127  老化

 雨が降らなくて、近所の里芋畑のサトイモの葉が半分茶色になっています。心配していたらやっと降ってきました。農家の人たちもほっと一安心でしょう、と言ってもこれは埼玉県ふじみ野市の話で、九州や沖縄の方は大変です。

■ 夢をいつまでも
 2015年8月10日(月)夢グループが主催する「夢をいつまでも」コンサートに行きました。橋幸夫(オフィシャルサイト)55周年記念だそうです。昭和35(1960)年に17歳で「潮来笠」でデビューしたということで、今や72歳です(1943年5月生まれ)。橋幸夫が目当てではなく、その他の出演者のほうが同世代で魅力だったのです。
 出演者はポスターと違って、出演順に第1部が狩人、北原ミレイ、冠 二郎、黒沢年雄、葛城ユキ、チェリッシュ、千昌夫、第2部が橋幸夫ショーでした。北原ミレイが次の出演者を紹介する際に「今、話題の・・・」と言うので、誰だろう?と思ったら現れたのは冠 二郎でした。「セイヤー!」の掛け声で有名な「炎」の大ヒットにより「アクション演歌」の旗手と言われました。「サウナ好き」でも知られますが、一般に演歌歌手は体力勝負なので「サウナ好き」が多いのです。そして「サウナ好き」の人は長生きするとのデータが実際にあります。さて、「今、話題の・・・」の理由について冠 二郎は自ら「実は・・・」と説明しました。レコードデビューする際に、『若く見えた方が良い』というスタッフからの助言により、プロフィルに「昭和24(1949)年4月23日生まれ」と5歳若く掲載していたそうです。実は1944年生まれなので、71歳だそうです。2015年2月24日発売の『週間女性』でスッパ抜かれました。2009年にTHE ALFEE桜井賢さん、落語家の林家たい平さん、映画俳優の藤原竜也さんと共に、秩父市観光大使になりました。この時点では1949年生まれになっていました。

「夢よいつまでも」コンサートのポスター
会場は2015年3月オープンのウェスタ川越大ホール、1712席が満席でした
■ 老人バッカリ
 冠二郎より2ヶ月前生まれの黒沢年雄は今やニット帽がトレードマークです。1992年に大腸癌、2008年に膀胱癌、2015年5月には白内障の手術を受けました。2010年、著書『二流芸能人が、何度がんになっても笑って生きている理由』(講談社刊)を出しました。「こういうコンサートに来て、笑ったり、一緒に歌ったりしていると、ナチュラルキラー細胞が活性化して、ガンになってもこの通りなんですよ」、と笑わせていました。弟の博は「ヒロシ&キーボー」で、「3年目の浮気」というヒットを飛ばしました。年齢の話になると、千昌夫は1947年4月生まれですから68歳、北原ミレイは67歳、葛城ユキは66歳、チェリッシュの松崎好孝は65歳、松崎悦子は64歳、狩人は還暦前です。還暦前が若く見える、イヤハヤ、老人バッカリ(>_<) 観客も同じですけど(^_^)
 第1部のトリは千昌夫でした。他の歌手がそれぞれ2曲だけだったのに、自分で「アンコール!アンコール!」と言って、たくさん歌いました。しかもトークが面白いので会場爆笑、この人の歌謡ショーには大震災以降何度も行っていますが、トーク・ネタがややマンネリですネ。

■ 老化した日本
 橋幸夫の新曲「長州で候」は高杉晋作を歌った歌です。今や作詞界では重鎮となった荒木とよひさの作詞です。「♪あ長い日本の 夜が明ける ♪高杉晋作 ここにあり」 第2部の中で橋幸夫は強調していました。「戦後70年、今や戦争のことも知らない人たちが増えました。私はTBSで毎週日曜日夜22:30から橋幸夫の地球楽団という番組をやっています。その中で浅田次郎さんをゲストとして迎えたとき、浅田さんは言っていました。歴史を勉強していない人が増えてきて心配だ、過去の歴史を知ってこそ今こうして自分たちがあるということの意味が分かる…と。明治維新と言っても高々150年弱前、今NHKの大河ドラマ『花燃ゆ』は松下村塾、いわゆる吉田松陰とその門下生達が出てきますが、世の中を変えるという意志を持った志士たちが若くして命を投げ打って活躍しました。その中のひとりが高杉晋作です」ということです。確かにこの時代は20代の若者の時代でした。明治維新の維新三傑と呼ばれる木戸孝允、西郷隆盛、大久保利通にしても亡くなったのは40代です。そう考えると今の日本は老化しました。

■ 鵜頭坂
 ところでウェスタ川越(埼玉県川越市新宿町1丁目17)へ何で行こうかと考えました。川越駅西口から歩いて5分なので、東武東上線上福岡駅から2駅目、電車も考えましたが、待てよ、川越街道をひたすら真っ直ぐ行けば着くと考えてオートバイか自転車か、5kmしかないので、自転車で行こうと考えました。スポーツサイクルではありませんが20分で行きました。我が家の標高は海抜21.7m、ウェスタ川越は海抜22.9mです。ほとんど平らみたいですが、ふじみ野市鶴ヶ岡3丁目の我が家から出発するとすぐ川越市藤間です。川越街道(国道254号線)の旧道を行くことにしました。コチラのほうが風情があります。坂道を下り、上がって、また下り、川越鵜頭坂を上ります。秋の川越 鵜頭坂 越えて行きます蔵街へ♪山田大輔の歌う『秋の川越』(佐渡谷 洋作詞・作曲)の歌詞の中に出てきます。つぶやき291『ゲリラ豪雨』(2008年8月10日)をご覧下さい。
 鵜頭坂というのは交通の要衝なのです。川越街道(国道254号線)の本道と旧道の合流点であり、千葉から横浜まで環状にぐるっと首都圏を巡る国道16号線との交差点であり、その下をJR埼京線と東武東上線が合流して川越駅に入る手前です。脇を新河岸川が流れ、かつては船着場がありました。したがってこの辺りは岸町という地名です。川越の歴史を語るときには重要なスポットなのです。
 新河岸川は江戸と川越を結ぶ舟運の重要な川でした。下っていけば浅草の吾妻橋を経て東京湾です。鵜頭坂に近い船着場で、江戸からの荷を下ろし、農産物を載せてまた下っていきました。このあたりについては95『福岡河岸記念館』(2014年12月28日)をご覧下さい。

■ 池上彰の新聞ななめ読み…安保関連法案 多様な意見伝えているか
 7月31日の「池上彰の新聞ななめ読み」の内容です。
 安倍晋三首相は7月15日の衆議院特別委員会での質疑で、「国民の理解が進んでいる状況ではない」と認めました。賛成意見が少ないのは理解されていないから、という認識なのでしょう。この法案については、「よくわからない」という人が多いのも事実。こういうときこそ新聞の出番です。自社の意見は意見として主張しつつも、賛成と反対双方の論者に語らせ、読者の判断材料を提供するのも大事な役割です。朝日も毎日も安保関連法案に批判的ですが、賛成と反対の双方の主張を紹介しています。賛成や反対という明確な態度の表明を抑え気味の日経新聞も双方の主張を紹介していますが、分量がとても少なく、不満が残ります。読売新聞は、全体として、安保関連法案賛成の紙面づくりを展開しています。ただし反対論者の人たちの意見を紹介していません。安保関連法案に関する全国世論調査の結果については、「反対」が「賛成」を上回っていることを伝えています。驚くのは、質問の文章です。読売新聞は、世論調査で、次のような質問をしたのです。
 「安全保障関連法案は、日本の平和と安全を確保し、国際社会への貢献を強化するために、自衛隊の活動を拡大するものです。こうした法律の整備に、賛成ですか、反対ですか」
こんな聞き方だったら、「それはいいことだ」と賛成と答える人が大勢出そうです。設問で答えを誘導していると言われても仕方ないでしょう。それでも、「賛成」は38%、「反対」が51%でした。
 賛成の答えを誘導するかのような質問にもかかわらず、「反対」と答えた人の方が、はるかに多い。国民の「理解」は深まっているように思えますが。


■ 4─6月期GDP年率▲1.6%、3四半期ぶり悪化
 内閣府が2015年8月17日発表した2015年4─6月期国民所得統計1次速報によりますと、実質国内総生産(GDP)は前期比▲0.4%、年率換算で▲1.6%となりました。消費や輸出といった内外需が大幅に悪化したことが主因のようです。個人消費が前期比▲0.8%と全体の足を引っ張りました。4月以降、食料品など生活必需品の値上げが相次ぎ、消費減退につながったのでしょう。調味料や冷凍食品など値上げ品目のほか、パソコンや家庭用器具の消費も減ったようです。日常買い物をしている筆者などは、いわゆる商品の価格レベルが上がったことを実感します。なにせ、玉ねぎ、ピーマン、じゃがいも、きゅうり、人参、ネギなどを1個単位で売るようになってきています。物価の優等生、卵や牛乳も上がりました。魚は前から圧倒的に海外産が多いのですが、最近では肉も海外産が増えています。円安ですから当然輸入品の価格は上がります。価格が上がるのに国産を駆逐して輸入物が増えている?何故でしょう、市場原理に反しているのでは?日本の「食」は大丈夫でしょうか?いろいろ考えてしまいますが、実はこの理由は明白です。日本国内における作り手の減少です。団塊の世代が65歳を越えて、農林畜産業、水産業の従事者が減ったのです。酪農など最たるものです。バターが足りないという騒ぎもここに起因します。
 もう一つの柱である輸出は円安という追い風があったにもかかわらず、中国など海外景気の減速の影響で不振です。中国などアジア、米国、欧州の各地域で数量が伸び悩みました。中国が人民元の切り下げに踏み切りましたので、今後も日本企業の輸出は伸び悩むと思います。政治的に日本は中国と対立関係にありますが、経済的にはお互いに切っても切れない関係になっていますので、中国が不振になれば日本も不振になります。元安になって中国からの観光客が減ると困るのが今や日本の主軸となった第三次産業なのです。観光も小売も今や中国人が頼りなのですから。

■ 優先席付近の携帯オフは必要?
 「優先席付近で携帯電話の電源をお切り下さい」という電車内の放送、心臓ペースメーカーへの配慮からのようですが、近年「影響は無い」とメーカーサイドが言っています。ペースメーカー製造会社もスマホなどのメーカーも、どちらもです。第2世代と呼ばれる携帯電話サービスが終わり、電波が弱い第3世代になってからのようですね。技術の進歩に合わせて、鉄道側も対応を変えなければいけないかもしれません。というのは、電車の中で、携帯端末を巡るトラブルが後を絶たないからです。JR京浜東北線車内で2015年6月、70代の男が、タブレットを使う乗客に「優先席でいじるな」と刃物を突きつけて、約50人が線路上に逃げ出す騒ぎになったり、2014年12月には相鉄線の優先席で、60代の男がスマホを使う女性に「降りろ」と怒鳴り、非常ボタンを押して、男は後日、威力業務妨害の疑いで逮捕されました。同様のトラブルを39回も繰り返していたそうです。「電源オフ」のルールに限らず、電車内のモバイル端末を巡るトラブルは後を絶ちません。最近は「切れる老人」が多いので要注意です。

■ 怖い女
 2015年8月17日未明、愛知県大府市の駐車場でアルバイトの23歳男性に対して十数回蹴るなどの暴行を加えたとして、男性の勤務先の鮮魚卸売会社社長の女(47)が逮捕されました。女は自ら救急車を呼び、男性は搬送された病院で死亡が確認されました。怖い女もいるものです。
(2015年8月17日)


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