17  ヘイトスピーチ

 秋田県の由利本荘市に行ってきました。恐らくこの地名を聞いてピンと来る方は少ないでしょう。日本海に面した、海に夕日の沈む街です。ホテルアイリスという、なかなか豪華なホテルに宿泊して、このページを作成し始めました。それというのも、盛岡に住んでいた姪が、由利本荘市に住む人のところへ嫁いだのです。とても感動的な結婚式、そして披露宴でした。岩手県盛岡市と秋田県由利本荘市は隣県で近いと思われるかもしれませんが、大変遠いのです。盛岡から国道46号線を西に向かい、雫石を通り、残雪の鮮やかな奥羽山脈を貫通する仙岩トンネルを抜けると田沢湖です。昔は生保内と言いましたが、今は仙北市です。真西が秋田市で、ちょうど岩手県宮古市田老町との同緯度に盛岡市、雫石町、仙北市があります。仙北市から南西方面へ向かい、東北の小京都:角館で、秋田市へ向かう46号線と別れて国道105号線に入ります。そのまま南西方向に向かい、やがて大仙市に入ります。馴染みの無い地名は市町村合併のためです。その中心部大曲は、地名の如く、川も道も鉄道もここで大曲がりします。右方向、すなわち北西方向は秋田市、左方向、南南東方面は横手市で、此処から東に行けば奥羽山脈を越えて岩手県北上市です。横手市からすぐ南が湯沢市で、国道13号線を南下して山形に入れば新庄市、更に尾花沢市、村山市、東根市、天童市、山形市、その先は米沢市へと続きます。大仙市大曲からほぼ西方向、すなわち角館から来るとほぼ真っ直ぐ、やや西南西方向に向かって日本海が見えたら由利本荘市です。盛岡から150kmぐらいありました。由利本荘市、横手市、奥羽山脈を越えて岩手県に入り、北上市、遠野市、太平洋岸の釜石市がほぼ同緯度です。
 一家で結婚式に列席するため車で移動しました。高速道路料金が高いので、今回は「東北観光フリーパス」というのをネットで申し込みました。ETC利用で、土日を挟む3日間、すなわち金土日、もしくは土日月、東北の高速道路料金1万円ポッキリというものです。7月1日で終わりです。これから東北巡りをお考えの方は、NEXCO東日本のページをご覧下さい。


知り合ってから10数年、年齢を重ねたカップルは
落ち着いたムードを醸し出す・・・美しい花嫁でした

■ぐるっと東北巡り
 埼玉から東北道を群馬、栃木、福島、宮城と移動、途中仙台南部道路〜仙台東部道路で仙台東IC途中下車、再び仙台港北ICから、仙台東部道路〜仙台北部道路〜東北道で岩手・盛岡へ、ここで宿泊。更に翌日秋田・由利本荘市で結婚式、披露宴、宿泊しました。どうしてもTDK稲倉工場の仕事で昔懐かしい象潟に寄りたかったので、本荘ICから無料高速道路を走り、途中から一般道に下りて、海岸線を南下して仁賀保、金浦(このうら)、象潟へ(この3町が合併してにかほ市になりました)、陸の松島のような象潟で休憩して景色を楽しみ、再び海岸線を走り、山形県に入り、遊佐町女鹿辺りで一生懸命左を見ましたが、雄大な鳥海山は雲に隠れて見えません、残念!


2013年6月9日月山湖パーキングから臨む左端:湯殿山、右端:月山

■月山、湯殿山は残雪多し
 酒田みなとICから再び高速道へ入りました。ここも無料で、途中から料金所があって有料になりました。鶴岡IC〜山形道を走り湯殿山ICで高速終わり一般道へ、再び月山ICで山形道に乗り、すぐ月山湖パーキングエリアがあったので残雪雄大な湯殿山、月山を見て感動しました。
 ちなみに東北には日本百名山が14峰ありますが、その中で鳥海山が一番高くて2236m、岩手山は第4位で2038m、月山は第6位で1980mです。

■山形事業所にも立ち寄り
 更に寒河江市〜山形市〜天童市と走り、天童ICで降りました。道路がやけに混んでいます。ここでの山形事業所の植物工場を見学しましたが、国道13号線が珍しく渋滞していました。その後JR天童駅前に行きましたが、天童駅もJRを利用する人たちでやたらに混んでいます。この駅には何度も来ているので首を傾げました。そしたら、山形大学の花笠音頭の踊りをやるというアナウンスがあって、せっかくだから見ていこうということにしました。やがてアナウンスが・・・「さくらんぼマラソン大会参加の皆様、ご苦労様でした。これから山形大学花笠サークル『四面楚歌』が花笠音頭に合わせて踊りを披露します。一生懸命踊りますので、手拍子をお願いします」・・・そういうことだったのか。

■さくらんぼマラソン大会
 さくらんぼマラソン大会は山形県東根市が主催しますが、参加者が天童温泉で疲れを癒すのですね。これを見た後、天童名物板そばを食べることにしました。水車生そば?大久保そば?孫作?又右エ門?、いや、やま竹にしようと行ってみたら、ソバが無くなったのでゴメンナサイ、準備中の札。しょうがない、伊藤屋に電話して予約して板そばを食べました。もう15時近いのに続々お客様が来ます。靴を見て、ああ、マラソンだ、と分かりました。
 そして再び宮城、福島、栃木、群馬、そして埼玉へ戻る旅、1333km走りました。


2013年6月9日JR天童駅前で山形大学花笠サークル『四面楚歌』の踊り
♪花の山形 紅葉の天童 ♪ハ ヤッショマカショ
コレがやま竹です商い中が準備中になっていました

■ヘイトスピーチとは?
 「ヘイトスピーチ」が社会問題になっています。ヘイト(hate)は英語で憎悪を意味します。日本語では「ヘイトスピーチ」=「憎悪表現」と言われ、特定の人種や国籍、宗教などに対して、侮蔑的な表現でおとしめたり、差別を煽ったりするような言動を指します。先頃、国会でも取り上げられました。安倍晋三首相は参院予算委員会で、「一部の国、民族を排除する言動があるのは極めて残念なことだ」と答弁。谷垣禎一法相は、参院法務委員会で、「憂慮に堪えない。品格ある国家という方向に真っ向から反する」と述べています(引用は朝日新聞)。竹島問題を契機に、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)などによるヘイトスピーチデモが毎週末、東京・新大久保、大阪・鶴橋などのコリアンタウンと呼ばれる地域で行われ、問題になっています。主な主張は、在日韓国・朝鮮人の永住権などを許さない、というものです。昨夏以降の日韓関係悪化で、動きが活発になっているようです。

■対抗デモの動きも
 「朝鮮人は出ていけ」と主張するデモが行われ、「殺せ」という内容のプラカードも見られるようになりました。一方、これらのデモに対して抗議する対抗デモの動きも広がっています。「仲良くしましょう チナゲチネヨ!」と日本語とハングルが併記されたプラカードを掲げる「カウンターデモ」の参加者たち。在特会のデモが行われる日に、インターネットでの呼びかけに応えた人たちがデモに抗議するために集まります。新大久保の商店街で美容関係の店を営む韓国系女性店長(41)は、「デモの時間はお客さんもこなくなるし、影響がありますけど、私たちが声をあげると大変なことになるので我慢しているのです」と言って、続けて、「日本人が声をあげてくれて涙が出るほどうれしい。日韓のあいだにある問題はこうしたデモが起きないよう政治家が解決してほしい」と話していたそうです。


JR天童駅に近い三日町の伊藤屋、嘉永年間1850年の創業

伊藤屋の板そば

■「言論の自由」か、法規制か
 「言論の自由」を在特会側は主張しています。警察は主張内容を理由にデモを不許可にすることはできません。しかしヨーロッパの多くの国ではヘイトスピーチ規制法があり、民族差別を公然と言うことは禁じられています。背景には、ナチスのホロコースト(ユダヤ人大虐殺)などユダヤ人差別の歴史があります。近年ではトルコ系住民に対するドイツの一部極右の行動も非難されました。日本でもヘイトスピーチを法律で規制することが求められる一方、抗議デモのような市民の自発的な行動に期待し、法規制に慎重な意見もあります。芸能面での韓国との交流で、韓流好きの日本人が増えてきていたのに残念なことですが、いくら「言論の自由」が大事でも、「殺せ」というプラカードなどは厳に取り締まるべきです。右翼やヤクザが現存する日本ですから、これを取り締まることは難しいでしょうが、少なくともヨーロッパの多くの国のように、ヘイトスピーチを法律で規制する必要はあると考えます。

■争いからは何も生まれない
 私は子供の頃から母親に良く聞かされました。朝鮮半島を武力併合した大日本帝国は、朝鮮人を日本に連れてきて鉱山労働始め、過酷な労働に従事させ、人を人とも思わないような残虐な扱いもしたそうです。子供心にそうした差別を快く思わなかった母は、「弱い人間だから他人をいじめる、本当に強い人はそんなことはしない」とか、「朝鮮人も日本人も同じ人間、仲良くしようと思えばいくらでもできる」と言っていました。また小さい頃に悪いことをすると、「蒙古が来るゾ〜」と言われ、怖いものの代名詞が蒙古でした。所謂「元寇」ですね。このときは神風によって助けられました。豊臣秀吉の頃は朝鮮半島に戦いを仕掛けて撃退されました。しかしその後韓国、中国、東南アジアと侵略して、大東亜共栄圏を作り上げようとした日本は、これを快く思わない米国からエネルギー封鎖されて、こともあろうに米国に戦いを仕掛け、完膚なきまでにやっつけられました。人類の歴史は争いの歴史でもありますが、争いから生まれるものはありません。日本人とは言ってもルーツはモンゴル系、漢民族系、南方系などいろいろでしょう。最も多いのは朝鮮系ではないでしょうか。ヤマトから見た蝦夷やアイヌも異人かもしれませんが、ず〜〜〜っと遡ると魚類なんです(^_^)


 前回のページに、象潟の道の駅の西施像を追加しました。「顰みに倣う」をつぶやいた翌週に、日本海を背に佇む西施と会えるなんて、単なる偶然とは思えない気がしました。
(2013年6月10日)


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