275  米朝首脳会談
 我が家の百合、カサブランカが今にも咲きそうです。キュウリやミニトマトは収穫期に入ってきました。しかしどうも今年の気候は変です。暑い、寒いのヒートサイクル、いわゆる熱衝撃試験(ヒートショックテスト)を受けているような状態で、機械でさえもこれを行うと劣化が進行するくらいですから、人体に良いはずはありません。2018年6月16日(土)に日暮里で行われた在京雫石町友会に来た岩手県雫石町役場の職員の方が、「東京は涼しいですね」と言っていました。北国の人から涼しいと言われるなんてビックリです。

■ 新幹線受難
 只今、岩手に向かう新幹線車中でこれを書いています。と書くと何事も無かったかのように思われるかもしれませんが、実は大変でした。大宮駅一番の東北新幹線に乗るために自宅を5時5分に出て、6時3分に大宮駅に着きました。ところが何やら改札口付近に乗客が溜まり、駅員と話しています。案内放送があって、15分ほど遅れて出発予定だそうです。しかも掲示板を見ると東北新幹線は「やまびこ」ばかり、6時58分発のはやぶさ・こまち1号は1時間遅れとのこと、予約していた切符をキャンセルして自由席に買い替える人たちが窓口に並んでいます。ホームには既に長い行列、しかもそれがどんどん長くなって、ホームは溢れんばかり、皆さん何らかの情報を得て早出してきたのか、あるいは前日、すなわち2018年6月17日(日)古川近辺で発生した下りはやぶさ・こまち21号の非常ブレーキ作動事故で、5時間40分にわたって停まった影響で、諦めて泊まった人たちなのか?これはどうやらバードストライクだったみたいですね。ホームに入ってきたやまびこは既に乗客が通路に立っている、すなわち東京駅で既に満席以上だったわけで、これでは大宮駅で乗れない人がたくさん出るはず、宇都宮で降りたいお客様はなるべく中に入りたくないのでドア近辺が満員電車以上のぎゅうぎゅう詰め、押し込み押し合い、発車できません。ようやく22分遅れで出発、宇都宮駅でドドッと降りる、しかし乗る人もいて、やや混雑は緩和されました。郡山駅で座れましたが、まだ立っている人はいっぱいいます。福島駅で更に込み具合は緩和され、仙台駅でやっと立っている人が居なくなったのでパソコン開始、仙台駅出発は26分遅れです。インターネットでニュースを見たら、ナント!大阪北部で震度6弱の地震があって、死者も出て、山陽新幹線も東海道新幹線も止まっている???なんということだ!
 先日山陽新幹線博多−小倉間で自殺とみられる人との接触があり、その前は東海道新幹線で横浜を過ぎたところで無差別殺人犯による事件があり、このところ新幹線はご難続きです。

■ 伊香保温泉・・・蟻忠臣蔵
 先週は伊香保温泉に行って、露天風呂で何かに刺されて参りました。余りにも天気が良くて、日光浴しながら石畳の上で寝てしまったのです。その前に蟻がたくさん這い回っていたので、手でお湯をかけて流しました。したがって蟻に復讐されたのかもしれません。ただそのときはたいして気にもならず、後で車を運転しながら左腕と両足が何やら痒いなあと思っていました。次の日になって患部が腫れて熱を帯び、虫刺されだと分かりました。普通露天風呂だとアブのはずですが、アブは飛んでいなかったのでアブ無い・・・危なくないなら多分蟻忠臣蔵だと思います。蟻は蟻酸がありますので怖いです。痒いのでムヒを塗ったのですが、翌日になっても腫れが引かず、鎮痛消炎剤のロキソニンSを塗りました。結局4日ぐらいしてやっと腫れが引きました。

■ 雫石町・ありね温泉
 今週は前半、岩手県雫石町のありね温泉、後半は秋田県の湯瀬温泉に浸かります。右は2009年のありね温泉の露天風呂写真です。ここから一気に下り斜面になります。

ありね温泉露天風呂
 ありね温泉は、国民休暇村網張温泉の下部100mのところに位置し、標高650mです。網張温泉の元湯は、犬倉山(1408m)の山腹に火口があって、常に噴気が上がっているところで、ここから2km引湯しています。単純硫黄泉(硫化水素性)なので源泉は無色透明ですが、空気に触れて色が変わります。前はお湯の色が白くて硫黄臭があったのに、今回は赤くなって無臭になっていました。低張性弱酸性高温泉、単純硫黄泉(硫化水素性)、pH4.1です。露天風呂の石畳のお湯が流れるところだけ赤茶色になっていたので、お湯の鉄分でしょうか。
 ありね温泉の露天風呂は牧場に接しており、山羊3頭が草を食んでいました。裸の入浴客のところに来て、柵越しに顔を覗かせます。女風呂では露天風呂に蛇が来たと騒ぎになっていました。見晴らしは本当に最高です。右は2005年の写真です。
2005年、ありね温泉露天風呂から見える高原のさわやかな冷気
 
柵向こうに山羊3頭が居ます。遠くには牛、雫石盆地が俯瞰される

■ 米朝首脳会談
 2018年6月12日(火)、ドナルド・トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長との「歴史的な握手」の映像が世界中を駆け巡りました。会った瞬間に会談が成功するかどうかが分かると豪語していたトランプ大統領でしたが、さすがに二人とも緊張の面持ちだったのに、会うやいなや堅く握手しました。確かに会った瞬間に、相手がディ−ル(取引)できる人間かどうか判断できるというのは、長い経験があればこそのことで分かる気がします。
 こうした国家間の交渉は、あらかじめ事務方が指導者の基本方針を踏まえて徹底的に打ち合わせた上で行われます。したがって会った時はもはやセレモニーというのが一般的ですが、この二人の場合はちょっと様相が違いました。なにしろお互い罵倒し合って、もしかすると一触即発ということさえ懸念される事態まで行きましたから、会って、席を立つということもあり得たからです。しかし話はとんとん拍子、合意文書のサインまで一気に進みました。
両首脳の握手

■ 世紀のから騒ぎ?
 金正恩委員長一行が引き揚げ、夕方トランプ大統領が記者会見を行いました。質問する記者たちは口々に「コングラッチュレイション!」と述べてから話に入りました。しかし聞いているとどうやら素直に「おめでとう」と言えるような話ではないんじゃないか?と皆さん懸念するようになって行きました。中には「世紀のから騒ぎ」だったと酷評するメディアさえ現れました。北朝鮮の「完全で検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)の具体的な道筋はおろか、米朝対話が続いている間は米韓軍事演習を一方的に中止するとまで約束してしまったからです。これが不動産物件のディールだったら、売り手、つまり金正恩委員長に完全に値切られて、大損したような感じです。体制の保証の確約を得て、シンガポールから借りた中国民間航空機で帰路を急いだ金委員長は、機内で満足の笑みを浮かべていたのではないでしょうか。

■ 米メディアが注目した「人権問題」の扱い
 曖昧な核廃絶を巡る取引とともに米メディアが会談前から注目していたのが「人権問題」でした。日本にとっては拉致問題に尽きますが、米国人にとっては、北朝鮮の自国民に対する「ヒトラー級の筆舌に尽くしがたい弾圧、虐殺」(2014年の国連報告)を問題視していたのです。自分の政治生命に対する脅威を取り除くためには親族まで処刑してきた金正恩委員長、米国的価値観からすると許せないわけです。ABCテレビとのインタビューでもこの点を突かれるとトランプ大統領は答えに窮しました。「あの男を信頼できるのか」と追い打ちをかけられるや、「私は彼を信頼している。だが、1年後に信頼しているかと聞かれたら変わるかもしれない」と本音を吐露しました。

■ 米国民の世論調査では米朝首脳会談に好意的
 米メディアは多くが米朝首脳会談に批判的ですが、米国民の世論調査では51%が「評価する」とのことです。これは当然でしょう。戦争より平和が良いに決まっています。米韓軍事演習は金がかかるからやめた、というのも経済的には合理的です。安全保障第一主義の人から見ればとんでもないことかもしれませんが、米国人から見れば遠い韓国に米国の若者を駐在させて、米国の金を使って守ってやるなんてなんの得があるんだ、ということで、「アメリカ・ファースト」のトランプならばそんな無駄遣いはやめる、良いことだ、ということでしょう。

■ 拉致問題の成果は
 では日本にとってはどうでしょうか?安倍首相が直前の日米首脳会談でトランプ大統領に「拉致問題に触れてほしい」と要望を伝えたものの、合意文書には一言も盛り込まれなかったことが分かりました。自民党の萩生田幹事長代行は6月13日に安倍首相と面会し、米朝首脳会談の結果をトランプ大統領から電話で説明を受けた安倍首相の説明として「金委員長は今までこの問題は解決済みだということを公の席で言ってきましたが、そういう反応がなかったということは大きな前進だと思います」と語りました。すると北朝鮮の国営ラジオ放送は、すぐさま拉致問題に言及し、日本が「無謀な北朝鮮強硬政策に執拗にしがみついている」と批判、「日本はすでに解決された拉致問題を引き続き持ち出し、自らの利益を得ようと画策した」と主張しました。
 4月の南北首脳会談の際に金正恩委員長は「韓国やアメリカなど、周りばかりが言ってきているが、なぜ日本は直接言ってこないのか」と発言したと伝えられています。安倍政権は、これまで北朝鮮を「脅威だ」、「国難だ」と非難し、外務大臣が「北朝鮮との断交」を世界各国に求めるなど「最大限の圧力」をかけ続けてきました。しかしながら米朝首脳会談の結果を受けて菅義偉(すが よしひで)内閣官房長官は、6月13日の記者会見で、拉致を巡り「トランプ氏の強力な支援を得ながら、北朝鮮と直接向き合い解決する決意だ」と述べました。BSフジのプライムニュースに出演した西村康稔(にしむら やすとし)内閣官房副長官(政務)は、トランプ大統領が一転して柔軟姿勢を示し、ただし北朝鮮の非核化の費用は韓国と日本が負担する、と述べたことに対して安倍首相が理解を示したことを、「すべてトランプ追従、これまでの主張と姿勢が違うじゃないか」と他の出演者から追及されて答えに窮していました。
 「拉致の安倍」と呼ばれ、北朝鮮への強い姿勢で国民の支持を得てきた安倍首相です。金正恩委員長は簡単には妥協しないでしょう。もしかするとポスト安倍まで待つつもりかもしれません。さらにポストトランプも考えている?

葵の花

■ パワハラ栄和人至学館大監督が解任される!
 日本レスリング協会副会長である至学館大の谷岡郁子学長が突如記者会見し、栄和人氏について「私たち至学館大学は栄和人監督を解任することを決断いたしました」と発表しました。栄監督はパワハラが認定された4月に協会の強化本部長を辞任、その後は至学館大の監督として、選手たちを指導しており、この大会で“現場復帰”しました。大会初日の試合前に、パワハラ認定後初めて公の場に姿を見せ、20分間の謝罪会見を行いましたが、谷岡学長は栄氏の態度に不満を感じ、「謝罪会見、その後の様子を見て、まったくまだ分かっていない。反省できていない」と感じたそうです。大会2日目の昼に栄監督の居場所を関係者に聞いたところ、友人と昼食に出かけており「これは駄目だなと。陣頭指揮をとる人のやることではない」と、解任を決断したということです。しかし栄氏をこれまで守ってきた谷岡郁子学長の不明をこそ、恥じなければならないのではありませんか。
(2018年6月18日)


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