256  野菜高価
 2018年2月4日は立春で、その前の日が節分です。元来、節分とは「季節を分ける」日ですから、季節の始まりを示す立春、立夏、立秋、立冬の前日はいずれも「節分」なのですが、現在では節分といえば立春の前日だけを指すようになりました。旧暦の頃は、一年の始まりを立春付近に求めたことから、その前日は年の最後の日という意味合いを持ったと考えられ、大晦日のように年を分ける「節分」ということで他の3つの節分より重要な位置を占めたようです。節分には「鬼は外、福は内」と唱えながら年男が豆を撒いたり、鰯の頭を焼いて、ヒイラギの枝に刺し、家の入り口に差すとか、関西では、恵方を向いて太巻きを食べると言われますが、実はこれは風習でもなんでもなくて、昭和30年代に海苔の需要拡大にと海苔屋さんが考えた宣伝らしいですよ。チョコレートとバレンタインデーとか、土用の丑の日にウナギみたいなものですね。日本人はどうもこういう他の人に右倣えみたいな民族意識があるみたいです。

■ 野菜が高いです
 巷間言われているように野菜価格が高いですね。葉物野菜は総じて高く、ほうれん草、小松菜、ニラが高いし、キャベツも白菜も大根もネギも高い!一時期とんでもない価格だったレタスが少し落ち着いてきましたが、まだまだ割高で、白菜などは1玉大600円と高いままです。1月末の東京市場で平年の2.5倍だそうです。鍋物に欠かせない野菜だけに痛いですね。キャベツはトンカツ屋さんの必需品ですから、これまた大変です。
 昨年は北海道で豪雨災害があり、玉ねぎやじゃがいも、ニンジンが高騰しましたが、今年はこれらが安くて助かります。つまり今年は鍋物ではなくカレーやシチューが良いということです。安定しているのはトマトやモヤシです。これらは施設栽培だから天候の直撃を受けないのです。ただ、キノコが高いのは解せません。恐らく言うに言えない○○があるのでしょう。

キャベツ;いわて春みどり

白菜

■ 結球野菜の芸術性に感動
 ところでキャベツや白菜は結球野菜ですが、これを調理しようとしていつも感動します。夫婦二人だけになった今は、キャベツも白菜も1個買って来たら随分と日持ちします。ですから今のように高価でも、買い控えなんてしません。滅多に買わないからです 縦にザクッと包丁の刃を入れるなんて、漬物作りのときなどでなければやらないようになりました。かといって1/2や1/4カットのものは芯が暴露されて水分が飛んで傷み易いはずなので、球のまま買いたいのです。味噌汁の具などは、他に甘みを出すためのサツマイモまたはジャガイモやタマネギ少々入れる、ワカメや油揚げも入れるし、酒粕も入れるので、葉を1枚剥けば十分だったりします。毎朝剥きながら、どうしてこんなに芸術的に結球できるのだろうと感動するのです。

■ 結球品種改良の歴史は新しい
 キャベツや白菜はアブラナ科の野菜です。大根もそうですね。レタスはキク科です。共通するのは原産地が地中海沿岸だということです。地中海沿岸一帯は昔から夏の間わずかしか雨が降らず、冬はやや暖かくて雨に恵まれる地域です。そこで結球することで、長い乾燥期に入るときに、葉からの水分の蒸発を防ぐためにとった植物の自衛手段だったのではないか?と言われています。キャベツやタマネギなどの結球野菜の多くは、この地域に野生していた植物を栽培して野菜にしたもので、野生種は結球の程度がもっと緩やかでした。それを品種改良によって、今のように大きく、形よく、しっかりと結球するようにしたのです。結球品種改良の歴史は新しく、昭和の初めごろまでは、キャベツも白菜も畑でしっかり結球しないものが多かったのです。レタスも今のような結球レタスではなく、巻き方のごくゆるい玉レタスが主流でした。

■ 価格優等生のもやしですが...
 施設栽培だから価格が安定していると上で書きましたが、これはなかなか難しい説明が必要です。例えばモヤシなどは安定してはいますが、ちょっと安過ぎます。したがって付加価値をつけるために豆苗とかブロッコリースプラウトが出てきたわけです。スプラウトというのは「発芽野菜」のことで、なんといっても村上農園が有名です。広島県発祥の会社で、かいわれ大根でスタートしました。ところがかいわれ大根は、O157の大騒動で一時期全く売れなくなりました。日本の生産者は米国オレゴン州から種を輸入していましたが、その農場の肥料の牛糞が原因だったようです。しかし村上農園はそうした問題を乗り越えて全国に次々と生産拠点を設けて、今や押しも押されもしないスプラウトのトップ企業に成長しました。山梨県北杜市は日本で最も日照の大井地域なので植物工場が集まっていますが、ここにも大規模生産センターがあります。
 スプラウトは生育方法によってもやし系かいわれ系に大別されます。もやし系(豆型)は、茎が太く種子を頭につけたまま伸ばすもので、暗室のみで育て、緑化させません。かいわれ系(アブラナ科型)は、種子から芽を伸ばすもので、茎が伸びるまで暗室で育て、その後たっぷり光をあてて緑化させます。豆苗とかブロッコリースプラウトがブームになっています。
 もやしが安過ぎると問題化しているのは緑豆もやしです。もやし生産者の窮状にご理解を!と、もやし生産者組合が右図のように訴えています。もうからないため生産者がドンドン減っているのだそうです。最近では販売価格を上げるスーパーも出てきました。
 実は養豚業者などもドンドン減っています。減るということは大規模化して行くことにつながります。また付加価値を増すために「大豆イソフラボン子大豆もやし」などの商品が出てきています。

もやし生産者組合のホームページから転載

■ 生産効率向上で価格低下か?
 モヤシやキノコのような工業的に屋内で栽培されるものは価格が安定しているとは言え、安過ぎるのは生産者にとっては困りますね。これらの価格を左右するのは原材料費とエネルギー価格と人件費です。右上の図を見ると、普通に考えたらもやし生産者はつぶれないほうがおかしいはずです。原材料費も人件費も上がっている、エネルギー価格も間違いなく上がっています。それなのに価格は下がっている・・・とすれば、余程生産効率が上がっているとしか考えられません。生産者が減っているというのは、そうした生産効率向上競争に敗れたのでしょう。工場において生産効率が高いというのは、「時間がかからない」すなわち速くできる(タクトタイム)ことと、「手間がかからない」すなわち省力化(自動化)です。特にロボット化してくると作業員が少なくて済むので、いわゆる「リストラ」が進むのです。
 ただし昨今のキノコの価格アップは、もやしとは全く理由が違うはずです。生産者が「ゆきぐに」や「ホクト」など寡占化されていますからね。

■ 植物工場でレタス栽培
 ひところ大ブームとなった「植物工場でレタス栽培」ですが、今それらの業者はどうなっているのでしょうか?大多数が苦しんでいると思います。ドンドン参入してドンドン撤退しているというのが現状ではないでしょうか。特にLEDを採用した完全人工光型の場合は、投下コストに対し、販売価格が釣り合わないケースが多いからです。初期設備投資を補助金に頼ったとしても、エネルギー費用、すなわちメンテナンスコストが膨大にかかります。現在のような販売価格が連続するなら商売になりますが、露地ものが出てくる時期には赤字になるからです。また露地ものは結球レタスが多いのですが、植物工場ではフリルレタスやバジルなどが多いということもあります。植物工場でも結球レタスを生産しているところもありますが、どうしても時間が多くかかります。
 ただし今はまだ過渡期と考えるべきかもしれません。南極の基地や、砂漠地域、遠洋航海の船上などでは重宝されます。それだけではなく、完全人工光型植物工場ならではの野菜などが開発されれば、付加価値が格段にアップする可能性があります。現実に薬草などに取り組んでいる例も出ています。すなわち、植物の品種改良や新種開発、成長の高速化など、自然界では難しいものを手がけられて、なおかつ安定した販路確保ができればビジネスになり得ます。

植物工場産の野菜のパック販売

■ 大学発ベンチャーの失敗に挫けるな!
 これまで「みらい」など大学発ベンチャーが上手くいかなかったのは、研究レベルとビジネスレベルのアンマッチングによるものです。大学の研究は工業レベルでは民間企業の10年先を行っています。10年後にやっと採算が合うというものですから、10年間試行錯誤を繰り返してやっと実用化できるものを、少し早く世に出し過ぎてホールドアップということです。だからと言って大学などでの研究への支援はおろそかにしてはなりません。日本は災害大国で、農業大国のような自然に恵まれない狭小な国です。政府は農産物の輸出を盛んに説いていますが、そもそもこの海からマサカリの刃がニョッキリ出たような国の大地の産物で勝負するのは至難の技です。しかし知恵の産物なら話が違います。植物工場に注力すべきポイントがここにあります。

■ グランパのドーム型野菜工場
 山梨県北杜市に本拠を置く植物工場運営などの「中央商事株式会社」(旧商号:株式会社ドームファーム北杜)と、神奈川県横浜市に本拠を置いていた関係会社の「セントラル商事」(旧商号:株式会社グランパ)は、2017年4月27日付で甲府地方裁判所より破産手続の開始決定を受け倒産しました。中央商事は、「ドームファーム北杜」として2012年に設立。一方、セントラル商事は、「グランパ」として2004年に設立。両社は協業しながら、植物工場による農産物の生産・加工・販売を主力に事業を展開していました。しかし、余りにも強気の設備投資が負担となり、資金繰りが逼迫したため、両社は2016年10月に現商号へ改称し株主総会にて解散を決議、その後は事後処理を進め今回の措置に至りました。右は「ドームファーム北杜」ですが、引き続き建設元の飛島建設が引き継いで運営を続けています。アイデアは素晴らしいのですが....国から多額の補助金を引き出した末のこの状態は悲し過ぎて...

■ グランパファーム陸前高田も事業継続断念
 陸前高田市米崎町のドーム型植物工場「グランパファーム陸前高田」は、2017年10月に岩手県に接近した台風21号で甚大な被害を受け、閉鎖となって地元に波紋が広がっています。同工場は津波被災土地を利用した大規模施設園芸設備で、産業再生特区の指定を受け、2012年に「被災地で新しい農業を発信したい」と、経済産業省の補助金3億円で野菜を作るドーム形の施設8棟を整備。2014年には農林水産省の補助金約1億円で4棟を増設。施設は直径約30メートル、高さ約6メートルで、1日3千株以上のフリルレタスを出荷していました。新たな農業の可能性を生み出すと期待されて、5年余りにわたり復興を後押ししてきましたが、復旧する見通しが立たなくなって、陸前高田市も閉鎖やむなしとなったようです。
 台風21号による停電で、ドームに空気を送る設備が故障したほか、すべてのドームが強風で破損しました。かねて危惧されていたグランパドームの構造的耐久性が現実となりました。復旧には1億円かかり、修理の補助金も出ず、どうしようもないとして、閉鎖決定となりました。24人の従業員は解雇となり、市有地だけに更地として返却してもらわなければいけないのですが、神奈川県の株式会社グランパそのものが解散してどうしようもない状況です。津波の浸水区域で、海水をかぶった土は、塩害で再生に時間がかかり、野菜工場は土を使わないため、浸水した土地の有効活用策として津波被災地で注目されてきましたが、宮城県名取市などでも経営に行き詰まり撤退する植物工場が出ていて、岩手大の岡田益己客員教授(生物環境管理学)は「野菜工場は雇用の確保など一時的には意味があったが、大事なのは、地域の人が農業を続けられることだ。巨額の補助金を使うのではなく、身の丈にあった農業が復興につながる」と指摘しています。

■ 養液ミョウガ栽培
 今やミョウガが年中一定価格で店頭に並んでいます。キノコも昔は季節モノでした。それを言うならキュウリもナスもパプリカも花卉類も今や真冬でも売ってますね。すべて施設栽培のお蔭です。「旬が無くなった?」そんなことを言うツウの方は時代遅れです。
  ♪目立たぬように はしゃがぬように
  ♪似合わぬことは無理をせず
  ♪人の心を見つめつづける
  ♪時代おくれの男になりたい
・・・と言うのなら河島英五の歌を歌っていれば良いけれど、248『獺祭』(2017年12月11日)で書いたように、今や日本酒も杜氏無しでおいしいお酒を年中作れるようになり、しかも生産者はもうかって笑いが止まらない、酒飲みは嬉しいけれどもう少し安くしてよ、という時代になりました。寒仕込みの辛い作業をどうしてもやりたいというマゾヒスティックな人など稀少でしょう。こうしてドンドン蔵元はつぶれ、淘汰の末に生き残るのは、綺麗な空気と水と温湿度制御設備と生産ノウハウをAI化出来たメーカーなのです。

カネコ種苗CAN DOファーム
 植物工場では、土を使わない養液栽培が急速に普及拡大してきました。連作障害回避と高収益を求める生産農家と、新しい健康的な野菜を要望する消費者の双方のニーズがマッチングしたものだからです。水耕栽培との違いは、水に浮かべて栽培するのではなく、栽培ベッドに養液を流したり点滴潅水する方式です。下記のイチゴやトマトも今や養液栽培が主流です。この分野で有名なカネコ種苗株式会社のホームページをご覧下さい。種子や機材、資材何でも売っていますが、栽培技術指導が高い評価を得ています。つまりハード/ソフト一体販売が成功の秘訣と見ます。果菜用のロックウールシステム、葉菜用ハイドロポニックシステム、鉢物・苗物栽培用・野菜生産用システム、イチゴ用ココベリーファーム・ココベリーパートナー、トマト・キュウリ用スプレーポニック、ミョウガ用CAN DOファームなどがあります。右上のシステムの養液栽培ベッド部分を拡大したのが右写真です。そそりたつ見事なミョウガ!1年中3個パック100円強で販売されています。

■ 太陽光利用型植物工場でイチゴ栽培
 太陽光利用型植物工場の場合は、エネルギーコストが抑えられる分採算が取れる可能性が大きくなります。ただしここでも栽培する作物が問題です。近年「夏イチゴ」が話題になりましたね。昔はクリスマスケーキにストロベリーが付き物でしたが、今では夏でもケーキを食べたい、するとイチゴが欲しい、ところがイチゴは寒いときが旬です。さあ困った、それで季節が逆のタスマニアで栽培して輸入したりしてたわけです。しかし傷み易いのでなるべく輸送に時間をかけたくない、ならば植物工場で人工的に寒い環境を作って夏イチゴというのがブームになりました。空気をビンビン冷やさなくても栽培ベッドの水で工夫する、作業しやすい高設イチゴ栽培(右写真)が今や当然となりました。「とちおとめ」など、イチゴ王国栃木に続けと、全国各地で競って栽培されるようになり、特に福岡の「あまおう」などは大ヒットです。軽井沢の四季彩農園では、「桃薫」という白いイチゴを「軽井沢貴婦人」と銘打って、すごく高い値段で販売しています。

■ 太陽光利用型植物工場でトマト栽培
 最も確実に利益が取れるのはトマトでしょう。皆様買い物好きな方ならピンと来るでしょうが、トマトは年から年中価格が安定しています。他の野菜のように、露地モノが出てくると投売り状態ということがありません。生産者にとって価格が安定していることほど有り難いことはありません。畑でそれほど手間もかけずに育つ野菜と違って、トマトは茎をくくりつけるポールを組んだり、良く陽に当たるようにしたり、潅水に注意したり、病気対策など手間がかかる分だけ付加価値を上げないと商売になりません。しかもイタリアンのブームです。ましてや世界的に日本人はもっともトマトを食べない民族で、今後消費の伸びしろはたんまりとあります。カゴメが農家さんを集めて農業生産法人を作り、大規模太陽光利用型植物工場のノウハウを提供して、生産指導も行って、収穫したトマトは全量買い取るというビジネスモデルも大成功しました。農業者は作ることにかけてはプロですが、売ることにかけては素人です。作れば売れるのならこんな有り難いことはありません。カゴメに頼らずともJAルートでもトマトは採算が取れる数少ない野菜です。甘い品種が開発され、「フルーツトマト」と言って、今や野菜なのか果物なのか見紛うばかりの品種も出てきました。トマトジュースや野菜ジュースなどが店頭にたくさん並ぶようになりました。消費者の支持を受けている顕れです。若い農業者は思い切って投資するならトマトがお薦めです。
 

■ ヒートテックは暖かいけれど、着ても暖かくないことがある?
 前回羽毛布団の話題で触れたセーターは暑くなれば脱げば良いわけですが、下着は暑いから脱ぐというわけにもいきませんよね。こういうときに便利なのが「ヒートテック」です。ユニクロの商品名で、東レとの共同開発品です。ヒートテックが暖かい理由は、前回書いたカシミヤのセーター同様「吸湿発熱効果」によるものです。どんな繊維でも、水分子の運動エネルギーを熱エネルギーに換える吸湿発熱作用を持っていますが、ヒートテックは水蒸気の吸湿を皮膚に近い部分で起こるように速く外へ拡散させる速く蒸発させるしっかり断熱されるという仕組みによって、他の物より暖かく感じるようにしているようです。気になる素材は、アクリル(暖かさ)、レーヨン(保湿性)、ポリエステル(吸水速乾性)、ポリウレタン(フィット性)などから構成されているみたいです。
 2003年に初代が開発・販売されてから、2004年;消臭機能がプラス、2007年;伸縮性をプラス、2009年;「形状保持」と「静電気防止」機能をプラス、2014年;約1.5倍暖かさを感じる事ができる極暖ヒートテック登場、2016年;ドライ機能とストレッチ性がUPした「超極暖」が登場しました。
「超極暖」は、これまでのヒートテックの仕組みと異なり、特殊な編み設計により、極暖の1.5倍、すなわち従前のヒートテックの約2.25倍の暖かさを感じる事ができるそうです。
 ユニクロの宣伝みたいになってしまいましたが、実は雪国育ちの筆者はヒートテックを着たことがありません。今や日本で2千万人以上が着ているそうですが何故?実は余り寒い、寒い、と他の人のように感じないのです。よく「ホッカイロ」を使っている人がいますが、全く使いません。ヒートテックを着るべき人というのは適度に汗をかく人でしょう。冬場は空気が乾燥していますから、じっとして汗をかかない人はヒートテックの効果は感じないかもしれませんし、激しく運動して多量の汗をかく場合にはヒートテックが逆効果になると思われるので、木綿の下着にしたほうが良いでしょう。そして雪かきをした後などは、すぐ汗ばんだ下着を着替える、これでバッチリ、寒い冬も少年野球ができるってもんです。

■ 藤井五段誕生、もしかして六段も?
 藤井聡太棋士が2月1日に行われた梶浦宏孝四段との対局に見事勝ち、9戦全勝でC級1組昇級を決め、中学生初の五段昇格を果たしました。対局時間は10時から日付が変わるまでという長丁場で、終盤には、座布団から立ち上がり遠くから将棋盤を見つめる“ひふみんアイ”を披露し、将棋ファンを沸かせる一幕もあったそうです。これを見ていた神崎健二八段が、自身のTwitterで「終盤戦の時間切迫局面で、立って後ろから見るのは、マナー違反」とつぶやいたら、これが炎上してしまって、神崎氏は自身のTwitterアカウントを非公開設定にするはめになってしまったのだそうです。
 2月17日には、第11回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の準決勝で、羽生善治竜王(47)と対戦する注目の一戦が控えています。藤井五段は「自分の力を出し切りたい」と意気込んでいるそうですが、永世七冠・国民栄誉賞の羽生さんとて、気合を入れて臨むでしょう。もし、仮に、難しいとは思いますが、この対局で藤井聡太五段が勝ち、更に同日中の決勝でも勝てば、史上最年少(15歳6ヶ月)での棋戦優勝となり、「全棋士参加棋戦優勝」の基準を満たして一挙六段に昇段するのだそうです。

■ 中学部活「平日2時間、週休2日」 スポーツ庁が指針案
 中学の運動部活動をめぐり、スポーツ庁は2018年1月16日、活動時間を「長くとも平日2時間、休日は3時間程度」とし、「週2日以上」の休養日を設けるガイドライン案を有識者会議に示しました。高校については「準用を期待する」としています。有識者会議はこの日、上限時間の設定をおおむね了承し、ガイドラインを3月に正式にまとめる予定とのことです。
 運動部活動は長過ぎるとけがのリスクが上がり、練習の効率も悪くなるうえ、教員の長時間勤務につながります。安倍政権が「働き方改革」を掲げるなかで、休みも無い過酷な教師の勤務実態が顕在化しました。このため、ガイドラインの骨子案は活動時間や休養日の目安を示し、「短時間に合理的な活動を行う」よう求めたのです。ただ、「相当に能力のある指導者でないと、野球では2時間で(練習を)収めるのは無理だ」(元プロ野球選手の小宮山悟委員)との意見も出たそうです。
 ガイドラインに法的な拘束力はありませんが、これを受けて各教育委員会や学校には内容を参考にした対策が求められます。教員が指導の質を上げるための研修や、外部から部活動指導員を積極的に導入することも検討されていくでしょう。顧問に部活動の毎月の活動計画や活動実績を校長に提出することを求める内容も入ったのですが、「教員の新たな負担になる」と指摘する委員もいたそうです。我々のように小学生の野球の場合は先生ではなく親や物好きのボランティアが指導しますが、大人並に体力が上がった中学生は逆に先生が顧問を勤める事例が多く、先生の負担は並大抵のことではありません。この問題は難しい、大変難しい、ボランティアでも相当能力の高い人でないと...
(2018年2月4日)


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