150  景気の循環サイクル

 2016年1月21日は大寒、その名の通り冬らしい寒さになってきました。2月3日は節分、翌4日は立春です。2016年1月18日は前日夕方から雨となり、日付が変わった頃から雪となりました。天気予報では雨でしたが、上空の寒気が急激に降りてきて雪となったようですが、朝の通勤時間も降り続き、電車は大混乱、京王線や東急田園都市線は間引き運転のため昼過ぎまで駅は人で溢れ、怒号が飛び交ったそうです。「そうです」と書けるところがスゴイですね。現役時代は大変でした。何としても会社に行こう!日本人はスゴイ!
 午後からは良い天気、早速雪かき、家の前、ついでに隣の家の前、折角だから通勤者が歩きやすいよう道路も除雪、余勢をかって川越街道の歩行者信号の横断歩道から中央分離帯まで、通勤者のために除雪しました。大汗かいて、着替えました。こうしたボランティアができるようになったのです。
 夕方旧居の近所の人から電話があり、旧居の夏ミカンの木が大雪の重みで枝が折れて道路に落ち、近所の人たちで落ちた枝を切って片付けて、その代わり夏ミカンをみんなで分けて食べたら美味しかった、事後報告でゴメンナサイとのこと、後日行って、残った枝もほとんど切りました。
 年明け早々、ヘンなニュース、イヤなニュースが飛び交っています。スキーバスの事故、食品廃棄物の再流通問題、東日本大震災での道路復興工事の談合、ベッキーの不倫疑惑、SMAPの解散騒動、世界各地でテロが起き、原油価格下落、株価下落、為替の急変、いったい2016年はどんな年になるのでしょうか?ベッキーやSMAPはともかくとして、世界的な問題と国内問題とで、関連有るものもあり、無いものもあります。

2016年1月18日未明から降雪〜2階ベランダのアルミ手擦りの上15cmくらいでしょうか、向こうは川越街道と中央分離帯の並木

■ バス事故
 国内では規制緩和が必ずしも良くなかった例がバスの事故ですね。最初は運転中の急な疾患かと思いました。以前の関越道の藤岡での死傷事故は居眠り運転という衝撃的なもので、これ以降バスの安全対策が施されたはずでした。タクシーも規制緩和して競争が過熱し、交通渋滞や運転手の賃金低下を招いて、再び規制を強めるべきという方向に逆戻りしています。バスについては、団体旅行が減って、一時期この業界はもうだめではないかとさえ言われたのに、社員旅行は無くなっても、老人の旅行、それもツアーという気軽な形で参加する人が増えて、今や高速道路を我が物顔に走るバスが多くなりました。
 格安バスツアーが大人気で、運転手も高齢の人を多く見かけます。ニーズがあるのですから、やたら規制すべきではありませんが、人命第一だし、難しい問題ですね。マイカーよりバスが楽という高齢者の客が増えていますから、交通的にはバスは良いことです。ただ、運転手の過酷さは誰しも感じていたのではないでしょうか?このままではいけませんね。今回は大型バスに不慣れな65歳の運転手が、スピードが出過ぎて制御不能になったようです。下り坂はフットブレーキを使いすぎるとブレーキシューが過熱して燃えたり、制動が効きにくくなります。徹底的にエンジンブレーキで、速度も抑えないといけません。ギアがニュートラルになっていたというのは、ギアダウンできなくなった恐れがあるとのことです。運転手も命が惜しいですから、必死に制御を試みたのでしょう。雪道ではなお大変です。ハンドルで逃げるのは禁物です。チェーン交換は寒くて、手がかじかんで辛い、やりたくない作業です。
 以前も紹介しましたが、高速道路でよく見かけたキラキラ号、ものすごく安くて、結局倒産、今は別の会社が引き継いでいると思います。安過ぎるのも心配です。

東北自動車道のSA駐車中のキラキラ号

■ 食品廃棄物
 廃棄したはずの食品が売られたり、安い弁当の食材になっていた問題・・・・カレーチェーンを全国展開する壱番屋(愛知県一宮市)が産業廃棄物処理業者に廃棄委託した冷凍カツがスーパーで見つかり、廃棄食品の横流しが発覚した問題、セブン&アイ・ホールディングス、ローソン、イオンなど大手コンビニやスーパーにも広がり、業界や行政は対応に追われています。廃棄食品を横流しするのはもちろん言語道断ですが、視点を変えれば日本では食べられるものが大量に捨てられている現実もあります。日本の食品廃棄物の量は、政府広報によれば、年間1900万トンで、これは世界の7000万人が1年間食べていける量だそうです。民間の調査では、2700万トンという報告もあります。そのうち、まだ食べられるのに捨てられてしまうもの、いわゆる「食品ロス」が500万トンから900万トンもあるといわれます。米の年間消費量が700万トンですよ!日本は食料の多くを海外からの輸入に頼っているのに、その半分近くを捨てていることになります。金額にすると、111兆円にものぼるそうです、恐ろしいことです。

■ 世界経済や株価が大荒れ
 世界経済や株価が大荒れです。2016年1月21日の東京外国為替市場のドルの対円相場は、1ドル=116円台のドル安・円高となりました。ユーロは対円、対ドルで下落しています。すなわち世界の通貨で日本円が最も買われています。日経平均株価は1万6017円26銭と大幅続落し、終値で2014年10月30日以来約1年3ヶ月ぶりの安値となりました。国内の企業業績は堅調なので、投資家は買い戻しの機会をうかがっていますが、オイルマネーの引き揚げが足を引っ張っているものと見られます。反転の端緒として追加金融緩和など日銀の動きが注視されています。1ドル=115円台になれば動くのでは?と言われていますが、足元のリスクオフは中国や中東(原油安)が起点となっているため、「日本の努力ではどうにもならない」と言う市場関係者が多いようです。日銀黒田総裁の2013年4月4日の「バズーカ」と呼ばれたQQE第1弾は、ドル/円を93円から103円まで約1ヶ月半で約10円押し上げ、2014年10月31日の第2弾の時も、109円から121円まで約1ヶ月で約12円上昇しました。しかし、今回、「逆風」が吹き荒れるなかで、ドル/円を115円付近から125円まで押し上げるのは容易ではありません。

■ 米国FRBのゼロ金利政策放棄が真因
 ただ筆者はこの相場はまた反転して、もう一段上がると前回書きました。今回のリスク回避の動きの原因が中国や中東(原油安)が起点だというものの、実は根底にあるのは米国FRB(連邦準備制度理事会)の出口政策です。129『中国危機』(2015年8月31日)で書いたこと、今一度見返してみます。基軸通貨ドルの政策金利引き上げは常に世界金融市場に極度の緊張をもたらしてきました。米国の利上げを直接的または間接的要因として1987年にはブラックマンデーが、1997年にはアジア通貨危機が、2007年にはサブプライムローン危機がおよそ「10年に一度」のタイミングで発生しています。その発生メカニズムは至って単純で、ドル安・低金利を背景にハイリスク資産に流入した過剰流動性が、利上げによって逆流することで通貨や株式、商品、不動産などの大幅な価格調整をもたらすというものです。米国の政策金利引き上げが恐れられている理由はここにあります・・・・と書きました。そして年内利上げはないだろうと書きました。ところが予想に反して、米国FRBはゼロ金利政策を放棄して、わずかですが利上げしました。案の定、マネーは新興国から米国へ還流しました。それどころかドルより日本円が買いだ、ということになったのです。円高、ドル高、元安、ユーロ安、新興国通貨はもっと下落です。

■ 景気の循環サイクル
 先進国経済は、「バブル→(金融引き締め)→株価下落→不景気→物価下落(デフレ)→不良債権累積→流動性危機→(金融緩和)→信用収縮→ボトム→リバウンド→自律回復→物価上昇(インフレ)→好景気→株価上昇→ブーム→(金融引き締め)→バブル」といった、金融環境を中心としたサイクルで回ります。この循環のサイクルは短期的には10年、長期的にはおよそ30年です。前回筆者が、この相場はまた反転して、もう一段上がると書いた理由を「勘です」と書いたのですが、勘の理由は、危機のサイクル10年、1987ブラックマンデー、1997アジア通貨危機、2007リーマンショック、次は2017年です。国内的には消費税上げ、米国の車のローンが心配です。つまり今回はまだ早い、と思うわけです。その後にいよいよバブル崩壊サイクル30年、1980年代末の金融バブル崩壊から30年、東京オリンピックの直前頃です。景気は文字通り「気」ですから、人間が作り出すものです。懲りない面々のバイオリズム、30年はちょうど1世代、10年はひと昔、記憶が薄れるころ、なのです。

■ 日本の景気はピーク直前
 筆者の認識では、現在の日本経済と資産市場は、金融緩和による資産価格上昇により、資産価格が割高になる一歩手前、ピーク直前の「ブーム」の頃だと認識します。つまり皆が浮かれている頃という意味です。ただし、日本経済と市場も当然ながら外国からの影響を受けます。米国経済はひとり好調ですが、QE(量的金融緩和)をついに放棄して、2015年12月にはFRBが政策金利の引き上げを行い、明らかにピーク状況と思います。これから落ち目になる可能性大です。一方、不動産バブルが崩壊し、上海市場の株価が急落し、設備過剰に悩む中国経済は「流動性危機」状態に入ってきたと思います。今後、信用収縮の可能性を警戒する必要があるので、中国政府の動きが注目です。2015年前半はギリシャの債務問題に揺れ、後半はISのテロ、フォルクスワーゲン社の不正発覚などが重荷となっている欧州は、最悪期は脱したものの、金融危機後の不良債権問題が片付いておらず、「自律回復」途上ですが、EUとなってお互いが足枷で低迷しています。
 日本経済は経済指標的には「足踏み」状態ですが、日本の経済と資産市場は、まだ金融緩和の後押しを受けられる状況です。大方の予想では2016年度の企業業績は小幅な増益が想定されており、日銀の金融政策で長期金利が「自然なレベル」よりも大幅に抑えられており、消費税率の10%への引き上げが予定される2017年にいわば「景気後退が予約されている」ことを踏まえますと、日経平均株価の2万円は本来頭打ちレベルだと考えるのが妥当です。しかしアベノミクス相場の「断末魔」的なひと上げがあってもおかしくありません。米国経済の影響がプラスから徐々にマイナス方向に向かう流れを考えますと、天井が高くない、あるいは2015年の高値更新が難しい状況も考えておく必要もあるでしょう。しかし、そうした理性的判断はピーク直前ではしばしば忘れられます。ブームに乗って日経平均株価が2万2千円に近づいたら市場から離れることです。2万4千5百円という刹那的ピークも考えられます。

■ 2016年3つのポイントは「利上げ」「選挙」「原油安」
 2016年のポイントは、3つあります。@米国の利上げの影響、A日米の選挙、特に日本、B原油価格の下落です。
 米国の利上げの世界の金融市場への影響として、新興国への投資のマネーフローが証券投資・実物投資ともどもマイナスに動く可能性があり、ブラジル、ロシア、オーストラリア、南アフリカのような資源への依存の大きな国の経済は困難に直面するのではないでしょうか。また、日本の株式は「外国人売り」の影響が優勢になり、アベノミクスの崩壊につながるような冴えない動きとなる可能性もあります。日銀の金融的な政策に手詰まり感があることも不安材料です。
 7月の参議院選挙を睨んで、日本の政治の動きが、経済と市場に大きな影響を与える可能性もあります。もしかすると安倍政権が2017年に予定されている消費税率の10%への引き上げを延期する事を掲げて、参院選ないし、参院選と同時に行う「ダブル選」も含めて衆院を解散する可能性すらあります。「消費税率引き上げ延期」のカードが切られたら、日本経済は一気にバブルに向かうことが考えられます。2017年には消費税を絶対上げると安倍首相は言っていますし、そのための軽減税率検討ですが、民主党政権では消費税を上げないと言っておきながら野田総理が上げると言って衆議院解散、安倍政権の先の選挙ではTPP絶対反対と言っておきながら大勝したらTPP導入、政治家の公約は破るためにあるというのが最近の傾向です。
 原油価格の下落は、産油国の資金繰り悪化を通じて世界的に株式の売りにつながりやすい警戒材料と言われていますが、エネルギーコストの減少を通じて先進国経済にとってのプラス材料となることが次第に認識されるでしょう。資源のない日本では特にその効果が大きいと考えられます。すなわち前半は警戒を要するものの、後半には良い材料が揃う可能性があります。ただこれは、政治の動向に大きく依存するでしょう。
 日 付  2016年市場関連イベント
 1月1日  マイナンバー制度開始
 3月1日  米国スーパー・チューズデー
 3月26日  北海道新幹線 開業
 4月  電力小売完全自由化
 4月  ジュニアNISA 運用開始
 5月26日  伊勢志摩サミット
 7月  参議院選挙
 8月5日  リオデジャネイロ五輪開催
 11月7日  築地新市場 開場
 11月8日  米国大統領選挙

■ 外食好調?
 119『新居近隣の食べ物屋』(2015年6月20日)で紹介した通り、近隣は食べ物屋だらけです。「食うに困らないでしょう?」と我が家に来た人はおっしゃいますが、まだまだ行ってない店が沢山あります。
 右写真の豚骨ラーメン「一指禅」は真夜中でも行列しています。どうしてこんなに人気があるのだろう?と不思議で、この店に行って食べてみましたが、ラーメンオタクの筆者からすると、美味しいけれど、真夜中に行列してまで食べるほどのものでは?という気がしました。むしろ上福岡駅西口ココネの1階「サッポロらーめん」の味噌ラーメンはもう40年以上食べ続けていますが、相変わらず美味しいです。つけ麺の「三ツ矢堂製麺」にはまだ行っていません。ラーメンにしてはちょっと高過ぎる気がするからです。
 隣の「焼肉キング」も「安楽亭」も混んでいます。日本人は焼肉が好きなんですね。
 「大戸屋」もいつも混んでいます。川越街道を挟んで向かい側の「コナズ珈琲」もいつも混雑、日本人の外食好きを感じます。

川越街道の中央分離帯に樹木や花が植えられ、歩道も広い。「豚骨らーめん一指禅」のところを入ると我が家

■ 大人の休日2015年度第3回(最終)行ってきます
 JR東日本大人の休日フリー切符は2015年度前2回利用しませんでした。年会費7千円以上払っているので、第3回は利用することにしました。1月22日(金)東武東上線で上福岡駅から池袋駅へ、山手線で東京駅へ行き、乗り換えて踊り子号で伊豆急下田へ 伊豆急下田駅から徒歩1分の下田ロープウェイで寝姿山山頂の展望台へ行き観光、スーパービュー踊り子号で伊豆急下田から伊東へ引き返し、海辺の露天風呂のホテルに泊まり、1月23日(土)また踊り子号で伊東から東京駅へ、東北新幹線に乗り換えてはやぶさ号で盛岡へ、東北本線に乗り換えて岩手飯岡駅前の義兄宅へ、その後西見前の義弟宅に泊まり、1月24日(日)10時半清水寺で義父の7回忌法要、昼食後岩手飯岡駅から東北本線で盛岡駅へ、田沢湖線に乗り換えて雫石駅へ、10月に泊まった鶯宿温泉源泉掛け流しの宿全国5位の長栄館に泊まり、あの素晴らしいお湯にたっぷりと浸かって、1月25日(月)秋田新幹線こまち号で雫石駅から大宮駅へ、わずか2時間です。折角なので、上越新幹線ときで大宮から越後湯沢に行って、ぽんしゅ館の酒風呂:湯の沢に浸かり、利き酒を楽しんだ後、再びときで越後湯沢から大宮駅へ、埼京線で川越経由東武東上線で上福岡に戻って来ます。
(2016年1月22日)


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