していました。これはどういうことでしょう?基調判断を昨年12月まで4ヶ月続いた「足踏み」から「下方への局面変化」へと機械的に切り替えた形ですが、景気の拡大が終わったという正式な判断は、「山」を越えたと見られてから少なくとも1年ほど後までのデータも分析したうえで、内閣府が行うものなのでまだ分かりません。ただ日経平均株価は10月に2万4千円越えのピークに達し、その後は落ちていますので、景気の先行きを示すのが株価と考えると、どうやら今後上がっていくことは無い、すなわち後退局面に入ったと見るべきでしょう。

■ 怖いのは日銀の...
 こういうニュースの後、テレビ局はすぐ街角インタビューを行いますが、ほぼ全員「景気が良いという実感はありません」と言います。「景気」というものがあくまで企業の動きを反映したものであって、庶民の生活とは無関係だからです。データを見れば一目瞭然です。給与所得者の「手取り」はずっと減り続けているからです。税金や社会保険料の増加のためです。これで消費税が上がったらどうなるか、誰でも判りそうなものですが...人口が減り続けているのに新築住宅がドンドン建っていく、何故か?マイナス金利政策のためカネが借り易いからです。怖いのは日銀の投資信託24兆円、海外投資家が売り浴びせたら支え切れないと予想します。取引はAIが行っていますから...いつの時代も、庶民は後で青ざめるのです。今回は国民の年金資産が抵当に入っている形ですから、ゴメンネでは済みません。

■ 世界的にも不安な状況
 海外でも中国経済の減速の他、英国のブレグジットが迫っています。ドイツ経済も怪しくなってきました。米国経済は堅調ですが、トランプ大統領の足元が危うくなってきました。日韓関係は史上最悪です。韓国は文大統領が最低賃金を引上げた結果、企業の反発を招いて失業率が上がり、金融危機再燃か?とまで言われています。米国とのFTA見直しでは煮え湯を飲まされ、頼みの中国は日本に秋波を送る有様です。韓国は対日貿易収支赤字ですが、構造的に日本から輸入する素材や部品が輸出材の生産に欠かせないのです。貿易のパートナーを批判しても良いことはないのに、経済の暗雲から国民の目をそらすためには対日批判・・・文大統領はかなり追い込まれています。日本経済も東京オリンピックまで持たないかもしれません。

オオイヌノフグリ

■ スマホ料金下げろ!
 さて今回は137『ケータイ料金値下げ』(2015年10月24日)の続編です。安倍晋三首相が2015年9月11日の経済財政諮問会議で、「携帯料金などの家計負担の軽減は大きな課題だ」と述べ、スマホ通信料などの負担を減らす方策を検討するよう指示した、というニュースを受けて書いたものです。実にもう3年半も前の話ですよ。今になって、やっとこの話が現実のものになりつつあります。
 その後日本国政府は携帯料金が諸外国に比べて高過ぎるとして4割値下げしろと大手三社に迫りました。背景には菅官房長官の意思があります。2019年10月から楽天の参入も許可して、更に競争を加速させるそうです。確かに現在のユーザー平均月額7千円から1万円の支払いは高過ぎますよね。菅官房長官が言うように、「4割値下げの余地がある」のなら、月額4千円から6千円で済むことになり、日本国政府が想定しているのは月額5千円程度みたいですね。楽天はこれまでも楽天モバイルというMVNOで大手キャリアから回線を借りて格安スマホ事業を展開してきました。今後は大手キャリアの一角に入ろうというのですから、ドコモ、KDDI、ソフトバンクに頼ってローミングするわけには行かないでしょう。自前の基地局が必要になります。いくら仮想化技術を駆使したとしても、基地局だけは不動産が必要なのでどうするんでしょう?

■ 頭を使えばスマホ料金下げられた
 携帯やスマホの平均料金を下げるために最も簡単な方法は、無駄なオプションや高額なプランに入らないことです。ほとんどの人が、加入しているのを知らずに使っていないものにお金を払っていると言われています。これまでも賢い人はパケ放題やかけ放題を使って月額6千円程度に抑えていたはずです。ましてやSIMフリーなどだったら月額3千円程度で使えていたはずです。実際137『ケータイ料金値下げ』(2015年10月24日)によれば、当時筆者が使っていたauスマホの月額支払いは5,428円と書いてあります。連れ合いは当時ドコモのガラケーで、多分月額3千何がしの支払い、つまり夫婦で9千円ぐらい支出していたのでは?と思います。この時点で「auへの寄付活動は近々止めて、近々格安スマホに乗り換えようと思って検討中」と書いていますが、実際にイオンモバイルに変更したのは4ヶ月ちょっと後で、通話料やSMS通信料を別にして1,438円でした。なんと、5,428円→1,438円、4分の1になりました。つまり年間4万8千円も寄付していたわけです。連れ合いもイオンモバイルでSIMをシェアすることになったのは更に10ヶ月後、通話料やSMS通信料を別にして夫婦で3,438円になったのです。auとdocomoをやめて年間6万円以上の低減です。

■ スマホ料金下げます!
 「2〜4割程度、料金を低廉化させたい」・・・我が後輩であるNTTドコモの吉澤和弘社長が昨年新料金の方針を発表したときはモバイル業界に激震が走りました。なんでまた4千億円の利益を手放すんだ?と株主は面食らって、NTT株は一時ストップ安になりました。しかし吉澤社長は単に政府のご意向には逆らいませんよと言ったのではありません。これまでの料金プランはスマホ端末とのセットプランが主流でした。これを見直して本来の通信料はできるだけ確保するというのが本音のはずです。

■ 実は通信費は下がっている
 137『ケータイ料金値下げ』(2015年10月24日)をジックリご覧になれば、「庶民の義務的経費」すなわち電気代やガス代、水道代、交通費などが皆上がっているのに通信費だけが下がっているという経済産業省のデータが出ています。携帯料金は高いかもしれませんが固定電話代が急減しており、郵便代も急減しているからです。しかし通信費を所管する総務省は、家計支出に占める通信費の割合が年々上がっているというグラフを経済財政諮問会議に示して、だから携帯料金を下げなければいけないんだ、としたわけです。実は通信料金は国際価格に連動せざるを得ないので、日本だけが高いのではありません。上で書いたように諸外国に比べて高過ぎると言う総務省自身が発表しているデータを見ると、東京はニューヨークやソウルより安いのです。ただ外国では複数契約、例えば家族全員で加入すると安くなるという方式が定着しているのに対し、日本では工夫が求められます。
フキノトウ
 それ以上に問題なのは、総務省が「携帯料金が家計支出に占める割合が増えているから値下げしろ」と言っている点です。海外では所得が増えていますから通信費があまり問題にならないのに、日本は「失われた20年」の間所得が増えない、結果的にデフレが続き、実質所得は減ってきたのが実態です。欧米はこの間所得が1.5〜2倍に増え、中国は5倍以上になり、韓国も倍以上に増えたのです。日本だけが減った、すると家計支出も減るので、国際価格に連動した通信費の割合が上がっているように見えるのです。まさしく数字のマジックですね。分母を増やさないで分子を下げろと言えば、よく分からない国民は拍手喝采しますが、実は経済全体にとってはマイナスになるのです。なぜならそれによって設備投資は縮小に向かい、広告業界にとって今や大ユーザである業界からの収入減少が予想されるからです。

■ スマホと通信料金が分離される
 2019年4月からスマホの端末代金(分割金)に対する割引を禁止せよと有識者会議が提言しました。携帯大手(キャリア)はこれまで、通信契約を前提にスマホ代を安くするプランが主流でした。ただ安くなる期間はスマホを分割で支払う2年間です。2年を超えて同じスマホを使うと割引が無くなり、逆に支払いが増える仕組みでした。そのため多くの消費者は2年おきに最新のスマホに乗り換えていたのです。結果として最新機能を必ずしも求めていない人にも最新の高額スマホが行き渡り、結果としてホクホクしていたのはアップル、サムソン、ファーウェイ、ZTEなどです。さらにそれらを生産する国に製造装置や半導体を供給する日本企業でした。まだ新しいスマホが中古市場に出回り、SIMフリーの利用者に恩恵を与えていました。通信事業者はスマホの割引分を回収するために、もともとの通信料金を高めに設定し、結果として利用者の総支払額が高くなっていたのです。スマホの割引分を考えなくて良ければ通信料を下げても利益は確保できるのです。キャリアはこの方向で総務省の要望に応えるでしょうが、するとスマホの購入が日本市場では急減するでしょう。それによって困るのは実は日本のメーカーなのです。

■ 我が家はイオンモバイル
 我が家では夫婦でイオンモバイルに切り替えて、二人の合計料金が通話料込みで月額4千円弱です。イオンモバイルはMVNO(仮想移動体通信事業者)、SIMフリーだからです。メールやブラウザ参照しても、高速通信データ容量4GB(繰越Max8GB)で十分だし、通話はイオンでんわ利用で大してかからないからです。自宅の固定電話を解約する人が増えています。我が家はNURO光なので月額基本料5百円ですが、振り込め詐欺対策で留守電にしているくらいですから、不要とも言えるけれど、FAXがあるのでそのままにしています。スマホ通話もあまりしませんが、本格的にしゃべりたいと言う人は、イオンでんわ10分かけ放題¥850とか、050かけ放題¥1500を利用すれば良いそうです。1回の通話が10分以上なんてアリエナイ気もしますが...

■ MVNO
 ところがMVNOの利用者は2018年でもまだ20%に届きません。その中で楽天モバイルが断トツトップで2割強、mineoが二位、OCNモバイル三位、UQモバイル四位、イオンモバイルは七位です。ただしソフトバンクの第二ブランドであるワイモバイルはキャリア第四位としてMVNOに入ってなくて、楽天モバイルの倍近いシェアがあります。現実にはワイモバイルも実質MVNOです。我がイオンモバイルは、日本の全利用者のわずか0.5%に過ぎません。どうして大手キャリアから皆さん脱却しないかと言いますと、「安心だから」というのが半数以上の理由だそうです。裏返すと、「面倒だから」だそうです。9割以上の人が「格安スマホ」を知っているそうですが、「格安」と言う言葉から「何か不便なところがあるのでは?」とか、「通信速度が遅くなって不安」、「通信容量が不安」とか思っているようです。しかし現実には我がイオンモバイルも通信速度なんて以前のauと変わりないし、筆者が使っている高速通信データ容量4GB(繰越Max8GB)もメール、ブラウザをガンガン使っても使い切れません。もちろん、四六時中スマホとにらめっこしてSNSやってる人や、PCでテザリングしたり、ゲームをやったり、テレビを見たり、写真撮っては送りまくる、音楽聴くのが主なんてヒトはダメですよ。結局半数以上は十分スマホを使っていないのに高い金を払っているのが現実なのです。

■ チキンラーメン
 すぐおいしい、すごくおいしい・・・がキャッチコピーの日清食品チキンラーメンは世界初のインスタントラーメンです。お湯かけ3分、煮込んで1分、黄身ポケットと白身ポケットのWたまごポケットがポイントです。
 日清食品は世界初とされるインスタントラーメン「チキンラーメン」が、発売から60周年目にあたる2018年度の売上高が、3月1日時点で史上最高を更新したと発表しました。開発者で同社創業者、安藤百福さんと妻の仁子(まさこ)さんをモデルにしたNHK連続テレビ小説「まんぷく」の放映で人気が高まり、売り上げ増につながったようです。チキンラーメンは1958年に発売されるや「家庭で手軽に食べられるラーメン」として人気を博しました。インスタントラーメンはその後、世界で年間1千億食が消費される食品に成長しています。1958年発売ということは、「還暦」ということです。「還暦」で、売り上げ記録史上最高って、すごくないですか?
 NHKの朝ドラ「まんぷく」の主題歌が、ドリカムの「あなたとトゥラッタッタ♪」ですが、これが評判になっています。1992年に「ひらり」のテーマソング「晴れたらいいね」を担当して以来のドリカムです。歌詞は、吉田美和さんの作詞で、ドラマの内容をよく表していると言う感想の一方で、歌詞が聞き取れない、変だ、と言う感想もあるのです。「チャシツボってなんだ?」と言ったら連れ合いが「あたしスゴイだよ」と言います。聞き取れないことで興味を持たせる、スゴイ戦略だ!

チキンラーメン

■ NHK大河ドラマ「いだてん」視聴率低迷
 NHKの朝ドラは視聴率20%越えが定着し、ドラマでは常に一人勝ちが当たり前みたいになっていますが、もう一つのNHKの看板番組であった日曜午後8時の大河ドラマはこのところ逆に低迷が続いています。今年の「いだてん〜東京オリムピック噺〜」は更にひどく、史上最速で平均視聴率1ケタ台突入と騒がれていますが、3月3日放送の第9話まで4話連続で平均視聴率1ケタを記録するなど、不振続きです。
 ドラマは主演を中村勘九郎(37)と阿部サダヲ(48)が務め、東京高等師範学校の嘉納治五郎校長の元に五輪の招待状が届いた1909年から1964年の東京五輪開催までの激動の55年間を描くものです。1912年ストックホルム大会で、マラソン選手として日本人で初めて五輪に出場したが不本意な結果に終わった金栗四三(中村勘九郎)と、東京に五輪を招致するために尽力した日本水泳連盟会長・田畑政治(阿部サダヲ)を中心に2部構成です。朝ドラ「あまちゃん」で好評を博した宮藤官九郎氏(48)が脚本を手掛け、ビートたけし(72)が物語の語り部となる伝説の落語家、5代目・古今亭志ん生を演じています。
 実は筆者も大河ドラマファンですが、初回を見てなんだかワケが分からなくて、第二回を見た後、見る気を失いました。しかし段々面白くなってきたよという番宣を見て、第8回、9回、10回とを連続して見ましたがやはりワクワクしません。豪華キャストで、金もかかっている感じ、それなのに何故?主人公のことを知らない人が大半だとか、ビートたけしの語りがボソボソしてハッキリしないとか、物語の展開がめまぐるしくて良くわからんなどという声がありますが、ワクワクして次も見たいと思わせないということは脚本が悪いということでしょう。後半になれば反省して面白くなるのかな?

■ ゴーン被告保釈
 特別背任などの罪で起訴されている日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(64)が2019年3月6日(水)東京拘置所から保釈されました。保釈保証金は10億円、3回目の保釈申請でやっと認められた形です。検察側の準抗告を東京地裁は棄却しました。勾留108日、作業着姿に身を包み、拘置所の玄関に回されたスズキの軽自動車に乗り込んで拘置所を出発、その後をオートバイが追い、上空からはヘリコプターで撮影、いったいなんなの?この騒ぎ。日産車でもルノー車でもなく、スズキの軽自動車というところがなんとも可笑しいですね。ワークマンで買った作業服に、埼玉県川口市で鉄道車輌の製造、組立、整備などを行う「日本電装株式会社」の今は使われていない作業帽子をかぶった「変装」が話題を呼びました。同社とゴーンさんは全くつながりが無いそうです。

■ 助かったと胸なでおろす裁判所
 2月に元東京地検特捜部長の大鶴弁護士から「無罪請負人」広中弁護士に代り、東京地裁が保釈せざるを得ないと判断するような条件提示をして、、拘留長期化で段々検察と裁判所に国内外世論が冷たくなって行く中、裁判所にとってはいわば救いの手が差し伸べられた形でした。広中弁護士はゴーン被告の「変装」を問われて、東京拘置所に派遣した弁護士たちのアイデアでしょうと答えました。そして当の弁護士は「変装は失敗だった」と言ったそうです。誰が見ても当人と判るし、オートバイとヘリコプターでは逃げられません。そもそもパパラッチから逃げることさえ、国際的には無理といわれています。

■ 事件の本質は
 「変装」について何やかやと話題になっていますが、事件の本質はゴーン被告の行動が有罪か否かです。「社内抗争じゃないの?」という指摘すらあります。冷静に考えて、日産がどうしてここまで立ち直れたか?その影には幾多の悲劇がありました。筆者も友人が勤めていたし、企業としても大変お世話になりました。首を洗ったヒトから見る視点と、企業再生を見ていた株主からの視点は違って当然です。日本人的思考からすれば、ゴーン逮捕・拘留は水戸黄門的ドラマなら、悪代官を捕まえて、この紋どころが目に入らぬか、ひかえおろう!という場面です。

■ 特捜対刑事弁護士
 日本は今資本主義社会です。この社会では、江戸時代の考え方は通用しません。冷静に考えて、検察の正義は守れるか?広中弁護士とそのチームは、日本刑事弁護のエリート集団だそうです。広中弁護士の経歴を見れば、そのお客様はホリエモン、三浦和義さん、小澤一郎、極めつけは村木厚子さん、どうやら報酬の問題ではなく、やるべき事件かどうかが問題だ、とハムレットみたいなことで請け負うそうです。
 すると今回の事件はどうでしょう?無罪に出来ると思ったのか?厚生労働省の村木厚子さんの事件では、明らかな冤罪事件、大阪の特捜廃止論すら出ました。今回東京の特捜は、並々ならぬ覚悟で臨んでいるでしょうが、国内外のバッシングに耐えられるか?大変ですね。

■ JR東日本、新幹線試験車両「E956(ALFA-X)」
 JR東日本(東日本旅客鉄道)は、日立製作所の笠戸事業所(山口県下松市)において、5月の落成に向けて製作中の新幹線試験車両「E956」、愛称「ALFA−X(アルファエックス)」の10号車(新青森駅寄り)を報道公開しました。営業運転の最高速度「360km/h」を見据え、実験での最高速度は「400km/h程度」までを予定しているとのこと。
ALFA−Xは10両編成で、先頭車両には東京駅寄りの1号車と、新青森駅寄りの10号車で異なるエクステリアデザインを採用します。川崎重工業が製作している1号車はE5系とほぼ同じ先頭長(約16m)ながら、トンネル突入時の圧力波を抑えることと、室内空間を確保することの両立を目指しています。日立製作所が製作している10号車はE5系よりも長い先頭長(約22m)にして、トンネル突入時の圧力波を抑え、環境性能を追求します。新型車両E956になれば、盛岡→東京は1時間50分台になるそうです。

■ 東日本大震災からまる8年
 本日は東日本大震災からまる8年です。岩手県大船渡市長の戸田公明君は友人です。毎年9月の秋分の日に「さんりく大船渡・東京タワーさんままつり」のために上京するので、その前日に、筆者が呼び掛けて高校の同期生を集めて懇親します。清水建設に勤めていましたが、いわゆる介護離職でふるさとに帰り、2010年の12月に大船渡市長になって間もなくの大津波、大変なご苦労をされました。
 いま震災の被災地では、復興のあり方が大議論となっています。やはり8年の歳月は、人の心も変えるのです。震災復興事業が進んできたものの、現地へ行けば分かりますが、まだ広大な土地が、整地されながらも次の行く末も決まらずに残っています。大船渡市はいち早く復興が進みましたが、それでも「ポスト復興」のあり方が問題となっています。大船渡市の市長選挙は、2018年11月25日、これを争点として投票が行われ、無所属の現職、戸田公明君が、元参議院議員の藤原良信氏を抑え、3回目の当選を果たしました。1万2,074票対1万1,052票、わずか1,022票差で辛くも逃げ切ったという結果でした。
 これまで保革問わず幅広い支持を受けてきた戸田公明市長が、今回は保守層を切り崩されました。最後は漁協と女性の支持が決め手になって滑り込んだ形でした。復興が進んでも人が震災前のようには戻ってこない、どうするんだということでしょうか。8年歳を重ねれば、気力も体力も減退します。高齢化に伴う過疎化は地方全体の課題ですが、特に被災地は、失われたコミュニティが元に戻るのが困難なのです。

■ 三陸沿岸道路と東北横断自動車道釜石秋田線開通式
 2019年3月9日(土)午前、安倍首相、渡辺復興大臣、鈴木俊一衆議院議員、達増岩手県知事など多数の来賓を招き、三陸沿岸道路(釜石南IC〜釜石両石IC間)、東北横断自動車道釜石秋田線(釜石JCT〜釜石仙人峠IC間)の開通式が行われました。三陸鉄道も3月23日(土)全線開通します。これらインフラ整備により、地域が益々発展する事を願います。この後安倍首相以下のご一行が復興まちづくりの中心部キャッセン大船渡を訪問されました。復興状況について説明を聞き、街を視察されました。右スナップはそのときのものです。

戸田公明大船渡市長と安倍首相(3月9日)

■ 戻って来ない人々
 大船渡市は歌手の新沼謙治はじめ芸能人を多く輩出していますが、お隣の千昌夫の出身地陸前高田市は最も復興が遅れています。国の名勝高田松原が失われ、「奇跡の一本松」が話題となりました。膨大な土地のかさ上げ工事が清水建設によって行われています。しかしかさ上げされた土地に再び戻ってこようとする人が少ないのが現状です。我が従兄の宮古市の船大工だった人は岩手県内陸の奥州市(大谷翔平の出身地)に転居しました。海に関連して生きてきた人でさえ、津波への恐怖から、二度と海の近くには住みたくないと言いました。同じ年齢の船鍛冶の従兄は、高台に家を建てて引っ越しました。

■ 現職落選ドミノ
2021年3月で政府による復興事業は終わり、復興庁も解散します。津波で奥様を亡くされた戸羽太市長はまさに市長になった直後の大津波でした。2019年2月3日辛うじて三選されました。6,504票対6,499票、わずか5票差でした。被災自治体では震災後、先行きを見通せない不安や復興の遅れへの批判が「現職落選ドミノ」となって現れていますが、大船渡市と陸前高田市はかろうじて当選。

■ ど根性ポプラ
 大船渡市三陸町越喜来(おきらい)、三陸鉄道南リアス線三陸駅を降り、400mほど海側に下ったところに高さ約25mの1本のポプラの木があります。東日本大震災当時、商店や民家などの集落があった同地区には高さ約20mの津波が押し寄せ、死者行方不明者96人と多くの犠牲者を出しました。このポプラの木も半分が海水に浸かりましたが、十数回に及ぶ押し波、引き波の甚大な破壊力にも耐え、何とか流出は免れました。しかし、海水に長時間浸ったため多くの住民はポプラの木が枯れると思い心配したようです。

大船渡湾です・・・防波堤を乗り越えた津波が沿岸部を襲いました
暖かくなり緑の芽を吹きだした時は、傷ついた住民の心に希望を点す存在となりました。周囲のほとんどの建物が流され変わり果てた中で、悠然と立つポプラの姿は住民の心を慰め、奮い立つ勇気を与え、それ以来この木は誰からともなく「ど根性ポプラ」と呼ばれるようになりました。昭和初期に植えられ、海から近い低地にあるので、1933年の昭和三陸津波、1960年のチリ地震津波でも被災したそうです。ということは樹齢80年を越え、ポプラとしては古木です。震災後、当地区では市の復興計画に基づき高台移転が進められましたが、地域のコミュニティを残したいと住民が話し合いを重ね、ポプラを中心とした憩いと交流の広場を建設する構想がまとまったのだそうです。2018年2月に樹勢を回復する剪定作業が行なわれ、その後緑地広場が整備され、5月に供用が開始されました。津波で流され引っかかっていたロープや電線が取り除かれたそうです。若葉が今年も生い茂って元気な姿を見せてくれるでしょう。
昭和8年の昭和三陸津波、昭和35年のチリ地震津波、東日本大震災に耐えたど根性ポプラ
 筆者も元気なうちに、東北道花巻JCTから東北横断自動車道(E46釜石道)を走り、釜石JCTから三陸自動車道(E45三陸沿岸道路)を南下して大船渡へ行き、「ど根性ポプラ」を見に行って、元気をもらおうかな。一関から気仙沼経由では高速道が無いので時間がかかるでしょう。
(2019年3月11日)


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