150 景気の循環サイクル
■ バス事故 国内では規制緩和が必ずしも良くなかった例がバスの事故ですね。最初は運転中の急な疾患かと思いました。以前の関越道の藤岡での死傷事故は居眠り運転という衝撃的なもので、これ以降バスの安全対策が施されたはずでした。タクシーも規制緩和して競争が過熱し、交通渋滞や運転手の賃金低下を招いて、再び規制を強めるべきという方向に逆戻りしています。バスについては、団体旅行が減って、一時期この業界はもうだめではないかとさえ言われたのに、社員旅行は無くなっても、老人の旅行、それもツアーという気軽な形で参加する人が増えて、今や高速道路を我が物顔に走るバスが多くなりました。
■ 食品廃棄物 廃棄したはずの食品が売られたり、安い弁当の食材になっていた問題・・・・カレーチェーンを全国展開する壱番屋(愛知県一宮市)が産業廃棄物処理業者に廃棄委託した冷凍カツがスーパーで見つかり、廃棄食品の横流しが発覚した問題、セブン&アイ・ホールディングス、ローソン、イオンなど大手コンビニやスーパーにも広がり、業界や行政は対応に追われています。廃棄食品を横流しするのはもちろん言語道断ですが、視点を変えれば日本では食べられるものが大量に捨てられている現実もあります。日本の食品廃棄物の量は、政府広報によれば、年間1900万トンで、これは世界の7000万人が1年間食べていける量だそうです。民間の調査では、2700万トンという報告もあります。そのうち、まだ食べられるのに捨てられてしまうもの、いわゆる「食品ロス」が500万トンから900万トンもあるといわれます。米の年間消費量が700万トンですよ!日本は食料の多くを海外からの輸入に頼っているのに、その半分近くを捨てていることになります。金額にすると、111兆円にものぼるそうです、恐ろしいことです。 ■ 世界経済や株価が大荒れ 世界経済や株価が大荒れです。2016年1月21日の東京外国為替市場のドルの対円相場は、1ドル=116円台のドル安・円高となりました。ユーロは対円、対ドルで下落しています。すなわち世界の通貨で日本円が最も買われています。日経平均株価は1万6017円26銭と大幅続落し、終値で2014年10月30日以来約1年3ヶ月ぶりの安値となりました。国内の企業業績は堅調なので、投資家は買い戻しの機会をうかがっていますが、オイルマネーの引き揚げが足を引っ張っているものと見られます。反転の端緒として追加金融緩和など日銀の動きが注視されています。1ドル=115円台になれば動くのでは?と言われていますが、足元のリスクオフは中国や中東(原油安)が起点となっているため、「日本の努力ではどうにもならない」と言う市場関係者が多いようです。日銀黒田総裁の2013年4月4日の「バズーカ」と呼ばれたQQE第1弾は、ドル/円を93円から103円まで約1ヶ月半で約10円押し上げ、2014年10月31日の第2弾の時も、109円から121円まで約1ヶ月で約12円上昇しました。しかし、今回、「逆風」が吹き荒れるなかで、ドル/円を115円付近から125円まで押し上げるのは容易ではありません。 ■ 米国FRBのゼロ金利政策放棄が真因 ただ筆者はこの相場はまた反転して、もう一段上がると前回書きました。今回のリスク回避の動きの原因が中国や中東(原油安)が起点だというものの、実は根底にあるのは米国FRB(連邦準備制度理事会)の出口政策です。129『中国危機』(2015年8月31日)で書いたこと、今一度見返してみます。基軸通貨ドルの政策金利引き上げは常に世界金融市場に極度の緊張をもたらしてきました。米国の利上げを直接的または間接的要因として1987年にはブラックマンデーが、1997年にはアジア通貨危機が、2007年にはサブプライムローン危機がおよそ「10年に一度」のタイミングで発生しています。その発生メカニズムは至って単純で、ドル安・低金利を背景にハイリスク資産に流入した過剰流動性が、利上げによって逆流することで通貨や株式、商品、不動産などの大幅な価格調整をもたらすというものです。米国の政策金利引き上げが恐れられている理由はここにあります・・・・と書きました。そして年内利上げはないだろうと書きました。ところが予想に反して、米国FRBはゼロ金利政策を放棄して、わずかですが利上げしました。案の定、マネーは新興国から米国へ還流しました。それどころかドルより日本円が買いだ、ということになったのです。円高、ドル高、元安、ユーロ安、新興国通貨はもっと下落です。 ■ 景気の循環サイクル 先進国経済は、「バブル→(金融引き締め)→株価下落→不景気→物価下落(デフレ)→不良債権累積→流動性危機→(金融緩和)→信用収縮→ボトム→リバウンド→自律回復→物価上昇(インフレ)→好景気→株価上昇→ブーム→(金融引き締め)→バブル」といった、金融環境を中心としたサイクルで回ります。この循環のサイクルは短期的には10年、長期的にはおよそ30年です。前回筆者が、この相場はまた反転して、もう一段上がると書いた理由を「勘です」と書いたのですが、勘の理由は、危機のサイクル10年、1987ブラックマンデー、1997アジア通貨危機、2007リーマンショック、次は2017年です。国内的には消費税上げ、米国の車のローンが心配です。つまり今回はまだ早い、と思うわけです。その後にいよいよバブル崩壊サイクル30年、1980年代末の金融バブル崩壊から30年、東京オリンピックの直前頃です。景気は文字通り「気」ですから、人間が作り出すものです。懲りない面々のバイオリズム、30年はちょうど1世代、10年はひと昔、記憶が薄れるころ、なのです。 ■ 日本の景気はピーク直前 筆者の認識では、現在の日本経済と資産市場は、金融緩和による資産価格上昇により、資産価格が割高になる一歩手前、ピーク直前の「ブーム」の頃だと認識します。つまり皆が浮かれている頃という意味です。ただし、日本経済と市場も当然ながら外国からの影響を受けます。米国経済はひとり好調ですが、QE(量的金融緩和)をついに放棄して、2015年12月にはFRBが政策金利の引き上げを行い、明らかにピーク状況と思います。これから落ち目になる可能性大です。一方、不動産バブルが崩壊し、上海市場の株価が急落し、設備過剰に悩む中国経済は「流動性危機」状態に入ってきたと思います。今後、信用収縮の可能性を警戒する必要があるので、中国政府の動きが注目です。2015年前半はギリシャの債務問題に揺れ、後半はISのテロ、フォルクスワーゲン社の不正発覚などが重荷となっている欧州は、最悪期は脱したものの、金融危機後の不良債権問題が片付いておらず、「自律回復」途上ですが、EUとなってお互いが足枷で低迷しています。 日本経済は経済指標的には「足踏み」状態ですが、日本の経済と資産市場は、まだ金融緩和の後押しを受けられる状況です。大方の予想では2016年度の企業業績は小幅な増益が想定されており、日銀の金融政策で長期金利が「自然なレベル」よりも大幅に抑えられており、消費税率の10%への引き上げが予定される2017年にいわば「景気後退が予約されている」ことを踏まえますと、日経平均株価の2万円は本来頭打ちレベルだと考えるのが妥当です。しかしアベノミクス相場の「断末魔」的なひと上げがあってもおかしくありません。米国経済の影響がプラスから徐々にマイナス方向に向かう流れを考えますと、天井が高くない、あるいは2015年の高値更新が難しい状況も考えておく必要もあるでしょう。しかし、そうした理性的判断はピーク直前ではしばしば忘れられます。ブームに乗って日経平均株価が2万2千円に近づいたら市場から離れることです。2万4千5百円という刹那的ピークも考えられます。 ■ 2016年3つのポイントは「利上げ」「選挙」「原油安」 2016年のポイントは、3つあります。@米国の利上げの影響、A日米の選挙、特に日本、B原油価格の下落です。 米国の利上げの世界の金融市場への影響として、新興国への投資のマネーフローが証券投資・実物投資ともどもマイナスに動く可能性があり、ブラジル、ロシア、オーストラリア、南アフリカのような資源への依存の大きな国の経済は困難に直面するのではないでしょうか。また、日本の株式は「外国人売り」の影響が優勢になり、アベノミクスの崩壊につながるような冴えない動きとなる可能性もあります。日銀の金融的な政策に手詰まり感があることも不安材料です。
■ 外食好調?
■ 大人の休日2015年度第3回(最終)行ってきます JR東日本大人の休日フリー切符は2015年度前2回利用しませんでした。年会費7千円以上払っているので、第3回は利用することにしました。1月22日(金)東武東上線で上福岡駅から池袋駅へ、山手線で東京駅へ行き、乗り換えて踊り子号で伊豆急下田へ 伊豆急下田駅から徒歩1分の下田ロープウェイで寝姿山山頂の展望台へ行き観光、スーパービュー踊り子号で伊豆急下田から伊東へ引き返し、海辺の露天風呂のホテルに泊まり、1月23日(土)また踊り子号で伊東から東京駅へ、東北新幹線に乗り換えてはやぶさ号で盛岡へ、東北本線に乗り換えて岩手飯岡駅前の義兄宅へ、その後西見前の義弟宅に泊まり、1月24日(日)10時半清水寺で義父の7回忌法要、昼食後岩手飯岡駅から東北本線で盛岡駅へ、田沢湖線に乗り換えて雫石駅へ、10月に泊まった鶯宿温泉源泉掛け流しの宿全国5位の長栄館に泊まり、あの素晴らしいお湯にたっぷりと浸かって、1月25日(月)秋田新幹線こまち号で雫石駅から大宮駅へ、わずか2時間です。折角なので、上越新幹線ときで大宮から越後湯沢に行って、ぽんしゅ館の酒風呂:湯の沢に浸かり、利き酒を楽しんだ後、再びときで越後湯沢から大宮駅へ、埼京線で川越経由東武東上線で上福岡に戻って来ます。 (2016年1月22日) |