501  全国旅行支援

 2022年10月15日、大学の同窓会が新宿で行われ、3年ぶりに再会を喜び合いました。10月1日に日暮里・ホテルラングウッドで行われた在京雫石町友会総会のような歌って踊っての賑やかさはありませんでしたが、リアルとWEBリモートの併用で、会場に来れない人は自宅からリモートで参加されました。ちょっと驚いたのは新宿サブナードにシャッターのお店が目立ったことです。田舎の商店街のシャッター通りは今や当たり前ですが、新宿地下街お前もか!ということで、コロナ禍の影響をまざまざと見せつけられました。なお今回も帰途、東武東上線下板橋駅前の「点心」でもやしそばを頂きました。今時¥450、安くて美味い!昔から通ってます。


下板橋駅前の「点心」店頭の看板 もやしそばのイメージがわかりますね ちなみにラーメン¥370・・・いまどき

■ 「全国旅行支援」始まる
 10月11日から「全国旅行支援」が始まりました。筆者のような旅行好きはさぞ色めき立っていると皆さま思われるでしょうね。ところがそうでもないのです。10月はお役所も企業も下半期スタート月であることが多く、会議やイベントがいろいろあって旅行計画が立てにくいのです。一応11月末から12月初めにかけての時期に岩手県に旅行しようと思っていますが、岩手県の「全国旅行支援」である「いわて旅」は予算が少ないので早く予約しないと枠が無くなるよと花巻温泉の某ホテルからメールが来ました。どういうことでしょう?

■ いわて旅、新規予約停止相次ぐ
 2022年10月14日の「岩手日報」のニュースによりますと、「いわて旅」は新規予約受け付けを停止する宿泊事業者が相次いでいるそうです。岩手県は予算の配分額が少なく早くも上限に達したケースがあるためだそうです。誘客の起爆剤と期待していた業界には困惑が広がっており、岩手県は国の支援を受けて約15億円を追加配分する方針だそうですが、高まる需要に対応できるかは見通せないとのことです。第3弾となる「いわて旅」の事業費は約21億円で、10月13日現在、県内の410宿泊施設、全国約2500の旅行サイトや代理店が参加しています。宿泊事業者に3割、代理店などに7割を充て過去の利用実績に応じて配分していて、割当枠が無くなり次第終了する仕組みです。このため枠が無くなった宿泊事業者が新規予約受け付けを停止したり、例えば「楽天トラベル」と「ゆこゆこ」は受け付け停止などという事態になったりしているそうです。

岩手県のホームページより

■ 予約サイトの大混雑
 とりあえず旅行予約サイトじゃらんのポイントの有効期限が迫っているものがあるので、10月23日の週の畑作業や会議の無い日に温泉旅するかと、じゃらんのホームページにアクセス、しかしなかなか繋がらず、やっと繋がって、予約しようとしたら下の画面が出て来て、何度かトライしました。昼休みが終わったころにやっと予約出来ました。なるほど、ニュースの通り、大変なんだなと実感しました。

■ 便乗値上げ
 報道では「全国旅行支援」に乗じて値上げしている宿がある・・・とのことでしたが、じゃらん検索していてそれが本当だということがわかりました。普段予約で各ホテル・旅館の料金はほぼ頭に入っていますから、「オヤ?」と思うのです。「全国旅行支援」が終わっても、この円安でインバウンドが殺到する、その人たちから見たら日本の宿は安い、もう日本人のために安くする必要はないと思っているのか、あるいはもしそうならなかったら値引きキャンペーンを展開すれば良いと思っているかのいずれかでしょう。いずれにせよここまで散々苦しめられても辛抱してやってきたんだから・・・という気持ちもあるのでしょう。それは理解できますが...

■ 「クラブツーリズム」のバス横転事故
 2022年10月13日午前11時50分ごろ、静岡県小山町須走の県道で観光バスが横転する事故があり、警察によりますと、バスの乗客で埼玉県入間市の枝川恵美子さん(74)が死亡しました。また、35人がけがをし、このうち60代から80代の乗客の女性3人が大けがをしたということです。驚いたのは、このバスが旅行大手「クラブツーリズム」の日帰りツアーのバスだったことです。この「ESSAY」でも以前、「クラブツーリズム」の北海道ツアーに参加したことを紹介しました。
 324『北海道へ』(2019年5月28日)と324『道央旅』(2019年7月9日)です。ここには、さてこれから北海道旅行に出発です。クラブツーリズム株式会社国内旅行センターに予約して、『さわやか初夏の北海道 旭山動物園・富良野・美瑛 小樽・札幌3日間コース』の旅です。添乗員が北海道内のみ同行して案内してくれるそうです。まあ、一流の旅行会社ですから外れることは無いでしょう・・・と書いてあります。道内はバス旅です。

北海道の旅


左:ANAを利用


小樽運河


北海道庁旧本庁舎


アパホテル&リゾート札幌(903室)の外観 コロナ禍前なので中国人がウジャウジャ


旭山動物園東門から降りて行きます


美瑛・青い池


富良野・ファーム富田の温室のラベンダーに歓声が沸きます


十勝連峰を背景に、植栽作業するファーム富田従業員の皆さん


広大なゴルフ場を併設した北広島クラッセホテル(271室)はモール泉の良い温泉でした
ちなみに黒褐色のモール泉はドイツのバーデンバーデンと十勝川温泉が有名ですが、
498『CLOSE』(2022年9月26日)で紹介したにいざ温泉もモール泉です 肌がテカテカになりますよ


千歳空港でけやき味噌ラーメン¥870をいただきました
今はもっと値上がりしてるでしょうね

■ 「全国旅行支援」補助事業対象の日帰りバスツアー
 話を戻してバス事故です。事故を受け、観光庁は、安全が適切に確保されていたか確認するため、ツアーを主催した東京の旅行会社「クラブツーリズム」に、旅行業法に基づく立ち入り検査を行い、ツアーの行程表やバスの運行会社との契約書などの提出を求めたということです。また国土交通省関東運輸局は、道路運送法に基いて13日夕方から、埼玉県飯能市にある「美杉観光バス」の特別監査を行いました。今回のツアーは、「ふじあざみラインで行く!富士山五合目&駿河湾クルーズ」と題した日帰りのバスツアーで、11日に始まった「全国旅行支援」の補助事業の対象でした。ツアーは、13日午前7時半に埼玉県狭山市を出発し、入間市、飯能市の3ヶ所で乗客を拾いながら、富士山5合目を目指して出発したということです。富士山須走口5合目を訪れた後は、午前11時半ごろに昼食会場のある静岡県沼津市に向け出発し、駿河湾のクルーズなどを終えて午後6時20分ごろに狭山市に戻る予定でしたが、5合目から下っている途中でバスが横転したということです。過失運転傷害の疑いでその場で逮捕された26歳の運転手は調べに対し「ブレーキが利かなくなった」などと供述しているということです。これは「フェード現象」が原因ではないかと指摘されています。実は筆者も岩手県八幡平市と秋田県鹿角市の県境にある日本百名山・八幡平からバスで下山中、ヘンな匂いがして、バスを停めて降りたら後部から煙が出ていたということがありました。これは在京盛岡広域産業人会の旅行で、バスは役所が手配してくれたものでした。これがまさに「フェード現象」でした。フットブレーキを多用し過ぎると、ブレーキシューが過熱し、「摩擦力」が機能しなくなって制動能力が著しく低下するものです。筆者はドライブで山道走行大好き人間なので、下り坂では基本的にエンジンブレーキを使い、なるべくフットブレーキを使いません。役所の運転手もプロのはずですが、多分このときの人はあまり連続する山道走行経験が無かったのでは?すぐ役所が別のバスを手配してくれて、別の運転手が坂道を上って来てくれた時は、参加者から拍手が起こりました。まさかこんなに早く、しかも休日にもかかわらず別のバスと運転手が直ちに急行して来てくれるとは思わなかったので、逆に役所の緊急時対応の素晴らしさに感激したのです。

バス横転事故現場

■ 他人事ではない日帰りバスツアー
 「美杉観光バス」は近くなので、走っているバスを見たことが有ります。優良バス会社として評価が高かったのです。筆者も夫婦でバス旅行することが有りますし、連れ合いは女一人旅ないし友人と女子旅でバスツアーに出掛けることが良くあります。しかし20代の運転手なんて遭遇したことがありません。こういう観光バスは年輩の運転手が多く、若くても40代ぐらいです。余程今は人手不足なのでしょう。ハッキリ言って、乗客を乗せて長い時間走るバスの運転手は、安全運転の人でないと困ります。失敗経験があるが故に慎重な人が望ましく、若いということは、一般論ですが反射神経がすぐれているので余計怖いように思います。今回の旅行で亡くなった枝川恵美子さんは、前の職場で一緒だった友人と4人でツアーに参加していたということです。枝川さんの夫は「妻は、けさ友達と4人で出発しました。旅行は妻が計画し『富士山を見たい』とすごく楽しみにしていました。きのうは雨で中止にならないか心配していましたが行けることになって喜んでいました」と話しました。「妻が事故で亡くなったと連絡がありましたが、現実を信じることができず、体の震えが止まりません。友達も多くて、明るくて、私にはもったいない妻です。何で事故が起きてしまったのでしょうか」と声を詰まらせながら話したとのこと、まさしく他人事ではありませんね。

■ 円安進行
 ニューヨーク外国為替市場では円相場が1ドル=148円台まで進みました。1日で1円50銭以上、円安が進行していて、市場では政府・日銀による為替介入への警戒感が高まっています。日本政府の財務当局は「過度な投機は容認出来ない。その兆候を見たら断固たる行動を取る」と言明しています。週末取引停止時刻、日本時間の10月15日午前6時の円相場は、1ドル=148円74銭です。日本の「バブル経済」が崩壊し始めた頃の1990年8月以来、32年ぶりの円安水準を連日更新しています。
 この円安はもう少し進行しそうな気がします。年初にはちょっと予想できませんでした。120円にはなるだろうと見ていましたが、まさか150円が見えてこようとは・・・なにせ著名な経済アナリストの中には円高になると予想している人も居て、どちらかと言えばそういう人たちのほうが優勢で、円安になると見ていた筆者などは少数派でした。黒田日銀総裁は円安になって構わないと考えているであろうことは金融緩和を崩さないその姿勢で明らかです。一方長期金利を絶対上げさせないという姿勢は、そうせざるを得ないからです。もはや出口戦略がありません。それを見透かした投機筋がYENをアップダウンさせてそのはざまで儲けています。鈴木財務大臣は「投機筋による過度な円安進行には毅然と対処する」と言っています。ということは「過度な円安進行」ではなく、緩やかであれば見逃してやると言っているわけです。ここがポイントですね。岸田首相は黒田日銀総裁同様、円安ノーとは思っていないようです。日本でもデフレ脱出が見えてきましたね。しかしそれが歯止めできなくなったら...

■ 健康保険証も運転免許証もマイナンバーカードに
 河野太郎デジタル相は2022年10月13日の記者会見で、2024年秋をめどに現行の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に切り替える方針を表明しました。また、2024年度末としていた運転免許証とカードの一体化の時期についても、前倒しを検討する考えを示しました。電子証明書をスマートフォンに搭載し、マイナンバーカードなしでもオンライン申請やマイナポータルへのログイン、コンビニ交付などを出来るようにする予定で、Androidのスマートフォンへは2023年5月11日にサービスの提供開始を予定しているそうです。これに対し各界から拒絶反応が上がっていますが、政府がポイント付与で躍起になってマイナンバーカード普及を図っているにもかかわらずまだ49%という状態ですから、業を煮やしての強硬手段と思われます。さすがに健康保険証も運転免許証もということになれば、マイナンバーカード難民にはなりたくないので重い腰を上げるのではないでしょうか。筆者は早々にマイナンバーカードを作り、健康保険証化も済ませ、ポイントも貰っています。スマホもAndroidです。さあいらっしゃい。ところで疑問・・・海外ではDXがガンガン進行して、中国も韓国もキャッシュレス化しているのに何故ニッポンではマイナンバーカードが普及しないのか?メディアによると個人情報流出を恐れている国民が多いからだそうです。筆者など個人情報を思い切りオープンしているので、何を皆様恐れているのでしょう?@隠したいものがあるA政府を信じていない、どちらかでしょうね。

これが何かご存知ですか?2022年10月11日にふじみ野こどもエコクラブの畑で頂きました。甘くて美味しかった...

■ 自動車のEV化
 HONDAは2030年に30車種をEV化すると表明しています。そのためにソニーと手を結び、新型EVは2025年前半に先行受注、2025年後半に発売するそうです。EVは電気モータ駆動ですからレシプロエンジンよりはるかに力が強く、加速もスムーズです。その上部品が少なくて済むので、エンジンのように複雑なメカは不要、従って日本が得意としてきた技術が無くても作れます。そのため米国のテスラや中国メーカーがのしてきているわけです。自動車産業はすそ野が広く、町工場に至るまで日本の産業のかなりの部分がその恩恵を受けてきました。日本は主要産業を失う大ピンチ、既にメカ技術者の採用は抑えられ、中高年技術者のリストラが始まっています。ガソリンスタンドなどは死活問題ですね。
 ところで中国では新車販売の4分の1がEVとなり、2026年には販売台数におけるシェアは40.6%に達すると中国政府は見通しています。中国では国慶節(建国記念日)の10月1日から7日間が連休でした。ここで危惧されていたことが現実になったのです。充電スタンドに長い車列が出来て、その取り合いを巡って殴り合いの騒ぎが起きたりもしたそうです。中国国内の充電設備は、2021年の公開データによると261.7万台有り、同時期におけるEV車両保有台数は784万台なので、ほぼ車両3台に1つ充電スタンドが準備されていると言います。これが都市部に集中して設置されていることが大問題で、近場のドライブなら良いのですが、主要高速道路上の統計を見ても、ほぼその70〜90%が都市部に近い地域に設置されているそうです。EV車が十分な距離を走るために充電するには1回あたり30分〜1時間程度と、ガソリン車の給油よりも時間がかかるため、例えば充電ポストが4基しかないスタンドに10台の車が順番待ちしていれば、後続の車両は充電を始めるまでに数時間待たされる事になります。「ガソリン車で10時間程度で行けるところに、EV車では40時間近くかかった」という話もあったそうです。日本でも充電スタンドはまだまだ少ない、急速に設置しなければ中国を笑えませんね。

人気沸騰中、軽EVの日産・サクラ

■ 「遊戯王」作者・高橋和希さんは人命救助中に溺死と判明
 487『暗殺』(2022年7月10日)で、次のように紹介しました・・・沖縄県名護市沖で2022年7月6日に男性が海に浮かんで死亡しているのが見つかり 名護海上保安署は 死亡したのは人気漫画「遊☆戯☆王」作者 高橋和希(かずき)(本名・高橋一雅(かずお))さんと明らかにしました 60歳でした Tシャツに水中マスク シュノーケル 足ひれを身に着けた状態で約300メートル沖合にうつぶせで漂流していたといい その場で死亡が確認されたとのこと 発見現場の辺りはシュノーケリングをするところではなく 潮から考えると恩納あたりから流れてきたのではないかと推定されました 遺体の下半身と腹部には海洋生物のものとみられる損傷があり 「3大人食いザメ」と言われているオオメジロザメの目撃が相次いでいたことから 襲われたのではと見られています 6日午後9時ごろ 高橋さんと連絡がつかないとレンタカー会社から県警に相談があったそうです レンタカーは現場から南西に約12キロ離れた恩納村のビーチ近くに止められていて 県警などが高橋さんの家族に連絡を取り 沖縄に駆け付けた家族が遺体は高橋さんであると確認したとのこと 「遊☆戯☆王」は、ゲームが得意な高校生の主人公が「闇の力」を身に付けて変身し カードゲームなどで悪人やライバルなど さまざまな敵を倒すストーリーで 世界中のファンのあいだに悲しみが広がったとのこと 安らかな眠りを祈ります・・・
 ところが、2022年10月14日に米軍の広報担当によって高橋さんが人命救助中に溺死したようだと米陸軍少佐が証言していることが判明しました。高橋さんは7月4日の午後3時ごろ、恩納村の通称「アポガマ」海岸の沖で溺れていた少女の救助活動に加わっていたということです。その後高橋さんが溺れるのを救助に参加していたロバート・ブルジョー少佐の知人が目撃していました。その証言は・・・「女の子の母親が向こう側の岩の近くにいて手を振って海を指さしていた。波が荒れていた。私が知っている限りでは高橋さんは(救助中)向こうの海面に近いところにいた、私は少女を助けていたので高橋さんを見ることはなかった」・・・高橋さんの遺体は救助活動が行われた2日後に、アポガマの北にある名護市安和(あわ)の沖で発見されました。少女は無事に救助されたということです。
(2022年10月16日)


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