4  円安株高、景気は意志によって作られる

■ニューヨーク株価史上最高値
 去年12月、総選挙直後、日経平均が1万円を超えました。そして2013年3月5日、NYダウ平均株式は前日比125ドル高の14,253ドルで引け、約5年5ヶ月ぶりに史上最高値を更新しました。米国だけでなく欧州でも高値更新が続いています。20世紀アメリカを代表する投資家であるジョン・テンプルトンは「相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」と言いました。フランスの哲学者アランはその幸福論の中で「悲観主義は気分のものであり、楽観主義は意志のものである」と言いました。つまり、流れというものは、意志によって作られるということです。
 アベノミクス後のこの相場、今は懐疑の中で育っているステージでしょうか。2013年3月8日(金)、日経平均株価は前日比315円54銭高の1万2283円62銭と7営業日続伸となり、リーマン・ショック前の水準を一気に抜き去りました。95円を越える円安進行や米欧株高を受けて先高期待が強まっています。次は楽観の中で成熟するステージ、そしてそれは意志によるものです。強い意志を持って進まば、道は開かれん!

■WBC2次ラウンドへ
 3月10日(日)、日本打線がオランダ戦で本塁打6発、先発全員安打となる17安打の大爆発で7回まで毎回得点の16-4でコールド勝ち、2次ラウンド1組で2位以上が確定し、米サンフランシスコで開催される決勝ラウンド進出を決めました。1番に抜擢された鳥谷敬(阪神)が1回に先頭打者本塁打を放って打線を勢い付け、先発前田健太が9三振を奪う素晴らしいピッチングで圧勝でした。日本でもプレーしたことのあるオランダのミューレン監督は「日本はチャイニーズタイペイとの試合で、大会での流れをつかんだ。日本のピッチャーは素晴らしい」と、負けてもサバサバ。強打で勝ち進んできたオランダを5回1安打無失点に抑え込んだ前田の投球に、山本浩二監督も「準決勝に先発させる」と明言しました。3月2日(土)ブラジルに5-3勝利、3月3日(日)中国を5-2で下しましたが、3月6日(水)キューバに3-6で敗れたものの2次ラウンド進出。3月8日(金)台湾戦、9回2死絶体絶命の状態から鳥谷が四球を選び、普通はなかなかやろうと思ってもできない盗塁を敢行、ここで井端が起死回生の同点打、次の回中田が犠牲フライの決勝打。この試合はまさに野球の醍醐味でした。試合はいかに劣勢でも、最後に笑ったものが勝ちなのです。長島茂雄氏のエピソード、解説者として「この試合、どちらが勝つでしょうねぇ」とアナウンサーから問われ、「そうですねぇ、1点でも多く取ったほうが勝つんじゃないでしょうか」と答えた事が、いかにも長島さんらしいと笑い話になっていますが、実はコレ、本質を突いているのです。野球はどんなに打たれようが相手選手をホームインさせなければ勝つのです。そして、相手より多くホームを踏めば勝つのです。途中経過がどうであれ、結果はこの得失点の差です。だから、最後の最後まで諦めてはいけないのです。

(2013年3月10日)


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