74  仙台七夕

 間が空きました。実はバイクの交通事故で怪我しました。バイクで走っていたら、右折しようとしたファミリーバイクとぶつかったのです。真っ直ぐ走っていて、急に目の前でバイクが動き出し、アッと思ったときにはぶつかっていました。こういう場合、どちらも動いているので、保険上での責任割合は8対2なのだそうです。警察としては、直進していた車両に対して、右折しようとして曲がった相手が加害者で、筆者は被害者なのだそうですが、実際こういう場面に遭遇すると「踏んだり蹴ったり」です。右足すねが相手バイクをぶっ飛ばして、骨には異常無く、すねには左右に陥没痕とこぶが出来て、内出血がジワジワと下に降りて足が赤黒く変色しました。こぶが無くなるのに1ヶ月以上かかるのだそうです。右足はそれでなくても痛風で腫れていたのですが、爪まで青く変色してしまいました。交通事故に遭遇して良いことなど何もありません。ぶっ飛ばした相手のバイクは、修理価額が評価額を上回り、全損なのだそうです。ぶつかったこっちはバイクをすねが守ったので、バイクの損傷は軽微、しかしすねに傷持つオトコになったワタクシはどうしたら良いのか?内科、整形外科、歯科を毎日のように渡り歩く日々、こんな日が来ようとは、思ってもいませんでした。

■ 仙台七夕
 仙台七夕は、伊達政宗公の時代から続く伝統行事であり、現在では全国に名を馳せる仙台名物となりました。七夕まつりは本来、旧暦7月7日の行事として全国各地に広まっていました。

仙台七夕まつりは、旧暦7月7日に1ヶ月を足した新暦8月6〜8日に開催されています。仙台市内中心部および周辺商店街をはじめ、街中が色鮮やかな七夕飾りで埋め尽くされ、毎年2百万人を超える観光客が訪れます。金銀銅の各賞が与えられます。

 毎月仙台に行く我が夫婦は、真っ赤な車で行って、8月8日AM宮城野区に母を見舞い、昼前に仙台駅前の屋根のある駐車場に停めて、仙台七夕最後の日に歩いて七夕を見物しました。仙台駅から青葉通りと広瀬通りの間にあるクリスロード商店街からマープルロード商店街の「中央通り七夕飾り」、これが仙台七夕の言わば、メインです。本来は、この東から西への通りから右折して一番町通り七夕飾りを観ながら北上して勾当台公園へ行ってお祭り広場のイベントを楽しむのが本道なのですが、余り歩くのが得意で無い軟弱な妻は、もう宿に行きたいというので、雨も降ってきたし、温泉へ。

■ 平禄寿司
 ところで上の左写真の右上に「平禄寿司」という札が掛かっています。七夕飾りは、スポンサーがあるのです。au七夕とかdocomo七夕、みたいな。「平禄寿司」は仙台中心の回転寿司で、埼玉中心の「がってん寿司」と似たところがあります。スシロー、かっぱ寿司、くら寿司という日本BEST3の回転寿司チェーンが百円寿司でシンプルさを売りに競っているのに対し、ネタ毎に価格を変えて、味第一を追求しています。仙台近辺ではスシロー1店舗、くら寿司3店舗と少ないですが、かっぱ寿司はよく見かけました。でも、やっぱり仙台なら平禄ですよ。日本5位の「はま寿司」の福島県伊達市の店に入ったことがありますが、ゼンショーグループだけに平日90円と安いものの、シャリがちょっと・・・。いくら安くても、ネタが良くても、店によって違うのか知りませんが、シャリがやはり、寿司のいのちです。「くら寿司」は、2014年度モンドセレクション金賞受賞!と盛んに宣伝してますが、寿司でモンドセレクションってなんなのよ?という気もします。回転寿司については、58『回転寿司』(2014年4月12日)をご覧下さい。

■ シャリに適した米は?
 ちなみに「平禄寿司」はシャリが良いです。シャリの語源はご存知ですか?知らない方は→クリック シャリに最も適したブランドの米は「ササニシキ」ですが、「平禄寿司」が使っているブランドは存じません。ササニシキと言えば宮城県です。秋田こまちとか宮城・岩手ひとめぼれとかいろいろブランド米がありますが、最も日本人に人気のあるのが「コシヒカリ」で、中でも新潟の魚沼コシヒカリは抜群で、価格も一際高いのですが、その理由は粘り気があり、冷めても味が落ちないからです。秋田こまちやひとめぼれはコシヒカリの子どもにあたります。九州のヒノヒカリもコシヒカリから生まれた米です。日本人が好きな白飯は粘り気があるほうが好まれますが、握り寿司用の米は粘り気が少ないほうが良いのです。米粒と米粒の間に適度に空気が入っていて、口の中でホロリとほどける食感が良いとされるのが理由です。したがってこだわりの寿司屋では古米を使うと言われます。1年寝かせた米です。水分が安定しているので、炊いた後の品質が安定しているからでしょう。ただ、現実には古米を使う店は少ないはずです。保管費用がかかるからです。逆に冷めても味が落ちないので、「コシヒカリ」を使っていることを売りにしている有名寿司店もあるくらいです。ただ回転寿司では高価な米は使えませんから、米のブランドをうたっているところは無いのでは?品種だけではなく、水加減と炊飯器が重要です。また食感の意味からギュッと握らない、という加減は、回転寿司店の裏方、すしロボットの腕の見せどころです。下手な寿司職人より、分量も握り具合もロボットのほうが上手い、というのは今や常識です。60『アンパンマン』(2014年4月27日)で「すきやばし次郎」を紹介しましたが、やがて「すきやばし次郎」を越えるすしロボットが出てくるでしょう。

■ ヒロシマとナガサキ
 8月、ミーンミーンと蝉時雨の暑い時期、ヒロシマ、ナガサキの原爆投下、そして終戦、過去たびたびつぶやいてきましたが、69年前の暑い夏、日本は敗戦、ものすごく多くの日本人が死にました。そして、戦場として朝鮮半島、中国、東南アジア、南方の島々の人々に多大な迷惑をかけました。これを機に「戦争をしない国」として、戦後69年を平和に過ごしてきました。有難いことです。ただ不思議なのは、あれほど戦争犯罪というべき空襲を受け、最後は原爆まで落とされて、非戦闘員である民間人を虐殺した米国と何故日本人はこんなに仲が良いのか?身内を殺された人がたくさんいるのに、その憎しみが何故継承されなかったのか?世界各地では、いまだに多くの人々が憎しみとともに殺し合っています。日本人は洗脳されたのでしょうか?米軍の捕虜となり、出生した師団で0.1%の生き残りだった父は、フィリピンの捕虜収容所で、理容師の腕を生かし、床屋として、米兵の人気者だったそうです。手先の器用な日本人の床屋は、どんな髪型だろうとリクエスト通りにカットするので、米国ではシンジラレナイ、アーティストだったようです。鉄砲で撃ち合っていた兵士が、剃刀や鋏のような、言わば凶器になり得るものを持った人に身を委ねられる状況になったのです。ということは、つまり、兵士達は戦いたくて戦っていたのではない、ということでした。憎しみは終戦とともにリセットされたのでしょう。日本人は、実は戦争なんてしたくなかったのです。

■ イラク空爆
 米軍は、オバマ大統領が限定的な空爆を承認して以降、イラク北部でイスラム教スンニ派の過激派組織に対する空爆を実施しています。クルド人自治区の中心都市アルビルの周辺で、戦闘機や無人機を使っての軍事作戦は長期化する可能性が出ています。イスラム過激派組織は、イラク第2の都市モスルなどの支配地域で「イスラム国家」の樹立を宣言し、キリスト教徒や少数派の宗教の住民に対しイスラム教への改宗を強制しています。イラクからの米軍撤退を目指したオバマ大統領ですが、選挙対策としても、こうした人権問題に無為だとの弱腰批判に応えざるを得なくなったのでしょう。ただ、過去軍事作戦によって90%以上制圧に成功したのに、引き揚げたら元に戻るどころか、更に悪くなったという事例を見ますと、力による制圧は困難です。日本での成功例を当てはめることは出来ないのでしょうか?

■ イスラエルのガザ侵攻
 イスラエルがガザでパレスチナ人を虐殺していると世界各国で批判が巻き起こっています。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の清田明宏保健局長は、共同通信のインタビューに答えて、パレスチナ自治区ガザ地区の現状に関し、避難所などの衛生状態が極度に悪化していると指摘し、感染症の爆発的な拡大の懸念が強く「非常に危機的な状況だ」との認識を示しました。清田氏は8月6日から8日にかけてガザ入りし、避難所や診療所の計6ヶ所を視察、住民からの聞き取り調査を実施したそうです。ガザ地区ではトイレや風呂、洗濯に使う水不足が深刻化しており、一刻も早く本格停戦を実現させ、国際的な緊急支援を強化する必要があると訴えました。

■ 穏健派と強硬派のせめぎあい
 オバマ大統領もさすがにイスラエルに自制を求めていますが、イスラエルの強硬派ネタニヤフ首相は、「ガザとヨルダン川西岸に対する攻撃を今後も続ける」と強調しています。イスラエルは強硬派と穏健派が政権を奪い合ってきました。アメリカも共和党と民主党が政権交代してきました。今イスラエルが強硬だから、アメリカが穏健だから、と言って、明日はどうなるか分からないのです。
 1993年ノルウェーが仲介者となって、イスラエルの穏健派であるラビン首相とパレスチナ解放機構(PLO)アラファト議長の話し合いが持たれ、1994年5月よりガザ地区とエリコからイスラエル軍が撤退して暫定自治が開始されました。この功績によりPLOのアラファト議長と、イスラエルのラビン首相、ペレス外相がそれぞれノーベル平和賞を受賞しました。ところがコレを不満としたユダヤ人青年によってラビン首相は暗殺されました。2000年10月イスラエルのバラク首相(労働党)と、パレスチナ自治政府のアラファト議長(自治政府のTopなので、正しくは大統領と言うべきですが、何故か日本では最後までPLO議長と報道されました)、そしてクリントン米国大統領による三者協議がキャンプデービッドで行われ、「現在イスラエルが不法に占領しているヨルダン川西岸地区の94%をパレスチナに返す」という線で決着するはずでしたが、アラファトが残り6%に拘泥したために破談したといわれています。

■ パレスチナもドロドロ
 2004年11月、アラファト氏がフランスの陸軍病院で死去しました。後を継いでアッバス氏が自治政府大統領とPLOの議長に就任しました。この頃から、ファタハ内部での権力闘争が激化し、アラファト議長の私財蓄積が明るみに出たためにファタハの人気が急落し、過激派であったハマスの人気が上昇しました。2005年8月イスラエルの穏健派シャロン首相の指揮で、ガザ地区からの全ユダヤ人入植地の撤去とイスラエル軍の撤退が行われました。ガザからの撤退という決断は、イスラエルの世論を二分しました。穏健派の人々は撤退に賛成しましたが、強硬派の人々は猛反対しました。2006年1月にシャロン首相は致命的な脳発作を起し、植物状態になってしまいました。アラファト氏が何故フランスで死んだか、死因への疑惑、シャロン首相が突然植物人間になる、きなくささがプンプン・・・ 2012年11月、パレスチナ自治政府のアッバス大統領は、イスラエルとの交渉無しに一方的に「国家」として国際社会に認めさせるため、国連での地位を「オブザーバー機関」から「オブザーバー国家」に格上げすることを申請、国連本会議で圧倒的多数の支持を受けて認められました。ハマスはかつて過激派組織と見られていましたが、今やパレスチナ政府そのものですから、事は複雑です。国際的に見るとイスラエルを支持する国は少数です。ただ米国の、いや世界の金融を牛耳っているのはユダヤ人ですから、米国はイスラエルの強大な後ろ盾になっているのです。パレスチナは国際援助を使い込むなど、汚職にまみれていたり、単純に善悪で計れないドロドロがあるようです。キリストの生誕地であり、イスラムの聖地でもあるのですから、祈って仲良くしてもらいたいものです。

■ 訃報
 理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)の笹井芳樹副センター長が2014年8月5日自殺しました。STAP細胞の存在を信じながらも・・・・残念です。日本のトップ研究者で、ノーベル賞候補と言われてきました。自殺しなければならないほど追い詰められていたのは、周囲の人だけでなく、誰しも分かっていたのではないでしょうか。特に週刊誌などがいけません。これ以上コメントすべきでない気がします。言えば言うほど、笹井教授を貶める気がするからです。
 STAP細胞論文共著者で、小保方晴子さんの米国留学時代の指導者だった米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授が、所属するブリガム・アンド・ウイメンズ病院の麻酔科長を退任し、1年間休職する意向だそうです。9月1日に麻酔科長を辞め、将来の目標を熟考するために1年間の休暇を取り、来年9月に戻ってくるそうです。

■ 夏の甲子園開幕・・・春日部共栄が春のセンバツ優勝校を下す
 第96回高校野球選手権大会は、台風11号の影響で2日間順延となり、バス21台で出発した春日部共栄応援団は、大阪や滋賀県草津のPAに着いてから引き返す破目となりました。同じくバスで出発した日大鶴ヶ丘応援団も、途中で順延を知り、引き返す破目となりました。お金も時間も、大変ですね。
 開会式直後の大会緒戦、強力打線を誇る春のセンバツ優勝校龍谷大平安と点の取り合いにしたくない春日部共栄は、左腕金子大地と守屋元気のバッテリーが踏ん張って、3点以内の接戦に持ち込みたいと本多監督は話していましたが、1回表集中打でいきなり5点奪い、金子がうまいピッチングで打ち気をそらし、埼玉県大会同様の安定したピッチングで快勝しました。金子の外へ逃げる球は、左打者はまず打てません。外角ストライクに見えるので打ちに行くと、スライドしてボールになるのですが、気付いた時には手遅れなのです。捕手の守屋元気は1バウンドになろうとガッチリ捕るので、金子大地は安心してこの球を投げれるのです。しかも時折内角をえぐるストレートを投げるので、踏み込んでこのスライダーを狙い打ちするわけにも行かないのです。なかなかこのバッテリーは頭を使います。戦前、春のセンバツ優勝校と言えども、160校156チームの激戦区を勝ち抜いた埼玉代表は強敵だという評価でしたから、龍谷大平安もこれは強敵だと警戒していました。埼玉の代表になるチームは安定して強くなければ勝ち抜けないからです。昨年センバツ優勝の浦和学院は夏の選手権でも優勝候補筆頭で、春夏連続優勝が期待されていました。その浦和学院でさえ、埼玉県大会を勝ち抜くのは容易ではありませんでした。甲子園初戦で仙台育英にまさかの敗戦、これについては昨年の今日、25『事故と災害』(2013年8月12日)で詳しく解説しました。龍谷大平安はピッチャーが4点以内に抑えて打線が5点以上取って勝つ、という目論見がいきなり5点取られたので、焦りからズルズルと春日部共栄バッテリーの術中にはまってしまいました。春日部共栄の2回戦の相手敦賀気比は坂出商(香川)に21安打16点、平沼投手が3安打完封するという圧勝、福井県大会チーム打率4割3分8厘というトンデモナイ数値がダテではないことを証明しました。好投手・強力打線の敦賀気比戦は第7日第4試合(17日15時半)の予定です。どんな強力打線でも好投手は打てない、というのが野球ですが、両チームとも好投手なので見ものです。敦賀気比はどういう打線を組んでくるか?ソレを見たら勝負の行方が分かる、と見ています。

■ 日大鶴ヶ丘が負け、二松学舎大附に期待
 西東京代表の日大鶴ヶ丘は、西東京大会7本塁打の打線が注目されましたが、富山商の森田は大会屈指の左腕というだけあって、外へ逃げるスライダーに、左打者はへっぴり腰でバットがクルクル回る、全く打てません。セフティとか、いろいろ試しても動じません。右打者は直球を狙い打ってヒットで出るのですが、塁を賑わしてチャンスに左打者に回ってくる、そこでプッツン、右打者の代打攻勢を早いうちに仕掛けないと・・・と思って見ていましたが、打ち手が遅くて完封負け。やはり好投手は打てません。春日部共栄の金子大地や富山商の森田のようなスライダーが得意な左腕と対するときは、打線を考えて組まないと、よほどミートが上手い打者で無い限り、左打者は打てないものと考えておいたほうが良いでしょう。その意味では日大鶴ヶ丘はデータ不足でした。中日の山本昌があのトシでいまだに現役を続けられる理由・・・130キロの球速でも、「球のキレ」とスライダーがあるからです。プロでさえそうですから、高校野球の打者では、そういう左腕に対する時は余程ベンチが考えないといけません。西東京代表の日大鶴ヶ丘が負けた以上、東東京代表の二松学舎大附が頑張るしかありません。第5日の第3試合(15日14時半)で海星(長崎)と対戦します。前回書きましたが、二松学舎大附の左腕大江と今村の1年生バッテリーが楽しみです。
(2014年8月12日)


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