18  神子田朝市

 6月第2週の週末は、車でぐるっと東北巡り---------------------------
 1日目・・・埼玉から東北道を群馬、栃木、福島、宮城と移動、途中仙台南部道路〜仙台東部道路で仙台東IC途中下車、再び仙台港北ICから、仙台東部道路〜仙台北部道路〜東北道で岩手・盛岡へ、ここで宿泊。
 2日目・・・朝3時半に起床、5時出発、盛岡市の名物神子田(みこだ)朝市に行きました。

■お年寄りの朝市

 盛岡市の名物神子田朝市(盛岡市神子田町20-3)は、北上川と国道4号線に挟まれた地区にある朝市で、営業時間は朝5時〜8時半です。115区画で232業者が営業しています。休みは月曜日だけですが、5〜12月は祝日の月曜日は営業します。特に土日は混み合います。この日も土曜日だったので、500台収容の広い駐車場が満車になりました。整理係はおじいさんたち、朝早い朝のみの仕事なので最適なのでしょう。右の写真の如く、売る人も買う人もお年寄りが多いのが特徴です。最も多いのは農産物です。野菜、果物、花、きのこ、漬物、惣菜、鮮魚、海産物、雑貨、食料品、もち菓子、牛乳、パンなどが売られています。今の時期は山菜も豊富でした。野菜はキャベツ、レタス、白菜、ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、長芋、大根、きゅうり、トマトなど、あらゆる種類がありますが、この朝市で今の時期、特に目に付くのは、山東菜、にら、ねぎです。これらが盛岡の人が好きな野菜と言うことです。盛岡と言えば冷麺、じゃじゃ麺、和蕎麦、中華そば、わんこソバ、などとにかく麺食いの街、ネギが必要なのはもちろん、寒いので体が温まる朝鮮料理も好まれるのでニラが売れます。スープでもにら卵などが好まれます。山東菜は中国山東省生まれの若葉色の野菜で、関東では店頭で少ない野菜ですが、おひたしを辛子醤油で食べたり、浅漬けでもおいしいです。


神子田朝市、売る人も買う人もお年寄り


■朝市ラーメン

 神子田朝市名物といえばラーメンか、ひっつみか、手打ちそばか?いえいえ、おいしいコーヒーもありますよ・・・マドカ珈琲店、\150は安い。朝市食堂に行き、話題の「みよちゃんラーメン」を頂きました。朝ラーメンでは有名ですし、インターネット上でも好評なので、一度行って見たいと思っていたのです。ところが、みよちゃんがいません。1920年生まれだからもう93歳か、えらいな〜と思っていましたがどうしたのでしょう? さて、ラーメン一杯400円は安いですが、お味は? 甘いですね、ラーメンは豚、鶏、煮干系のスープが多いですが、この甘みは野菜でしょう。ラーメンオタクの筆者並びに輪をかけてオタクの長女の感想は????
 盛岡ではあっさり味のスープが好まれるということで、盛岡の名物ラーメン中河の中華そばを食べたときの感想を紹介しています→つぶやき516『めんめんめん』(2012年12月2日)。人間は子供の頃の味を忘れないものですが、筆者の記憶にある盛岡の中華そばは、中河でもみよちゃんでもなく、鶏がらスープの・・・・もう一度食べたい!


みよちゃんらーめん


■思いがけない出会い
 ここで思いがけない人に会いました。行列の出来るもち菓子屋さんで大福ときりせんしょ(知っていますか、きりせんしょ?)を買おうと思って並んでいたら肩を叩かれました。振り向いたらなんと高校時代の親友でした。あまりの偶然の出会いに眼をパチクリ。盛岡市役所を定年退職して、再就職したのは知っていましたが、本人曰く、1ヶ月チョット前から神子田朝市の組合事務所に勤め始めたそうです。定年後3年を過ぎて、転職したのでしょう。朝9時半終業の健康的な職場だと言ってましたが、夜早く寝るので、お酒の付き合いなど出来なくなったと笑っていました。「みよちゃんが居なかったけど?」と切り出したら、「もう引退して、娘さんが切り盛りしている」とのこと。「でもインターネットでは有名だし、テレビでもやってたよ」と言ったら、「神子田朝市の看板なので・・・」とのこと、すなわち、看板娘の看板を下ろせないのでしょう。神子田朝市のホームページの「組合員のご紹介」のA-10区画「朝市食堂」にも、みよちゃんの写真が載っています。
【2014年3月29日註;56『盛岡あれこれ』(2014年3月29日)で紹介していますが、みよちゃんはこの時点ではご存命でしたが、それから1ヶ月も経たないうちに亡くなられました】

■貴重な触れ合いの場
 このような朝市というのは、売るほうと買うほうのやりとりが楽しいものです。考えてみれば、取れたて野菜の直売がメインとはいえ、今農水省が推進している6次産業化のハシリみたいなお店もあります。かといって呼び込みは激しくありません。「いかがですか〜〜」ぐらいです。ウルイを買ったら、かつては相当美人だったであろうと思われるおばあさんが、ウルイの各種調理法を教えてくれます。ゆでて酢味噌和えにしようと思っていたら、娘を連れた男やもめと思ったか、盛んに教えてくれます。売れたからもういいだろうなんて素っ気無さが無いのです。他の店でも感じましたが、とにかく親切なのと、流暢な盛岡弁でお客様を引き付けようとする商売熱心さ、東北人は無口だなんて、神子田朝市では有り得ません。とにかく楽しいです。最高の触れ合いの場です。神子田町の近くに鉈屋町(なたやちょう)という一角があります。ここは良質の湧水が有名で、水道水がそのまま天然水として売れる盛岡にあっても、特においしい水が湧いています。この町並みは風情があり、歩いて楽しむまち、盛岡の中でも、若者に人気があるところです。

■道の駅あねっこで

 この後、一旦宿泊先に帰り、朝食後しばらくして、盛岡から秋田へ向けて出発、国道46号線を西に向かい、雫石を通り、「道の駅あねっこ」に寄りました。雫石は秋田県と隣接しているだけに色白美人の里として有名であり、その美人を「雫石あねっこ」と呼びます。もしウソだと思う方は是非一度雫石へ行ってみてください。眼を瞠ること請け合いです。ここは「道の駅」の中に温泉があり、安い料金(\500)で内風呂、露天風呂、サウナが楽しめます。この地域独特の乳白色の温泉らしい温泉です。なお、筆者は「準町民」なので\400で入浴できますが、今回は時間が無いので止めました。「準町民」というのは、ふるさと納税で寄付している人に与えられた称号です。なお筆者はサーベラスと戦う西武ホールディングスの後藤高志社長や、原田明夫元検事総長などとともに、雫石町観光大使も務めております。
 野菜の直売所は、新鮮な野菜が飛び切り安い!どうしても買いたくなってしまいます。表に出たら、とうもろこしを焼いているのはなんと、商工会の松田会長ではありませんか!「松田さん、しばらく」と挨拶して6月22日東京・日暮里ホテルラングウッドでの再会を約しました。雫石町友会総会があるのです。


雫石町のゆるきゃら「しずくちゃん」


■由利本荘から山形・天童寄り道して帰る
 さて、あねっこを出発、残雪の鮮やかな奥羽山脈を貫通する仙岩トンネルを抜けると秋田県田沢湖です。昔の生保内(正しい発音はオボネです)、今は角館町ほかと合併して仙北市になりました。生保内は劇団わらび座の本拠地です。この劇団は全国公演しており、昨年は「アテルイ」などを公演していました。劇団四季、宝塚歌劇団に次ぐ、日本で3番目の劇団です。愛媛県東温市に「坊っちゃん劇場」を有しています。仙北市から南西方面へ向かい、東北の小京都:角館で46号線と別れて国道105号線をそのまま南西方向に向かい、大仙市の中心部大曲からやや西南西方向に向かって日本海沿いの由利本荘市に到着、盛岡から延々150km、結婚式に出て、披露宴に出て、そのまま宿泊しました。
 3日目・・・本荘ICから無料高速道路を走り、途中から一般道に下りて、海岸線を南下して仁賀保、金浦(このうら)、象潟へ(この3町が合併してにかほ市)、山形県に入り、酒田みなとICから再び高速道へ入り、鶴岡IC〜山形道を走り湯殿山ICで高速終わり一般道へ、再び月山ICで山形道に乗り、更に寒河江市〜山形市、直進すれば東北道ですが、ちょっと立ち寄り、左折して天童ICで降りて、会社の山形事業所に寄り、植物工場とメガソーラーを見て、花笠踊りを見て板そばを食い、再び山形道から東北道へ、宮城、福島、栃木、群馬、そして埼玉へ戻る旅、1333km走りました。

■宮古〜網張温泉
 さて昨週末は盛岡市、宮古市、雫石町、盛岡市と回って来ました。2週連続の東北紀行ですが、今度は岩手のみ、新幹線で行きました。詳しい内容は次回ご紹介します。

■奇跡のリンゴ

 国道46号線を盛岡から雫石に向かう途中、滝沢村には一面のリンゴ畑があります。リンゴと言えば津軽がナンバー1ですが、岩手や北海道、長野、群馬県の沼田なども一大産地です。もちろん盛岡市や紫波町にもリンゴ畑はたくさんあります。北国では身近な果物です。
 まだ見ていませんが、是非近々見たい映画があります。奇跡のリンゴ、舞台は青森県弘前市、不可能と言われたりんごの無農薬栽培に取り組み続けた木村秋則さんの実話を中村義洋監督のもと、映画化されたドラマです。その木村秋則役に阿部サダヲ、妻・美栄子役に菅野美穂。アレルギーに苦しむ妻を見て、無農薬栽培に取り組むも、うまく行かない。借金がかさむ。絶望した秋則が美栄子と話し合っていたのを盗み聞きしていた幼い娘が、お父ちゃんに言います、何のために今まで自分たちがこの貧乏生活を我慢してきたのかと・・・・。父親に対する畏敬の念があるでしょう、無農薬りんごの誕生を子供心に夢見ていたに違いない娘の一言に、父親の秋則は、ハッと気付きます。いつも自分が絶望したとき、救い出してくれたのは家族だった。苦節11年、やっと実ったリンゴを一番喜んだのは妻だった・・・。


リンゴの花は清楚で美しい

(2013年6月16日)


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