204  熱海

 1月27日から30日まで熱海温泉→東京→盛岡→仙台→会津東山温泉と旅しました。主目的は高校と大学同窓会の新年会です。南下(西へ)→北上(東へ)→南下→西へ→東へ→南下です。今回は二つの熱海温泉の話題がメインです。

■ 熱海の「あたみ桜」が見頃でした
 まずはスーパービュー踊り子号で東京駅から熱海に向かいました。熱海駅はリニューアルされて見違えるように綺麗になっていました。エキナカの土産物売店なども洗練されて、きれいな女性の店員さんがお客様を呼び込んで、すごく混んでいました。駅前には足湯があり、各温泉旅館・ホテルの送迎バスがロータリーに止まる場所が決まっていて、停車して待ち時間無く、お客様を乗せたらすぐ発車します。JR東日本西端の熱海駅は高台にあって、JR東海の新幹線や、東海道線、伊豆急行の駅になっています。バスは坂道を下って熱海の海岸へ、お宮の松の前を通りました。ぐるっと湾曲した湾で、海岸通には椰子や棕櫚のような南洋的植物が植えられると共に、松や桜が植えられています。梅まつりをやっているのは当然として、1月21日(土)から桜まつりも並行してやっていたのにはビックリ。日本一早咲きの「あたみ桜」は毎年1月上旬〜2月に咲き、明治4(1871)年頃イタリア人によってレモン・ナツメヤシとともに熱海にもたらされ、その後増えました。台湾・沖縄産の「カンヒザクラ」と日本の暖地に自然分布する「ヤマザクラ」が親のようです。
2017年1月28日朝の熱海の海岸通、桜まつりの最中、今年は2週間早咲き

■ 熱海のはしょっぱい
 熱海の温泉がしょっぱいのは、食塩泉(ナトリウム塩化物泉)だからです。日本全体の泉源数でみると、食塩泉(塩化物泉)の割合は単純温泉(42%)に次ぐ24%を占めており、3位は単純硫黄泉です(8.6%)。筆者のふるさと岩手県雫石町には12箇所の温泉がありますが、足の下が火山なので硫黄泉が多いのです。総湧出量では食塩泉がダントツの1位でほぼ50%、単純温泉は2位で、3位は重曹泉です。日本の温泉に食塩泉が多い理由は分かりますね、島国で海に囲まれているからです。もちろん、食塩泉のなかにも火山性の食塩泉や、有馬型などの海洋水に関係しない温泉もありますが、その割合はきわめてわずかです。熱海の温泉は肌に優しくちょっとしょっぱいお湯ですが、長い時間あたたかさが残るので、寒いときこそ本領を発揮してくれるのだそうです。熱海の市街を歩くと坂道のところどころから湧きだす湯気を発見します。これが、「熱海七湯」といわれる源泉です。ホテルの高い階にあるお風呂は、ジョージョーとお湯が溢れて流れ落ち、熱海の温泉の湯量豊かなことが実感されます。風呂に浸かって湾曲した熱海の海岸のキラキラ輝く夜景を眺めるのは至極のひとときでした。

■ 福島〜会津・磐梯へ
 盛岡に行ったのにトンボ帰りは惜しいですね。温泉がいっぱいあるのに...しかしそれはまた別の機会にして、東北新幹線はやぶさ号に乗り39分で仙台へ、弟宅に寄り、とても美味しい「ひっつみ」をご馳走して頂き、再び仙台から東北新幹線やまびこ号で郡山へ、磐越西線に乗り換えて会津若松に向かいました。
 福島県は、奥羽山脈と阿武隈高地によって区切られており、西から順に「会津」、「中通り」、「浜通り」の三地域に区分されています。会津(あいづ)は、福島県の西部に当たり、西に越後山脈と東に奥羽山脈に挟まれた日本海側内陸の地域です。南は下野山地(帝釈山脈、大佐飛山地を含む)、北は飯豊山地に囲まれた山岳地帯の会津盆地の中心地は会津若松市です。気候も日本海側気候で、仙台など全く雪が無く、盛岡でさえも道路脇の除雪された雪の山だけだったのに、一面真っ白な白銀の世界でした。ただし会津盆地は山形の天童などと同様夏は暑いそうです。

福島地域三分類

■ 会津・磐梯山の偉容にウットリ
 猪苗代駅からほど近い磐梯山はスゴイ山です。特に冬だからか、眼前に迫るウットリするほど堂々とした山でした。右写真はもう猪苗代駅をだいぶ過ぎてからのものです。磐梯山は明治21(1888)年に大爆発を起こし、桧原湖をはじめとする300におよぶ湖沼群が形成され、風光明媚な裏磐梯高原ができて、大観光地となりました。磐梯山の秀麗な山容は日本百名山にふさわしいですね。
 ♪エーイヤー 会津磐梯山は 宝の山よ
 ♪笹に黄金が エーまたぁぁ なりさがる
 ♪スッチョイ スッチョイ スッチョイナー
 ♪小原庄助さん
 ♪なんで身上つぶした
 ♪朝寝 朝酒 朝湯が大好きで
 ♪それで身上つぶした
 ♪あぁもっともだ もっともだ

磐越西線の列車内から仰ぐ磐梯山の勇姿(2017年1月29日)

これはマズイ、自分のことを言われているようだ(^_^) 会津は酒が美味いのです。銘酒がたくさん、だから小原庄助さんみたいな人が出てくるんですね。

■ 「忠義」の会津藩と「新選組」
 会津は「宝の山」の磐梯山のほか、猪苗代湖、東山温泉、鶴ヶ城などの観光名所が豊富で、「北は磐梯、南は湖水」の会津盆地を構成し、飯盛山で花と散った忠義の白虎隊が有名ですね。会津若松駅から循環バスが2種出ており、「あかべえ」というマイクロバスで東山温泉に向かいました。ぐるっと一周して会津若松駅に戻ってくるのですが料金は¥210でした。
 このバスに乗っていたら「近藤勇の墓」という標識があったり、まるで函館のように土方歳三の勇姿が大きな看板となっています。多摩の郷士であった近藤勇ら「壬生義士」組は、会津藩の士道「忠義」に共鳴します。「義」によって会津藩と壬生義士組は幕末の京都で結ばれ、会津藩御預として「新選組」が誕生しました。当時の京都は、尊王攘夷派の浪士たちによるテロが横行し、治安が非常に悪化していました。背後で英国が糸を引き、薩長などの西軍テロリストに資金援助します。一方、フランスに支援された幕府は、京都守護職を新設し、強力な藩をもって京都の治安維持にあたらせることとしたのです。そこで「忠義」の会津藩に白羽の矢が立てられました。新選組は、鳥羽・伏見の戦いに始まる戊辰戦争に参戦するも、無念の敗北を繰り返し、戦争の舞台はどんどん東上、北上してついには会津へと移ります。会津においては、負傷した土方歳三に代わり、斎藤一が隊長を務めました。猪苗代町の母成峠において、会津藩士や新選組隊士を含む800名と西軍3000名とが交戦しました。

■ 八重の桜

鶴ヶ城
 平成25年大河ドラマ「八重の桜」の主人公“新島八重”は会津藩砲術師範の娘で、鳥羽・伏見の戦いで負傷し、亡くなった弟・三郎の形見の装束を身にまとい、圧倒的な勢力を持つ西軍を向こうに回し、難攻不落の名城とうたわれた鶴ヶ城に攻め寄せる相手に、父譲りの鉄砲の腕を生かして、銃を片手に凛々しく勇ましく、まるで「ジャンヌ・ダルク」のように戦いました。1ヶ月にもおよぶ籠城戦でした。
 戦後、兄・山本覚馬のいる京都に移住した八重は、やがて同志社大学創始者・新島襄の妻となり、江戸、明治、大正、昭和と激動の時代を前向きに生きた波乱万丈の生涯を閉じました…1932年87歳

土方歳三の函館での戦死をもって、史上最強にして最高の剣客集団「新選組」は武士の時代とともに終焉を迎えました。

■ 会津東山温泉
 東山温泉の泉質は、ナトリウム・カルシウム−硫酸塩・塩化物泉(低張性弱アルカリ性高温泉)で、pH8.04、無色透明、無味無臭でした。全く湯の華も無く、岩手県雫石町の硫黄泉で育った身には何とも物足りないお湯でした。温泉であることは間違いないようです。
 さあ帰るか、会津若松の市街をぐるっとバスで循環しましたが、なかなか風情のある街です。前は自家用車で巡りましたが、バスだと運転していないのでいろいろなものが見えます。城下町特有の落ち着きと、町民衆の暮らしが感じられるんですね。喜多方に足を延ばしてラーメンを食うのはやめました。時刻表を見たからです。自家用車ならともかく、汽車(電車ではなくディーゼルなので汽車はないかな?)は決められた時刻があるのです。運行間隔を見て、一杯のラーメンのために...と思ったのです。会津若松駅から郡山へ向かうことにしました。

■ 磐梯熱海温泉で途中下車
 車窓から外を眺めると、来る時と違って曇って遠くの山々は見えません。ひたすら一面の銀世界です。しかし、待てよ、以前行って、良い温泉だと思った磐梯熱海温泉があるじゃないかと気付きました。ヨ〜シ、磐梯熱海で途中下車だ!磐梯熱海駅に降り立つと駅名の謂われを書いた看板がありました。熱海という地名は、奥州合戦の後にこの地の領主になった、源頼朝の家臣伊東祐長の出身地である伊豆の熱海温泉に由来するのだそうです。南北朝時代から室町時代初期の頃、公家の娘萩姫が不治の病にかかり、夢枕に立った不動明王が、「都から東北方面に行き、500本目の川岸に霊泉がある」とのお告げ、これに従って当温泉に辿り着いた萩姫は、湯治して全快したと伝えられるのだそうです。温泉街を流れる五百川が都から500本目の川なので、この伝説が川の名称の由来とのこと。駅名に「磐梯」がつくのは、熱海市にある熱海駅と区別するためだそうです。磐梯熱海駅前には足湯があります。郡山の奥座敷であり、この地は既に中通りに属します。郡山に近い歓楽街温泉なので、規模の大きなホテルも多いのですが、駅前ロータリーにはタクシーと共に30種類の湯船で有名な「華の湯」など大ホテルの送迎バスが来ています。以前立ち寄ったのは、日帰りの入浴施設や多目的の大型ホール、アリーナ等を備えた複合施設「郡山ユラックス熱海」でした。駅から歩いても10分ぐらいです。

■ 日帰り湯のぬる湯が最高
 今回は駅の真ん前の「紅葉館きらくや」にしました。日帰り湯¥600(平日)です。受付でお金を払ったら、番号札をくれて、「3時間までです」と言われました。4階には宿泊客専用の展望風呂もあるようです。1階の大浴場はそれほど広くありませんが、湯が溢れて流れています。浴槽に浸かり、「アレ?硫黄臭がしないな」とちょっと違和感を覚えました。以前来たときは感じたからです。ただ浴室には微かな硫黄臭が漂っています。庭園露天風呂の浴槽は小さいけれど、温度もちょうど良く、湯が肌にまとわりついてしっとりと覆う感じのするとても良い湯です。説明書きを見たら、市営温泉から引いていて、泉質は単純泉・源泉53℃、無色透明、無味無臭だそうです。サウナ好きなので3回も入りました。5分、10分、7分です。サウナから上がって水風呂に入ったつもりが冷たくありません。説明看板があって、何やら上の神社から湧き出る「保護組合泉:萩姫の湯」を引いた「ぬる湯」で、泉質は単純硫化水素泉、源泉温度38℃、無色透明、無味で、微かな硫黄臭とのこと。これが評判なのだそうです。マイナスイオンたっぷりの掛け流しで、ストレス軽減、リラックス効果が期待でき、睡眠で悩んでいる方におすすめとのこと。確かにいつまでも入っていたいような良い湯でした。
磐梯熱海駅前「紅葉館きらくや」の露天風呂


■ 喜多方ラーメン
 郡山駅に来て、エスパルの中に「喜多方ラーメン 蔵小町」があるという看板を見つけました。折角だから食べて行こうと決めました。郡山駅もなかなか広いのです。やっと駅構内フードコートにある喜多方ラーメン店だと分かりました。「本日大盛り無料」と書いてあるので、基本の喜多方ラーメン醤油大盛りをオーダー。フードコートだけに呼び出しアラームを渡されました。女子高校生がたくさんだべっています。平打ちちぢれ麺、おおぶりなチャーシュー、スープもなかなか、フードコートのレベルじゃありません。本家喜多方で食べた麺に比べると...ですが、¥702ご馳走様でした。

■ 老人の危険運転
 昨年は「高齢者による交通事故」が大きく報じられ、社会問題化した感もあります。「高齢者は免許を返納すべきだ」などという話も出ています。しかし高齢者による交通事故は本当に増えているのか?と思って調べたら、実際には増えているどころか減少傾向にあるのだそうですよ。この傾向は死亡事故に限った場合でも同じだそうです。交通事故全体が減少傾向にある中で、どうして「高齢者による交通事故」が問題になるのか?それは、今後、高齢者の人数自体が増えていくため、何かしらの対策が必要だと警鐘を鳴らす意味なのでしょう。

■ トランプ、トランプで持ちきり
 前回「トランプバブルに注意」と書きました。2020年前後と言われる次のバブル崩壊の引き金を、トランプ米大統領が引くのではと見ているからです。もうトランプ米大統領の話題はウンザリというほどテレビはこれで持ちきりです。司法との対立など、三権分立なんてなんのこと?と言う感じで、これまで学校で良いこと、悪いことを学んで来た私たちの尺度は揺るがされています。「道徳」なんて持ち出したら「フン」と鼻で笑われそうです。マスコミのニュースなんて嘘っぱちだ、というので「フェイクニュース」が流行語となりました。グーグル、アマゾン、マイクロソフト、アップルなど、ITで繁栄してきた各社はアメリカ孤立主義に危機感を強めています。

■ ウソかホントか
 ところが、こんな大統領のやることにアメリカ国民の半分近くが賛同し、マスコミを信用する人は三分の一に過ぎず、耳に心地よいSNSだけを信用すると言うのですが、当のFacebookやTwitter社がトランプ米大統領の発する施策に異を唱えるというワケの分からない事態になっています。こうなると「何が真実か」が問題ですが、ホワイトハウスの報道官が明らかなウソを「ウソじゃない」と言うのですから、いったい何を信用したらよいのか分からなくなります。特にネットに溢れる情報はその7割以上がウソ、それを信じている大統領の言うことも7割ウソなんだそうですよ。

■ 東京大改革
 トランプも怖いですが、小池百合子も怖いですね。東京都知事選に圧勝し、「東京大改革」を掲げて絶大なる都民の支持を受けています。しかし「東京大改革」とは何ですか?自民党都連会長の下村博文会長が2017年2月7日の記者会見で、「小池百合子都知事の能力やセンス、政治的な力は高く評価しており、敵対関係と言う気持ちは全く無く、守旧派とかブラックボックスとか言われないように是々非々を貫いて行きたい」と述べました。「東京大改革」の中味がよく分からない、と述べた言葉には同感です。東京の課題と言えば迫り来る介護難民問題と直下型地震対策です。日本全国から続々と東京に人口流入する事態、東京と沖縄以外の各地の若者が居なくなった中の7割が東京都区部に流入していると政府が発表しました。東京都から見ると、急速な高齢者の増加で発生する介護問題の担い手として若者が流入することは歓迎すべきことです。「Tokyo First]の視点から見ればですが...

■ 平家物語
 小池百合子都知事の言う「都民ファースト」で、まずは都議会自民党が標的とされました。豊洲問題で大騒ぎ、都民の税金の壮大な無駄遣いとなりそうです。もともと東京湾を埋め立てた土地、そこから清らかな水が湧き出すなんて有り得ません。築地だって全く同じです。しかし市場を多摩地区に持っては行けないでしょう。オリンピックの会場問題で組織委員会の森会長を標的としましたが、IOCにたしなめられて、周辺の県知事の総スカンも食らって、失敗に終わりました。韓国じゃあるまいし、元総理大臣をターゲットにするなんて度が過ぎます。
 千代田区長選挙で圧勝して、都議会自民党のかつてのドン内田さんを血祭りにあげ、今度は豊洲問題で石原慎太郎元都知事を狙っています。しかしかつては都民の絶大な支持を受けた石原さんが、年取って弱っている姿を見ると、平家物語の冒頭部分を思い出しますね。
  祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらはす
奢れる人も久しからず
唯春の夜の夢のごとし
たけき者も遂には滅びぬ
偏に風の前の塵に同じ

 小池百合子都知事も、敵を作っては血祭りにすることで劇場の観客を喜ばせるようなことを続けていると、「因果応報」の憂き目にあうと思いますよ。

■ 韓国大統領
 韓国じゃあるまいし、と上で書きましたが、韓国から呼び戻した日本の大使がいつまでも帰らないので、それなら駐日大使を呼び戻そうぜ、と最大野党「共に民主党」のお偉いさんが言ったというニュースがありました。少女像問題に端を発したのですが、良い悪いは別にして、政府と政府の約束を履行しないというのは、国家としてあるまじきことです。年内に大統領選挙が行われますが、有力候補だったハンギブン前国連事務総長が「やってられん、何だこの国は」と怒って降りてしまい、文在寅(ムンジェイン)「共に民主党」前代表が断トツとなったと報じられています。この人は親北反日で有名な人です。もし大統領になったら日韓関係は更に悲惨な状況になるでしょう。
(2017年2月8日)


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