276  秋田から南下
 JR東日本『大人の休日倶楽部』パスで三泊四日の旅をしました。大人の休日倶楽部に入ると、JR東日本とJR北海道の切符が割引になりますが、他に年に3回特別安い乗り放題切符が発行されます。JR東日本管内は四日間15,000円です。年齢により二種あり、夫婦で年会費7,320円のジパングに入っています。

■ 東北(秋田)新幹線で盛岡へ、更に花輪線に乗って...
 出発はゆっくりと、6月22日(金)東武東上線上福岡駅発9:59→10:04川越駅着、JR川越線乗り換え川越駅発10:11→10:33大宮駅着、あらかじめ指定席を取ってあった秋田新幹線こまち15号に乗り、大宮駅発10:46→12:33盛岡駅着、いつもは盛岡駅の駅ビル・フェザンの地下で昼食を頂くのですが、「京樽」でおいしそうなお寿司とバッテラがあったので、これを購入してJR花輪線に乗車、別名「十和田八幡平四季彩ライン」という地方交通線で、盛岡から好摩までは「いわて銀河鉄道」の線路を走ります。好摩駅からがJR花輪線で、主要駅としては「荒屋新町」(八幡平市)、秋田県に入り、「鹿角花輪」、「十和田南」を経由して「大館」までの路線です。大館で奥羽本線につながります。JR東日本東北エリアの路線図(PDF)または花輪線応援サイト「花輪線に乗ろうよ!」をご覧下さい。盛岡駅発13:48→15:37湯瀬温泉駅着、この間、外の緑豊かな景色を眺めながらビールを飲みつつお寿司を頂きました。ローカル線の旅はこれに限りますね。大宮から盛岡まで1時間47分、盛岡から湯瀬温泉まで1時間49分、ほぼ同じ時間ですが、車窓から見る景色は速さが違います。ところで、12:33盛岡駅に着いたのはランチタイム確保のためですが、JR花輪線盛岡駅発13:48の前は9:35、後は16:06ですから、湯瀬温泉に宿泊目的で行く人にとっては他に選択の余地が無い列車でした。スゴイでしょう
途中、石川啄木のふるさと「渋民」(いわて銀河鉄道)近辺では
西に男性的な岩手山の雄々しい山容が見え、
東を見れば女性的な姫神山の美しい姿が眺められます
注)これらは渋民の北上川河畔にある啄木歌碑のところから11月に撮った画像です

■ 八幡平市役所に隣接する北森駅
 いわて銀河鉄道と別れて「好摩」から北北西に秋田犬のふるさと「大館」に向かいます。「東大更」〜「大更(おおぶけ)」〜「平舘」と過ぎて、すぐ「北森」駅に到着します。「平舘」と「北森」がどうしてすぐ近くかと言いますと、新しい八幡平市役所が出来たとき、駅を「平舘」寄りに500mほど移動して八幡平市役所に隣接させたからです。昔のちっぽけな駅からピッカピカの新しい駅になりました。
平舘のほうから見た岩手山、前景の森と林とのシルエットが何とも言えません(花輪線車内から撮影)

■ 上って下って花輪線は行く
 好摩から北森まではほぼ標高200mぐらいの平地で田畑が続きますが、ここから「松尾八幡平」287m〜「安比高原」505mと急な上り坂が続きます。「安比高原」駅は白樺が美しく、いかにも高原の駅という感じですが、やがて「赤坂田」387m〜「小屋の畑」341mと下り坂になり、いかにもローカルな駅名の地は本当に家が少なくて、ようやく「荒屋新町」302mという駅で「おっ、町だ!」という感じがします。

■ 強烈な「金の湯」…新安比温泉
 236『巡り紀行』(2017年9月17日)で、荒屋新町駅で降りて、迎えの車で「新安比温泉・塩の湯・静流閣」へ行ったことを書きました。「森の中の海の温泉;強塩泉」、「溶存物質が非常に多い高張性温泉」、「日本でも屈指のメタホウ酸含有量の温泉」という三大キャッチに釣られましたが、確かに強烈でした。塩分濃度はナント!海水の約2倍。溶存物質が水1リットルに対し10g以上あると高張泉に分類されますが、静流閣の黄褐色のお湯の溶存物質はなんと3倍以上の33g。撹拌すると中にみえるもやもやした溶存物質は、浴場の縁から床にかけてザラザラした固まりを作り、これが再結晶化した温泉成分なのです。水1リットルの中に重曹が4gも含まれていて、メタホウ酸が5.5gも含まれる、アトピーや傷などの皮膚のトラブルに効く、太古に閉じ込められた天然ミネラルがぎゅっと詰まった天然薬湯温泉でした。この辺りは太古の昔、海底だったのです。静流閣には「金の湯」と「銀の湯」があります。これは伊香保温泉と同じです。「銀の湯」も「強塩泉」ですが、ぬるくてすぐ出ました。たまたまでしょうが、やはり黄褐色の強烈な「金の湯」は魅力です。
浴場の縁から床にかけてのザラザラした固まりは再結晶化した温泉成分

■ 秋田・湯瀬温泉駅へ到着
 話が脱線しましたが、JR花輪線は更に「横間」329m、「田山」307m、「兄畑」256mと下りながら走って行きます。最近ではリクルートが開発した安比高原スキー場が有名で、実際スキーの季節には車のナンバーを見ると首都圏の車が多いのですが、歴史的には田山スキー場が古くからのスキー場です。「兄畑」駅は東北自動車道、米代川と交差する駅で、住所は岩手県八幡平市沖ノ平、秋田県鹿角市八幡平に隣接しています。「兄畑」駅を出発するとすぐ秋田県に入り、更に下り坂を4kmほどで「湯瀬温泉」駅に到着しました。標高227mですから大して高くないところですが、山に挟まれた谷あいなのです。奥羽山脈は青森県の夏泊半島付近から、南北というか、やや南南西方向に岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県と縦断し、栃木県那須岳連峰まで約500kmにわたって連なる日本最長の脊梁山脈です。標高約1,000mから2,000m前後の山々が連なり、最高地点は岩手県に位置する岩手山(標高2,038m)ですが、岩手山は南北の山脈から真東に突き出た突端の山です。JR花輪線はこの山脈が途切れる部分を走っているので、湯瀬温泉駅の標高は高くないのです。この駅の乗降客数は2015年度で9855人、年間ですよ。1日当たり27人!嘘だと思われる方は「平成29年度花輪線利用促進協議会通常総会」資料(PDF)をご覧ください。会長は田村正彦八幡平市長、副会長が児玉一鹿角市長です。

■ 湯瀬ホテルへ
 湯瀬温泉駅に降りると下左写真のように湯瀬ホテルが見えます。徒歩5分ですが迎えのワゴン車に乗り込みます。夫婦二組、老人男性四人組の計8名でした。なるほど1日乗降客27人に納得します。宿が少ない温泉街ですが、湯瀬ホテルは本館、別館総部屋数134室の大ホテルでした。
駅から湯瀬ホテルを見る
 
花輪線;向こうが岩手県、手前が秋田県、オレンジ色の湯瀬ホテル、左が別館、右が本館、間が米代川

■ ホテル選びの理由
 宿泊するときは宿の口コミを見て選びます。「四季彩り 秋田づくし 湯瀬ホテル」は、秋田県鹿角市八幡平字湯瀬湯端43番地、口コミ4.5の高評価、じゃらん秋田県人気第一位の宿です。日本三大美人の湯(アルカリ単純泉)、かけ流し、部屋タイプ:禁煙、デラックスツイン、バストイレ付、地元秋田の旬の味覚をふんだんに使った郷土料理ブッフェというキャッチに釣られて予約しました。

■ 木のぬくもり溢れる空間を演出した湯瀬ホテル
 湯瀬温泉は「姫の湯」など旅館・ホテルは5軒ほど、山奥なのと温泉の湧出量が少ないことが理由でしょう。しかし湯瀬ホテルを満室にするのはなかなか困難と思われます。大抵の人は車で来るわけですが、どこから来ても遠い!秘境とさえ言えます。しかしフロントからロビーを見てビックリ、2月に改装完了したそうですが、豊かな自然に囲まれた八幡平の山々をイメージし、木のぬくもり溢れる空間に生まれ変わって、秋田の森に迷い込んだかのような雰囲気に改装されて、前とは大違いだと、リピータのお客さんが驚いていました。「秋田らしさ」を感じられるように湯瀬ホテルは進化し続けているのだそうです。全客室禁煙なので、廊下も全くタバコの匂いはせず、各客室フロアに喫煙所を設置して愛煙家にも配慮しています。

ロビーは幻想的な空間、ラウンジの外には小川が流れます
 
ラウンジではコーヒー、紅茶、ジュースなどフリーサービス、部屋持ち帰りも可

■ せせらぎの湯 和(なごみ)のぬる湯は最高!
 「川の瀬からお湯が湧き出していた」ところから「湯瀬(ゆぜ)」の名称が付けられたように、肌に優しいアルカリ性単純泉、pH8.9の美肌の湯です。露天風呂では、渓流のせせらぎを聴きながら、覆いかぶさるように迫る山に生い茂る木々から季節の移ろいを五感で感じられます。大浴場に設置されたサウナは89℃ほど、男風呂のみなので、サウナ好き女には辛いかな?
 食事は朝晩ともにちょっと濃いめの北東北の味付けと地元の食材にこだわった、秋田の山奥らしい料理です。地元鹿角が発祥と言われている「きりたんぽ鍋」のほか、日本三大地鶏に数えられる「比内地鶏」や「八幡平ポーク」などのブランド豚の料理、お刺身、あきたこまちのごはん、地野菜、山菜・珍味などの食材の良さを訴えるように提供されています。生ビール、そして秋田ですから日本酒「高清水」と横手の「まんさくの花」を頂きました。

大浴場は広く、米代川を見下ろせる眺望が素晴らしい
 
露天風呂のうち、せせらぎの湯 和(なごみ)は渓流に面したぬる湯、最高です
 一言で言えば、「じゃらん秋田県人気第一位の宿」と言われるだけのことはあります。また来ようと思わせてくれる素晴らしい宿でした。

■ 再び盛岡へ、妹宅に寄る
 6月23日(土)朝10時15分過ぎ、湯瀬ホテルのマイクロバスで湯瀬温泉駅に送ってもらいましたが、夫婦二組だけ、さては老人男性四人組は連泊ですね。確かに一泊ではもったいない宿です。JR花輪線;湯瀬温泉駅発10:28盛岡行きに乗りました。途中線路に沿って流れる渓流を眺め、空の青さと一面の緑に癒され、八幡平市が栽培日本一のりんどう畑を眺めながらの旅でした。途中岩手山が様々に形を変えるのがJR花輪線からIGRいわて銀河鉄道の旅の素晴らしいところです。12:15盛岡駅着のひとつ手前の青山駅で下車、妹の旦那さんが迎えに来ていて、岩手大学工学部の坂下の家に寄りました。今週二度目の訪問です。30分ちょっと滞在して話をして、盛岡駅に送ってもらいました。盛岡駅前ホテルルイズで同窓会総会、講演会、懇親会と夜まで長丁場、この日は盛岡泊

北(八幡平市)から見た冬の岩手山

■ 盛岡駅で見た不思議な光景
 6月24日(日)JR東北新幹線はやぶさ・こまち16号で仙台に向かいます。盛岡駅で不思議な光景を見ました。「でんでんむし」という名前の盛岡市内循環バスがあり、右回り、左回り、いずれも¥100で乗れるのですが、そのバス停に停車中のバスがどう見ても傾いているのです。パンクしているのかなと思いましたが、乗客が乗車して発車を待っているので、パンクではなさそうです。道路が傾いているの?そうも見えません。不思議な光景でした。

■ 仙台駅で弟と落ち合い昼食後、名取市閖上へ
 盛岡駅11:50発→12:29仙台駅着、新幹線改札口は三階で、みどりの窓口前で弟と待ち合わせ、仙台駅駐車場まで歩き、弟の車で長町に行き、ゼビオアリーナ仙台の漁亭 浜や あすと長町店で美味しい海鮮を食べました。更に弟の車に乗せてもらい、名取市の閖上(ゆりあげ)に行きました。東日本大震災で壊滅的な打撃を受けたところです。陸前高田、気仙沼、石巻、いずれもひどかったですが、ここもひどい...7年経って、この有様か...と愕然としました。

盛岡駅前「でんでんむし」が傾いている
もうおおむね復興は終わったのでは、と思っている方は、是非足を運んで下さい。次回紹介します。

■ グリーンピア岩沼内の東京第一ホテル岩沼リゾートに宿泊
 予定ではJR常磐線で仙台駅発14:30→14:51岩沼駅下車、岩沼駅西口15:09発岩沼市民バスで11分、15:20グリーンピア岩沼着の予定でした。しかし弟が閖上を見がてら車で送ってくれるというので甘えることにしました。
 宿泊するときは前述のように宿の口コミを見て選ぶのですが、天然温泉ではないものの、東京第一ホテル岩沼リゾート(宮城県岩沼市北長谷字切通1−1グリーンピア岩沼内)に宿泊することにしました。グリーンピア(大規模年金保養基地)は、厚生年金保険及び国民年金の加入者及びその家族等の有効な余暇利用のために、旧年金福祉事業団が日本全国に13ヶ所設置し、地方公共団体等に委託して運営していましたが、廃止することが決まり、公的施設として引き続き活用されるように地方公共団体等への譲渡を進め、2005年(平成17年)12月に、すべてのグリーンピアの譲渡が完了しました。
 グリーンピア岩沼も今は岩沼市が運営しています。50万坪の広大な大自然に囲まれたリゾートホテルで、テニスはじめ各種体育施設やプールがあります。研修施設や宴会場が数多くあり、泊まる部屋も52室あって、ウェディングも出来る立派なホテルです。ここはゆこゆこネット口コミ96点、じゃらん4.0の高評価で、特に夕食が素晴らしいとのことでした。禁煙デラックスツインの部屋で、[洋食]森のフルコースディナーをゆこゆこで選びました。ベッドはダブルベッドが二組です。窓越しの緑に癒される光明石温泉(天然温泉ではない)サウナ付き、しかし入浴者が少なくて、大浴場貸切状態、宿泊客は多分入浴客からして4組しかいません。

東京第一ホテル岩沼リゾートの入り口


広い大浴場は光明石温泉

■ 素晴らしい森のフルコースディナー
 東京第一ホテル岩沼リゾートの駐車場スペースは500台です。岩沼市民バスが足としてあるものの、車で来る人が圧倒的なのでしょう。夕食は4,500円から、朝食は1,200円です。森のフルコースディナーは実に素晴らしい食事でした。背の高くてすらっとした美しいウェイトレス二人の給仕で頂くフルコースは、1年で最も日の長い時期だけに窓からの緑の眺めが素晴らしく、ゆったりと楽しめました。隣のテーブルの夫婦は和食でした。年配夫婦3組と若いスポーツウェアの男女1組しか居ません。翌朝の朝食はすこしゆっくりとNHK朝ドラ「半分 青い」を見てから行きました。朝食はブッフェなのに3組しかいません。一組は先に済ませて出立したのでしょう。こんなに客数の少ないブッフェは初めてです。日曜夜の宿泊客は、温泉ホテルはともかくスポーツレジャー施設では少ないのは当たり前ですが、52室で4組では商売にならないでしょう。しかもブッフェなのです。用意してくれた人に申し訳ない気分でした。

■ 磐梯熱海温泉で「萩姫の湯」を堪能
 朝一番の岩沼市営バスは10時発で遅いので、9時20分にタクシーを頼んで岩沼駅へ、西口で降りて東北本線で21分、仙台駅に戻り、仙台駅発10:41の東北新幹線やまびこ136号で郡山着11:29、郡山発11:39の磐越西線で11:57磐梯熱海駅に降りました。
 磐梯熱海駅前の紅葉館きらくやの「萩姫の湯」がお気に入りなので、日帰り入浴料¥600を払って入りました。204『熱海』(2017年2月8日)で紹介しました。磐梯熱海温泉は市営源泉が無色透明無味無臭のアルカリ単純泉、源泉53℃、pH9.1ですが、温泉神社から湧出する保護組合泉「萩姫の湯」は単純硫黄泉、源泉38℃、pH8.5で、微かに硫化水素臭がします。冷たいくらいで、サウナの後が最高です。

■ さあ帰るぞ
 磐梯熱海駅発15:02の磐越西線快速で15:19郡山駅着、郡山発15:30のやまびこ144号で16:22大宮駅着、川越線に乗り換えて大宮駅発16:35→16:59川越駅着、東武東上線川越駅発17:08→17:13上福岡駅着、明るいうちに帰宅して、庭に水やり、そして夕食の買い物に出掛けました。あらかじめ立案したスケジュール通り、違ったのは妹宅に寄ったことと、弟が車で名取市閖上の現状を見せてくれて岩沼リゾートまで送ってくれたことです。我が兄弟姉妹は、夫婦共に兄弟仲が良く、今回の旅は、お互いの兄弟姉妹全員に会えて、良い旅でした。埼玉に帰ったら空が白い、晴れていても空の青さがまるで違うことに気付きました。やはり空気清浄度が違うようです。
 帰宅してみたら、我が家の百合、カサブランカがついに咲いていました。良い匂いです。庭ではなく、駐車場側の入り口に鉢植えにしています。隣にはクレマティス(テッセン)とアブチロン(提灯のような花で別名 「浮釣木(うきつりぼく)」とも呼ばれる)の鉢を置いています。

■ ブロック塀の危険
 ところで右写真のように、ここにブロック塀がありますね。隣の4階建てビルとの敷地境界に昔からあったそうです。6月18日大阪府北部を震源とする最大震度6弱の地震で、高槻市の小学4年の女児が学校のブロック塀の倒壊に巻き込まれて死亡した事故は、違法建築でした。しかも学校施設を点検した防災アドバイザーが、このブロック塀は危険だと指摘し、後日指摘した結果への対策はどうなりましたか?とわざわざ学校に確認フォローまでしていたにもかかわらず、高槻市教委は問題ないとしていたことで行政の責任がクローズアップされました。この事故を受けて、全国的に通学路やブロック塀の安全点検が進められています。

百合;カサブランカの花

■ いまだに残る危険箇所への対策を
 40年前の1978年6月に起きた宮城県沖地震では、宮城県と福島県で合わせて28人の死者が出ましたが、このうち18人は、倒れたブロック塀の下敷きになって亡くなり、その半数以上が、塀の近くで遊ぶなどしていた子どもたちでした。この後仙台市では徹底的に調査し、危険なブロック塀の撤去を進めました。東日本大震災はマグニチュード9という千年に一度級のすさまじい地震で、仙台市では鉄筋コンクリートのビルでさえひび割れ、傾いて、墓石さえも倒れるほどでしたが、仙台市の宮城県沖地震を受けた対策があったからこそ被害が抑えられたと言われています。阪神・淡路大震災を経験した関西都市部で再び起きた大きな地震ですが、大規模な火災や高速道路の倒壊はなく、教訓を生かしたインフラ整備と防災体制の構築が効果を上げた可能性があります。その一方で、ブロック塀が老朽化したまま放置されている危険な現状が改めて浮き彫りになりました。阪神・淡路大震災でも倒壊が続出した古いブロック塀は残ったままです。2005年の福岡県西方沖地震、2016年の熊本地震でも倒壊したブロック塀で死者が出ました。今回行政の責任がハッキリしたことで、全国的に危険なブロック塀対策が進もうとしています。

■ 高校同級生三舩康道君の出番
 6月18日夜のNHK首都圏ニュース845では「危ない“ブロック塀”どうする」という特集が組まれ、筆者の高校同級生の三舩康道君が出演したそうです。彼は東大建築工学を修了して、現在浅草でジェネスプランニング鰍フ代表取締役をしており、各種の本を出しています。災害事例研究会を主宰していて、日本の防災の第一人者といえます。6月18日夜は盛岡に居たのでNHK首都圏ニュース845は見れませんでした。
 そしたら三舩君から6月21日7時からのNHK「おはよう日本」にも出るよとメールがありました。見ましたよ7:09〜7:12が出番でした。東京都品川区荏原4丁目の町会が、防災まちづくりコンサルタントで工学博士の三舩康道君と定期的に地域を回って、危険箇所を調べていることの紹介でした。三舩君は「ブロック塀が安全か、定期的にチェックすることが大切です。特に、学校の周りなど、通学路は念入りに診断する必要があります。都市の中にはブロック塀がたくさんあり、所有者自身も施工状況などについて、点検することが必要だと思います」と話していました。実際テレビ画面ではいかにも危ないブロック塀が随所で見られました。振り返って我がまち周辺でも、見たらあるある、特に古い家の周りにいっぱい危なそうなブロック塀がありました。通学路にもありました。
ブロック塀を点検する防災まちづくりコンサルタントで工学博士の三舩康道君(NHKのホームページから)
(2018年6月27日)


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