428  ジェネリック

 2011年3月9日の宮城県沖での地震、続いて3月11日の東日本大震災で、3月13日と20日はこれらに関連する内容となった。実は3月13日につぶやこうとしていたのが今回の内容である。

■ACジャパン
 ACジャパン(旧・公共広告機構)のCMがず〜〜っと流れている。「『こころ』は見えないけれど『こころづかい』はだれにでも見える」「『思い』は見えないけれど『思いやり』はだれにでも見える」というのは詩人・宮澤章二(1919〜2005)の詩。「『遊ぼう』っていうと 『遊ぼう』っていう。『ごめんね』っていうと『ごめんね』っていう。こだまでしょうか、いいえ、誰でも」という詩は大正時代の詩人・金子みすゞ(1903〜1930)の詩。「日本の力を、信じてる」というCMは、最初にSMAPのメンバーが、一人一人出てきて、それぞれメッセージを伝える。キムタクの目線がヘンだ。最後の男は歌手、ウルフルズのトータス松本で、「バンザイ〜好きでよかった〜」、「ガッツだぜ!!」とか、「涙をとどけて」を歌ってる。

■仙台に行ってきた
 仙台に母と弟を見舞ってきた。東北自動車道を車で走った。まだ応急修理状態で、ところどころ車がバウンドする。それだけデコボコなのだろう。母の介護施設は宮城野区高砂なので、津波が来て、電気は11日ぶりに復旧したが、水道は今だに断水のまま。施設長さんと話したが、停電して、最初のうちは救援物資も来なかったが、東京の本部の方から救援隊が車に物資を積んで届けてくれて助かったと言っていた。その後はパキスタンのカレーとか東京のラーメン屋さんたちが炊き出しに見えて、本当に有難かったと言っておられた。ヘルパーさんたちはどんなに大変だっただろう、と考えると、職員の皆様に本当に有難うございますと言いたい。
 泉区八乙女の弟のマンションは、新しいのに、ひび割れ、剥離で大変なことになっていた。テレビは全部壊れ、ピアノが倒れ、地震対策の棒をはめた家具すら倒れ、天井の板が落ちていた。隣の仙台市営地下鉄八乙女駅が大変なダメージで、台原駅より北は5月まで地下鉄が走らないそうだ。地下部分は大丈夫だったが、線路が地上に出たところが被災した。都市ガスがダメで、炊事は卓上コンロと電気、風呂は山形県の天童の温泉に、と言っていた。食料とかガソリン調達のために山形まで行かなければならないというのは、冗談ではなかった。話には聞いていたものの、仙台のガソリンスタンドは皆閉まっていて、たまに開いているところは「緊急車両のみ」というところがほとんど。工事車輌が行き交い、全国から災害復旧の車が来ている。東北道は自衛隊、消防車、救急車、建設業のトラックやパワーショベルカー、ガスや水道の車などが、続々と北に向かっていた。産廃処理業のトラックが列を成し、屈強な男たちが頼もしく思えた。官民挙げて被災地の救援、復興に向かっていることを大変有り難いことに思った。

■放射能の恐怖
 今回の大震災の恐怖は、死者、地域崩壊のみならず、放射能、停電・・・、複合的な恐怖である。放射能汚染恐怖に伴うパニックはすごく怖い要素であり、今後の拡がりは予測できない。米国政府が福島第一原発から50マイル(約80km)圏内からの避難を米国民に勧告したことは、米国内でも波紋を呼んだ。カーニー米大統領報道官は「この事故がもし米国で起きた場合に我々が出す勧告と、日本政府の勧告が違うということだ。情報の質や協力関係の問題ではなく、米政府の設けている基準が違うということだ」などと述べ、「米政府独自の判断」であることを強調した。たびたび過去指摘してきたように、米国政府は科学的に判断する。50マイルというのは、根拠があるはずだ。これだと福島県の大部分が圏内となる。福島市、郡山市、白河市、いわき市、・・・ 恐らく米国政府は日本国政府や東京電力の情報を信用していない。これは怖い。ヨーロッパ各国やカナダ、韓国政府なども、自国民に退避勧告を出し、東京在住者すら続々帰国している。

■計画停電の恐怖
 東京電力の計画停電は産業界に大きなダメージをもたらしている。工場などは東京電力管内から他地域へ生産を移す企業が出てくるのは致し方ない。今のような「輪番」で停電すると、毎日3時間ずつ停電時刻が移動する。これでは週の半分は生産が止まるのと同じことだ。しかも、東京23区は原則除外?何故?東京23区で広域に実施されている足立区と、一部地域が対象になっている荒川区の区長が共同で記者会見を開き、「計画停電の必要性は十分認識し、協力する意向であるが、不公平である、公平性を担保せよ」と東京電力を厳しく批判。東京以外の各県は言わずもがなで、どういう基準で停電させているかが全く説明が無いために、頭に来ているが、被災地の方々の窮状を見て、言葉を荒げていないだけ。千葉県浦安市のように、液状化で住民が大変な被害を受けたのに停電させられる、対岸の江戸川区は停電しない、どういうわけだ!と市長が抗議したら東京電力は停電をやめた、というところもある。経済活動への影響を懸念するのであれば、中心部のオフィス街をはずせばいいのであって、住宅地まで除外する必要はない。停電による信号機停電で交通事故死者も出ている。我慢するなら、皆で痛みを分かち合おうという声に、東京電力はどう答えるのか?


■売れる自転車
 電車が走らない、車もガソリンが無くて走れない、という場面を体験して、自転車が売れに売れている。仙台ではリュックを背に自転車に乗っている人が多かった。東京のニュースで、最初に放映されたのが板橋区熊野町の「サイクルベースあさひ」であった。川越街道(国道254号線)と山手通りが交差する熊野町交差点の角地で、隣が熊野神社である。神社の周囲にズラリと並んだ石の柵は、1本ずつ寄贈者の名前が刻まれている。この石柵が地震で崩れたところもあって、「危険」という札を随所に吊るしたロープが張ってある。熊野町の「サイクルベースあさひ」はお手頃価格の自転車が売り切れて、17時閉店であった。戸田市のイオン美女木ショッピングセンターの向かいにある「サイクルベースあさひ」もお客さんで賑わっている。筆者のように以前から自転車通勤している者にとっては、車をやめて電車〜自転車、健康にも経済にも良いと思う。

■急カーブが怖い熊野町JC
 余談だが、熊野町交差点の上部には高架の首都高熊野町ジャンクションがあり、5号池袋線が池袋から戸田市の方に向かい、90度右折するところである。中央環状新宿線との分岐点である。熊野町ジャンクションでは、2008年8月3日(日)午前5時52分、5号池袋線下りを走行中のタンクローリーが、熊野町ジャンクションの急な右カーブを曲がり切れずに横転、左側側壁に衝突した。タンクローリーは群馬県高崎市の運送会社所有で、東京都江東区の油槽所から埼玉県さいたま市のガソリンスタンドに向けてガソリン16キロリットル、軽油4キロリットルを輸送していた。この事故で積み荷は5時間半あまりに渡って炎上した。火災の熱により上下2階建て構造で上を走る上り線の路面がゆがみ、鉄製の橋桁が長さ40mに渡って変形、最大60cm沈み込んだ。また、熊野町ジャンクションの近隣のマンションの外壁が火災の熱で焼けるという、単独車両による事故としては国内史上最大規模の損壊事故となった。8月9日に5号池袋線の上下線が片側1車線通行で仮復旧、9月16日に中央環状新宿線外回りから5号線下りへのランプが復旧。5号線上りから中央環状新宿線内回りへのランプも9月18日に復旧し、暫定2車線で通行可能となり、事故発生から73日後の10月14日正午頃に全面復旧した。被害総額は復旧工事費20億円、通行止めに伴う通行料金の逸失利益25億円の計45億円であった。なお、この事故の約半年後の2009年2月14日には、上り線のこのカーブで大型トレーラーの横転事故が起き、運転手が死亡している。

■花粉症に念仏、今年はダメ!
 今年の花粉はハンパでない。眼が痒い、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、ア〜〜〜〜イヤだ!イヤだ、10数年前から花粉症を患った筆者が服用したのは、「アレジオン」というベーリンガーインゲルハイム(独)の薬で、1錠10mg 120.7円だった。9年前まではこれを毎日2錠飲んでいた。毎日240円、その他に目薬や点鼻薬が必要だから、毎日お金がかかっていた。アレジオンの主成分はエピナスチン塩酸塩というものらしい。3年前も花粉が多かった。しかし薬に頼らず「花粉は無害」という念仏で、涙目ながらセルフケア〜自己教育していたので、てっきり克服したと思っていたが、今年はダメだ、向かいの戸田市医療保健センターに駆け込んだ。

■お勧めのジェネリック医薬品
 戸田市医療保健センターではジェネリック医薬品をお勧めしている。ジェネリック医薬品とは後発医薬品のことである。薬にも特許というものが存在していて、最初に薬を作った企業に独占権が保障されるが、一定期間を過ぎるとその薬の製造がだれでもできるようになるため、「後発」で生まれた薬をジェネリック [Generic…共通した] 医薬品と言う。当然基本的には有効成分は同じであるが、副作用等は必ずしも検証されていない。

■驚くべき薬価差
 アレジオンのジェネリック薬品として、アレナピオン(長生堂)を処方された。10mg 28.1円である。アレジオンのジェネリックは他にも、安いほうからアスモット(28.1円)、ピナジオン(28.1円)、アズサレオン(31.9円)、塩酸エピナスチン「アメル」(31.9円)、ヘルボッツ(31.9円)、チムケント(45円)、エピナジオン(46.9円)、アレルオフ(51円)、アレジオテック(67.8円)、エルピナン(73.3円)、アルビート(77.3円)・・・、いっぱいある。驚いたことは、この薬価の違いだ。通常、病院では1種のジェネリック医薬品しか置いていない。管理が面倒だからで、戸田市医療保健センターではジェネリック医薬品として最も安い薬を置いていたわけだ。それにしても、本家の4分の1未満の価格とは・・・

■花粉症の原因は?
 花粉症については270『林業』(2008年3月16日)で、あるいは9『アレルギーが増えたのは何故?』(2003年3月8日)で触れた。腹の中に寄生虫が居なくなって、花粉を敵と誤認するようになったという説が有力だが、おそらく生活が衛生的となったことが最も原因としては高いのだろう。あるいは飲食の内容が変わったことか?杉林の隣で生まれ育ったのだから、てっきり花粉症にはならないと思っていた。
 花粉症で人気がある薬は眠気などの副作用の無いアレグラやクラリチンらしい。アレグラは米国のサノフィ・アペンティス社製、一般名は、塩酸フェキソフェナジン、30mgが68.1円、ジェネリックは無い。クラリチンは米国のメルク社製、一般名は、ロラタジン、10mgが12.6円、日本では塩野義製薬から販売されている。米国ではジェネリックが発売されているが日本では無い。

■花粉症にカテキンが効果的
 緑茶のすっきりとした渋みはカテキンによるものだが、これは今、一番注目されている成分で、発ガン抑制、抗菌作用、血中コレステロール低下作用、虫歯予防、抗酸化作用など、老化防止や健康保持に作用する成分として注目されている。この季節、一番注目すべきは、「アレルギー抑制効果」、科学的に実証されたわけではないが、「花粉症の症状が軽くなった」という人が実際にいて、その秘密が「カテキン」だというのは確実だ。花粉症だけでなく、アトピー性皮膚炎にも効果的と言われている。適量をまめに飲むことで、薬を減らすのに効果的と思われる。
 2011年3月9日の「NHKためしてガッテン」によると、緑茶をミルで粉末化して飲むのが最もカテキンを多く摂れる。なおかつ牛乳と一緒に飲むのが良いそうだ。これはもう、お茶ではないが・・・

べにふうき茶は今だけ特売中
■べにふうき茶が注目されている
 「べにふうき茶」は、元々紅茶用品種と緑茶の交配により生まれた比較的新しい品種で、抗アレルギー成分のストリクチニンを含み、飲んだ約半数の花粉症患者の症状が軽減されたという実験報告がある。メチル化カテキンも抗アレルギー作用があり、アレルギーを引き起こす原因となるヒスタミンの放出を抑制することで、花粉症やその他アレルギー疾患に有効だ。
 日本ではコーヒーを飲むようになってから花粉症が現れたのかもしれない。ちょうど時期が一致する。その後ウーロン茶がダイエットで人気となった。もう一度緑茶の時代になるか?

「べにふうき茶」は、他のお茶と比べて葉や茎などに、「メチル化カテキン」という成分をたくさん含んでいる。

■(有)ネクトが栽培し、加工まで行う
 浜松市のやまと興業鰍フべにふうき茶は、そのホームページによると、お茶の名産地静岡の農業法人「(有)ネクト」(望月信一代表・静岡市葵区新間)から原料茶を調達しているそうだ。静岡の気候はお茶の生育に適しており、美味しくてよい成分を多く含んだ「べにふうき」の栽培が盛んに行われている。
 またネクトは、製造過程においても最新製茶技術である水蒸気を再加熱し200℃以上になった加湿熱風を生葉に当て、密閉された釜で一気に炒り蒸しする「シーマ工法」により香ばしく甘みの強い、さっぱりとしたお茶に仕上げている。
 このお茶を浜松市のやまと興業鰍ェいろいろな形に再加工しパッキングして、アヴスウェというShopで楽天経由販売している。やまと興業鰍ニ言う会社は元はと言えばヤマハとともに発展、バイクなどの部品製造、その後LEDや、このお茶など、新しい分野に次々と挑戦している。素晴らしい!

ネクト(NECT)=Nネイチャー(自然)・Eエコロジー(環境)・Cクリーン(清潔)・Tティー(茶)、それぞれの単語の頭文字を取り、『自然や環境そして人に優しいお茶作りをめざす!』と名付けた。


■超微粒子粉末スティックをお湯に溶いてお茶代わりに
 花粉症の季節だけの特価販売スティックは、べにふうき茶を超微粒子粉末(粒径が0.5ミクロン以下)にすることにより、苦味や渋みを抑えまろやかな味にしている。温かい湯呑み茶碗(約100CC)にスティック1本分(0.6g)を溶かして頂く。朝起きてから一番にまず一杯、その後3〜4時間ごとに飲んで快適な1日を過ごすことが期待できる。
■掛川茶が大人気
 ところで、2011年1月12日の「NHKためしてガッテン」、さらに2011年1月21日のTBS「みのもんたの朝ズバッ」の放送において静岡県掛川市の深蒸し茶が長寿に効果があると放映され、「これまでの常識を超える緑茶の健康パワー!長寿の里、掛川の深蒸し茶で更なる健康パワーを!」ということで、大変なフィーバーが起きている。2011年3月9日の「NHKためしてガッテン」では、「掛川のお茶でなくても効果は同じです」と盛んに強調していた。


■深蒸し茶

 「NHKためしてガッテン」は人口10万人以上の市町村に限定して平均余命を調査した結果として掛川市が注目されたもので、深蒸し茶の効能は掛川産のみならず、静岡県の深蒸し茶であれば同様の効果が得られるそうだ。製造過程の特徴で「深蒸し茶」と命名されており「掛川市」の製法が他地域と異なるものではない。深蒸し茶とは・・・生茶葉から煎茶を造る最初の工程である「蒸し」の時間を、1分から3分程度と長く取るものを深蒸し茶という。茶葉を乾燥したり揉んだりする前に、茶葉の細胞がほぐれ成分が出るように通常は10秒から1分程度蒸すが、深蒸し茶は長い蒸し時間によって茶葉からの滲出成分が通常の煎茶より多くなり、濃くまろやかな味わいとなる。出来上がって淹れた深蒸し茶は通常、深緑色から黄土色で濁って見える。静岡県では黄土色に近い色合いのものが本物とされ、独特の甘みは他の追随を許さない。
 静岡茶は、静岡県で生産されているお茶(緑茶)の総称であり、そのブランド名である。牧之原台地とその周辺地域がその最大の生産地で、生産量は国内第一位である。宇治茶、狭山茶と並び、「日本3大茶」と言われる。筆者の家の周りは茶畑が多く、狭山茶どころだ。「静岡茶」という広い範囲ではなく、一部ではさらに産地を限定した地域ブランドが存在する。
 川根茶 - 島田市川根町
 掛川茶 - 掛川市内で収穫された茶葉を50%以上使用
 掛川産掛川茶 - 掛川市内で収穫された茶葉を100%使用したもの
 菊川茶 - 菊川市
 本山茶(ほんやまちゃ) - 静岡市葵区藁科地区
 引佐茶 - 浜松市引佐町
 天竜茶 - 浜松市天竜区
 袋井茶 - 袋井市
 小笠茶 - 菊川市小笠町
 島田茶 - 島田市
 金谷茶 - 島田市金谷町
 岡部茶 - 藤枝市岡部町
 清水茶 - 静岡市清水区
 富士茶 - 富士市、富士宮市、芝川町
 天城茶 - 伊豆市周辺
深蒸しは牧之原台地で開発された。したがって深蒸し茶の元祖は菊川茶や小笠茶ということ。

(2011年3月27日)

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