160  あきちみ

 今回のタイトルは何でしょう?意味不明ですね。そのわけを説明します。いま聴きたい歌手、過去の「ちあきなおみ」、現在の「あさみちゆき」、この二人の共通点は、かな6文字中4文字が同じなのです。レジェンド「ちあきなお」、現在の「みち」、五十音順で「あきちみ」なのです。

■ 孤高の歌姫ちあきなおみ
 もう一度聴いてみたい歌手と言えば、ナンバー1は「ちあきなおみ」ですね。忽然と表舞台から姿を消した孤高の歌姫ちあきなおみ・・・2016年3月9日BSジャパン(BS-7ch)で、武田鉄矢の昭和は輝いていた【孤高の歌姫ちあきなおみの世界 2時間スペシャル】を新聞で見て、かぶりつきで見ました。武田鉄矢とテレビ東京アナウンサー須黒清華さんが司会、ゲストは東元晃氏(音楽プロデューサー)、中村泰士氏(作曲家)、杉本眞人氏(作曲家・シンガーソングライター)でした。昭和に輝いた秘蔵映像と素顔が放映されました。「喝采」(吉田旺作詞、中村泰士作曲)や「紅とんぼ」(吉田旺作詞、船村 徹作曲)・・・忘れられない名曲です。

■ ちあきなおみの世界
 「喝采」は1972年発売、♪いつものように幕が開き・・・で始まります。♪恋の歌うたう私に ♪届いた報せは黒いふちどりがありました・・・ちあき なおみが歌うのをやめたのは20年後、まさにこの歌詞はそれを予感させるものでした。

テイチク ちあきなおみのHPより
そもそも歌謡曲に「黒いふちどり」は不吉です。様々反対があったそうですが、作詞した吉田旺さんは、ガンとして譲らなかったそうです。
 「紅とんぼ」は1988年発売、ちあき なおみの女盛りの頃ですネ。♪空にしてって 酒も肴も ♪今日でおしまい 店仕舞い・・・で始まります。♪新宿駅裏 紅とんぼ ♪想いだしてね 時々は・・・ちあき なおみでなければ醸し出せない情感にあふれるうたでした。

■ 美空ひばりと並べられる唯一の歌手
 BSジャパンの番組では、名曲の数々が歌唱映像とともに一挙17曲紹介され、本人の貴重なインタビューも放映されました。「喝采」をはじめ、その楽曲の多くを手掛けた作曲家の中村泰士さん、「紅い花」を手掛けた作曲家でシンガーソングライターの杉本眞人さん、そして歌手ちあきなおみを支え続けた音楽プロデューサーの東元晃さんが、彼女の魅力を余すことなく紹介してくれました。
 ちあき なおみ(1947年東京板橋区生まれ)は、紅白歌合戦に「四つのお願い」から1988年の「紅とんぼ」まで9回も出場した歌手でした。女優としても映画やテレビに出て、特にバラエティでは独特の可笑しさを漂わせて、楽しい人でした。コロッケが真似る人は皆大物だと言いますが、真似られる=個性があるということです。吉田旺作詞、中村泰士作曲の歌が多くヒットしました。船村徹作曲の「さだめ川」や「矢切の渡し」も歌いましたが、船村さんは「細川たかしの矢切の渡しは一本調子で味気ない面もあるが、ちあきのは心に情景が伝わる」と言ったそうです。美空ひばりの歌を数多く作曲した船村さんは、美空ひばりと並べられる歌手と言えばちあきなおみをおいて他にない、と言われることに対して、「ひばりとちあきの違いと言ったら、裏声が出るかどうかぐらいかな」と言ったそうです。

■ 忽然と活動停止して引きこもり
 1992年9月11日、夫の郷^治(俳優宍戸錠の弟)と死別し、郷が荼毘に付されるとき、柩にしがみつき「私も一緒に焼いて」と号泣したといわれます。郷の死去以降は一切の芸能活動を停止し、引退宣言もないまま今に至っています。先に亡くなった原節子同様、ある日から忽然と画面から消えて、公の場所にも全く姿を現さなくなりました。しかし、ちあきなおみの何とも言えない歌声にひかれる人はいまだ多く、3月9日夜の特集番組となったのでしょう。
 ああ、懐かしい。でも再び姿を現さなくてもよいのですよ。昔の映像や歌声は今でも残っていますから、時々こうして聴ければそれでよいのです。あぁ、いい歌手だったなぁと、美しい思い出と共に...

■ 井の頭公園の歌姫あさみちゆき
 あさみちゆきは「井の頭公園の歌姫」と親しまれる女性シンガーです。デビューしてから現在でも月に1回、井の頭公園でストリートライブを続けています。たくさんファンが集まるので、FMの聴けるラジオを持参するよう呼びかけています。歌謡曲、フォーク、演歌、J-POPとジャンルを越えて、古きよき昭和を感じさせる歌を聴かせるので、オジサンのファンも多いようです。
 昨年初め筆者の知り合いの社長と入籍し、7月に「大和」という男の子を出産して、今も子連れでライブやテレビ、ラジオ、キャンペーンに走り回っています。その様子はまめに更新するブログで分かりますが、たいしたものです。「女性活躍社会」と言うのなら、安倍晋三総理は真っ先に「あさみ ちゆき」を持ち上げるべきでしょう。この個性的な名前の由来は、故郷の山口県光市の朝の海の景色が好きということから名字の「あさみ」、「ちゆき」は若くして亡くなった兄の名前「智幸」からとったそうです。本名は山本陽子だったそうで、これもスゴイですね。
好きな歌手が「ちあきなおみ」と「ケイト・ブッシュ」としており、「ちあきなおみ」をもじったのかなぁと勘違いしていました。NHKの歌謡コンサートでも見たことがあります。自らのコンサートで東日本大震災への義援金を募り、それを被災地へ贈る活動を続けています。本当に頭が下がります。有難うございます。また各地の大使も務めています。山口県の「山口ふるさと大使」、長野県伊那市の「伊那市観光大使」、山口県・光市観光協会の「光きらめき大使」、東京都「武蔵野市観光機構親善大使」など...
あさみ ちゆき公式ウェブサイト→http://www.chiyuki.jp/
あさみちゆきブログ「あさみちゆきのいつも青春!!ボロロンブログ」→http://yaplog.jp/asami_chiyuki/
テイチク あさみちゆき→http://www.teichiku.co.jp/teichiku/artist/chiyuki/ 「かすみ草エレジー」が聴けます。いいうたですよ。

テイチク あさみちゆきのHPより

■ 高校野球春の選抜は智弁学園(奈良)が優勝
 第88回選抜高校野球大会は智弁学園(奈良)の優勝で幕を閉じました。高松商(香川)との決勝戦は延長戦の末サヨナラ勝ち、見応えのある決勝戦でした。選抜としては甲子園の大会総入場者数が52万9千人となり、8年ぶりに50万人を突破しました。過去最高は1978年第50回の58万7千人です。平成以降では東邦(愛知)が優勝した1989年の第61回の53万1千人に次いで2番目です。というのも今大会は接戦が多く、西日本勢が強くて、近畿のチームも活躍したからでしょう。おひざ元の明石商業も頑張りました。
 智弁学園(奈良)は準決勝、決勝連続のサヨナラ勝ちで高松商(香川)を下し、初の頂点に立ちました。延長11回2死1塁からのサヨナラ二塁打、高松商は好守でピンチをしのいできたし、打球が上がったセンターは俊足好守の安西、捕るのでは?と思いきや、打球はグングン伸びる、頭上を破って、1塁からランナーが必死に3塁を回る、返球は捕手へ返ってきましたが、間一髪セーフ!この春最後の1球を打ったのは、この春の初球を投げた智弁学園のエース村上頌樹でした。3月20日に開幕した春の甲子園、センバツ開幕戦を完封したエースが、サヨナラ打で初優勝を決めました。開幕戦を見て、このピッチャーは只者ではないナと思いました。
 ただ決勝戦の新聞予想は「高松商有利」でした。ここまでの戦いぶりを見て、その攻撃力の凄さからでしょう。しかし野球は8割方がバッテリーです。もちろん守りが良くなければいけませんが、甲子園に出てくるようなチームは守りは良いのです。打撃は水物です。凄い打線でも、好投手は打てません。ただ、決勝戦ともなると連投の疲れから、投球の威力が落ちますから、新聞予想もそのあたりを考えたのでしょう。筆者は智弁学園が勝つと思っていました。それは村上投手ゆえです。

■ 良いピッチャーは、ランナーを出しても本塁に返さない投手
 智弁学園エース村上の良いところは、ピンチになっても気力で打者をねじ伏せるところです。ストライク、ボール、ギリギリのところを突くので、なかなかヒットになりません。高松商はさすがだなと思ったのは、村上のボールの見極めです。きわどいところを見極めて、球数投げさせて、疲れの出てきた後半勝負と言う作戦、選手は忠実に守っていました。ただ追い込まれると、クサイ球カット、とにかく甘い球がきません。ただ8回、さすがに疲れが見えました。米麦の適時打で追いつかれた球は珍しく甘い球でした。何より低めにコントロールされていたものがやや高く入りました。しかし、ここからが村上の凄さでした。なおも続く1死2塁で4番を空振り三振、5番を捕ゴロに抑えたのです。金属バット採用後では昨年の敦賀気比(福井)・平沼翔太(日本ハム)を上回る歴代4位の防御率0.38、これはスゴイ。
 今大会は開幕戦と決勝戦、花咲徳栄戦だけ最初から最後まで見ました。センバツはどうしても投手力優位です。開幕戦で村上投手はステキだと思いました。良いピッチャーは、ランナーを出しても本塁に返さない投手です。バッタバッタと三振を奪う投手ではありません。昨年の敦賀気比・平沼がその典型でした。ただ平沼は小学生の頃から巨人→阪神の故小林繁投手が注目した選手でしたが、村上という投手は知りませんでした。しかしピンチでの気力を振り絞った投球、そのコントロールに目を瞠りました。

■ 怒鳴る県議、何様ですか?
 ただ残念なニュースもありました。初出場で準々決勝まで勝ち進み、智弁学園に敗れた滋賀学園の選手らに対して、滋賀県の吉田清一県議(68)が3月16日に県庁で開かれた激励会後に、学校の送迎バスの止め方を大声で非難し、「なんちゅうとこ止めてんねん」、「誰の許可を得てん」などと怒鳴り、「おまえらなんか1回戦負けしろ」と発言していたと報じられたのです。バスは教育委員会が指定した場所に駐車していたそうですが、吉田県議はそこが駐車禁止場所と言う認識があってこの怒鳴りになったそうです。6期目、議長経験もある吉田県議は毎日新聞の電話取材に「止めてはいけない場所にバスを止めていたので注意しただけ。そんなこと(『負けろ』と言ったこと)は二の次だ」と話したと報じられて火に油を注ぎました。
 後日会見した吉田県議によりますと、「おまえらなんか1回戦負けしろ」と言ったのではなく、「こんなことじゃ1回戦負けするぞ」と言ったのだそうです。しかし、センバツ初出場の滋賀学園の選手たちが知事に挨拶に来たことを知っていたのに、祝福するのではなく怒鳴るなんて、アナタ何様ナンネンと逆に言われそうですナ。ちなみにこの場所は駐車禁止ではありますが、乗降のために停車することは許されており、帰る選手たちを乗せるためだったので吉田県議の注意そのものが見当外れでした。6期も県議をやっていると、お偉くなってしまうようです。

■ 気象予測精度向上
 ひまわり8号等の新たな観測データの活用や、数値予報モデルの改良によって、台風の進路予測精度を約10%改善させ、降水などをより的確に予測することができるようになる、と気象庁が発表しました。この数値予報による計算結果は、各地の気象台が発表している日々の天気予報や警報・注意報等の防災気象情報発表のための基礎資料として利用されています。また、これらのデータは民間の気象事業や報道、外国の気象機関にも広く利用されています。 気象庁ではこの数値予報の精度向上のため、計画的・継続的な技術開発を進めており、今般、次の事項について順次改良を行ったそうです。
「ひまわり8号」観測データの利用開始…2016年3月17日(木)から、データ量が大幅に増加
全球数値予報モデル(GSM)等の改良…2016年3月24日(木)から、新たな知見を踏まえて処理を精緻化
全球降水観測計画(GPM)主衛星の観測データの利用開始…2016年3月24日(木)から、世界初のデータ利用
 気象庁が「予測精度の向上」を言い切ったということは、余程自信があるということですね。GPM主衛星というのは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)がNASAと共同で打ち上げて利用しているもので、全地球規模でどこにどれだけの降雨があるかを観測するものです。ひまわり8号に加えてGPM主衛星のデータを利用することで、大幅な降水予報精度向上が実現できたわけです。先般の鬼怒川の洪水で常総市が大被害を被った降雨は、南北に降水帯が停滞したことが原因でしたが、今回のシステムではこれも予測できるそうで、少なくとも雨の予報は確度が向上するようです。
(2016年4月2日)

鬼怒川で起きた堤防の決壊


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