378  米中韓日

 世界情勢が不穏です。特に米中が大変なことになっています。日本はアフターコロナの話題へ進むかと思っていたら、「東京アラート」とやら...ワケのわからないときはカタカナを使う都知事、いずれにせよ東京は危険です。まだまだ予断は許さないようです。

■ 毎度お馴染みのCOVID-19感染者及び死者の状況
●6月7日(日)12:00現在の新型コロナウイルス関連の感染者及び死亡者の数…厚労省発表

国・
地域
米国 英国 ブラ
ジル
イタリア フランス スペイン メキシコ ベル
ギー
ドイツ イラン カナダ インド オランダ ロシア 日本
人口百万 331.0 66.44 209.5 60.46 66.99 46.75 126.2 11.49 83.15 81.16 37.59 1353 17.38 144.5 126.5
感染者 1,919,430 284,868 645,771 234,801 153,634 241,310 110,026 59,072 185,450 169,425 95,057 236,657 47,152 458,102 17,141
死亡者 109,791 40,465 35,026 33,846 29,142 27,135 13,170 9,580 8,673 8,209 7,773 6,642 6,005 5,717 916
感染率 5,783ppm 4,288 3,082 3,884 2,293 5,162 872 5,141 2,230 2,088 2,529 175 2,713 3,170 136
致死率 5.7% 14.2% 5.4% 14.4% 19.0% 11.2% 12.0% 16.2% 4.7% 4.8% 8.2% 2.8% 12.7% 1.2% 5.3%
死者ppm 332 609 167 560 435 580 104 834 104 101 207 4.9 345 39.5 7.2
ブラジルが凄いことになっていて、保健省は6日、ホームページで行っていた新型コロナウイルスの累計の感染者数や死者数の公表をやめました。回復者数と新規の感染者数、死者数だけを今後は表示するとのこと、地元メディアは感染拡大を隠す意図があるのでは?と批判しています。メキシコの死者数急伸、ロシアはアッと言う間に感染者数83,036人、死者数4,634人の発祥地・中国(人口1439百万人)を抜きました。インドは感染者数でドイツを抜き、6位に踊り出ましたが、人口世界二位の国ですからね。

■ 世界のCOVID-19感染者はまだまだ増え続けています
 下図はYahooに掲載された6月6日までのWHO発表新規感染者数のグラフ、相変わらず増え続けていることが分かります。

 考えてみれば、世界の状況、そして日本の状況のトレンドはどうだったか?武漢から発した新型コロナウイルスの感染拡大を受け、WHO(世界保健機関)は2020年1月30日夜、新型コロナウイルスについて国際的な緊急事態を宣言しました。日本では2月3日に横浜港に着岸したクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号への対応が世界の衆目を集めました。果たしてその対応は正しかったのか?スッタモンダでした。安倍首相は2月27日(木)、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国すべての小中高校に対し、週明けの3月2日から春休みまで「臨時休業」を要請すると突然発表するサプライズ、明らかにパンデミック(世界的な感染拡大)の様相で、WHOも日本を要注意と名指しました。イタリアやイラン、韓国も凄いことになっていて、世界ではこれに日本と中国を加えた5ヶ国が要注意とされていたのです。それでもパンデミックと言えるほどではないと言うWHOは、新型コロナウイルス発祥の中国に遠慮しているのでは?と世界中から疑われ、やっと3月11日パンデミックを宣言しました。

■ COVID-19感染者数は世界各国でどう推移してきたか

 世界のCOVID-19感染者数がどのような推移をたどってきたか、グラフで見てみましょう。これらグラフは公益財団法人ニッポンドットコムから頂きました。WHOがパンデミックを宣言して以降のグラフです。
2020年3月10日以降の世界各国の感染者数の推移
3月10日
中国がダントツでグラフのはるか上にあります
イタリアがイラン、韓国を抜き第二位へ躍進
3月27日
米国が急伸、中国、イタリアを抜きトップへ
欧州各国で感染拡大
4月19日
英国の伸びがスゴイ!
日本は韓国を抜く勢い
5月14日
いきなり現れたロシアが急増、第二位へ
ブラジルもすごい!
ペルーもインドも急伸
6月4日
ブラジルが第二位へ!インドも凄い

■ ジョージ・フロイドの暴行死でデモの嵐
 2020年5月25日に米国ミネソタ州ミネアポリスで、偽造紙幣を使った疑いで黒人男性のジョージ・フロイドさん(46)が警察官に後ろ手に手錠をかけられて拘束された際、8分46秒間、膝で首を地面に押さえ付けられました。フロイドさんは「Please, the knee in my neck, I can't breathe.(頼む、首の膝を、息が出来ない)」と訴え、「Don't kill me(殺さないでくれ)」と懇願しました。周りに集まってきた通行人たちが「死んでしまう、鼻血が出てる、離してやれ」と警察官に口々にアピールしたのに、周りに居た警察官も何もせず、結局フロイドさんは意識を失い、救急車で病院に搬送された後、死亡が確認されたのです。この一部始終が世界中にネット動画で拡散され、警察側が説明した「抵抗したから拘束した」という話も、周囲の防犯カメラ映像や通行人の携帯動画から「抵抗してないじゃないか」と反論されて、結局警察官4人は翌日解雇され、押さえ付けた44歳の白人デレク・ショーヴァン警官は第3級殺人罪などで起訴されました。検視の結果、死因は窒息死であるとされ、ミネソタ州検事総長は過失致死に当る第3級殺人罪での起訴を、計画性の無い殺人である第2級殺人に格上げ、他の3人の警官も幇助と教唆で起訴しました。ショーヴァンの妻は事件を受けて弁護士と話し合い、6月2日に離婚を申請しました。6月4日刑務所は4人の警官の顔写真を公開しました。やはり米国は日本とはやることがまるで違いますね。

■ BLACK LIVES MATTER
 デモで人々が掲げたボードの”Black Lives Matter”は、直訳すれば「黒人の命は問題だ」ということでしょうが、ニュアンスとしては「黒人の命にも価値がある」なのかもしれません。黒人だろうがなんだろうが、人間の命は等しく価値があるはずですが、米国社会の歴史的人種差別の根深さを表しています。黒人たちは過去何度も不当に殺されているのです。
 今回全米でデモが拡大した理由はトランプ大統領のデモへの対応でした。デモに乗じて略奪集団が現れ、トランプ大統領は「奴らはANTIFA、左派集団だ、テロ組織に指定する」と言って、「州兵で収まらないなら米軍の派遣も辞さない」とやったものですから、マティス前国防長官やブッシュ元大統領もその対応を批判しました。更に新型コロナウイルス対応で鬱積した民衆の不満がデモを拡大させ、米国史上最大規模のデモへと発展、更に海外にまで飛び火しました。

■ 中国の「国家安全法」成立で香港ピンチ
 2020年5月28日、中国の全国人民代表大会(全人代)で、香港に「国家安全法」を導入する方針が採択されました。これにより、今後、中国が香港の治安維持を管理し、香港自治は風前の灯火です。香港はやがてマカオのようになると言われています。中国は、香港返還時に約束した「一国二制度」を放棄したわけですが、トランプ米大統領はこれに対し、中国を激しく非難し、香港に認めてきた優遇措置を廃止すると発表しました。しかし中国は「内政干渉だ」と反発し、一歩も引かぬ構えです。カナダ、英国、オーストラリアも共同声明を発して、「深く懸念している」と表明しましたが、日本政府も参加を打診されたものの拒否し、米国など関係国の間では日本政府の対応に失望の声が出ています。習近平国家主席の国賓訪日実現に向け、中国を過度に刺激するのを回避したかったようです。もちろん日本では財界中心に中国との対立は避けるべきとの意見が根強いのですが、今中国が進めている政策はやがて日本にも波及してくるでしょう。是々非々で言えば、日本は譲るべきではない一線があります。

香港の夜景

■ 目に余る中国の領海拡充姿勢に東アジア各国と連携して対抗せよ
 45『自動車と中国の躍進』(2014年1月16日)をご覧下さい。近年の中国海軍の武力による領海拡充姿勢は目に余るものがあります。下図をご覧下さい。パラセル(西沙)諸島とスプラトリー(南沙)諸島はみんなオレのものという姿勢で、ベトナム、マレーシア、ブルネイ、インドネシア、フィリピンのすぐ近くまで実効支配しています。誰がどう見たって有り得ないラインですよね。島とは言えない岩礁の周囲をコンクリートで固め、拡充して基地を作ったり、畑まで作って中国国旗を掲げます。武力衝突を厭いません。もちろん台湾は中国領土だと言っていますが、尖閣諸島も中国領土だと言っています。中国海警局の船が尖閣諸島・魚釣島の日本領海にたびたび侵入し、操業中の日本漁船を追いかけたり、長く居座ります。領海侵入は常態化、日本の抗議も無視され続け、「尖閣支配」の既成事実化を狙う中国の思惑通りになっている実態があります。日本は魚釣島の環境調査を行い、それこそ実効支配すべきです。中国が主張する権益ラインを認めれば、海洋国日本の死活問題になります。

中国の権益ライン?

尖閣諸島・魚釣島
 中国は更に将来的には、沖縄はもちろん、グアムや小笠原諸島も自分たちの権益ラインだと考えているようです。日本は譲ってはならない一線を死守しなければならず、そのためには米国の支援も必要でしょう。

■ 韓・高雄市長リコール成立
 1月の台湾総統選に野党国民党の公認候補として挑んだ韓国瑜(ハンクオユイ)・高雄市長(62)に対するリコール(解職請求)の賛否を問う住民投票が2020年6月6日実施され、投票率は42.14%で賛成は93万9090票、反対は2万5051票、圧倒的な差でリコールが成立しました。親中路線を打ち出した韓氏の解職は国民党だけでなく、中国にも痛手になるでしょう。
 これを受けてか、高雄市議会の許崑源議長(国民党・63歳)が6日夜、市内の自宅から飛び降り自殺しました。許氏は市議に4期連続で当選し、2018年に議長に就任、韓氏をかばうような議事運営は、民進党市議らの反感を買っていました。

■ NY株続伸、829ドル高 米雇用改善、3ヶ月半ぶり高値
 前回は「日経平均株価の上昇」を採り上げましたが、2020年6月5日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は5日続伸し、前日比829.16ドル高の2万7110.98ドルで取引を終えました。5月の米雇用統計が予想外の改善となり、買いが殺到、2万7000ドルを回復し、約3ヶ月半ぶりの高値となりました。非農業部門の就業者数が4月から増え、失業率は低下...新型コロナウイルスの感染拡大で悪化した米景気が想定より早く回復するとの期待が高まっての上昇で、筆者が以前から書いている通りの展開です。日経平均株価もまだまだ上がります。

■ アフターコロナの日本を襲うものは?
 企業の信用情報を扱う会社と言えば帝国データバンクと並んで有名なのが東京商工リサーチです。その常務取締役である友田信男氏の話が「週刊エコノミストOnline」に載っていました。それによりますと、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の停止は、1990年代前半のバブル崩壊や1998年の金融危機、さらに2008年のリーマン・ショックなどとは比較にならない大ピンチになるというのです。それによりますと
@赤字リストラが始まる・・・3ヶ月余りで「コロナ破綻」は、全国各地の小売りから外食、建設、葬儀屋、製造業など幅広い業種で拡大し、全体の倒産件数は5月で前年同月比10%超の増加が5ヶ月連続となり、リーマン・ショック時を抜きました。昨年10月の消費増税や暖冬の影響に加えての倒産増加トレンドに入っています。今年の倒産件数は7年ぶりに1万件を超えると予想、更に後継者難の高齢経営者がコロナショックを機に廃業を選択する可能性も高い(廃業は倒産には含まれない)。政府は資金を貸すと言っていますが、経営者にとって負債を増やすのは大きな負担になります。昨年は約4万3000件の休廃業があったが、今年は5万件を優に超えると予想します。今後、懸念されるのは大企業の人員削減の動き、昨年から事業構造を転換するための「黒字リストラ」を断行する大企業が散見されますが、これからは急激な業績悪化に伴う「赤字リストラ」が始まるでしょう。感染は世界に拡大しており、耐久財や資本財需要は当面、期待できないとすると、日本の自動車や電機、精密、電子メーカーには大きな打撃となります。
A進む地銀の再編・・・事業継続計画(BCP)が機能しなかった点は、大きな反省材料です。日本企業は、リーマン・ショックや東日本大震災などで、世界に張り巡らせたサプライチェーン(供給網)の寸断に伴う事業継続の困難に直面したので、部材生産を分散するなどで、有事の際にも継続可能なBCPを各社で作ったはずでしたが、中国依存を変えられなかったのです。同じ轍(てつ)を踏んだ企業が少なくありません。労働集約型でない産業では、今後国内回帰も検討材料になってくるでしょう。コロナショックを契機に後継者難の中小・零細企業の廃業が見込まれる中、必要になってくるのはM&A(企業の合併・買収)仲介者です。地銀や信用金庫など地域金融機関がその有力な候補です。預金を集めて企業に貸し出し、利息収入を得るというビジネスモデルが崩壊した現在、取引先のマッチング、経営者の仲介などに長年の取引関係を生かせるはずです。ただし、地域金融機関には厳しい現実もあります。コロナショックは全国で規模や業種を問わずに発生したため、融資先の倒産に伴う損失の増大は不可避と思われます。1〜2年後に地域金融機関の経営が厳しくなり、金融危機が発生してもおかしくありません。そのときは、公的資金の注入とセットで、再編が進むと思われます。


■ 古典的社会主義?・・・韓国文在寅政権
 韓国の文在寅大統領が誕生してからおよそ3年が経った韓国ですが、この国では大統領の末路は哀れなものです。そこで裁判官は自分の意を汲んでくれる人を増やし、あわよくば検察を骨抜きにしたいと考えるようです。そうしないと保身が図れないからです。まあ、日本も最近は笑えませんが...文政権下で韓国は、最低賃金を2018年に16.4%、2019年に10.9%と大幅アップを進めました。2020年は2.87%にとどまりましたが、3年間で30%以上のアップは、世界断トツの賃上げ国ですね。この過激ともいえる賃上げは産業界に大幅な人件費コスト増をもたらし、自然の摂理で、企業は正規雇用者採用を警戒し、躊躇する傾向を強めた結果、正規雇用者の採用減が顕著になって、仕事にあぶれた若者が増えています。
 日本は対照的に賃上げでは世界で最悪の「劣等生」にランクされています。日本では、企業が稼いだ利益はもっぱら剰余金など内部留保に貯め込まれ、賃金はあくまで後回しになっているのが現状です。また韓国の法人税は2018年に22%から25%に引き上げられ、所得税も富裕層への増税が強化されています。加えて文政権は労働組合の争議を支援する姿勢を明らかにし、過去50年にわたり無労組だった財閥企業トップのサムスン電子に2019年11月に労働組合を結成させました。格差の拡大を解決するためにサムスン電子など財閥企業が過剰に貯め込んだ巨額資金を労働者階級などに“所得移転”を図るという政策は、古典的な社会主義と言えます。

韓国の文在寅大統領

■ ハイテク分野で世界覇権を狙う中国、そうはさせじと米国
 一方で中国の習近平主席による「中国製造2025」は、中国の中央政府・地方政府が自国の製造業企業に巨額補助金を注ぎ込んで、半導体などを筆頭に中国製ハイテク製品の競争力をひたすら強化・育成するというものです。2025年にはハイテク製品の世界市場で中国がトップに立つという野心的な経済政策であり、米国のトランプ大統領の「アメリカファースト」に対抗する「中国ファースト」政策ですが、それが米中貿易戦争の要因です。これが成功すれば米国は、技術、そして経済、軍事までイニシアチブを中国に渡すことになりかねません。米中貿易戦争は、先行きの世界の覇権を争奪するなりふり構わぬ闘いとなっているのです。習主席の中国は、トランプ大統領が目の仇にしている中国通信機器大手のファーウェイを世界企業に仕上げようと応援しているのに対して、文大統領の韓国は世界企業であるサムスン電子を虐めて引きずり下ろそうとしているようなものであり、対照的です。
 そのハザマで日本はオロオロしているというのが実態です。ただ、そもそも海洋国で資源も無い日本は、上手く立ち回って、貿易で利益を上げなければなりません。狭い国土ながら、食糧も自給しなければなりません。やることはいっぱいあります。

中国の習近平国家主席
 
安倍首相と米国のトランプ大統領

■ タチアオイ
 葵(あおい)は梅雨の季節を代表する美しい花です。我が家でも3本、スックと立って、ピンクの花を咲かせていますが、いずれも花の色と形が違って、楽しませてくれています。なにしろその勢いが素晴らしい!葵はアオイ科の植物の総称ですが、一般にはタチアオイを指します。梅雨入りの頃に茎の下から上に向かって咲いていき、梅雨明けには咲き終わるため「梅雨葵」という別名もありますが、今年は雨続きの1週間が有ったせいか早咲きですね。岩手では花びらをちぎり、根本を裂くと粘液が出て、それを鼻の上に付けてトサカのようにし、ニワトリの鳴き真似をして遊んだもので、「コケコッコの花」と呼んでいました。葵の花は一重咲きだけでなく、花弁の多い八重咲きやシャクヤクのような咲き方のピオニー咲きのものもあります。花の色も赤、ピンク、白、オレンジ、黒紫など様々です。グラデーションの複色や花弁がギザギザのものもあり、バラエティーに富んでいます。花の咲いた茎が日差しに向けてどんどん伸びていく様から「仰日(あふひ)」から由来し、それが転じて現在の「葵(あおい)」という名前になったようです。

タチアオイ


■ 葵の御紋
 「丸に三つ葉葵」の紋は日本の家紋「葵紋」の一種で、葵の葉を3つ描いた図案の家紋であり、徳川家の紋として有名です。ただし、三つ葉葵は架空のものだそうで、ウマノスズクサ科のフタバアオイを図案化したもので、アオイ科ではないのだそうですよ。フタバアオイはその名の通り、通常の葉の数は2枚です。葵紋は賀茂神社の神紋(二葉葵・加茂葵)になっていて、その賀茂氏との繋がりが深い三河国の武士団が葵紋を家紋としてきたとのこと。三河武士の松平家は清和源氏の末裔ではなく賀茂氏の末裔ではないかとの説はこれが根拠ともなっているそうです。後に家康は直系だけを徳川と名を改めました。
 「水戸黄門」は日本人の大好きなドラマです。水戸光圀公が越後のちりめん問屋の隠居に扮し、その使用人という名目で水戸藩士・佐々木助三郎と渥美格之進を伴って諸国漫遊し、悪代官などを懲らしめるという勧善懲悪の物語です。風車の弥七、うっかり八兵衛、かげろうお銀、柘植の飛猿その他、いろいろな取り巻きも登場しました。有名なのはTBSのナショナル劇場で、黄門役は東野英治郎→西村晃→佐野浅夫→石坂浩二→里見浩太朗と変遷し、その後BS-TBSで武田鉄矢が勤めました。「助さん、格さん、懲らしめてやりなさい!」ということでチャンチャンバラバラ、「助さん、格さん、もういいでしょう!」とご老公がおっしゃると「静まれ、静まれ〜っ、この紋どころが目に入らぬか!ここにおわすお方をどなたと心得る、恐れ多くも先の副将軍・水戸光圀公にあらせられるぞ!ご老公の御前である、頭が高い、控え居ろう!」と言うと、ハハーッと一同地面にひれ伏すというワンパターンなのですが、そもそも印籠ひとつでどうしてそんなに効果があるのか?とか深く考えないことです。水戸藩二代目藩主徳川光圀は確かに名君だったようですが、そもそも副将軍なんて役職は無かったはずです。助さん、格さんチョット強過ぎ、まあいいでしょう。徳川五代将軍綱吉の時代ですから、世の中一番良い時代ですね。


フタバアオイ
 
三つ葉葵の御紋

■ 沖縄県議選挙、糸満市長選挙
 沖縄県議選(定数48)は2020年6月7日、投開票され、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する玉城デニー知事の支持勢力が25議席確保、かろうじて過半数を維持しました。辺野古移設を巡り、知事は県議会と両輪となって、引き続き政府と対峙して行くことになるでしょう。
 任期満了に伴う糸満市長選は、自公の推薦を受けて2期目を目指す現職の上原昭氏(70)と、前市長や元市長らから支援を受けた新人で前市議の當銘真栄氏(54)との事実上の一騎打ち、結果は當銘氏が14,197票で当選、上原氏は9,715票でした。

■ テレ朝・富川アナ、報ステ復帰
 テレビ朝日富川悠太アナウンサー(43)が6月4日報道ステーションに出演し、4月9日以来約2ヶ月ぶりに番組復帰しました。感染前後の行動や発症に至る経過をパネルを用いて詳細に説明、謝罪の言葉もありました。しかし、COVID-19に感染したのは謝るべきことか?家族を含めてバッシングにさらされて辛い2ヶ月だったでしょう。改めて「イジメ社会」のニッポンを憂います。

テレビ朝日富川悠太アナウンサー

■ 横田 滋さんが亡くなられました
 北朝鮮の拉致被害者横田めぐみさんのお父さんの滋さんが2020年6月5日(金)老衰のため亡くなられました。87歳でした。拉致被害者家族のシンボル的な存在として、拉致問題の解決に奔走して来られましたが、その願いは果たされることはありませんでした。1977年11月15日、当時13歳で中学1年生だった長女めぐみさんが下校途中に行方不明となりました。滋さんは前日に45歳の誕生日を迎え、めぐみさんから「お父さん、これからはオシャレにも気をつけてね」とクシをプレゼントされたばかりだったそうです。その無念を思うとき、政治の無力を嘆き、北朝鮮へのより強い姿勢を求めるものです。

横田めぐみさん(中央)の帰国を願い続けた父・滋さん(左)と母・早紀江さん=2005年4月24日、東京都千代田区の日比谷公会堂で
(2020年6月8日)


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