294  外食業界
 昨週末の金曜日、伊香保温泉でまったりしていた時、我が高校同期生、それも同じ部の部長だった男の訃報が飛び込んできました。急逝だったようで、既に通夜も告別式も済ませたそうです。10月29日(月)に弔問に行って来ました。神奈川県の寒川は遠かった...奥様と長々と話しました。綺麗な娘さんがロサンゼルスから駆けつけてきていました。子どもを夫に託してきたようです。故人は長くアメリカで社長をしていました。伴侶の突然の死はなかなか受け入れられないみたいで、当然でしょう、いつ何があってもおかしくない年代になったとは言え、やはり骨壷の向こうで微笑む写真の奥から、「やあ」と現れるのではないかという気がするんですね。


■ 「からやま」オープン
 ふじみ野市苗間の川越街道にから揚げの「からやま」がオープンしました。交番とトヨタカローラ新埼玉に挟まれた広い駐車場を持つ店舗です。イオン大井店があり、NTT東日本大井ビルと交番の間には昔から有名な「麦とろ」があります。向かいに長い間営業していたボウリング場がありましたが遂に閉店しました。建物の老朽化のためではないでしょうか。
 さてから揚げと言えば、飲べえならば「若鶏の唐揚げ」を真っ先に思うのではないでしょうか。から揚げは「唐揚げ」と書いたり「空揚げ」と書いたりします。日本唐揚協会というものがあって、そのホームページでから揚げの由来を詳しく解説しています。ほんまかいな、と思うようなところもある組織で、会長兼理事長の安久鉄兵(やすひさ てっぺい)氏は生まれながらのカラアゲニスト、幼少時に唐揚げと出会い、食べた瞬間からその味の虜となり、母親に訴え続け、日々の食事にも鶏いれていたそうです。鶏いれるの?大学時には百日間唐揚げを食し続ける「唐揚百日行」に挑戦し、無事満行。自分の唐揚力を意識して、日本唐揚協会会長に就任したんだそうですよ。どこまで本気なのかワカリマセン。

■ この店は絶対もうかる

 開店したときは特別セールなので避け、1週間後夫婦で昼食時間を外した13時過ぎに行きました。しかしやはり待つ人がたくさん居て、待ちリストに記入しました。意外だったのはドンドン食べ終わったお客さんが帰るので、次々に待っていたお客さんが席に案内されます。これを見て、この店は絶対もうかるな、と思いました。製造業でも農業でも、タクトタイムが短いものはもうかるのです。「もやし」や「きのこ」が何故あんなに安くて飛ぶように売れているのか、施設の中でニョキニョキ成長する速さのためです。空調された立派な施設の中で、エネルギーを投じてももうかるのです。それほどに「時間」という要素は商売にとって大事なのです。

■ ご飯残されると・・・もったいない
 席に着いて、からやま定食とチキン南蛮定食を注文、「ご飯大盛り無料ですがどうなさいますか?」と聞かれたので、「普通で」と答えました。油で揚げているのですから時間がかかるはずです。先日、立川でせいろそばを注文したときは随分待たされました。混んでいたとは言え、たかがそばを茹でるのにどうしてこんなに時間がかかるのだろう?「小諸そば」でさえ目の前で茹でているけど速いのに、と不満でした。ところが「からやま」は速い!あらかじめ予測して揚げているのではないようです。揚げたてはヤッパリ美味しい!隣の夫婦が食べ終えて帰るとき、旦那は少しご飯を残し、奥さんは半分以上残しています。もったいない。注文するときに小盛りと言えば良いのに、と思いました。

■ 「かつや」絶好調
 実はから揚げ店「からやま」は、とんかつ専門店「かつや」グループです。平日の昼時、「かつや」の店舗はどこもにぎわっています。お客様は40〜50代の男性サラリーマンが主ですが、老夫婦や若い男女、家族連れの姿も見えます。「かつや」を運営するアークランドサービスホールディングス(HD)は、2007年の上場以来、10期連続で増収増益だそうです。2018年12月期も、売上高300億円、営業利益42億円と、ともに過去最高を見込んでいます。売上高営業利益率は常に10%以上で、業界屈指の高水準です。とんかつ専門店といえば、中〜高価格帯の「とんかつ和幸」や「新宿さぼてん」などが有名ですし、我が家のすぐ近くには「とんQ」(下写真参照)がありますが、「かつや」の強みは低価格にあります。「かつや」の看板メニューである「カツ丼(梅)」は529円(490円+消費税)とほぼワンコインですが、会計時には次回来店時に使える100円引き券を貰えるので、実質429円です。「かつや」によると、100円引き券の使用率は5割超だそうで、完全に固定客の確保に成功しています。それはそうですね、カツ丼が429円ならかき揚げソバ並みで、ラーメンよりずっと安い、牛丼に比べても絶対お徳、これはリピータにならないほうがオカシイってもんです。 

■ 「とんQ」との違い
 下は我が家から歩いてすぐ、マクドナルドの斜め向かいにある「とんQ」です。写真のやまと豚ロースかつ定食は120g¥1,490(本日現在)です。「かつや」のロースかつ定食は120g¥745(本日現在)ですからちょうど半額ですが、100円引き券で¥645ですから、これはもう比較になりません。「とんQ」はすり鉢でゴマを擦るとか、お新香セット付き、味噌汁はとん汁か季節の素材を使った味噌汁から選べる(写真はアサリ)、キャベツは以前お替り自由でしたが、この春のキャベツ価格高騰で今はやめたはず、いつでも炊き立てのホカホカご飯は、白いご飯と、五穀米・麦飯・季節の炊き込みご飯など、2種類から好きな方を選べてお替り自由です。対して「かつや」は白いご飯ととん汁、壷から自由に大根のハリハリ漬け(割り干し)を取るという形で、キャベツにロースかつというスタイルは同じ、つまり違いはご飯選択とお替り自由、味噌汁選択であり、ゴマ擦りはまあお好みですね。食べるという意味での違いはコレですが、「とんQ」はゆったりと個別空間で食を楽しむという点、すなわち時間と空間が価格の差で、サラリーマンがとにかく早くガッツリ食べたいという「かつや」ニーズとは根本的に違います。

■ オートフライヤーが鍵
 調理に手間や技術が必要なとんかつなのに、「かつや」はなぜ低価格で提供できるのでしょうか・・・答えは特注のオートフライヤーです。衣をつけた豚肉をフライヤーに入れると、最適な時間、温度で揚げられてベルトコンベヤーに載って出てきます。油の温度管理自動制御システムが組み込まれているのです。導入当初は3分40秒だった揚げ時間も、改良を重ねた現在では3分ほどになったそうです。熟練の従業員でなくても調理できるようにしたことで、人件費を抑えられます。これはマクドナルドやケンタッキーフライドチキンでも同様です。客の平均滞在時間は15分で回転率が高いので、待たなくて良いのがお客様の支持を受けているわけです。

■ お持ち帰り需要の取り込み
 もうひとつ、「かつや」で目に付くのは「お持ち帰り」のお客様が多いことです。今年7月には東京・北区の商店街に実験店を開業し、持ち帰り専用窓口を設けました。通常の店舗では30〜35%の持ち帰り比率が、同店では50〜60%だそうです。持ち帰りに力を入れる背景には、既存店売上高の伸び悩みがあるようです。スーパーやコンビニなどで急成長している「中食」の需要も取り込むことで、既存店のテコ入れを図っているのです。
 また第2の柱がから揚げ店「からやま」の育成です。国内のからやま店舗数は郊外を中心に2018年6月末時点で43店舗でしたが、2018年上期(1〜6月)の国内出店は11店と、かつやを上回る勢いです。今年8月には、たこ焼き店「築地銀だこ」を展開するホットランドとの合弁で米国・ロサンゼルスに「からやま」を開業しました。台湾やタイなど進出済みのエリアに加え、巨大市場である北米を攻めるのでしょう。
 なお、豚カツについては、227『カツ』(2017年7月15日)を参照下さい。

■ 凄まじい外食業界の浮沈
 外食業界の浮沈は凄まじいです。断トツトップのすかいらーくHDは増収、営業減益です。ガストを始め、低価格戦略を修正する方針が見えます。昨年から新規出店を強化しており、からあげの「から好し」、しゃぶしゃぶの「しゃぶ葉」を中心に56店舗を出店しましたが、今期中に約100店舗を計画しています。また既存店のリモデルも実施しており、今期は和食業態を中心に200店舗規模で、「夢庵」「藍屋」で個室を設置し、会食・宴会需要の獲得を目指し、既存店売上高の拡大につなげる考えです。
 続く日本マクドナルドHDは売上高、営業利益ともに前年同期比で大幅な増加です。ひと頃の凋落は夢の中であったかのように、メニュー、バリュー、ファミリー、ブランドといったコアビジネスへの注力が功を奏し、既存店売上高は8.9%増で、11四半期連続でのプラスとなりました。うちメニューでは、夜の時間帯に100円追加するとパティが倍になる『夜マック』を導入、バリューでは『お手頃マック』の拡充などを実施しました。

業績絶好調の日本マクドナルド
 ロイヤルHDは、前期からの出店効果により増収となりましたが、新規出店や生産性向上を目的としたシステム投資により、減益となりました。ただし主力の外食事業は減収・減益です。「ロイヤルホスト」は、店休日の導入影響を既存店売上高の伸長(3.8%増)がカバーし好調に推移しましたが、値上げのインパクトが強かった天丼「てんや」が苦戦したことが要因です。空港ターミナル・高速道路への新規出店や既存店が堅調だったコントラクト事業は増収・増益でしたが、インバウンド効果もあり増収となった機内食事業、ホテル事業はそれぞれ人件費、開業コストにより減益となりました。
 ペッパーフードサービスは、「いきなり!ステーキ」の快進撃で前期比8割増の大幅増収、増益です。同業態の新規出店数は98店舗(うち海外5店舗)で、総店舗数は284店舗となりました。
 ダイナックHDは前年を上回る積極的な新規出店・業態変更に伴い各段階利益が減少しました。ダイナックは馴染みが無いかもしれませんが、施設などのレストランの受託運営や各種イベント・パーティの企画運営、全国257店舗(2017年末)、「響」「魚盛」「鳥どり」などの多業態飲食店156店、ゴルフクラブレストラン74店、道の駅・サービスエリア27店を運営しています。

水沢観音の紅葉2018年10月26日撮影
 アークランドサービスHDは、食材原価や人件費などのコスト増があったもののカツ丼「かつや」、成長株のから揚げ「からやま」がともに好調で、増収・増益、営業利益率13.7%と高水準を達成しました。
 28店舗を新規出店した串カツ田中は、既存店売上高も2.8%増と堅調に推移しました。
 物語コーポレーションは「焼肉きんぐ」を筆頭に既存店増収、店舗増加が寄与し収益ともに拡大しました。
 三光マーケティングフーズは「金の蔵」など総合居酒屋が引き続き苦戦し減収、各段階利益は赤字となりました。一時期一世を風靡した安い居酒屋も曲がり角です。立ち飲みや日高呑み、吉呑み、ファミレス呑みのせいでしょうか。なか卯では卯呑みをやっており、ガストやサイゼリアで飲んでいる人も当たり前になりました。居酒屋ピンチです。

東北の紅葉はこのように美しい


■ 「餃子の王将」業績復活

 2017年12月に創業50周年を迎えた「餃子の王将」を運営する王将フードサービスの業績が好調です。売上高(連結)は、2015〜17年にかけて3年連続で減少していましたが、2018年3月期は781億1700万円(前年同期比4.0%増)となり、過去最高を更新しました。直営店既存店における売り上げの伸び率も1.4%増です。新規出店のみならず、既存店の底上げが目立っています。

 2013年12月に、信望が厚く同社を東証1部上場企業に導いた前社長・大東隆行氏が京都市山科区の本社敷地内で何者かに射殺され、渡邊直人常務が新社長に就任しましたが、疑わしき組織は浮かんでいるもののいまだ犯人は逮捕されておらず、真相は究明されていません。社内では突如大黒柱を失ったことによる喪失感が広がり、客足も鈍くなって業績低迷していました。
 一方、餃子の王将の創業者一族が暖簾(のれん)分けの形で大阪に開店した「大阪王将」は、2012年から16年までの4年間で、外食と物販を合わせたギョーザの売り上げを33.3%伸ばしました。社名も「イートアンド」として独自の発展を遂げており、こちらも東証1部上場企業で、店舗数は353店です。「餃子の王将」は2017年の組織改正で新しく設置した社内教育部門「王将大学」と「王将調理道場」が奏功し、QSC(品質・サービス・清潔さ)が向上したのが業績復活の要因のようです。創業50周年を機に、経営陣はもう一度原点に帰ろうと社員に呼び掛けました。一方で、従業員満足度の向上にも取り組んでおり、週休2日制、有給消化の浸透、3年連続の給料ベースアップなど、労働環境の改善を推進し、退職率は業界最低水準に達したということです。やはり、教育の重要性と従業員満足度の向上というのは、サービス業の原点なんですね。

■ プロ野球ドラフト
 「プロ野球ドラフト会議」(10月25日、グランドプリンスホテル新高輪)で中日は、岐阜県出身で“東海のスター”でもある大阪桐蔭・根尾昂内野手を4球団競合の末、交渉権をGETしました。2巡目では東洋大・梅津晃大投手、3巡目で三菱重工名古屋・勝野昌慶投手も指名できて、地元色を意識しながら、補強ポイントに合致した選手の獲得に成功しました。
 投手力が課題の西武は日体大・松本航投手の“一本釣り”に成功、2巡目では大型右腕の浦和学院・渡辺勇太朗投手も指名し、「地元の選手」獲得に笑いが隠せません。
 ロッテは3球団競合の末、トリプルスリーも狙えるのでは、と言われている大阪桐蔭・藤原恭大外野手の交渉権を獲得、「ミスターマリーンズと呼ばれるような選手になってほしい」と大喜び。2巡目で即戦力右腕の日体大・東妻勇輔投手、3巡目では左腕の早大・小島和哉投手(浦和学院で春のセンバツ優勝投手)も指名しました。
 日本ハムは外れ1位で金足農・吉田輝星投手を“一本釣り”。その後も甲子園のスターを続々と指名し、2巡目で2年夏に全国制覇した花咲徳栄・野村佑希内野手、4巡目で横浜・万波中正外野手、5巡目で大阪桐蔭の春夏連覇に貢献した柿木蓮投手と、高校球界の有名選手を軒並みGETしました。栗山監督は「時間のかかる選手たちではない。非常に楽しみ」と満足げでした。
 広島は選手を育てることで強くなってきましたが、1巡目で4球団競合の末、報徳学園・小園海斗内野手の交渉権を獲得しました。三拍子揃った、優れた能力の持ち主なので、良い球団とめぐり合えたのではないでしょうか。3巡目では、智弁和歌山のスラッガー林晃汰内野手を指名しました。
 楽天は藤原を外しましたが、外れ1位で大学ナンバーワンの呼び声高い立命大・辰己涼介外野手を4球団競合の末、交渉権GET。
 オリックスは外れ1巡目で天理・太田椋内野手を指名。
 DeNAは外れ1位で即戦力右腕として期待される東洋大・上茶谷大河投手、2巡目で強打の立正大・伊藤裕季也内野手を指名。
 一方、巨人、ヤクルト、ソフトバンク、阪神は1巡目で2度抽選を外し、“満点”とは行きませんでした。
 巨人は外れの外れ1位で、左腕・八戸学院大・高橋優貴投手を、その後は将来性を重視し、5人の高校生を指名しました。原監督は「将来性の部分で楽しみな選手が取れた」としながら、「現有戦力に期待したい」とも漏らしました。
 阪神は1巡目で大阪桐蔭・藤原を外し、地元の選手だけに、くじを引いた矢野監督は「ファンに申し訳ない」とため息。外れの外れ1位で大阪ガス・近本光司外野手を含め、社会人を3選手指名しました。
 ソフトバンクは小園と辰己を外して東洋大・甲斐野央投手を、4巡目で早実の野村大樹捕手を指名しました。
 ヤクルトは根尾、上茶谷を外して国学院大・清水昇投手を指名しました。

■ ハロウィン
 本日はハロウィン、本来は秋の収穫祭のことです。ヨーロッパ発祥のこの祭事は農作物などの収穫や自然に感謝し、翌シーズンの豊作を願うためのものです。いまや、ある種仮装パーティーイベントのようになりつつあるハロウィンは、本来の意味合いから少し外れているかもしれません。そもそも渋谷で収穫祭はちょっと場違いです。
 農業は人間の生きる糧を得るものですが、天候や水(雨)など自然に左右されるので、豊かな実りを天に祈る意味で様々な祭りが昔から行われてきました。筆者が子どもの頃の東北・岩手では子どもたちが初夏に虫まつりとして、悪い虫がつかないように「悪霊退散祭」などと書いた紙を笹の棒の先につけて、これを子供達がかかげ、太鼓ではやしながら行列をつくって田圃や畑を回りました。行列の先頭の人は煎粉(えりこ−香煎)をまき、子供達は「ゲコゲコムシリ、ハダハダマツリ」と大声で何回も繰り返し、最後にこの棒を川に流してこの行事は終わります。途中で棒を大根畑に数本刺し、大根に虫がつくのを防ぐ祈りを捧げました。虫送りと称する地方もあります。
 日本における二大収穫祭である新嘗祭(にいなめさい)と神嘗祭(かんなめさい)は五穀豊穣を感謝する祭りです。明治時代以降になると新嘗祭は11月23日に行うと定められ、国民の祝日となり、さらに昭和23(1948)年より勤労を尊び、生産を祝い、国民が互いに感謝し合う日として、「勤労感謝の日」と名を変えました。

本日はハロウィン、本来は秋の収穫祭


■ 西澤潤一先生逝く、92歳

 半導体や光ファイバーなど電子工学の世界的な権威で 「ミスター半導体」と呼ばれた西沢潤一(にしざわ・じゅんいち)先生が10月21日 逝去されました 92歳でした
 戦時中に東北大学で電気工学を学び 米国でトランジスタが開発された情報を聞きつけて半導体研究を始め 1950年に「pinダイオード」という素子を開発したのを皮切りに次々と成果を出し「ミスター半導体」と呼ばれるようになりました 1950〜60年代には半導体レーザーや光ファイバーによる光通信の3要素を考え出し 現代の情報通信社会を築く技術開発に大きく貢献されました 米国の学者らが「日本にはニシザワという名字が多いのか」と話し合ったという逸話が残っているほどです 東北大学の伝統である「実学重視」の学風を受け継ぎ 産業界にも多くの人材を輩出しました 東北大工学部を卒業後 助教授 教授などを経て 1990〜96年に東北大学長 1998年から岩手県立大学の初代学長 2005年には首都大学東京の初代学長に就任 上智大学の特任教授も務められるなど 頼まれれば気さくに引き受ける人柄で 多くの研究者や企業の技術者たちから愛されました 1974年日本学士院賞 1984年朝日賞ほか数々の賞を受けたほか 1989年に文化勲章 2002年に勲一等瑞宝章を受章されました
 優れた電子工学者を表彰する米電気電子技術者協会(IEEE)の「エジソンメダル」を2000年に日本人として初めて受賞 同協会は「西沢潤一メダル」を創設し 2004年から研究者を表彰しています
 「人のやっていないことを」「ほかより早く」「しかし、間違ってはならない」 この三つを研究姿勢に掲げ ときに学界の通説と衝突しては「闘う学者」とも評されました ノーベル賞に最もふさわしい人が何故受賞しないのか と疑問も囁かれましたが 実はこの人は賞を受けるには余りに偉大で ノーベル賞を超えた存在だったとも言われています
 ご冥福を祈ります    合掌


西澤潤一先生

(2018年10月31日)


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