228  真夏の世の夢

 気象庁は2017年7月19日(水)関東甲信、東海、近畿、中国地方が「梅雨明けしたとみられる」と発表しました。各地とも平年より2日早い梅雨明けです。しかし九州北部もその後梅雨明けしたものの、福岡県朝倉市や大分県日田市を襲った「平成29年7月九州北部豪雨」の爪痕はまだ生々しく、被災者の生活は悲惨を極めています。梅雨前線は北東北に最後の豪雨をもたらしています。青森、秋田、岩手の一部地域の人たちは大変です。そんな中で、東京、埼玉の荒川水系の水不足は深刻で、ついに取水制限20%となりました。今は水不足ですが、これから雷の季節、ゲリラはどこに出現するかわかりませんので、とにかく油断せずに注意して行くしかありません。

■ 緑繁る我が家の庭
 下写真は我が家の庭です。アルミの角パイプで組んだやぐらに網状ネットを張って、そこにきゅうりを這わせています。また赤や黄色のプチトマトが鈴なりです。ゴーヤは窓の外側に張ったネットを伝って真っ直ぐ2階のベランダ経由屋根まで届いています。1階のダイニングの窓と、2階の寝室の窓は緑のカーテンで日光を遮ってくれています。これで大分暑さしのぎになります。
 庭の緑のトンネルの下にいると涼しいのですが、蚊がいるので長くは留まれません。茗荷がやっと出てきました。コンポストは定期的に移動します。生ゴミは出ず、地中菌による栄養のある土が出来て、また次の栽培の糧になります。


緑繁る我が家の庭

■ 戸倉上山田温泉夏祭り
 7月半ば、海の日、この時期は戸倉上山田(とぐらかみやまだ)温泉夏祭りです。過去何度も紹介しました。勇壮な冠着太鼓、あでやかな民踊流し、大好きなのです。しかしこの時期は野球のシーズンでもあり、このところ行けませんでした。しかし今年は重要な大会に早々と負けて行ける!と判断しました。4年前のbQ2『国家とグローバル企業の関係』(2013年7月20日)をご覧ください。どういうわけか2005年、2009年、2013年、2017年と4年に1回信州戸倉上山田温泉の夏祭りと煙火大会を紹介しています。まるでオリンピックですね。この温泉ではいろいろな宿に泊まりましたが、湯量が豊富と見えてどこも掛け流しの良い湯です。かすかに硫黄臭の白濁の湯です。例年この祭りの主役冠着太鼓が楽しみです。冠着山別名姥捨山の麓に広がる美しい地、更級(さらしな=更科)の里、月の名所です。
 夏祭りの楽しみはたくさんのグループが参加する民踊流しです。掛かる曲はもちろん東京音頭ではないし、炭鉱節でもありません。土地柄から言えば、三池炭鉱に月が出たか、更級の月か、月に変わりはないけれど....戸倉上山田オリジナルの踊りの唄が様々あるのです。

勇壮な冠着太鼓

■ 廃業した店や空き家が目に付きます
 高速道路でピューと行けば我が家から2時間ちょっとで戸倉上山田温泉に着きます。これでは楽しくありません。信州は数多く行っていますからいろいろな道を知っていますが、やはり碓氷峠は疲れるから通りたくありません。昔は横川のおぎのやで峠の釜めしを食べたけれど、此処だけは上信越道を通ろうと決めて、それ以外は下道を走りました。埼玉から群馬の下道を走ると、廃業した商店、ガソリンスタンド、ドライブインなどが目に付きます。特にガソリンスタンドはロープを張っているだけで、建物もそのままでボロボロと朽ち果てている無残な姿のところが多いのです。恐らく地下のタンクを処分する費用が工面できないままにつぶれてしまったのでしょう。
 本庄児玉ICで関越道に乗り、佐久ICで上信越道を降りてまた下道を走りました。浅間山麓の緩やかな斜面、いい景色です。しかしここでもまた我が家の近くには無い光景が目に付きます。まずは街中を歩いている人が少ない、そして至るところ空き家が多いのです。若者が東京へ行ってしまって、老人だらけ、住人が亡くなれば空き家になる、これが地方の現実なんですね。

■ ホテルが廃墟に
 そして戸倉上山田温泉に着きました。日本の温泉地は今やどこもかしこも廃業したホテルや、従業員が住んでいたと思われる住宅の廃墟が目に付きます。戸倉上山田温泉でも山の斜面の大ホテルの廃墟は恐ろしい!崩れ落ちたらどうするんだろうという感じです。スナックや射的場、風前の灯火です。なにしろ新しい建物がありません。みんななんとか生きながらえてるという感じ、これからどうするんでしょうね。

艶やかな民踊連のご婦人たちの踊り

■ 大本営発表?
 2017年7月20日、日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁の記者会見がありました。2%インフレ目標の達成時期について6回目の延期を発表したのです。黒田総裁の任期は来年4月までなので、黒田総裁のもとでの目標達成を放棄したということです。黒田総裁は記者会見で「物価上昇のモメンタム(勢い)はしっかり維持されている」と強調し、2019年度に目標を達成できるとの見通しを示しましたが、今や経済専門家でこれを肯定する人は皆無に近いと言われています。朝日新聞などは、まるで「大本営発表」のようだと書きました。2013年4月に就任したとき「2年で達成する」と国民に約束したのに、どうしても達成できず、個人消費は増えません。修正を繰り返し、次第に長期化、泥沼化して行くのですが、それでも「成功」と言い続け、達成が難しくなったのに、今度はリスクがある方法まで始める...そして絶望的になっても「必ず達成する」と言い募る・・・・これはまるで、第二次世界大戦のときの大日本帝国軍の「大本営発表」のようだ、と言うのです。国民に現実を見せようとしなかった「大本営発表」になぞらえる朝日新聞の論は、少し違う気がします。国民の多くはわかっているのですが、いましばらくこの「真夏の世の夢」に浸っていたい・・・というのが真のところではないのかな、と思います。

■ アベノミクスの効果は失業率の低下
 2017年7月18日(火)あるテレビで『アベノミクス徹底検証 “実感なき”景気回復 日本経済襲う人口減少』.という番組をやっていました。日頃保守寄りの番組とみていたのに標題が過激じゃないの?と思って見てみました。ゲストは、日本の人口問題について詳しい藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員と、経済予測的中率が高いと評判の斎藤太郎・ニッセイ基礎研究所経済調査室長でした。
 アベノミクスは日銀のインフレ目標未達成が示すように当初の狙いは達成できていませんが、次々にやり方を変えているので、今や最初の狙いが何だったのか国民は分からなくなっているのでは?と言うのです。ホップステップジャンプで、第三段階の「成長戦略の実効化」が目標でしたが、もはやそれは絶望的、それなのになぜ内閣支持率が高いのか、最近は急落していますが、それは首相個人の問題であって、安倍内閣は経済政策では支持を得てきたというのです。その理由が失業率の低下です。斎藤太郎氏は「失業率が低下したことだけは評価できる」と言いました。

■ 過去最高の企業の内部留保
 では好景気が長く続いているというニュースに街頭インタビューの多くの声が「実感がない」と答えることについて、ゲストのお二人が言うには、日銀の異次元金融緩和(黒田バズーカ)は最初は利いて円安になり株高となったため、企業にとっては業績好調になりましたが、企業はそれを内部留保に回して従業員に還元されないので個人消費が増えないというのです。企業の内部留保は2016年末に過去最高の375兆円に達しました。2013年から2016年の日本企業の現預金の増加額は、39.9兆円、10年前の水準から内部留保はナント!135兆円も増加したのです。安倍総理は「円安で企業の利益が拡大すれば、人件費が増え、国内の投資が増え、デフレ脱却できる」と考えたのかもしれません。しかし企業は人手不足にもかかわらず、利益を人件費に回すことはなく、2016年末の労働分配率は43%台と過去最低水準になりました。日本企業が賃金を上げない理由について、ゲストの斎藤太郎氏は「上げなくても労働者が辞めない」ことと、「企業の先行き不安心理」を上げました。諸外国では賃金が高い企業に労働者が移るのですが、日本では転職でステータスが上がっていく慣行が無く、労働組合にも雇用優先の考えがあることから、企業は賃上げに消極的だと言います。企業はバブル崩壊が先行き心配だから賃上げを抑えて利益を蓄える、それも外国に蓄える、何故か?日本ではゼロ金利なので、日本に置いておいたら死に金となるから、そしてもうひとつ・・・後述します。

企業の内部留保推移


■ 賃金を4%上げなければならない
 日本の個人消費が増えない理由をゲストのお二人は、実質賃金が上がらないからだと言います。確かにこの20年日本人の賃金は上がっていませんが、この間外国はほとんど1.5倍以上になっています。つまり日本人は20年前に比べ、消費能力が3分の2になったのです。これらは日本国政府が発表している統計資料から明らかです。藻谷浩介氏はインフレ目標2%と言うなら、それ以上賃金を上げなければならないと言いましたが、斎藤太郎氏は、イヤそれではダメです、少なくとも4%上げなかったら物価と社会保険料負担の増加からして、実質アップにはなりません、と言いました。実態からは程遠い数値ですね。それは連合に代表される労働組合が主張しないから、むしろ安倍政権が経済団体に賃金上げろと言っていますから、これは異常事態だというのです。将来不安で企業はそんなこと言われたってハイそうですか、とは言わない、非正規や、高齢者や、女性の雇用を増やす、それは賃金レベルの低下につながっている、これが日本の実態だと言います。
 182『格差と賃金』(2016年9月3日)で掲げた右グラフをもう一度見てください。日本の賃金はOECDの統計によると、フルタイムで働く人の平均賃金は1997年の459万円をピークに下がり続け、2014年には400万円を割り込みました。主要国で、これだけ長く賃金が上がらないのは日本だけです。日本のフルタイム労働者の賃金水準は2000年以降、ほぼ横ばいです。一方、韓国は上昇を続けて2007年に日本に並び、今や上回りました。経済の停滞とデフレが続いた日本は、国内総生産(GDP)が伸び悩んできたとはいえ、為替レートが示すように、他国から見ると安定した経済の国なのです。ただ、企業が利益を内部留保して賃金に回していないのです。生産性が上がっても、その分け前が働き手に分配されていないのです。この四半世紀で米国人の賃金は31.3%増えて世界第4位から2位に躍進しました。ところが日本はナント!下がって世界第9位から19位に没落、1.5倍躍進の韓国にさえ抜かれてしまいました。

OECDによる世界の賃金ランキング

■ 株主配当を増やせと言う政策に海外投資家反応
 企業は賃金よりも株主への配当を強化しています。日本では会社は従業員のものという意識が強く、これまで株主に対する配当は低く制限されてきました。しかし、安倍政権はコーポレートガバナンス改革を掲げ、企業の配当増額を強く促す政策に転換しました。安倍政権が配当強化に乗り出した理由は、このままでは日本の公的年金の運営が苦しくなってしまうからです。これに反応したのが海外投資家です。日本の国債は金利からして全く魅力ありません。しかし株主配当を増やせと言うのですから日本株は魅力あります。日本人は貯蓄志向で、株は怖いという意識があります。それは上がったり下がったりするからですが、株価で儲けようなんて考えず、むしろ安定株で高配当の株ほど魅力的なものはありません。安倍政権の政策は日本人より海外投資家に歓迎されたため株価が上がったのだそうです。

■ 国債とETFを買う日銀・・・国家ぐるみの粉飾
 「金利なき世界」で、金融機関は金利収入が減り、大打撃を受けています。本来カネを借りて欲しい企業は、どんどん借金返済し、挙句は海外に内部留保しています。海外では金利が付きますから、当然そうなります。そうすると日本の金融機関は貸す相手がいませんから、日本の国債を買うしかありません。債券市場では、大量の国債を買う日銀が「池の中のクジラ」と言われています。株式市場では、日銀が上場投資信託(ETF)を買い続けたため、日銀が事実上の大株主になった上場企業が続出しています。日銀による国債の大量購入で、国の借金の金利は抑えられ、財政規律が失われ、借金膨張が止まらなくなっています。このような状況でも、政府と日銀は、経済成長や財政について、きわめて楽観的な中長期の見通しを国民に示し続けており、これは国家ぐるみの粉飾だという経済評論家が増えています。これに対してあまり異論が出てこないのは不思議だ、と藻谷浩介氏は言いました。自分があまりにズバズバ言うものだから、このところとんと企業などから声がかからなくなったとぼやいていました。

■ 出口の恐怖
 これを受けて斎藤太郎氏は、イヤそうじゃありませんよ、と言いました。もはや経済専門家の大多数が現状に危機感を持っていて、出口の恐怖を皆さん言ってますよ、というのです。日銀の財務悪化、株価や地価の一部で生じているバブル現象、日本全体が麻薬中毒に陥っているような状況で、その先にあるものは日本国債の暴落、株価暴落、極度の円安であろう、だから企業は海外にお金を持っているというのです。なんという怖い話でしょうか。2020年頃とも言われるバブル崩壊、これに備えて金塊を買い込む金持ちが増えています。海外に預金する金持ちも増えています。出口の恐怖に実は備えているのです。現状は「真夏の世の夢」なのです。

■ 日本の人口減少は止まらない
 藻谷浩介氏は、日本の人口減少は止まらないと言いました。海外ではバンバン子供を産むガイジンが、日本に来ると産まなくなるのだそうです。したがって外国から多少労働力を導入したところで、基本的な流れは変わらないと言います。一番問題なのは東京への民族大移動で、東京へ来た若者は子供を産まない、これはデータから明らかだというのです。政府が地方創生と言っているのは正しい、同一労働同一賃金も正しい、賃金上げろも正しい、働き方改革も正しい、正しい政策なのに実態は逆に回る、何故なのか?
 藻谷浩介氏曰く、20年以上続く「デフレ」は、一時的な「不景気」ではなく人口成熟に由来する構造問題であり、短期で効果の出る対処策はない、とのこと。日銀は、数百兆円の国債を買ってマネタリーベースを3倍以上に増やしたが、物価は上がらず、個人消費(家計最終消費支出)もほぼ横ばいです。日本は「国内総生産(GDP)の成長」の看板を、「1人当たりGDPの成長」だとか「成長と幸福の最適ミックス」だとかに掛け替えた方がよいと言います。

内閣府高齢化白書平成24年版「高齢化の推移と将来推計」グラフ

■ 若者の雇用増も就業者総数の減少も人口構造由来の現象
 安倍政権は若者からの支持が高いと言われます。藻谷浩介氏の話を続けましょう。民主党政権2年目の2010年とアベノミクス3年目の2015年を比べると、国内の失業者は148万人も減少し、失業率は6.4%から4.2%に改善しました。2015年10月1日に20〜30代だった若者世代を見れば、彼らの中の失業者は5年間に36万人減り、失業率は8.3%から5.2%に低下したのです。では「アベノミクスで雇用環境が改善したから若者の失業は減った」のでしょうか。こんなに雇用が改善したのに、なぜ個人消費は増えないのでしょうか。「非正規労働者の増加」を持ち出すまでもありません。消費が拡大しない理由は、上記5年間に日本国内の就業者の総数が69万人も減ったためです。戦争後に生まれた多数世代がこの間に65歳を超え、その多くが仕事も求職活動もやめたことで、就業者と失業者が同時に減っているのです。20〜30代の若者に限れば、その世代の就業者は358万人も増えたのですが、この増加は、1950年10月1日以前に生まれた65歳以上の世代の就業者が408万人も減ったことで打ち消されたと言います。数の多い高齢世代の最終退職による人手不足を、若者の積極採用で何とか9割方まで埋め合わせた、というのが雇用主側の実態だというのです。若者の雇用増も就業者総数の減少も経済政策の結果なのではなく、実際にはどちらも人口構造由来の現象なのだそうです。団塊世代がさらに加齢し嘱託雇用を辞めれば、ますます就業者数も減り、それでも内需を維持拡大するには、本腰の賃上げ継続が不可欠だと藻谷浩介氏は言います。また人手不足と保険料収入不足の直撃を受けている医療福祉分野では、過剰投薬の排除などによる支出削減と、消費税増税などによる財源拡大を同時に進めるしかないというのは、だれの目にも明らかだとのことです。

■ 高齢者が働いているから失業率が低下する
 誰しもハローワークに通いたくないでしょうから、失業率が低いことは喜ばしいことです。ところが人口の減少に伴って就業者数も減少するのは人口構造由来の現象だそうです。藻谷浩介氏は、「高齢者が働いているから失業率が低下する」と言います。定年後年金生活に入らず、低い賃金で働き続ける高齢者、この世代の人口は多く、若者は少ない、仕事を辞めた高齢者が多いから人手不足で雇用が増えて失業率が下がる、若い世代が少なくなっているので若者やバリバリの世代は慢性的人手不足に陥っているのが実態、だから高齢者を改めて募集する、ますます失業率が低下するというのです。年金原資の先細りや医療費急増の面から、政府としては高齢者に働き続けてもらうことが年金支払額抑制や老人の健康面でも好ましく、75歳ぐらいまでは働いてもらいたいとしているのですが、高齢者が安い賃金で働いているので、働き盛り世代の実質賃金の足を引っ張っているという悪しき現象が起きているというのです。

■ 仙台市長選挙も国政が直撃〜敗れた与党陣営、恨み節
 217『介護施設』(2017年5月6日)で、我が高校の後輩で、谷藤裕明盛岡市長と同期の奥山恵美子仙台市長が2期8年の実績から、絶対有利とみられていた7月の市長選への立候補を見送るとの突然の引退表明で、みんなビックリ、母親の介護が引退理由の一つと書きました。
 その仙台市長選は国政の与野党対決の構図となりました。自民、公明両党の県組織や日本のこころが支持する冠婚葬祭会社社長の菅原裕典氏(57)は自民支持層の7割を固めたのですが、民進、共産、社民各党の県組織と自由党が共闘する元民進党衆院議員の郡和子氏(60)に敗れました。学校法人「加計学園」問題や稲田朋美防衛相の資質問題、自民党議員の相次ぐ暴言・失言問題などがあって、逆風と認識していたため、『国政と市長選は関係ない』と必死に訴えました。菅原氏の落選が決まった後、自民県連幹部は「いくら説明しても分かってくれない人もいた、首相に対する批判が強まっていて、経済政策を訴えても誰も聞いてくれない」とぼやきました。菅原氏の陣営からは「タイミングが悪すぎた」との恨み節も漏れました。郡和子氏陣営は加計学園問題などで安倍政権批判を繰り返し、元自民党県連幹部の村井嘉浩知事と近い菅原氏に対して「お友達政治は許さない」と繰り返しました。毎日新聞社は選挙当日、投票した有権者に出口調査を実施した結果、郡和子氏に自民支持層の2割弱が投票したそうです。村井嘉浩宮城県知事や奥山恵美子仙台市長も応援した菅原氏ですが、有権者の半数を占める無党派層からの支持が2割強にとどまり浸透できなかったことが敗因のようです。

■ 内閣支持率26%、危険水域に
 毎日新聞が2017年7月22、23両日に実施した全国世論調査では、支持率が第2次安倍内閣発足後で最低の26%に落ち込んだそうです。6月の前回調査から10ポイント減、不支持率は12ポイント増の56%でした。支持率が20%台になったのは2012年12月の第2次安倍内閣発足後、初めてです。安倍晋三首相の自民党総裁任期が来年9月に終わることを踏まえ、「代わった方がよい」との回答は62%(3月調査では41%)で、3期目も「総裁を続けた方がよい」の23%(同45%)を大きく上回りました。政権運営は厳しさを増しています。支持率が20%台に落ち込んだ内閣が勢いを取り戻すのが難しいことは、過去のデータが示しています。政党支持率は、自民25%、民進5%、共産5%、公明3%、維新2%でした。「支持政党はない」と答えた無党派は52%でした。

■ 松居一代動画問題
 松居一代の動画について前回「テレビも取り上げないほうがいいですね」と書きました。ついに船越事務所も堪忍袋の緒が切れたみたいで、法的手段に訴えるみたいです。NHKとテレビ東京が一切報じず、フジテレビなども動画は流さずイラストのみという対応で、TBSだけがフルオープンという感じです。船越英一郎はNHKの「ごごナマ」に出演を続けています。こうした本人やNHKの対応は妥当なものだと思います。もちろんTBSも松居一代に批判的なスタンスで取り上げています。船越英一郎の父・船越英二が松居一代との結婚に猛反対して、亡くなるまでついに会わなかったということですが、息子や娘のことを心配しない親はいません。ましてや結婚という人生一大事に当たり、伴侶について反対するということは相手を見てのことでしょう。ガイジンだからという理由で反対するなどというケースは、やがて人となりが分かって、認めるというケースもありますが、相手が有名人の場合、やはり人生経験が上の親が反対するには相応の理由があるわけで、今回船越英一郎はそれがよく分ったでしょう。

■ うな重
 2017年7月25日は土用の丑の日です。先立って23日(日)にうな重を食べることにしました。江戸時代、浦和近郊は沼地が多く、川魚が多く生息する水郷地帯で、魚釣りなどを楽しむ行楽客で賑わっていました。その行楽の人々に沼地でとれたうなぎを出したのが始まりで、味の良いことが評判になり、「浦和のうなぎ」が有名になったのです。浦和駅から西方別所沼近辺が実は昔から鰻の名所なのです。大正時代の半ばから開発によって、地場のうなぎは取れなくなってしまいました。今では交通の関係か、名店と言われるお店は浦和駅周辺に多いようです。しかし、やはり浦和のうなぎのルーツ、すなわち別所沼近辺で鰻を食べようと探しました。埼京線・中浦和駅を挟んで東側に萬店(まんだな)という有名な鰻屋さんがあります。大体5,000円〜7,900円です。しかし食べログで評価の高い店が近くにありました。このお店は「しみず」と言い、中浦和駅から浦和工業高校方面に200mちょっとです。鰻専門店のような重厚な佇まいではなく、まちの蕎麦屋さんのようなお店ですが地元の人気店だそうです。店内はカウンター6席に小上がりテーブル3席、ふんわり関東風蒸しのうな重を注文しました。なるほどとても柔らかく蒸してあり、肝吸いも上品な味です。生ビール中ジョッキと合わせて3,100円、コスパ最高、満足しました。

しみずのうな重

■ 夏の高校野球
 毎年この時期、ギラギラ照り付ける真夏の太陽の下、かつての少年野球の選手たちが活躍する球場のスタンドで応援します。最近は毎年必ず我がチーム出身の選手たちがいいところまで行ってくれます。甲子園球場にも応援に行くぞ!という気持ちで毎年応援に行くのですが、あと一歩で残念!という結果に終わっています。2017年7月21日(金)の上尾市民球場は暑かった!スタンドの席に腰を下ろすとアッチッチ、この日は我が少年野球チーム出身の選手が出場する2校の試合があり、共に勝ちました。しかし7月23日(日)に今年も2校ともBEST4目前でとん挫しました。


■ 作曲家の平尾昌晃さんご逝去

 「瀬戸の花嫁」「よこはま・たそがれ」など作曲家として多数のヒット曲を生み出し、歌手としても活躍した平尾昌晃(ひらお・まさあき)さんが2017年7月21日、肺炎のため死去されました。79歳でした。葬儀は近親者で営み、後日お別れの会を開くそうです。東京都出身、慶応高校中退後、1958年に歌手デビューし、ミッキー・カーチスさん、山下敬二郎さんと共に“ロカビリー三人男”と呼ばれ、人気を博しました。「星はなんでも知っている」「ミヨちゃん」などの曲がヒット、1960年代以降は作曲家として活躍しました。小柳ルミ子さんの歌う「瀬戸の花嫁」が1972年に日本歌謡大賞、五木ひろしさんが歌う「夜空」が1973年に日本レコード大賞をそれぞれ受賞、他に布施明さんの「霧の摩周湖」なども作曲しました。筆者持ち歌の「アメリカ橋」もそうです。自らの作曲で畑中葉子さんと歌った「カナダからの手紙」も人気を集めました。NHK紅白歌合戦の「蛍の光」合唱での指揮者やテレビのバラエティー番組出演など、お茶の間でもおなじみの顔で、とにかく飾らない人柄で親しまれました ご冥福を祈ります    合掌


平尾昌晃さん

(2017年7月24日)


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