295  分断
 このエッセイも段々と更新が後じさりしています。高校同期生の訃報に続いて大学先輩の訃報が届きました。90歳ですから天寿だったでしょうか。大変お元気な方だったので驚きです。高校同期生もアッという間に亡くなったみたいですが、江波杏子さんも76歳で肺気腫で亡くなりました。直前までピンピンしていたとのことです。人間いつどうなるか、この歳になると分かりません。我が家には立派な仏壇があるので、毎朝線香を焚いて、チーンと拝んでいます。
 このところふるさと会に出席したり、少年野球が秋の佳境で土日は忙しくなっています。そう言いながら明日は、雫石町友会の会員の居酒屋へ飲みに行ったり、来週は会社のOB連中17名ほどが川越に集まって飲んだりと、ワイガヤが続きます。おっと、国立大学法人の経営協議会があるので、ついでに温泉も楽しむかな。


■ 立冬
 2018年11月7日は立冬でした。この日から2月初めの立春の前日までが冬ということになります。しかし今年はやけに暖かいですね。それでも埼玉南部でも一気に紅葉が進んできました。北国からはそろそろ初雪の便りが届くでしょう。我が家では岩手からドッサリと里芋を頂いたので、連日芋の子汁を頂いています。我が家の周りでも里芋畑は多いのですが、何故か岩手のモノとは歯ざわりも味も違います。岩手の里芋は何故こんなに美味しいのでしょう?


11月3日は入間の航空ショー、坂戸市で少年野球の試合
雲ひとつ無い青空に、ブルーインパルス・・・カッコイイ!


■ 米国中間選挙の結果
 米トランプ政権への初の審判となる米中間選挙は2018年11月6日投開票され、与党の共和党が連邦議会の上院の多数を維持する一方、下院は過半数を失って、「ねじれ議会」が復活する結果となりました。今回の中間選挙が異様な盛り上がりを見せたのは、選挙のテーマがトランプ大統領そのものだったからです。その強引な政治手法への支持と批判が交錯し、民意が分断された現在の米国の姿を浮き彫りにしました。アンチ・トランプが盛り上がったことに危機感を持ったトランプ支持者が、アンチにアンチで対抗したことで盛り上がったのです。

■ 結果を「成功だ」とつぶやいたトランプ大統領
 選挙結果をどう読むかは人によって違うでしょう。下院の主導権を失ったのは、トランプ大統領にとって、確かに痛手ではありますが、歴代大統領の多くが最初の中間選挙で大敗した歴史を見るならば、負けをかなり食い止めたとも言えます。トランプ大統領は選挙結果を受け、ツイッターに「とてつもない成功だ」と投稿しました。共和党は上院選では、大統領以上に人気のあるペンス副大統領の地元インディアナ州やノースダコタで民主現職から議席を奪い返しました。共和党現職が苦戦したテキサス州でも、次の大統領候補になるかもしれないと評判だったベト氏にテッド・クルーズ氏が競り勝ちました。民主党は、党の将来を担えそうな新人による番狂わせ劇を生み出せなかったのです。下院では大幅な負けになるのでは?との当初予想があったので、トランプ大統領は重点区を大統領専用機で飛び回り、「南米ホンジュラスから不法移民たちが米国を目指している、あいつらの中には犯罪者も居る、それでいいのか?」と選挙民を煽りました。その結果下院の獲得議席数の差は小さくなり、大統領が「成功だ」とつぶやいたのです。今回の選挙結果は、むしろ共和党地盤におけるトランプ人気の根強さを印象付けたといってよいでしょう。

■ 通商政策には大きな変更はなさそう
 トランプ大統領は選挙の翌日、早速司法長官をクビにしました。ロシアゲートをホゴにしてくれる人物に挿げ替えるつもりでしょう。カバノー氏を最高裁判事にして、自身の味方を過半数にしました。司法までコントロールできる大統領権限はスゴイ!さすがアメリカです。トランプ政権が進める米国第一主義の通商政策には大きな変更はなさそうです。労働組合を支持基盤とする民主党は伝統的に保護貿易主義で、日本はかつて散々苦汁を舐めさせられてきました。トランプ政権が進める制裁関税を加速させた場合でも強く反対しないでしょう。かつては自由貿易支持派が多かった共和党も重鎮が亡くなったり引退して、トランプ大統領を支持する議員が増えて、保護主義反対の声は小さくなりつつあります。大統領再選に向けて、トランプ大統領の強硬な貿易政策は変わりそうもありません。問題はその火の粉を、日本など同盟国にも振りまくかもしれないということです。安倍政権はFTAや為替条項などを巡り、トランプ政権に一方的に押し込まれることがないように頑張ってもらいたいものです。

■ 都市部と郊外の分断
 今回の選挙では米国の若者や女性がアンチ・トランプに立ち上がりました。明確なのは白人男性が学歴の高低にかかわらずトランプ支持が若干多かったことです。今後白人比率は下がって行き、自分たちの足元が揺らいでいくことへの不安からでしょう。女性やLGBTを侮蔑する大統領に対し、女性が大きくアンチ・トランプだったことが選挙結果に反映しました。米国のニュースで「郊外ではアンチ・トランプ」という報道でしたが、今アメリカでは富裕層、高学歴層が緑豊かな郊外に移住し、貧困層が都市部に取り残される事象が起きています。こうした都市部ではヒスパニックの人たちも、とりあえず景気の良いアメリカの現状を失いたくないという意味でトランプ支持が多かったようです。また大統領選挙でトランプに票を入れたラストベルト地帯で今回は本来の民主党に支持が戻ったのが印象的です。

■ マスコミとの分断
 トランプ大統領は米国マスコミの多くを敵に回し、「あいつらはフェイクニュースだ」と言って憚りません。選挙後の記者会見でのCNNの記者とのやり取り、すごかったですね。とても品位ある大統領には見えません。ただネット業界もトランプ大統領に対しては批判的です。SNSをああいうふうに使ってもらっては困ると思っているからです。ネットをうまく使っているということ、敵意をむき出しにして人々の感情を煽ることに関し、天才的な話術を持っています。
 日本のマスコミは左右問わず総じてトランプ大統領に批判的です。しかしYahooなどで見ていると、そうした日本マスコミに対してネット上の投稿者たちは批判的な意見のほうが多いですね。そうした批判的な意見はネットでしか言えないからでしょうか。
 米国の若者はアンチ・トランプに動きましたが、日本の若者は親トランプが多いそうです。そういう動向に懸念を覚えます。日本社会が右傾化の方向に向かっていることは明確です。老人たちがリベラルで若者がそうではないのは、社会の方向が変化してきたからです。

■ 裏アカウントのつぶやき
 トランプ大統領得意のツイッターですが、日本ではこんな事例もあるという紹介です。2018年10月28日投開票の青森市議選に無所属で初当選したITエンジニアの山崎翔一氏(28)が、裏アカウントのツイッターでつぶやいた差別的な表現が炎上し、11月5日に謝罪会見を開きました。ちょっと紹介しましょう。
 「年金暮らしジジイを舐めすぎ 平日の役所窓口で罵声叫んでるのだいたい爺さん 君にそんなエネルギーあるんかい」
 「デリー行きの電車に乗った時、おかまの物乞い来たな〜 札束めっちゃ持っていたけど」
 「片腕落として障害者雇用」
 「酒マジで弱いとアル中になって女子高生に淫行とか出来んからね」
 「ドカタはmax500万だよ。頭使わんから」
 「弁護士って綺麗なヤクザじゃないですか?」
 「偽造しても口頭注意で済ませられる公務員というお仕事、楽やな…」
 「意外に暇を持て余してるシルバー世代が応募して、当日熱中症で混乱すること予想してます」
 山崎氏は青森市生まれで、早稲田大学創造理工学部卒。お父さんは国立大を出て、青森市内で病床数が100以上ある大病院の院長で、精神疾患やアルコール依存症の専門医とのこと。デイケアや訪問看護活動も行っているそうです。

■ 入管法改正
 国会では2018年度第1次補正予算の成立を受け、外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改正案をめぐる与野党の攻防が本格化しています。11月10日の会期末まで審議日程は極めて窮屈で、与党は会期延長を視野に今国会成立を目指しています。
 日本はこれまで外国人には鎖国政策を採ってきました。今までは外国人受入れ政策において「高度人材は歓迎するが、単純労働者については受け入れない」という原則を建前上持ってきました。今回、「特定技能2号」で永住の道を開いたことで、その大前提が崩されたと言えるでしょう。また世界全体を見回しても、いわゆる「単純労働」と見なされる分野で最初から永住前提で外国人を受け入れるという公的方針は、珍しい移民政策です。今までの日本社会の根幹を揺るがしかねない、西欧諸国の移民受け入れ政策の失敗の二の舞を踏みかねない、極めて重要な政策転換を行おうとしているので、野党が懸念を示しているわけです。

■ ガソリン価格の地域差
 燃料価格の上昇基調が続き、2018年10月22日(月)には、レギュラーガソリンの全国平均販売価格が1Lあたり160.0円に達しました。これは4年ぶりの高い水準です。しかし都道府県別に見てみると、より安い地域、高い地域が分かれます。安いのは1リットル当たり埼玉:155.3円、千葉:156.1円、高いのは長崎:168.8円、鹿児島:166.6円、沖縄:165.7円、大分:165.4円、長野:163.7円となっています。最も安い埼玉県と、最も高い長崎県とで、実に13.5円もの差が生じています。このような価格差はなぜ生じるのか、資源エネルギー庁見解では、「油槽所からの距離に応じた物流費など、複数の要素が関係しています。油槽所から近く、安く仕入れられるところは価格面でアドバンテージがありますし、都市部など販売量が多いところであれば、競合の数も増えます。そのなかで、安価で販売するお店があれば、その価格と離れすぎても売れなくなりますので、追随して地域全体が安くなっていくわけです」とのことです。

■ 要因はイラン産原油の輸入停止措置
 この燃料価格上昇の要因は、292『移住』『2018年10月15日)で紹介したように、トランプ大統領によるイラン核合意離脱と、それに伴う経済制裁によって、各国に対しイランからの原油輸入停止を要求し、もし従わなければどうなるか、ワカッテイルだろうな?と脅していることで、国際市場から急激にイラン産原油が姿を消しているからです。日本の石油元売各社もイランからの輸入を停止しましたが、トランプ政権は世界8ヶ国に180日間この制裁を免除するとして制裁を発動、日本も制裁免除国ですが、考えてもごらんなさい、半年後にダメになることが分かっているのに、イランからの原油を輸入再開する判断をする会社があるでしょうか。

■ 価格が高いGSと安いGSが並存する盛岡
 
販売価格が安い埼玉、千葉、茨城、神奈川などは、油槽所に近いというメリットと、競合の多さ、販売量の多さが反映されています。 販売量が多いところでは、石油元売り会社からインセンティブが出ることもあり、そうした格差も生じるのです。販売価格が全体的に高めの九州、特に鹿児島や長崎は、離島を抱えていることもあり、他の地域よりも高く出る傾向があります。内陸の長野なども、物流費の影響が大きいようです。こうしたガソリン価格の地域差は、昔から概ね傾向としては変わりません。それが物流費のせいだとすれば納得できますが、例えば日本一の一人当たり車保有量の群馬県は高いのに、お隣の栃木県が安いのは何故でしょう?片や関越道、一方は東北道、物流の基幹道路があるのは同じです。大きい要因はガソリンスタンド(GS)の競合でしょうが、県民性もあるかもしれません。近年GSはドンドン姿を消しています。面白いのは岩手県の盛岡市です。昔は安い埼玉で満タンにして、高い盛岡でまた満タンにして帰って来ましたが、今では余り価格差がありません。盛岡でも会員であるコスモ石油のGSで給油します。盛岡のガソリン価格が近年は安くなったのですが、物流費と言うのなら沿岸から100km以上内陸の盛岡は高くて当然です。それが仙台より安いくらいです。更に不思議なのはコスモ石油のGSのすぐ近くのGSでは価格が高く、同じコスモ石油でも高いところもあります。盛岡の市街を走っているとGSの価格表示看板の値段が全くもってバラバラです。我が住む埼玉の市街地ではそんなに差がありません。

 これだけ差があったら埼玉では高いGSはつぶれます。しかし盛岡ではいつまで経っても高いGSと安いGSが並存しています。「どうして?」と地元の人に尋ねたら、「ワカリマセン、謎です」とのこと。

■ 車検
 我が家の真っ赤なHONDA Fitも2013年の第3世代車、来年はニューモデルが出るようです。5年で4万1千km、余り走っていません。タイヤもバッテリーも替えました。一昨日車検をして、オイルやフィルタやワイパーブレードほかいろいろ交換してもらいました。エンジン好調、燃費も良し。
 クルマを維持する手間や費用は、年を重ねるごとに負担になります。若い頃は平気だったセルフメンテナンスも、徐々に体力がキツくなります。年金生活では、税金や車検などの出費が重荷になります。若い頃よりもクルマに乗らない、かといってなくなると困る・・・今回代車としてカーリース用のダイハツ・ミライースを借りましたが、一人乗りなら十分ですね。二人乗ったら途端に苦しそうになりましたが...次はカーリースかな?

我が家のHONDA Fit 車幅広く全長短いので小回り効く

(2018年11月8日)


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