394  鳴門海峡U

 暑かった夏、9月以降も例年より高温という長期予報は大ハズレ、秋雨が降り続き、寒いほどです。埼玉県秋季野球大会も日程が相次ぎ順延、そんな中、我が少年野球チーム出身の先輩たちが今年も活躍して嬉しい限りです。しかし肝心の我が少年野球チームが、覇気の無い、キビキビしない試合をして、残念無念、何が悪いのだろうか?モヤモヤした、イライラした雰囲気が世の中を、もわ〜〜〜っと覆っているような気がしてなりません。コロナのせいか?何のせいだろうか?竹内結子さんの死に、やりきれない気持ちでいっぱいです。

■ 鳴門の渦潮を見る
 306『四国一周W』(2019年1月21日)で四国一周の最後に鳴門公園大鳴門橋「渦の道」に寄ったことを紹介しました。「渦の道」の観覧料は¥510でした。足元のガラス窓から45m下の海面に渦巻く波を見ていると迫力がありました。大鳴門橋には以前仕事の途中でちょっと寄ったことがあります。しかし仕事中ですからもちろん渦潮観光は出来ません。渦潮には干潮や満潮とからんで、ベストタイムというものがあります。運が良ければ、スゴイ渦を見られますが、ツアー旅行ではまず無理ですね。そこで今回は「アオアヲナルトリゾート」に泊まって、鳴門の渦潮を見ることをひとつのテーマとしました。


「渦の道」の足元ガラス窓から下を見る

「渦の道」の入場チケット半券

■ 鳴門の渦潮を船から見よう
 「GoToトラベル」で鳴門海峡じっくりステイ、オーシャンビューのリゾートホテル三泊四日フリータイム、「アオアヲナルトリゾート」2日目は船に乗って渦潮を真近に見ることがテーマでした。船も各種ありますが、ホテルのビーチからの小型クルージング船(大鳴門橋クルージング¥2,200、潮流クルージング¥2,750)があるというので聞いてみたら、先日の台風で壊れて修理中、そろそろ直ると言います。しかしそんなので壊れるような船はヤバイと考えてやめました。いろいろパンフレットを見て鳴門観光汽船の「うずしお観潮船」に決めました。ホテルから観潮船乗り場への交通手段をどうしようかと、ホテルのサービスガイドに聞いたら、タクシーで行けばすぐだと言います。そんなこと聞かなくても分かります。それでは旅の楽しみがアリマセン。そこでネット検索したら徳島駅や鳴門駅との間の路線バスがあり、「アオアヲナルトリゾート」バス停から30分おき、わずか5分、料金¥120だそうです。そこでこれに決めました。「アオアヲナルトリゾート前」というバス停は駐車場とテニスコートのところ、下写真の右端の辺りです。

アオアヲナルトリゾート(駐車場・テニスコートから筆者撮影)

■ 一面の鳴門金時畑
 「アオアヲナルトリゾート」の駐車場とテニスコートから海を背にして見ると下写真のように一面にサツマイモ畑、ホテルでも「鳴門金時 芋掘り体験」という企画をやっています。掘った芋1kgのお土産付き¥1,200です。しかしコチトラは「富の川越芋」の本場から来ています。毎年芋を掘っていますから、わざわざ鳴門で金時掘る気はありません。畑を見て何故サツマイモか分かりました。一面の砂地で、他のものは栽培できないのでしょう。聞いたら、他にはラッキョウぐらい、とのことでした。

アオアヲナルトリゾートの周りは一面のサツマイモ畑(筆者撮影)

■ バスに乗ってうずしお観潮船乗り場へ
 「アオアヲナルトリゾート前」というバス停で徳島バスを待ちました。他に、立派なカメラを持ったオジサンが一人、バス停で待ってます。乗ってたったの5分で鳴門観光汽船の「うずしお観潮船」乗り場に到着するみたいです。バスは少し遅れてやってきました。

徳島バスのアオアヲナルトリゾートバス停に路線バスがやってきた(筆者撮影)
 バスはいくつかのバス停を通過して、大塚国際美術館前も通過して、そのまま真っ直ぐ行けば終点の鳴門公園ですが、「鳴門観光港」に寄り道する路線バスと、直行するのがあるみたいです。乗ったバスは大塚国際美術館前を過ぎて、ぐるっと山を巻き、亀浦神社の先の信号機のある交差点で左へ戻るように左折しました。そして「スカイライン口」バス停を過ぎ、大塚国際美術館駐車場前を通過して「鳴門観光港」というバス停が見えて、一緒に乗ったオジサンが腰を浮かせますがバスはスーッとバス停を通過します。良く見るとバス停は海側の右側で、左側は崖です。焦ったオジサンが運転手に、「降りたいんだけど」と言いました。「大丈夫です、戻ってきますから」と言われてます。「田ノ浦」というバス停・「Uターン場」があって、ぐるっと回って「鳴門観光港」バス停に到着、目の前が「うずしお観潮船」乗り場です。

■ うずしお観潮船体験
 鳴門の渦潮を見るには、@「アオアヲナルトリゾート」のビーチからの定員8名の超小型クルージング船(大鳴門橋クルージング¥2,200、潮流クルージング¥2,750)、ただし危ないので渦潮には近付けないそうですA亀浦口バス停前の「うずしお汽船」の定員86名の小型観測船(¥1,600)B「うずしお観潮船」の399名定員の大型観潮船わんだーなると(¥1,800)または水中展望室を持つ定員46名の小型観潮船アクアエディ(¥2,400)C大鳴門橋で淡路島に渡り「うずしおクルーズ」の咸臨丸を復元した大型帆船で60分間ゆったり観潮できて¥2,500、飲食物持込OKなどがあります。この中からホテル「アオアヲナルトリゾート」の自動販売機でわんだーなると(¥1,800)割引券=¥1,500を購入しました そして潮見表を見て、最適の時刻を選んで乗船しました。

船着場に繋留のアクアエディと出港するわんだーなると(筆者撮影)

「わんだーなると」デッキから海を見る乗客(筆者撮影)

大鳴門橋、右側の山の上が鳴門公園(筆者撮影)

大鳴門橋を潜るとき「渦の道」の潮見廊下が見える(筆者撮影)

これは「うずしお汽船」の小型観測船です(筆者撮影)

これは「うずしお観潮船」の「アクアエディ」です(筆者撮影)

なるとのうず潮です(筆者撮影)


■ うず潮が出来る理由
 鳴門のうず潮が出来るのは海水の流れと潮の満ち引きによるものです。月や太陽の引力によって海水面の上下動が周期的に起こり、地球は自転しているため、1日に満ち潮と引き潮が交互に2回ずつ約6時間周期で起こります。満潮の波が紀伊水道から大阪湾に入り、反時計回りに明石海峡を抜けて播磨灘に入り、5〜6時間かけて淡路島を一周して鳴門海峡に達します。そして豊後水道を経てきた満潮の波と合流するのですが、この5〜6時間が経過する間に紀伊水道側は干潮となり、水位が下がっています。鳴門海峡をはさんだ播磨灘と紀伊水道との間で海水面に水位差(最大約1.5m)が生じ、海面の高い満潮側(播磨灘)から低い干潮側(紀伊水道)へ海水が流れ込みますが、鳴門海峡の幅が約1.3kmと狭くなっていることと重なり、高い方から低い方へと海水が一気に流れ込み潮流が速くなります。北西から南東への流れです。


[ 鳴門市うずしお観光協会のホームページより]

 大鳴門橋の真下はV字型に深くなっていて、最深部は約90mにも達します。潮流は抵抗が少ない深部では速く流れ、抵抗が多い浅瀬では緩やかに流れます。すなわち大鳴門橋の中央部真下の速い流れと、大鳴門橋両端側の遅い流れとの速度差で「渦」が発生するのです。鳴門海峡の潮流は日本最速で、平常は13〜15km/hぐらいですが、大潮時には18km/hに達し、風向きによっては20km/hにも及ぶときがあります。


[ 鳴門市うずしお観光協会のホームページより]

これは淡路島「うずしおクルーズ」の大型帆船です(筆者撮影)

「わんだーなると」が船着場に戻ってきました(筆者撮影)

■ 亀浦観光港の岸壁で釣り人が鯛釣り
 「うずしお観潮船」を下船したら、目の前でバス停からバスが発車して行きました。時刻表を見たら、あと30分後に次のバスが来ます。それなら大塚国際美術館まで歩いて行って、そちらのバス停から乗ろうと決めました。そこで歩き出したら、岸壁で釣りをしている人が沢山居ます。どんなものが釣れるのか、見てみようと思いました。夫婦で釣っている人たちも何組かいます。すると目の前で立派な鯛が釣れました。これは高いだろうなぁ、趣味じゃなくて、商売になるんじゃないかと思いました。

亀浦港の岸壁で釣り師が鯛を釣り上げる(筆者撮影)

目の前でこんな立派な鯛が釣れました(筆者撮影)

■ 鳴門海峡はタカの渡りの名所
 ところで鳴門海峡近辺の空にはタカがたくさん舞っています。ホテルの部屋のベランダから海を眺めていても、悠然と大空を舞う鷹の姿がたくさん見えました。それゆえカラスがほとんど見当たりません。「鳴門のタカの渡り」はうず潮と並んで観光の目玉にもなっているようで、9月中旬から11月にかけて、鳴門海峡をはじめ、徳島県内各地で野生のタカの渡りが観察されるそうです。日本野鳥の会徳島県支部のホームページで詳しく紹介されています。

鳴門山展望台で鳥を観る人々
 鳴門公園に設けられている鳴門山展望台からは、鳴門海峡や播磨灘、淡路島、島田島などが一望でき、野鳥の渡りのシーズンには観光客のみならず、バードウォッチングをする人も多く訪れる絶景ポイントとなっています。タカはサシバ、ノスリ、ハイタカ、ハチクマ、ハヤブサなどが見られます。

ハチクマの勇姿

大空を舞うハヤブサ

■ 大塚国際美術館前へ徒歩〜バスで「アオアヲナルトリゾート」へ帰着
 鳴門観光港から徒歩で大塚国際美術館まで歩いて行く途中、大塚国際美術館の駐車場がありました。マイカーやレンタカーで来た人はこの駐車場に車を置いて、送迎バスで大塚国際美術館まで送ってもらいます。銀色の大型バスとマイクロバスが、まあひっきりなしにピストン輸送してますが、ほとんど乗客は居ません。空気を運んでいるみたいでもったいないなぁと思いました。少し進むと右側からの道路と合流します。右の道路はスカイラインだそうで、山登りの道のようです。「スカイライン口」バス停があります。更に進むと三叉路があり、信号機があって左が鳴門公園方面、「亀浦口」というバス停があるそうです。その先に亀浦漁港があって、「うずしお汽船」の乗り場が見えました。この三叉路の右側に「亀浦神社」という一風変わった神社がありました。山を巻いて左側が大塚国際美術館入口です。道路を挟んで向かい側に、一面の芝生の上に建つ中国風の「大塚製薬 潮騒荘」という立派な建物があります。「大塚国際美術館前」というバス停から乗車して→「千鳥ヶ浜」→「網干島」→「大毛海岸通り」→「アオアヲナルトリゾート前」で降りました。料金¥110です。「大毛海岸通り」以外のバス停では誰も降りませんでしたが、「網干島」バス停を通過するときチラッと黒くて大きい石碑が見えました。「大毛海岸通り」バス停はホテルビーチの前です。あれ?ここで降りるとホテルの入口は目の前だなと思いながら、やはり「アオアヲナルトリゾート前」というバス停で降りるべきだろうと思いました。降りて分かったのは、「アオアヲナルトリゾート」の北側ビーチ前の「大毛海岸通り」バス停がやはり最もエントランスに近く、南側のこのバス停はセントセラフィク教会より更に遠いので、ホテル入口から見ると「大毛海岸通り」バス停のほうがずっと近いということです。名前に騙されました下写真の左側ビーチ前が「大毛海岸通り」バス停で、右端が「アオアヲナルトリゾート前」バス停です。バス停の名称を変えるべきではないでしょうか。「アオアヲナルトリゾート北」、「アオアヲナルトリゾート南」とか・・・。セントセラフィク教会と道路を挟んで向かい側に小さな建物が見えますが、ここが老夫婦で営む鳴門ワカメ製造直売所です。ホテルの売店よりずっと安い!おばあちゃんから衝動買いしました。奥にはおじいちゃんが作業しています。80過ぎても働いて、徳島のじいちゃん、ばあちゃんはエライなぁと思いました。

アオアヲナルトリゾート 左が北側ビーチ、右が南側(セントセラフィク教会が見える)

北側入口前のホテルモニュメント

■ スマホ決済サービスを悪用した不正出金問題
 「ドコモ口座」を発端とする銀行口座からの不正出金問題、最初ニュースを聞いたとき「おかしいな?」と思いました。ドコモ口座が簡単に作れる、本人確認が甘いという話で、SNSなどではドコモへの非難ごうごう、「おかしいな?」と思ったのは、銀行口座からドコモ口座への送金がどうしてできるんだろうと思ったからです。するとゆうちょ銀行は9月16日、ドコモ口座やPayPayを含む6つの決済サービスで被害が確認されたと発表したのです。ゆうちょ銀行の口座と接続可能な決済サービスは12サービスあり、ゆうちょ銀行側で二要素認証を導入していたのは「FamiPay」と「pring」の2つだけ、他の10サービスは氏名、口座番号、4桁の暗証番号、生年月日といった「知識」の要素のみで口座を接続することが可能でした。一部の地方銀行やゆうちょ銀行のセキュリティーの甘さのほかに、個人の口座情報や暗証番号がどこから漏洩しているのかというのが大問題です。もっとも、情報とは漏洩するものと宿命的に捉えるべきかもしれません。この手の犯罪とはイタチごっこが続くでしょう。課題は山積みですね。

■ 地蔵院の掲示板、9月は・・・
 389『処暑』(2020年8月23日)で紹介した、ふじみ野市のお寺「地蔵院」の掲示板に張られている文言、今月は「言葉が負わせた傷は 刀が負わせた傷より深い」でした。この文言は北アフリカのモロッコの諺(ことわざ)のようですね。いじめを苦にした生徒が自ら命を絶つという痛ましい事案や、教師が自分で担任している児童の名前を不適切な呼び方で呼んだりする事案が報道されたりします。言葉の暴力は、人を深く大きく傷付けてしまうものです。鎌倉時代の説話集「十訓抄(じっきんしょう)」は若い人たちを教え導くための十の教えが掲載された本ですが、その第四に「舌の剣は命を絶つ」という諺があります。「舌の剣」とは「言葉」のことで、正に言葉が刃物と同じ力をもっていることを示しています。言葉は目に見えないだけに、例え相手を傷付けていたとしても、言った本人は自覚していないことが多いのです。「バカ、アホ、ウスノロ、マヌケ、死ね、ぶっ殺してやる…」などの言葉は正に「舌の剣」です。ネット社会と言われる現代社会においては、メール等でのやりとりも多くなり、顔が見えないためか、より深い傷を相手の心に負わせているようなケースも多いように思います。私達は、自分の言葉が相手に対して傷を負わせるようなことにならないか、常に自分を戒めて話したいものです。

■ 相次ぐ芸能人の自殺、竹内結子さんも・・・
 芸能界で自殺とみられる悲報が相次いでいます。今年5月23日、女子プロレスラーで人気番組「テラスハウス」に出演していた木村花さん22歳が東京都内の自宅マンションで自殺しているのが発見されました。SNSによる中傷が急死の背景にあるとして、母親がBPO(放送倫理・番組向上機構)に申し立てし、すでに審議入りしています。この事例はまさしく「言葉が負わせた傷は 刀が負わせた傷より深い」ですね。7月18日には俳優三浦春馬さんが30歳で、女優の芦名星さん36歳が9月14日、都内の自宅マンションで死去しました。9月20日には俳優の藤木孝さん80歳が遺書を残し、自殺しました。最近芸能人の自殺が続き、9月27日未明には女優の竹内結子さん40歳が都内の自宅で遺体で見つかりました。前夜は家族4人で団欒していたというのに...今年1月下旬に都内の病院で第2子男児を出産し、二人の男の子の母親でした。芸能界に限らず、自殺者数は増加傾向にあるとされ、加藤勝信厚労相(当時、現・官房長官)は会見で「7月以降、自殺増加の兆しがある」と説明、コロナ禍による不安の高まりが関係している可能性もあると指摘し、各自治体の「いのち支える相談窓口」の利用などを呼びかけていました。なんか、イヤ〜な感じですね

 次回は引き続き「鳴門海峡V」をご紹介します。
(2020年9月27日)


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