212  天下り

 東京は本州で最も早く桜が開花するようになって来ましたが、今年は開花してから催花雨による花冷えで蕾がなかなか開かず、4月1日(土)のエイプリルフールも、花見客からは「ウソでしょう?」というような冷たい雨、それにもめげずに飛鳥山公園ではしっかり花見している人が居たそうです。花よりダンゴと言いますが、実は花見の時期は寒いので、しっかり着込んで出掛けましょう。酒を飲んで、中から温まりましょう。

■ 日本百名山・筑波山
 このところ盛岡通いが続きます。東北新幹線が小山駅を通過する頃、東方に筑波山が見えます。標高877mの低山ながら日本百名山に入っているのは、平らな関東平野にすっくと立っているからでしょう。近くには吾国山(わがくにさん)というどこから見ても端正な円錐形、標高518mの山もあり、ほかにきのこ山(標高528m)という山もあります。北から御嶽山(230m)、雨引山(409m)、燕山(701m)、加波山(709m)、丸山(218m)、足尾山(627m)、きのこ山、弁天山(414m)、筑波山の順に連なる筑波連山は関東ふれあいの道のコースにもなっています。独立峰ではありません。この辺りには富士山(128m)、浅間山(345m)、羽黒山(240m)、三峰山(187m)などもあるんですよ(^_^)

小山方面(西側)から見る筑波山 右手前:男体山(871m)、左奥:女体山(877m)

■ 福岡河岸記念館と星野真理
 ところで我が住むまちふじみ野市はその名の通り富士山が見える地ですが、関東平野からは至るところで富士山が見えます。95『福岡河岸記念館』(2014年12月28日)をご覧下さい。この建物はふじみ野市指定文化財で、埼玉県が保存すべき建物第一号として指定したほど貴重なものです。この建物の三階から、西に筑波山、東には富士山、南には東京スカイツリーが見えます。この建物を作った星野仙蔵のひ孫が女優・星野真理です。前回繋温泉ホテル紫苑に宿泊したことを紹介しましたが、3月24日朝、窓を開けたら素晴らしい眺望!御所湖、七ツ森、日本百名山・岩手山、雫石スキー場が目の前に拡がる絶景、前夜の雪で白い景色も、快晴ですから直ぐ溶けるだろうと思いつつ、テレビをつけたらNHK総合TVで連続テレビ小説「べっぴんさん」をやってました。昔ワンピースをあげた子がお母さんになって、女の子を連れて来た、オッ、お母さん役は星野真理ではないか!ふじみ野市出身の有名人のひとり、星野家の子孫、上福岡駅前のタバコ屋の娘です。
ふじみ野市から見る富士山 高層ビルが増えてくると見えなくなるかも?

ふじみ野市から見る夕焼けの富士山 二つのツインタワーの間に東武東上線ふじみ野駅があり、左側はリズムタワー、右側はアイムふじみ野、右端さぎの森小学校体育館
いずれも高層マンションで、リズムタワーの間には、「SOYOCA」という名のアウトレットモールがあります 左方向が南東:池袋方面、右方向が北西:川越方面

■ 「べっぴんさん」の老け役はやり過ぎ
 ところでそのNHK「べっぴんさん」が4月1日(土)最終回でした。平均視聴率は19.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)、最終回の大台割れは「ウェルかめ」(2009年後期)の13.3%以来7年振りとのこと。全151回の平均視聴率20.3%は「あさが来た」(2015年後期)の23.5%、「とと姉ちゃん」(2016年前期)の22.8%に続く3作連続大台超えでしたが、終盤視聴率が落ちました。主人公たちが齢とって、ドキドキ感が無くなったためでしょう。それにしても主人公たちの老け役はやり過ぎじゃないの?と我が夫婦間では話題になりました。NHK「あさイチ」にヒロイン・すみれ役の芳根京子がゲスト出演した時に、最後の頃は50代と言っていました。芳根京子は今20歳ですが、中学2年生の時に四肢に力が入らなくなる「ギラン・バレー症候群」を発症し、1年間かけて克服したそうです。2回前に大原麗子さんも患ったことを紹介しました。すみれのモデル人物の坂野惇子は、神戸市に子供服専門店「ファミリア」を創業した大正7年(1918年)生まれの実在の人物です。すみれたち創業者がキアリスを引退し、武ちゃんが社長に就任するときですみれ49歳、最終週はキアリス35周年記念パーティ、明美(60歳)と栄輔が結婚、健太郎がキアリス社長に就任するときですみれ59歳だそうです。しかし背中が丸くなって、動作がのろくなって、髪をごま塩にして老けたイメージをつくるのは良いとしても、いくら30年前でも60歳ぐらいではあそこまで老けてなかったのでは?と思いました。ちなみに今の老人は親世代より10年若いと言われますが、そう考えるとすみれは今の69歳のおばあちゃん?ウーム、どうかなぁ?
 星野真理アメーバブログ「ことばあそび」   所属事務所トルチュのホームページ

星野真理 カワイイ

■ 文部科学省の天下り問題は過去最多の処分者
 文部科学省の組織的天下り斡旋問題で、文科省は3月30日、内部調査の最終報告書を公表しました。国家公務員法違反の文科省職員が外務省や内閣府の退職者の天下りを斡旋した事案も含まれ、これまでの判明分と合わせて違法事案は62件に上ったそうです。歴代事務次官3人が停職相当、当時の人事課長を停職3ヶ月とするなど重い処分となりましした。前事務次官らを含め、文部科学省での不祥事に伴う処分者数は過去最多となりました。松野博一文科相は記者会見で「類を見ない大量処分は極めて遺憾。問題の背景には根深いものがあり、身内意識が影響した」と陳謝し、今後再発防止策を検討する方針を示しました。

■ 現役職員による天下り斡旋禁止→じゃあOBが
 天下り斡旋仲介役の人事課OB(67)は「月2日勤務で報酬1千万円」という大手生命保険顧問の職をあてがわれていたと国会で話しました。ほ〜〜という驚きのどよめきがテレビ中継で流れました。OBは「人助け」だとして第三者からの要請や指示は否定しました。天下り斡旋は、かつては各省庁の人事担当課が業務として担っていました。しかし官民の癒着を招くとか、官製談合の温床になるなどと批判され、第1次安倍政権で国家公務員法が改正され、現役職員による斡旋が禁止されました。その結果、現役ではなくOBが仲介役になったわけで、官僚の頭のキレルところがうかがわれます。
 朝日新聞は社説で「現行の天下り規制をつくった安倍首相の対応も問われる。首相は全府省庁への調査を指示したが、聞き取りだけで全容解明は難しい。「国民の疑念払拭(ふっしょく)に必要なことは何でもする」という掛け声だけでは困る」−−−と主張しました。

■ 他の省庁に比べて不利な文部科学省の天下り先
 天下りが生ずる背景には、終身雇用、年功序列という日本型雇用システムの中にあって、キャリア官僚独特の早期退職慣行があります。同期入省者のうち一人の次官を出すために、それ以外の者は順次肩たたきして、かなり早い段階から退職して行くというのは皆様ご存知でしょう。早期退職者を処遇するために関係の団体や利害関係のある民間企業がそれなりのポストを用意する=天下りが生ずる典型的なパターンです。ただ文科省のお役人の天下り先は教育関係に限定されます。ただでさえ少子高齢化で道は細るばかりです。他の省庁に比べて不利だと当人たちは思っているでしょう。

■ システム変更が必要
 公務員には強い身分保障があります。終身雇用が原則であるのに、早期退職の不文律は今の時代に合いません。実力主義で、後輩が先輩を追い越すこともあれば、専門性を生かして定年まで勤める人もいるという、多様な働き方を許容する制度に転換すべきです。純粋培養ではなく広く人材を確保するため、中途採用や官民の人材の流動化も大いに促進すべきでしょう。ただ単に天下りがダメというだけでは、当のお役人たちがかわいそうです。官僚は高給取りだから、現役のうちに貯めておけという人もいるかもしれません。しかしそうでない公務員もいるのですから、システム変更が必要です。


■ 財務官僚
 文科省より財務省のほうが余程問題ではありませんか?森友問題で誰が見てもウソであることをエープリルフールでもないのに堂々と国会答弁する、書類は廃棄した?麻生大臣の答弁も白々しい上にふてぶてしい感じがします。財務省の当のお役人たちを国会証人喚問したら、本来皆偽証罪に問われますヨ。しかもそれを安部総理や菅官房長官など首相官邸がなぜか必死に擁護するものだから、共同通信の世論調査で国民の8割以上が「財務官僚がウソをついている、徹底解明すべきだ」ということになるのです。しかもこの問題で、籠池夫人が「キライだ」と言った朝日新聞など左寄りメディアのみならず、産経新聞や読売新聞など右寄りメディアも総じて徹底追及しているのは、教育勅語を幼稚園児に唱和させる教育を「素晴らしい」と讃える人たちの存在が、いわゆる「戦後保守」の本流とは違うんじゃないか?ということでしょう。このまま首相官邸が突っ走るのであれば、ジョウダンではなく国会解散が見えてきます。

■ 第89回センバツ高校野球は大阪桐蔭が優勝
 史上初の大阪勢対決となった第89回センバツ決勝は4月1日行われ、大阪桐蔭が履正社を降して優勝し、幕を閉じました。昨夏の大阪大会で履正社は優勝、大阪桐蔭は3回戦敗退でした。新チームとなった昨秋の大阪大会でも、履正社との準決勝で大阪桐蔭は初の公式戦敗退、昨秋の明治神宮大会の優勝は履正社でした。今回のセンバツも、先に試合日程のある履正社の勝利を追い続けた大阪桐蔭でしたが、「今ここで負けたら大阪は履正社の時代になってしまう。絶対に勝つ」と強い気持ちで臨んだ福井主将は、「履正社に負けて悔しい思いをしていなかったら、優勝できなかった。最高の舞台で借りを返せた」と紫紺の優勝旗を掲げました。3本のソロホームランで優位に試合を進めましたが、履正社は8回執念で同点に追いつき、大阪桐蔭は最終9回に、代打・西島の2ランホームランで勝ち越しに成功、代打本塁打は決勝では初めてだそうです。大阪桐蔭はこの回大量5点をあげ、裏の履正社の攻撃をリリーフの根尾が無失点に抑えて優勝を決めました。打ち手が当たった大阪桐蔭・西谷浩一監督の采配、さすがです。

■ 居住者
 4月になって、テレビ局のニュースキャスターも大幅に入れ替わりました。TBSテレビのモーニング番組でテロップに「居住者」と出ていたときに、女子アナが「いじゅうしゃ」と言いました。聞き間違いかと思わず耳を疑いました。「移住者?でも意味合いは居住者だよね」と連れ合いが言いました。「まあ、旧中山道(きゅうなかせんどう)を1日中山道(いちにちじゅうやまみち)と読んだアナウンサーもいたからねぇ」とのたまいました。本当?

■ 新年度、食品・保険料など値上げ続々
 新年度となって、食品や保険料などで値上げが相次ぎ、家計にとっては厳しい春となりそうです。トイレットペーパーが上がりますね。日清オイリオグループは、家庭用のオリーブオイルを10%程度、家庭用のサラダ油を1キロあたり20円以上値上げします。ニコニコのりは、家庭用の「海苔」60商品を平均で15%値上げします。海苔は全国的な不作で、ここ4年高騰しています。生命保険各社は終身保険や個人年金などの貯蓄性商品について、保険料を2%から30%程度値上げします。日銀のマイナス金利政策で、資金の運用が難しくなっているためです。全日空と日本航空は、国際線の運賃に上乗せする「燃油サーチャージ」を値上げします。北米やヨーロッパ行きは現在、片道が3,500円ですが、4月発券分からは7,000円になります。大手電力10社と大手都市ガス4社は、3ヶ月連続で値上げです。標準的な家庭では、3月と比べて東京電力が107円、東京ガスが64円高くなります。

■ 苦難の東芝
 米原子力事業の巨額損失で経営難に陥った東芝の臨時株主総会が千葉市の幕張メッセであり、経営側が求めた半導体事業の分社化が承認されました。これで新会社「東芝メモリ」が4月1日に発足することが決まりました。東芝は東芝メモリの株式の過半を2017年度中に売却し、その利益で巨額損失を穴埋めすることを目指すそうです。米原発子会社ウェスチングハウス(WH)が米国での原発建設で巨額損失を出し、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請しなした。東芝の今年度の損失が国内製造業で過去最悪の1兆100億円に拡大し、半導体事業の分社化、売却がなければ東芝の存続が難しいと株主に理解を求め、分社化の議案は、議決権ベースで3分の2以上の株主が賛成して承認されましたが、株主からは巨額の損失計上を防げなかった経営陣への批判が相次いだそうです。昔は東京電力や東芝の株は安定株でしたが、今やどこの株も安心とは言えないのが日本の現状です。

■ 栃木県那須町の雪崩事故で8人死亡
 栃木県那須町のスキー場付近で表層雪崩が発生し、栃木県立大田原高山岳部の生徒ら8人がラッセル訓練中に死亡しました。事故に遭われた皆様のご冥福を祈ります。主催者の県高校体育連盟の登山専門部の責任が問われています。予定していた登山は悪天候で中止しましたが、ラッセル訓練は出来るだろうとのことで、切り替えたそうです。
 しかも実施要項に講師として記載のない29歳の教諭にラッセル訓練の先頭班を引率させ、結果的にこの教諭も死亡しました。ここでは雪崩が起きないだろうと判断したみたいですが、スキー場の関係者は雪崩の危険があるとしていて、事前情報取得や危機意識の欠如が問題になっています。筆者の祖父の弟が死亡した大日本帝国陸軍の八甲田山雪中行軍に思いを致します。つぶやき55『死の彷徨』(2004年1月25日)をご覧下さい。冬山の怖さですね。今回は春山かもしれませんが、急な積雪で冬山と思わなければなりませんでした。指導者が判断を誤ったという意味では、同じような人災事故と言えます。
映画『八甲田山』、史上最高の大寒波、猛吹雪の中立ちすくむ
大日本帝国陸軍第八師団第四旅団青森第五聯隊の兵士たち


■ 総務省がふるさと納税の「適正化」へ
 地方自治体の返礼品競争が過熱する現状を放置できないということで、総務省は返礼割合の上限を3割に抑制する、換金性の高い商品券や資産性の高い家電などを返礼品にしないよう通達しました。その結果を受けても問題ある自治体には直接指導するそうです。ふるさと納税制度は、納税者が出身地など希望の自治体に寄付すると、2千円を超えた額が、年収などに応じて限度額まで控除されるというもので、2008年度に導入され、2015年度に控除額が2倍程度に引き上げられ、寄付控除申告の手続きも簡単になったため、寄付額が急増しました。2015年度の総額は全国で1652億9千万円に膨らみました。ところが返礼品合戦の様相が出て来て、返礼品目当てにふるさとと関係ない自治体に納税するようになって、都会の自治体は税収が減るなど様々な問題が出てきました。これでは、都市に比べて税収が少ない地方を応援するという制度本来の趣旨があいまいになります。本来この制度は、お世話になったふるさとに自分の納税の一部を振り分けるものですから、返礼品など無くても良いのです。災害の被災地に、寄付の代わりにというのは本来の趣旨とは違いますが、これは許される範囲でしょう。
(2017年4月3日)


次回へ    前回へ    最新ページへ    つぶやき最終回