255  羽毛布団
 今盛岡に居ります。高校の同期会が盛岡の料亭「駒龍」で行われました。「古希を祝う会」という名称ですが、石川啄木や宮沢賢治を輩出した母校を卒業して早や50年となります。亡くなる人も出てきて、長寿化してきたとは言え、いつ何があってもおかしくない年齢になりました。「きりのよい」ところで、在京・盛岡の合同開催となりました。「駒龍」の経営者も同期で、盛岡随一の料亭なので、会費1万円は出精価格だそうです。しかも「田酒」が出ましたよ!そしてひと言どうしても言っておきたいこと、JRの「TRAIN SUITE 四季島」の朝食も頼まれている「駒龍」の自慢;ブランド米「金色の風」のおにぎりが出ましたが、そのおいしいこと、ビックリ、日本にこんなおいしいおにぎりがあったんだ、感動しました。そう言えば、「至高の一膳」に選ばれた「駒龍」の「金色の風御膳」…ご飯のお供:北三陸産濃厚塩うにと、とろろ香るのっぺい汁が付いて、ああ、日本に生まれて良かった、という食事です。
 「きりのよい」と書きましたが、「きり」は、切り・限り と書きます。意味は、区切り・切れ目・かぎり・はて・際限・・・区切りやすいところ、ということです。よく○○周年などということがありますね。次は喜寿でしょうから、7年後でしょうか。生きてるかなぁ

「駒龍」の「金色の風御膳」

■ 都道府県庁所在地で最も寒い盛岡市
 さて下の写真は盛岡市のホテルマンである田中さんという方が、厳寒の盛岡市・高松の池で撮った写真です。Facebookから頂戴しました。高松の池は白鳥の飛来地で、冬は凍結した湖面でスケートをしたものです。春は見事な桜の名所です。岩手大学や盛岡第一高等学校から歩いて行ける場所でした。写真左の左端の建物は盛岡誠桜高等学校です。ちなみに高松の池はほぼ湖面凍結しましたが、盛岡市は全国の都道府県庁所在地で最低気温を記録した都市です。盛岡駅近辺はそうでもないのですが、藪川という地区に岩洞湖というワカサギ釣りの名所があり、ここの1月は-20℃以下が珍しくありません。岩洞湖は標高680mですが、冬季の平均気温としては標高1200m台の群馬県草津や長野県菅平をも下回ります。-35℃を記録したこともあります。
 盛岡市内を流れる中津川にも白鳥が居て、盛岡市役所やいわて県民会館の脇に白鳥が舞う光景はなかなか贅沢です。白鳥の飛来地は他に御所湖の西安庭、我が生まれた地にたくさんの白鳥が集まっています。

12/2(土) まだ凍らない盛岡市・高松の池にて...白い岩手山との対照風景

1/10(水)朝、湖面凍結、小学生が「アフラック」と白鳥に向かって呼びかけて...

■ 首都圏雪景色
 2018年1月22日(月)は南岸低気圧により20cmを越える4年ぶりの大雪となりました。「いい夫婦の日割引」で、天然小さな旅川越温泉に行く予定はあえなく頓挫しました。東京もまるで雪国としか思えない光景になりました。翌日はいい天気でドンドン雪解け、筆者は自宅周りだけでなく、川越街道の横断歩道など、本来国土交通省担当部分まで除雪、必死の肉体労働で汗びっしょり、下着まで着替えました。腕は痛い、腰は痛い、大変でしたが、我が家の前の道路は通勤者が沢山歩く道なので、1日置いて凍ったら鏡になってしまうからです。さらに続く寒波が押し寄せて24日(水)は雪解けストップ、25日(木)朝は今季最強寒気の影響で強烈な冷え込みとなりました。東京・府中では観測史上1位となる−8.4℃を記録、東京は1970年以来48年振りの記録的な冷え込みとなりました。26日(金)朝はさいたま市でも−8℃を下回りました。南米ペルー沖の海域で海面水温が低くなる「ラニーニャ現象」も起きており、2〜3月も全国的に気温が低いとの予想です。しかし雪国で睫毛も凍る寒さの中で育った筆者は、冬は昼でも氷点下が当たり前(つまり真冬日)で、8度だと言えば-8℃というように、マイナスを付けないのが普通でしたから、別になんちゅうことはありません。
我が家の2Fから外を見ると...
 しかも26日にはホンマモンの雪国へ旅立ちました。もちろんスノーブーツ履きです。26日(金)は大宮駅で、はやぶさ・こまち19号を待ちましたが、大雪で山形方面へのつばさ号は運休、改札口の運休のお知らせボードの前で途方に暮れる乗客が気の毒でした。はやぶさ・こまち19号も5分遅れの表示、東京駅で折り返す上りの遅れが尾を引いているのでしょう。本来後に来るはずの金沢行きはくたか号の後、7分遅れで大宮出発、盛岡駅にも7分遅れで到着しましたから、遅れを取り戻せないということは、つまり精一杯走っているんでしょう。途中仙台にしか停車せず、大宮から盛岡まで1時間40分強、速いですね。盛岡は29日(月)まで真冬日の予報です。

■ 温泉を楽しむ
 今回の旅の主目的は27日(土)盛岡の料亭「駒龍」で行われた高校同期の「古希を祝う会」ですが、折角の岩手ですからを楽しまなければというので、毎度のことですが26日(金)は鶯宿温泉、28日(日)は繋温泉です。27日(土)は飲んだ後なので、多分「駒龍」の後で二次会に行くだろう、盛岡でそういう場所と言えば、盛岡市街中心部の「大通り」と言われる地区です。二次会の後でそのまま歩いて帰れるホテルにしようと考えました。いつもであれば盛岡駅に近いホテルなのですが、「大通り」近辺でこれまで泊まったことのあるところと言えば、ダイワロイネットホテルか、北ホテルか、小田島か...いろいろ考えているうちに、「そうだ!白鳥の田中さんのホテルにしよう」と思い付きました。上の白鳥の写真を撮った人、Facebook繋がりです。初めて利用しましたが、実際、接客も良く、特に朝食が素晴らしいホテルでした。
 さて話を戻して26日(金)、はやぶさで盛岡駅到着、盛岡駅西口バスターミナルから繋温泉の前を通り、奥羽山脈の山懐の鶯宿温泉へ、いつもは長栄館ですが、今回は一人旅、高校後輩の社長が自ら運転するマイクロバスでホテル加賀助に向かいました。道路も真っ白、白銀の世界ですが、そんな美しい表現よりも、とにかく白くて白くて、モノクロの世界、よくぞ暮らしてるなぁという感じです。御所湖の水面もすべて凍結した上に雪が積もっています。途中の小学校では子供たちがグラウンド脇に築いた小山でスキーの授業をしていました。

白い御所湖、赤い繋大橋、黒い七ツ森がポコポコ、その向こうに冠雪岩手山

■ 鴬宿温泉ホテル加賀助に宿泊
 鴬宿温泉は定宿の長栄館ではなく、今回は一人旅でもあるし、高校後輩の経営するホテル加賀助に宿泊しました。2011年東日本大震災の年、在京盛岡広域産業人会の旅行で10月8日(土)30数名で宿泊して以来です。ここの湯はジョージョーと湯量たっぷりの掛け流し、26日(金)は檜風呂でした。二つ浴槽があって、高い浴槽と低い浴槽があります。どちらにも「熱かったら水を入れてください」と書いてあります。高い浴槽は手を入れた瞬間「熱っ」と慌てて手を抜きました。低い浴槽も熱い、しかし体が冷えてるんだろうと、湯を体にザーザー掛けているうちに段々熱さが緩んできて、恐る恐る入ったら、「あ、大丈夫だ」、入っているうちに別に熱くないと思えてきました。43℃ぐらいかな。たっぷり体を温めて再度高い浴槽に挑戦、しかし熱い!熱過ぎる、水道の蛇口を開けました。すると後から入ってきたオジサンが、体流した後いきなり低い浴槽にザブンと入り、高い浴槽の水道の蛇口を開けた筆者を見て、やおら「熱いですか」と低い浴槽を出て高い浴槽にザブンと入るや、湯をジャブジャブかき回します。その様子を見て、ここで入らなければオトコがすたると浴槽に身を沈めました。「ア、アツイ!」ガマン、我慢、うろたえたらオトコがすたる、そして世間話、どうやらこのオジサン、4歳下で、30分で鶯宿温泉に来れると言うから地元の人です。「九州の温泉はぬる過ぎる、霧島はまあまあだけど」、「道後温泉はここと同じくらいで熱くて良い」とか、別府から湯布院、草津、バンバン話が駆け巡る、筆者と話が合わせられるとはかなりの温泉オタクとみました。雫石の名湯網張温泉がぬるくなったと嘆きます。湯が熱いという宿泊客の声に応えて、温度を下げたのだそうです。お客様は神様ですからね。オジサンが言うには、たまにしか来ない客のために折角の良い湯をモッタイナイと言うのです。それも道理です。その割に筆者より早くさっさと上がって行きました。こんなイイ湯にモッタイナイと長湯する筆者、しかし加賀助の湯はたぶん8割以上の人が熱いと言うでしょう。温度の専門メーカーに40年以上勤めた筆者の感覚では46℃はありますね。

■ 熱いはぬるくできる
 毎日ふじみ野市のエコパで41℃の湯に入っていますが、加賀助の湯は熱過ぎる、源泉掛け流しの湯を水で薄めるのは邪道、その時点で源泉掛け流しとは言えなくなるからです。しかし考えようでは、ぬる湯は熱くできませんが、熱湯はぬるくできますから、どんな人にも入ってもらえるという意味ではこれが合理的なのかもしれませんね。余談ですがふじみ野市の真名井の湯には36℃の浴槽があります。不感温度と言って、熱くもぬるくもなく最もリラックスできるのだそうです。
 23時から1時間男女入れ替えがあります。午前4時にお風呂に行ったら今度は大理石風呂でサウナもありました。一番お客様の多い土曜日に男が大理石風呂なのでしょう。こちらは浴槽が広くて水を加えても温度を下げるのは時間がかかりそうですが、檜風呂の低い浴槽程度の温度なので筆者は大丈夫でした。ちなみに加賀助の湯は細かい湯花です。そして気付きました!この湯から上がると湯冷めしません。外は零下の真冬日なのに部屋の暖房を入れませんでした。

加賀助の檜風呂の低い浴槽、左に見えないが高い浴槽有り

■ 羽毛布団で寝ています
 以前は綿の布団で寝ていました。温泉オタクの我が夫婦は北国の温泉に行くことが多いのですが、寒い北国の宿でも大抵布団は羽毛布団一枚です。ホテル加賀助も外気温は−8℃ぐらいかなと思いますが、羽毛布団一枚です。これじゃあ寒いんじゃないの?と思うかもしれませんが、どうして、そんなことありません。加賀助の湯が保湿効果のある湯冷めしにくい湯ということもありますが、羽毛布団は暖かいのです。そこで、連れ合いが羽毛布団を買おうと言い出しました。そして売り場に見にいったら、ナント!値段がすごく幅があります。十数万円のもあります。「どうせ買うんなら高いほうが良いんじゃないの?」と言いました。老い先短いと、言うことに余裕が出るんですね。どうせあと少しなんだから、と言うことで、飲む酒もいい酒になるし...
 というわけで、正月に娘と息子夫婦がやってきて大人6人で飲んだ酒を下に載せました。日本酒ツウなら分かりますね?一晩でチョット飲み過ぎ。

■ 羽毛布団はなぜ暖かいか
 確かに羽毛布団は暖かい!というか、暑いくらいです。すると空気調和や熱でメシ食ってきたなりわいがむらむらと鎌首もたげて、なぜ?どうして?という探究心が湧いて来たのです。ただこの原理はちょっと考えると容易に分かります。まず基本的に「空気は熱伝導率が低い」ということに注目してください。鉄とか水は熱伝導率が高いので温まりやすく冷めやすいのですが、空気を暖めたり冷やすのは大変なエネルギーを要します。だから「空気調和」というのはビジネスになるのです。今や省エネ住宅は窓ガラスが二重構造(ペアガラス)になっています。ステンレスポットはステンレスを二重構造にしてその間を真空にして断熱していますが、ペアガラスは空気で断熱しています。熱伝導率が低い空気は断熱材になるわけです。逆に一旦暖めれば冷めにくいということです。次に「人間の体は化学工場である」ということに注目してください。人間は食べて、飲んで、呼吸して、体内で化学反応でエネルギーを作り出し、体温を一定に保ち、余分なものを排泄して生きています。

■ 寒かったらサンドイッチで...
 羽毛布団は暖かいですが、真冬に羽毛布団を掛けたとき最初にヒヤッとする事がありますよね。綿の掛布団の時は、体の上にタオルケット、その上に毛布、そして布団が主流でしたが、寒い時は重いくらいでした。羽毛布団ではこの順序で掛けたとしても、本来の暖かさを十分に発揮することはできません。では、体 → 羽毛布団 → 毛布の順で掛ければ良いのでしょうか?悪いとは言いませんが、厳密にはやめたほうが良いでしょう。その理由は羽毛布団の暖かさの原理を理解すると分かります。羽毛自体が熱を持っているとか発熱するわけではありません。熱の原因は私たち自身の体からの発熱です。夏の暑い時に、うちわや扇風機で仰ぐのは、体の表面に滞留する体温で温まった空気をうちわや扇風機の気流で除去して、涼しくしているのです。
 ならば冬はその逆をやれば良いわけですね。体表面の空気の流れを抑えれば暖かいという事です。羽毛布団はダウンなどの毛を使っていてフワフワです。フワフワということは空気がたくさんあるということです。羽毛布団の中に温まった空気を閉じ込めるので、温まった熱が逃げにくいのです。となれば、羽毛に対しては体を接触させて体温を羽毛の周りの空気に移す必要があります。だから、羽毛布団に体を密着させる必要があるのです。羽毛布団の上に毛布を掛けると、羽毛布団が上から押しつぶされる形になります。せっかくの暖かい空気の層が潰れてしまうのは勿体ないですよね。というわけで、究極の断熱法ですが、人間は寝たときの暖かさの70%は敷布団によるので、毛布を上ではなく、体の下に敷いて、敷布団にするのが最強です!!暖かい毛布と超暖かい羽毛布団で挟んで、体をサンドイッチしてしまいましょう!
これは何でしょう?右端は鷲の尾のしぼりたて原酒、要冷蔵。四合瓶の田酒は幻の酒です TV画面は箱根駅伝

■ 羽毛布団をぺしゃんこに
 朝起きたら羽毛布団をぺしゃんこにしたほうが良いという話を聞きます。これは人間が寝ている間に発熱すると共に、発汗していて、体表からの水分を含んだ空気が羽毛布団の中に滞留しているので、これを追い出したほうが良いというわけです。起きたら羽毛布団の上に身体を投げ出して、プシューとしましょう。

■ セーターはなぜ暖かいか
 ところでセーターを着ると暖かい理由は、羽毛布団とは理由が異なります。カシミヤなどの素材が体表から発散される水蒸気を捕らえ、これが発熱するからなのです。水が発熱する?冗談でしょう。いいえ、ジョーダンではありません。大気中の水分子は、常に運動している訳ですが、これが繊維に吸着した段階で、身動きとれなくなってこの運動エネルギーが熱に変換されて発熱という現象が起こるのです。熱力学では「エネルギー保存の法則」というものがあり、水分子がカシミヤ繊維に捕らえられると動けなくなって、運動エネルギーが熱エネルギーに転換されるのです。摩擦熱などもこの法則で説明されます。この熱を吸着熱と呼びますが、カシミアの場合、多くの水分を吸収し、また、より多く空気を含めますので、水分から生まれた熱が体温からの伝熱と相まって空気を暖め、閉じ込める効果があるので、カシミアのセーターは暖かいわけです。これが綿やポリエステルだとこうはなりません。

■ チョレイ!
 日本卓球も世代交代の波が押し寄せています。14歳の張本智和選手が男子日本一に、17歳の伊藤美誠選手が昨年チャンピオンの同齢・平野美宇選手を破って女子日本一に、どちらも「チョレイ!」と掛け声...日曜朝TBSサンデーモーニングでアッパレ!、カツ!の張本 勲さんが、同姓の若いチャンピオンに「ウルサイよね、気が弱いから自分にカツを入れるために大きな声を出すのよ、強い選手は吠えませんからね」と言いました。まあそうかもしれませんが、実は卓球では小学生から高校生では大きな声で自分にカツを入れる選手が多いのです。大人になると段々静かになるのは、恥ずかしくなるからでしょう。実は人間とはそういうものなのだと思います。だから「チョレイ!」できる若さを卓球ファンも好意的に受け止める人が多いのではないでしょうか。今やテニスでもずいぶんウルサイ試合が増えましたよ。福原愛ちゃんの「サー!」なんか可愛かったですね。ところで「チョレイ!」の意味は?と話題になりましたが、どことなく中国語のような感じがします。しかし実は何語でもないというのが真実なのだそうです。筆者の説を述べましょう。思い切った時の掛声は「ソウレイ!」ですね。張本の張、チョウとソウレイ!で「チョウレイ!」、抜けた字は「ウソ」、「チョウレイ!」から間抜けすれば切れ味鋭く「チョレイ!」・・・いかがでしょうか?

■ シラスウナギ不漁
 今年は日本でのシラスウナギ漁獲が記録的に少ないということで、鰻好きの人たちが心配しています。半分とかそんなものではなく、1%とか3%とか、話にならない少なさだというのです。シラスウナギを養殖して成魚にするので、今年食べるうなぎは大丈夫ですが、来年以降のウナギが問題なわけです。この記録的不良の原因はなんでしょう。
 もともとニホンウナギは絶滅危惧種です。種の保存は喫緊の課題です。ウナギの産卵場所は長くナゾとされてきましたが、魚類学者の塚本勝巳さんたちが2006年、グアム島やマリアナ諸島西側のスルガ海山近辺であると突き止めました。しかしどうしてこんな遠くの深海まで行って卵を産み、稚魚のシラスウナギが黒潮に乗って延々日本までやってくるのか、謎は尽きません。謎だから減少の対策も分らない、唯一は漁獲制限です。それにしても今年のシラスウナギ不良は極端過ぎて説明が付きません。うなぎの産卵から養殖の研究は一応確立されています。ところが大量養殖する技術が未達なのだそうです。弱ったなぁ...

■ 草津白根山噴火
 2018年1月23日午前9時59分ごろ、群馬県北西部にある草津白根山の本白根山で噴火が発生、夥しい数の噴石が、シーズン真っただ中のスキー場に降り注ぎました。ゴンドラ目がけ、駆け下る噴煙を乗客が撮影した映像はすごかったですね。この噴火で、スキー場で訓練をしていた陸上自衛隊の隊員1人に石が当たって死亡、けが人も出ました。現場に居た人は「噴石がバババババババって飛んできて。もうそれは、ちっちゃくなるしかない。みんな悲鳴とか、自衛隊の人とか。雨あられっていうの、逃げるとこないもん。生きてて良かったっていう感じ」と恐怖の経験を話しました。噴火した場所は過去に噴火記録のある白根山の湯釜火口ではなく、約2.5km離れた本白根山の鏡池付近でした。過去噴火した記録がなかった本白根山だけに関係者は驚いたようです。火口からおよそ5km離れている草津温泉や居住地には、今のところ「噴石が届くおそれはない」との見解が示されていますが、観光客はさすがに触らぬ神に崇りなしと思うでしょうから心配ですね。

■ 秋田駒ケ岳の噴火が記憶に鮮明
 筆者は1970年9月17日早朝の秋田駒ケ岳の噴火をよく覚えています。大学3年生の頃、徹夜で勉強している最中にドカン、ボカン、ズッドーンという音がして、何だ?と思って飛び出たのですが、何も見えません。後で近所の人たちが集まって、駒ケ岳が噴火しているというので、西側の丘の上に登ったら、見えました!スゴイ噴火でした。秋田駒ケ岳は、秋田県仙北市と岩手県岩手郡雫石町に跨る活火山です。十和田八幡平国立公園の南端で、全国に数多い駒ヶ岳のなかで最も高山植物の豊富な山で、美しいお花畑があります。山頂部には北東−南西方向に2つのカルデラが並び、本峰の男岳(おだけ、1,623m)や南側の火口丘の女岳(めだけ、1,512m)、北側の寄生火山の男女岳(おなめだけ、女目岳とも書く、1,637m)から成っています。1970年には女岳が噴火し、ストロンボリ様式の噴火でした。噴火らしい噴火の無かった山なので、みんなビックリしました。夜などは花火のように綺麗でした。我が家から直線距離で20kmあるのに肉眼でも噴石がハッキリ見えたので、本白根山の噴火とはスケールが違い、家1軒分ぐらいの巨大な岩石がズッドーンと噴き上がる様は迫力がありました。ただ近辺に住居は無いので心配はしませんでした。長いこと噴火は続きました。秋田駒ケ岳最高峰は男女岳(女目岳、1637m)で、オナメとは古語で妾のことであり、中央部にある男岳が妾を持っているので、本妻の女岳が怒って噴火したのではないか、と言われました。ちなみに26日宿泊した雫石の鶯宿温泉には、男助山と女助山という山があります。男女の助平が居るわけですから、少子化対策になる気がしますね。全国助平サミットをやったら?と酒席で言ったら、町長に白い目で見られました。
(2018年1月28日)


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