311  外食店
 2月23日(土)は強い北風が吹き、その割には暖かくて、少年野球のグラウンドは目も開けられないような砂嵐でした。しかしこれは春一番ではありません。春一番には条件があって@立春から春分の日までの間、A日本海に低気圧がある、B風速8m/秒以上の南風が吹いて、前日より気温が高いという条件をすべて満たさなければならないからです。
 一転、2月24日(日)は好い天気でした。風も無く、小学校の梅の花も菜の花もきれいに咲いてすっかり春めいて来ました。我が家の沈丁花もほころびだして、これからよい香りが漂ってくるでしょう。

■ はやぶさ2リュウグウ着地成功
 はやぶさ2は2019年2月22日朝に数秒間、小惑星リュウグウに着地し、同時に試料採取のため金属製の弾丸を撃ち、数秒後に上昇、高度20キロ・メートルの宇宙空間に戻ったそうです。着地した時には、砂や石の試料を採取できた可能性が高いとのJAXA発表です。JAXAの計画では7月末までに最大であと2回、着地して試料の採取に挑み、再び地球へ帰還の旅に出て、2020年12月に採取試料を地球へ届ける予定です。昨年10月に予定されていた着地は、地表面が大きな岩だらけと判明し、着地を延期して、安全に降りられる地点を探していましたが、結局岩の少ない直径6メートルの範囲しかないとの結論でそれを目指しました。探査機の着地では、世界に例がない精度とのことですが、すごいですね。

■ 大戸屋
 前回、庭にヒヨドリがやってくることを紹介した写真に良く見ると「大戸屋」の看板が映ってますね。
 大戸屋は我が家の本当にすぐ近くです。川越街道に、大戸屋、三ツ矢堂製麺、炭火焼肉安楽亭、豚骨らーめん一指禅、焼肉きんぐ、その奥に徳樹庵と並んでいる食の街道に我が家はあるのです。詳しくは119『新居近隣の食べ物屋』(2015年6月20日)をご覧下さい。

■ お家騒動
 大戸屋と言えば、創業者が亡くなった後、遺族と会社経営陣が対立・紛糾した事件がマスコミでずいぶん採り上げられました。創業者功労金や不採算事業(山梨市にあった植物工場や上海事業など)の扱いをめぐり、創業家が経営陣に不信感を募らせたことが原因です。大戸屋の創業者、三森久実氏は19歳で家業の大戸屋食堂の事業を承継、25歳のときに大戸屋を株式会社化して社長に就任、2012年4月に代表取締役会長に就いたときが54歳です。急逝したのは2015年7月、57歳ですから若過ぎる死でした。
 大戸屋ホールディングスの窪田健一社長は久実氏の母方の従弟で、久実氏より13歳下ですが、26歳のときから久実氏とともに会社を定食屋では段トツの企業に育て上げてきました。ところが久実氏の死後、奥様及び長男である常務との間で紛争が起きました。常務は2年前に入社、久実氏の亡くなる前月に常務になりましたがまだ20代半ばです。当時、大戸屋が置かれた状況は、客数が減少傾向にあり、テコ入れが求められている時期でした。突然のカリスマ経営者の死、何としてもこの会社を守って行こうとする社長としての責任、使命感にさいなまれ、窪田健一社長は打ち手を懸命に考えていたようです。しかし遺族と経営陣との間に感情的しこりが生まれました。

隣家の柿の木にとまったヒヨドリ

■ 2億円の功労金で決着
 久実氏は、副社長まで務めた役員を平社員に降格させるなど、カリスマ経営者ならではの強引とも思える人事を行って来ました。窪田社長は、共に手を携えて経営してきたので、久実氏を尊敬していて、「店舗運営で効率化できる部分はするが、会長が大切にした手作りの味は死守する」と言います。大戸屋HDの大株主である遺族に2億円の功労金を払って決着しましたが、2017年6月開催の株主総会では14億円の資本金の会社が2億円払ったのでは屋台骨が揺らぐ、多過ぎるともめたそうです。
 久実氏の死後、長男が役員を辞任したのは、父が進めていた事業などを「負の遺産」という表現で、現経営陣に全否定されたことが理由、そのひとつが山梨の野菜工場が清算されたことでした。中国で無農薬野菜が手に入らないという状況に鑑みて実験していた施設でした。しかし、筆者に言わせれば、大戸屋経営陣の判断は間違いではないと考えます。植物工場はまだ採算レベルにありません。ただ当時は国策でイケイケドンドンと推進していた時期で、採算ではなく「安心安全な自社工場の野菜」をアピールする大戸屋の広報戦略の一環だったと思われます。

川越街道沿いの大戸屋ふじみ野店(この写真はやや古いもの)
広報費用と考えれば事業そのものは赤字でもかまわなかったのです。しかしその後世の中は変わりました。時代に合わせて戦略をスピーディに変えて行かなければ、特に生き馬の目を抜くような外食業界では生き残れません。

■ 相次ぐバカッターの不適切動画事件
 「大戸屋」で、マスクをかぶった男がズボンを脱ぎ、お盆で局部を隠すというハレンチ行為を収録した不適切動画が撮影、拡散された問題で、悪ふざけを行った店員のものと思われる個人情報が流出しました。大戸屋は投稿に関わった3人のアルバイト店員を解雇したと公式サイトで発表しました。動画は瞬く間に拡散し、実行犯捜しがスタート、素顔を見せており、早い段階での特定となりました。ネット上には撮影者の女性を含め、インスタグラムのアカウント(現在は非公開)から氏名、学校名、住所までがさらされました。悪質行為の代償は、取り返しがつかないものになったはずです。
 かつては主にツイッターに投稿されたことで、こうしたバカとしか思えない若者を「バカッター」と呼んだそうですが、今やその主流はインスタグラムのストーリーという機能に移っています。ストーリーは24時間で消えることが特徴なので、仲間内だけが見れて、ウケることを目的に気軽に投稿してしまうようです。ところがネット上には不適切な動画を見つけて炎上させることを目的とした“特定班”と呼ばれる人たちがいます。彼らは不適切な動画をダウンロードし、ツイッターなどで拡散させ炎上させて行くのです。それをまとめサイトなどが採り上げて、ますます拡散・炎上するのだそうです。炎上するほどに広告収入が増えるというトンデモナイやからです。

■ ブロンコビリーの場合
 2013年8月、『ブロンコビリー足立梅島店』のアルバイト店員のAくん(当時18)が店の冷蔵庫に入り込む写真をツイッターにアップ、この投稿は瞬く間に炎上し、翌日に店は休業。ブロンコビリーは足立梅島店との契約を解除し、翌週足立梅島店は閉店、1枚の画像がひとつの店をたった1週間でつぶしたのです。Aくんは保育士になるために専門学校に通っていましたが、その学校名や連絡先までさらされて、すっかり引きこもり、“外を歩くのが怖い”と言っていたそうです。
 2013年当時は中高生にツイッターが普及したタイミングでした。中高生に流行り始めるタイミングで騒動が起きる、今はちょうどインスタグラムが中高生に普及し、流行っているタイミングなのです。まだ大人になる前の悪ふざけ、バカではありますが、そんな時期なのです。

我が家近くのブロンコビリー

■ バイトテロ
 我が家から最も近い回転寿司はかつてはすし銚子丸でしたが閉店してしまい、その跡地にステーキハウス「ブロンコビリー」が出来ました。
 いま最も近い回転寿司は無添くら寿司です。歩いても行けます。そのくら寿司チェーンでも、生魚をゴミ箱に放り込む動画が炎上し、関与した2人の学生の氏名、年齢、学校、さらには彼女とのツーショット写真まで拡散しました。一度、ネット上に広がると、消すことは困難とされ、その後の就職活動や今後の人生に大きな影響を及ぼす可能性が指摘されています。
 他にも、セブン-イレブンではおでんのしらたきを吐き出し、踊り出して、つばのついた手で煙草を取り出したり、ファミリーマートでは商品のペットボトルのフタをなめるなど、次から次へとアルバイト店員による“おふざけ動画”が投稿されては瞬く間に炎上し、各企業が正式に謝罪文を発表する事態になっています。
 他にもすき家、マクドナルド、ビッグエコー、バーミヤンなど、広く外食業界に広がるこうした事件は、軒並みアルバイトが起こした事件で、「バイトテロ」とも呼ばれています。大戸屋のように犯人を許さないぞという姿勢を見せることで再発防止をはかる動きが一般化しています。企業は良しとして、ネット拡散させるヤカラは許せませんね。一種のリンチだからです。

      
すし銚子丸が閉店してブロンコビリーになりました

■ 回転寿司業界にも異変
 すし銚子丸は、いわゆる100円寿司ではなく、それなりにネタも良かったのですが、時代の波にもまれて消えて行きました。今や回転寿司業界は大手4社「スシロー」、「くら寿司」、「はま寿司」、「カッパ寿司」に押されてどんどんつぶれています。全国的には2018年で4千店舗、10年前から1千店舗減ったそうです。
 「くら寿司」には、昔は時々行きました。次に近いと言えば「はま寿司」です。業界ナンバー1の「スシロー」は三芳町で、車で行けば行けないこともありません。「カッパ寿司」は川越街道(国道254号)と国道16号線の交差する辺りの川越市ですからちょっと遠いけれど10kmもありません。そういえばその近くに「スシロー」もあります。しかしいずれも最近は行かなくなりました。何故でしょう?あまり理由は思い当たりません。

■ 無添くら寿司の不振
 無添くら寿司の客離れが止まらないそうです。どうしてでしょう?ちょっと前までは飛ぶ鳥を落とす勢いでした。ちなみに筆者が行かなくなった理由は単純です。カードが使えなかったからです。一度行かなくなると、もう一度行こうとさせる動機付けが無い限り行かないものです。例えば立ち食いそばやラーメン屋でカードは使いません(これまでは)。かつやでも使いませんが、回転寿司は通常一人では行かないので会計は千円札数枚になります。それがカード使えない、これからの時代にそんな商売やってる店がお客様の立場に立っていると言えるでしょうか?日本国政府が中小の商店にキャッシュレス化を補助しようとしている時代です。
 くら寿司は2016年10月期までは3年連続で前年を上回っていましたが、2017年10月期から変調をきたし、前年同月を下回る月が目立つようになったそうです。対して業界最大手のスシローは絶好調で、客数はずっと前年同月を上回っている上に、客単価も上昇が続いています。くら寿司の不調を一言で言えばサイドメニューが飽きられたのでしょう。やはり寿司屋は寿司で勝負しなければ...

我が家近くのくら寿司

■ 外食店の移り変わり
 我が家の面する川越街道、食の街道ですが、その栄枯盛衰は凄まじいですね。右写真はつい最近閉店した炭火焼肉「京雅(みやび)」です。焼肉屋やステーキハウスは近隣にドッサリあって、さながら肉街道の感もありますが、この店は中でも「仙台牛専門店」、「炭火焼肉」を売りにした高級店でした。その前はオトコ清原の顔写真がドンと張られたラーメン店でした。ラーメン屋の栄枯盛衰は日常茶飯事ですが、最近は回転寿司も閉店が相次いで、焼肉やステーキの店が増えました。「ステーキの宮」ができたと思ったら、その斜め向かいにすし銚子丸に代ってブロンコビリーが出来て、その隣にはリンガーハットに代って東京トンテキ「ステーキの王様」が出来ました。そのうち行ってみようと思っていたら、昨年末であっと言う間に閉店してしまいました。
 こういう外食店の変遷を見ていると、この業界のサバイバル競争は本当に大変だなと思います。今もっとも勢いのある業態は何か?カフェですね。スタバ、コナズ、ホシノ、コメダ、サカイ・・・あちらこちらに出来ています。平日の真昼間から混んでいるんですよ。皆さんペチャクチャ、何話しているんでしょう?

閉店した炭火焼肉「京雅(みやび)」


以前は十兵衛





今は横浜家系ラーメン壱角家


以前はリンガーハット





それが東京トンテキ「ステーキの王様」になり
    
2018年12月末閉店

■ 近所の外食店に行くか、行かぬか
 我が家のパソコンの液晶ディスプレイに向かいながら窓に目をやると「大戸屋ごはん処」の看板が見えます。引っ越して3年を過ぎましたが、まだ1回しか行っておりません。「三ツ矢堂製麺」は一度も行っていません。「炭火焼肉安楽亭」は敷地が接しているので、ご近所のよしみで良く行きます。
 では何故「三ツ矢堂製麺」や「大戸屋ごはん処」に行かないのか。サラリーマンならお昼に行くかもしれませんが、家から数十メートルの店にラーメンや定食を食べに行くのなら自宅で食事したほうが良いからです。もう一つの理由は価格です。「三ツ矢堂製麺」で最も安いつけ麺・ゆず風味とラーメンは¥810、「大戸屋ごはん処」の四元豚のロースかつ定食は¥910です。我が家の入り口の「一指禅」はいつも行列していますが、塩豚骨の一指禅ラーメンは¥670です。明らかに一指禅は安いので行列するのです。294『外食業界』(2018年10月31日)でご紹介したように、我が家の近く、マクドナルドの斜め向いのトンカツ「とんQ」(只今1ヶ月かけて改装中、3月リニューアルオープン)のやまと豚ロースかつ定食は¥1,490ですから「大戸屋ごはん処」の四元豚のロースかつ定食の¥910は安いように見えますが、「かつや」のロースかつ定食は100円引き券を使って¥645ですからこれはもう比較になりません。昨今のサラリーマンのおこづかい調査によれば、ワンコインプラスアルファのランチだそうですから、「かつや」のロースかつ定食がせいぜいです。
「炭火焼肉安楽亭」
 では何故「炭火焼肉安楽亭」には行くのか?それは家で焼肉すると煙や匂いの問題があるからです。しかも、炭火の遠赤外線での焼肉は我が家では到底ムリです。安楽亭の肉は質がどうのと言う人がいますが、それは安い肉をオーダーしているからです。黒毛和牛はしっかり高いですよ

■ 大戸屋とやよい軒の国内店舗数が逆転
 定食チェーン「大戸屋ごはん処」が国内店舗数で「やよい軒」に抜き去られたそうです。「やよい軒」は、上福岡駅前(東口東武ストアと西友の間)にあり、ガストやすき家と隣り合っています。ロースとんかつ定食¥790です。大戸屋より¥120安くなっています。2018年11月末時点の国内店舗数は、やよい軒の374店に対して大戸屋は354店(新業態含む)です。直近1年でやよい軒は31店も増えましたが、大戸屋は1店の増加にとどまりました。
 やよい軒の定食は630円(税込み、以下同)からで、中心価格帯は630〜800円、定食のご飯はおかわり自由です。一方、大戸屋の定食は720円からで、中心価格帯は800〜1000円、定食のご飯のおかわりは有料です。商品平均単価は大戸屋の方が100〜200円程度高くなっています。昔は大戸屋もやよい軒並みでしたが、段々高くなりました。
 やよい軒を運営するプレナスは、弁当店「ほっともっと」も展開しています。ほっともっとの国内店舗数は2018年11月末時点で2761店。他の業態店や海外の店舗を含めた同社の総店舗数は3401店、こうした規模の大きさを背景に、食材の仕入れコストや物流コストの低減を図っているのです。やよい軒の快進撃は当面続きそうですね。

■ 日高屋がとんかつ
 「熱烈中華食堂 日高屋」(以下、日高屋)を展開するハイデイ日高は1月末、とんかつ業態の店舗、その名も「とんかつ日高」を、発祥の地・埼玉県大宮に出店しました。価格はロースかつ定食が780円(税込み)、「やよい軒」より¥10安いですね。全般的にとんかつチェーン「松乃家」より高く、「和幸」より安い設定です。
 実はハイデイ日高がとんかつ業態を始めるのは今回で二回目で、同社はかつて、本社のおひざ元である大宮で「かつ元」というとんかつ屋を出店していたのです。しかし、2年前に近隣店舗の火災の影響を受け閉店しました。日高屋は2004年2月期より連続増収増益を続け、2018年2月期には売上高406億円、営業利益46.8億円を計上、営業利益率は10%超えです。しかし他の外食チェーン同様人件費や材料価格高騰のあおりを受けています。リスクオフのために多角化が必要という考えから、同社はすでに焼き鳥業態を28店舗展開しており、焼き鳥業態の中にはカレーライスや天丼を提供する店舗もあります。「とんかつ日高」が軌道に乗り、多店舗化できるかどうかは、ハイデイ日高の今後のカギを握ることになるかもしれません

■ 吉野家苦戦
 長らく牛丼業界を牽引し、経営も安定していた吉野家が8年ぶりに赤字転落しました。赤字に転落した要因は大きく三つ、@既存店売上高が前年マイナスに転じたA原材料費の高騰B人件費の上昇、です。ではライバルのすき家はどうか?すき家を経営するゼンショーは黒字で、しかも前年同期と比較して増益で、月次の店舗実績を見ても昨年度下期は既存店で売上高は3.8%のプラスと、経営成績は実に堅調です。
 どちらも事業を多角化する「ポートフォリオ経営」であり、吉野家ホールディングスの場合、牛丼の吉野家の比率は全体の約半分、それ以外に讃岐うどんのはなまる、ステーキのどん、寿司の京樽といった別業態のグループ企業で構成されています。さらに吉野家とはなまるを中心にアジア出店も成功しているなど海外事業が堅調です。しかし実態は牛丼事業と讃岐うどん事業の利益を、ステーキと寿司が足を引っ張っているようです。ゼンショーの場合はファミレスのココスとジョリーパスタもゼンショーグループですが、特に目をひくのが回転寿司業界のはま寿司が、スシロー、くら寿司に次いで業界三位に躍進している点です。既にはま寿司はゼンショーグループの中で牛丼に次ぐ第二の柱へと成長しているのです。ここが吉野家ホールディングスの業態ポートフォリオとの最大の違いです。

■ 値上げの広がりで問われる企業の実力
 食品や外食で値上げの動きが顕著です。2月15日にはスターバックスコーヒージャパンが定番の飲料商品の価格を8年ぶりに改定し、10円から20円程度引き上げました。カレーのCoCo壱番屋も3月から「カレーハウス壱番屋」の988店舗でポークカレーを21円引き上げるそうです。相次ぐ値上げは原材料価格の上昇に加え、人件費や人手不足の影響による物流コストの高騰が原因です。食品メーカーや外食各社は合理化によってコスト上昇を吸収しようと努力してきました。一方で価格は据え置きながら製品の内容量を減らす実質的な値上げによって、価格に敏感な消費者の買い控えを回避しながら、コストを転嫁するような工夫も重ねてきましたが、これは賢い消費者は先刻ご承知でしょう。消費者庁が昨年7月に発表した物価モニター調査では、「3年前と比較して実質値上げが増えたと感じる」と回答した人の割合が8割超だったそうです。
 今年秋には消費税率のアップも控えており、消費全体への影響が懸念されています。値上げは食品メーカーや外食企業にとって、企業の実力が試される場面でもあります。値上げを断行して客離れを引き起こした事例として最近有名なのは居酒屋チェーンの「鳥貴族」です。2017年10月、全品280円均一から298円均一(どちらも税別)に価格を改定した結果、その月の客数が前年比7%減になりました。値上げにもっとも弱いのは外食産業なのです。ほかの店舗に行ってもいい外食では、値上げが実施されると、客は簡単に流れてしまいます。賢く値上げする店は商品別に値上げ幅を変えたりする工夫をしていますが、「鳥貴族」は一律値上げ、これが失敗の素でした。

■ セブンイレブンの誤算
 大阪府にあるセブンイレブンのフランチャイズ(FC)加盟店南上小阪店(東大阪市)が「24時間はもう限界」として、営業時間を短縮したことで、本部と対立、2月1日から午前1〜6時の営業をやめ「19時間営業」を開始したところ、本部から「24時間に戻さないと契約を解除する」と通告され、応じない場合、違約金約1700万円を請求された上、強制解約されてしまうというニュースが流れました。2018年5月にがんで妻を亡くし、昨今の情勢から人手不足でこんな事態になったようです。契約上では24時間営業しなければならず、法的にはセブンイレブン本部の主張が認められるはずです。事がこじれた背景には恐らくオーナーとセブンイレブン本部の感情的対立があると考えられますが、ネット上では圧倒的にセブンイレブン本部が不利です。「どうして24時間営業が必要なの?」と言う声が大変多く、「社会的インフラ上必要」とするセブンイレブン本部の主張がバッシングされています。
 コンビニエンスストアという業容からして、24時間営業・年中無休は譲れない線かもしれません。もしそれを崩したら、コンビニエンスストアではなくなってしまうかもしれないし、他のコンビニに負ける可能性があります。でも元はと言えば7時〜11時でしたよ。少子高齢化の急速な進展で、社会的にその形態が維持し辛くなっていることも事実です。今やコンビニの店員は外国人比率が高くなっています。この問題でセブンイレブン本部はひたすら低姿勢で炎上した状況の消火に努めています。でも最終的にはフランチャイズ契約解除になるでしょうが、違約金の処理はうまくやるでしょうね。
 ひとつ言いたいことは、夜中にトイレに行きたくなったとき、コンビニは大変有難い存在だと言うことです。酔っ払って夜中にさまよっている酔っ払いにしかわからないかもしれませんね

■ 桜田大臣失言批判が思わぬ方向に
 競泳の池江璃花子選手による白血病公表に端を発した、桜田義孝大臣(東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当)のコメントが、配慮に欠ける発言だと批判が殺到しました。桜田大臣は2月12日に行われた記者団とのやり取りのなかで、「日本が期待している選手だから本当にがっかりしている」「一人リードする選手がいると全体が盛り上がる。そうした盛り上がりが若干下火にならないか、ちょっと心配している」とコメント。“治療に専念してほしい”と繰り返してはいるものの、インターネット上では「本当に最低な発言」「大臣の器ではない」「池江選手が一番つらいのによくそんなことを言えるな」と炎上しました。桜田大臣は2月13日に国会で「配慮を欠いた」として謝罪し、発言を撤回しました。
 ところがホリエモン他が、マスコミは“全文公開”せずに切り取って報道するからこんなことになるけど、皆さん一度良く見てよ、と逆にマスコミの報道姿勢を問題視したのです。すると「確かに全文を読むと印象が変わるな」、「人の命にかかわる問題でネガティブな言葉を発すること自体ダメだと思う」、「桜田大臣の失言もどうかと思うし、マスコミの報道もどうかと思う。どっちもどっち」などの反応が飛び交いました。そこで筆者もジックリ読んで見ました。すると桜田大臣は心底池江璃花子選手の病気を心配し、回復を願っているし、「がっかり」や「盛り上がりが心配」発言も担当大臣として率直に述べただけで、悪意はないし、失言としてとがめるほどのことではないと感じました。むしろSNSなどでこうした「切り取り」に敏感に反応すべきではないと思います。
 ただその後も遅刻問題などで国会をお騒がせ、吉本興業ならともかく、内閣の一員としてはちょっとどうなんでしょうね?

■ トランプ大統領がノーベル平和賞?
 「冗談でしょう?」誰もがそう思うでしょう。しかしこれはフェイクニュースではありません。当のトランプ大統領自身が「安倍首相が推してくれた」と言ったのですから。海外メディアの多くは「やはり安倍首相はトランプ大統領の“ポチ”(愛犬)だった」と揶揄しています。2019年2月18日の衆院予算委員会で野党側はトランプ発言の真偽をただしました。国際社会で批判を浴びた中距離核戦力(INF)全廃条約破棄やイラン核合意離脱などのトランプ外交を指摘して、「(平和賞の)推薦はあり得ない。恥ずかしいほどの対米追従で国益を損なう」などと攻撃しました。これに対して安倍首相は「(トランプ大統領は)北朝鮮の核・ミサイル問題の解決に向けて果断に対応している。拉致問題の解決にも積極的に協力していただいている」と反論。「アメリカは日本にとって唯一の同盟国であり、一定の敬意は払うべきだ」などと声を荒げて反撃しました。
 実は安倍首相と言うのは本音を突かれるとむきになる癖があります。この答弁からわかるのは決してトランプ大統領を快く思っているわけではないという本音です。「一定の敬意」という表現からそれが分かります。唯一の同盟国のアメリカの大統領がどんな人であれ、うまく立ち回ることが肝心なんだ、野党の皆さんはそれができないからいつまでも野党なんだよ、と言いたいのです。
 与党内では「日米の親密な関係の象徴でもあり、首相への注目度が上がれば、いろいろな批判も帳消しになる」と参院選などへの影響を懸念する声は少ないうえ、「野党などが攻撃しても、国際社会における首相の存在感を際立たせるだけ」との声すらあります。外交専門家の中には「安倍流のしたたかな猛獣使い外交」と評価する声も出ており、当分は国際社会で格好の話題となりそうです。

■ 4ヶ月連続の貿易収支赤字
 財務省が2019年2月20日発表した1月の貿易統計(速報、通関ベース)は、輸出から輸入を差し引いた貿易収支が1兆4152億円の赤字でした。赤字は4ヶ月連続です。中国向けの輸出が前年同月比17.4%減と大幅に落ち込んだのが主因です。中国経済の失速が日本に打撃となっています。全体の輸出は船舶や半導体製造装置などが大幅に減少し、8.4%減の5兆5742億円。輸入は液化天然ガス(LNG)が押し上げた一方、原油などが減り0.6%減の6兆9895億円で、赤字の原因は明白に輸出の減少です。国・地域別では、米国に対する貿易収支が3674億円の黒字で、対中国は8797億円の赤字でした。日米貿易交渉に影を落としそうです。

■ TPPでどうなった輸出入?
 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)は米国を除く11ヶ国で合意し、昨年末、日本を含む6ヶ国で先行して発効しました。政府は11ヶ国で発効すれば関税引き下げで貿易が活発になるとして、日本の国内総生産(GDP)が年7兆8千億円押し上げられると試算しています。ではそのスタートはどうだったか?日本と同じくTPP発効までに国内承認の手続きを終えたカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、シンガポールの5ヶ国への輸出額は前年同月比13.5%減の4698億円だったそうです。国別ではメキシコ以外の4ヶ国が前年同月比マイナスでした。マイナス幅が最大だったのはシンガポールで19.5%減の1753億円。続いてオーストラリアが18.7%減の1190億円です。5ヶ国からの輸入は9.7%増の7208億円。増加幅が最大だったのはオーストラリアで、19.8%増の4680億円でした。まだ始まったばかりで今後が注目ですが、不安な門出ですね。

■ 和倉温泉
 月末はJTB旅物語『ANAで行く和倉温泉二泊三日の旅』に行ってきます。羽田から能登空港へ1時間、空港から和倉温泉まで乗り合いタクシーで1時間、七尾湾一望・・・全室オーシャンビューの「天空の宿 和倉温泉 大観荘」(石川県七尾市)に連泊です。
 温泉は「塩分が多く、つかると体がほっこりあたたまる北陸唯一の海の温泉」というのがキャッチですが、pH7.5の高張性弱アルカリ性NaCa塩化物高温泉、源泉94℃というのは珍しい高温泉です。和倉温泉はおよそ1200年前の万葉の頃に傷ついた白鷺が足を癒していたことから発見されたと伝わりますが、この手の話はよくありますね。伊予松山の道後温泉もそうでした。岩手県の雫石町は鶯です。高張性の温泉は珍しいので、ミネラル分がどうか、楽しみです。
(2019年2月24日)


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