79 重陽の節句
本日2014年9月9日は、重陽の節句(菊の節句)です。これは五節句の一つです。奇数は陽の数であり、陽数の極である9が重なることから「重陽」と呼ばれます。
陽の極が2つ重なることからたいへんめでたい日とされ、邪気を払い、長寿を願って、菊の花をかざったり酒を酌み交わして祝う日です。また、「救急の日」でもあります。9月9日でキューキューの語呂合せから、救急医療の大切さを理解してもらうために、1982年(昭和57年)に厚生省が制定したもので、この日には救急処置の講習会などが開かれます。「温泉の日」というのは、大分県九重町が制定しました。町内に数多くの温泉が点在し、「九重九湯」と言われることからです。風光明媚な地です。町内に12も温泉がある我がふるさと雫石も美しいけれど、ここもきれいですよ。 昨日は中秋の名月でしたが、台風14号の影響で見れませんでした。本日は満月です。今日はきれいに見えるでしょう。月の満ち欠けは、人間の気持ちにも影響します。特に為替や株価の変わり目になることが多いのです。一般に満月は底になります。 ■ 円安ドル高へ
■ 為替は意志を持ってコントロールされている 金融専門家の間では、年末までに1ドル=108円台まで円安が進む可能性があるとの見方も出ています。筆者はかつて、あの超円高のときでさえ、2015年春頃に1ドル=108円になるだろうと書いてきました。それは何が根拠か?と言われても大した理由は無いのですが、米国と日本の国力を単純に考えれば、円高になるのがおかしいのです。すなわち為替は意志を持ってコントロールされていたのです。2011〜2012年の極度の円高は、日本の製造業に対する最終的な追い討ちで、これで日本は決定的なダメージを受けましたから、もういいだろうということで為替レートが戻っているだけで、円安になっているというよりも、ドルが本来の価値へ回帰しているだけのことなのです。その後の日本の少子高齢化、人口減少、生産年齢人口減少の流れを見るならば、もっともっと円安・ドル高になるべきなのです。2015年春頃に1ドル=108円というのは、10年前の2005年春に1ドル=108円だったので、そこに戻ると言う意味です。意志を持ってコントロールされているのならば、一昔の10年が一区切りです。2025年は更に円安になっているかといいますと、それは日本の国家としての意志次第でしょう。安倍総理は、増田寛也さんの提言を受けて「ふるさと創生」を打ち出し、石破大臣をその担当に任命しました。「ふるさと創生」は少子化をストップさせ、再び日本を心豊かな国にして行こうという政策です。原発再稼動や中国との連携など、日本が現在の「自分だけが良ければよい」という気分から脱却できれば、円ドルレートはそんなに変わらないでしょうが、もしそうでなければ、再び激しいバッシングを受けるでしょう。 ■ 外貨預金して資産を増やした人たち 一時期の極端な円高を見て日本の高級官僚たちは、自らの円資産を米ドルに替えて、しかもそれを米国に預金しました。円高の時分ですからたくさんドルが買えて、しかもゼロ金利の日本では全くお金が増えないのに、米国では金利が付いて資産が増えて行きました。そして今再び円安になってきていますから、今度はこれを円で受け取るととんでもなくお金が増えたことになります。長い眼で見れば、お金があるならば日本円で持っているより米ドルで預金しておいたほうが得です。 ■ 中食が増える日本 47『食市場』(2014年1月26日)で次のように書きました。 2030年には中国のGDPが日本の10倍になるだろうと、他ならぬ日本国政府の内閣府が予想しています。人民元は高くなり、円は安くなると書きました。国力の差を見れば、これは当然の帰結です。隣に世界一の市場があるのですから、日本はやりようによってビッグチャンスを抱えています。米国は先を見通して中国との良好な関係を築こうとしていますが、日本の指導者が中国とギクシャクしているものですから、気を揉んでいるわけです。今は円安というより、ドル高局面です。とにかくアメリカ経済が強い。理由はやはりシェールガスですね。外国から石油や天然ガスを輸入しなくて良くなった上に、それらエネルギー価格が安いのですから、日本と180度違います。もっともっと円安ドル高になって良いのに、上がったり下がったりモタモタしているように見えるのは、うまくコントロールされていることを意味します。その間に日本の老人の冨がジワジワ吐き出されて行きます。 さあ、どうでしょうか、現在は?このときに書いたのは、円安になって日本の製造業が復活するのではなく、アベノミクスで消費者の財布の紐が緩み、人々が消費し始めたということでした。外食より中食が増えると書きました。実際スーパーに行ってご覧なさい。弁当や惣菜が大変な量、置いてあります。働く女性の増加や高齢化を反映して、材料を買って調理するのではなく、出来上がったものを買ってきて、自宅で食べるのです。 ■ 楽観の中で成熟するステージに入ってきたか? さらに4『円安株高、景気は意志によって作られる』(2013年3月10日)では、次のように書きました。 2012年12月、総選挙直後、日経平均が1万円を超えました。そして2013年3月5日、NYダウ平均株式は前日比125ドル高の14,253ドルで引け、約5年5ヶ月ぶりに史上最高値を更新しました。米国だけでなく欧州でも高値更新が続いています。20世紀アメリカを代表する投資家であるジョン・テンプルトンは「相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」と言いました。フランスの哲学者アランはその幸福論の中で「悲観主義は気分のものであり、楽観主義は意志のものである」と言いました。つまり、流れというものは、意志によって作られるということです。 アベノミクス後のこの相場、今は懐疑の中で育っているステージでしょうか。2013年3月8日(金)、日経平均株価は前日比315円54銭高の1万2283円62銭と7営業日続伸となり、リーマン・ショック前の水準を一気に抜き去りました。95円を越える円安進行や米欧株高を受けて先高期待が強まっています。次は楽観の中で成熟するステージ、そしてそれは意志によるものです。強い意志を持って進まば、道は開かれん! さあ、どうでしょうか、現在は?消費税が上がった影響で個人消費が落ち込み、人々は相変わらず安いものを追い求めています。税金が上がった分、商品の量が少なくなっています。例えば1kgの味噌が750g入りに、ロールケーキが短くなる、という具合です。一方住宅建設や土木関係は絶好調です。消費税が更に上がる前に家を買おう、建てようというわけです。新築がドンドン建ちますから、空き家は増える一方です。サラリーマンの収入は名目微増ですが、エネルギー価格すなわち電気代、石油価格が高騰し、税金が上がり、社会保険料が上がって、手取りの給与は減っています。個人の苦境とは逆に、企業にとっては、株価が上がって含み資産が増えたのでルンルンです。アベノミクス様さまです。 現在が「楽観の中で成熟するステージに入ってきた」のだとすれば、次は「幸福感の中で消えていく」ことになります。恐いですね、それはいつでしょう? ■ 超円高で工場を海外移転した日本製造業
■ 円安で物価が上がり、海外旅行に行き辛くなる 大手企業の生産拠点の移転によって、日本の経済構造が顕著に変化しました。足もとで円安傾向が進んでいるにもかかわらず、輸出が伸びない理由は、国内の工場を畳んで生産拠点を海外に移転したためです。もう一度国内回帰しようとしても、少子高齢化で人が集まらず困難です。一度リストラの嵐を経験した従業員は、もう第二次産業から他へ移りました。 一方、エネルギーや食料品などの輸入企業にとっては、円安になると輸入代金がかさむため、収益力が圧迫されます。エネルギー資源や食料品などは、価格が上昇しても輸入を減らすことが難しいこともあり、為替変動の影響をまともに受けるのです。現在、日本では、原子力発電所がすべて休止していることもあり、代替エネルギー源として世界の水準から見ると割高なLNG(液化天然ガス)を大量に輸入しており、円安の進展は輸入額の大幅な増加をもたらします。食料も国内調達は野菜の一部などに限られ、大概輸入ですから物価が上がります。物価水準を2%まで引き上げることを公約している日銀には、輸入物価の押し上げ効果は大きく、消費税率引き上げの効果もあり、足もとの消費者物価水準は年率で3%を超えています。一方、給料の上昇が物価の上がり方に追い付いていないため、実質賃金が減るという現象が起き始めています。すなわち生活が苦しくなってきていますから、短期的に個人消費が落ち込んでいるのです。 そもそも少し長期的な観点で円安を考えますと、日本の通貨である円の価値が減価することは、結果として日本の人々が持っている通貨の価値を下落させることです。それは、海外旅行をしてみるとよくわかるはずです。円が安くなったため、海外で買うモノの値段がみな高く映ってしまいます。一方海外から日本へ来る観光客にとっては円安は歓迎ですから、今後ますます日本を訪れる人は増えていくでしょう。筆者は引退したら海外旅行するのが夢でした。しかし、イザその時になるとドル高、うまく行かないものです。
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■ 面白い歌謡グループ「はやぶさ」
■ コイン電池
■ 訃報
(2014年9月9日) |