247  品格
 早いもので、もう師走です。12月3日(日)は日比谷図書館文化館で「岩手大学三陸復興・地域創生推進機構首都圏向け報告会」が行われ、大変参考になりました。12月4日(月)は満月です。

■ 日馬富士引退
 渦中の横綱日馬富士が引退しました。貴乃花部屋の平幕、貴ノ岩への暴行問題の責任を取った形です。福岡県太宰府天満宮で開かれた引退記者会見で、目を赤くし涙ぐんだ伊勢ヶ濱親方、硬い表情で暗い目をした日馬富士、「申し訳ありませんでした」という親方の言葉とともに、20秒以上も頭を下げ続けました。「貴ノ岩関に思うことは?」との問いに、「ケガを負わせて、心も傷ついていると思う」とその状態を心配し、「礼儀と礼節を忘れず頑張っていただきたい」と締めくくると、長くフーッと息を吐きました。「酒の上か?」という問いには「お酒を飲んだからこその事件じゃない」と、強い口調で言い切りました。横で見守る伊勢ヶ浜親方は、途中からイライラ感を表に出し、不快感と怒りを露わにして、質問を遮りました。心の底で何故引退しなければならないのかという不満があり、それを導いたマスコミへの鬱積した憤懣が現れた形です。

■ 相撲界と世間の落差
 11月29日の引退表明会見で、日馬富士は「怖いね」と言い、伊勢ケ浜親方は「なぜこのようなことになったのか、不思議」と言いました。実はこれらの言葉の中に、相撲界と世間の言い知れぬ落差がある、と思いました。世間は「まだ相撲界では暴力沙汰があるのか」「しかも横綱が」と驚き呆れた事件なのですが、当事者側は「暴力そのもの」に対する考え方が違うようなのです。この差は決定的です。暴力であっても、それは「かわいがり」とか「愛のムチ」とか「指導」が形になって現れたもののようなのです。会見で感じたのは、相撲界に根強くはびこる「教育」という名の暴力を一掃することがいかに難しいか、ということです。日馬富士の口から「礼儀と礼節を忘れずに」とか「相撲道を極めて」という言葉が出ましたが、怪我を負わせた相手に謝罪会見で説教するようなことは言ってはならないことと思います。日本人はすぐ謝るのが国際的に見て異常と言われますが、ひたすら謝って事を大きくしないのが日本流です。ましてや「相撲道というのは何ぞや」と思わせる発言や、「お酒を飲んだからこその事件じゃない」とすればそっちのほうがもっと問題です。今回の事件に、私たち一般人が納得できる結末は果たしてあるのでしょうか?貴ノ岩も引退なんて事にならないか心配です。

■ 「白鵬が悪い」という意見を多く聞く
 この件でいろいろな人が話しているのを聞きましたが、最も大きい声は、「白鵬が悪い、白鵬の貴ノ岩への説教がすべての発端で、日馬富士が暴行したのは白鵬に対する貴ノ岩の態度に怒ったからだ」というものです。日馬富士は引退表明会見で貴ノ岩のことを「弟弟子」と表現しましたが、大相撲は「部屋」制で、部屋はひとつの家族であって親方がいて女将さんがいて弟子がいるという世界ですから、部屋が違う「弟弟子」などあり得ません。モンゴル出身の同郷であっても「弟弟子」とは言えない、ここに大きな勘違いがあります。いくらモンゴル仲間と言っても、他の部屋の力士を「弟弟子」にして説教したり「教育」してはいけないのです。ましてや肉体をぶつけあって戦う相撲のために鍛えた身体を暴力に使うのは、どんな理由があれ、許されません。

■ 事件の全貌
 協会危機管理委員会の高野利雄委員長(元名古屋高検検事長)によると、暴行があった夜の一次会終盤、まず白鵬が貴ノ岩の日頃の言動をとがめ説教、「日馬富士は貴ノ岩をかばい、その場を収めた」(高野委員長)というのです。当初伝えられていた話とはあべこべですね。白鵬は二次会でも貴ノ岩、さらには元大関照ノ富士の二人を相手に、説教を続行したというのです。その時に貴ノ岩の彼女からメールが来て、スマートフォンをいじっていたことで、日馬富士が激高し、『謝れ』と十数回平手で殴り、さらに貴ノ岩がにらみ返したためにエスカレートし、シャンパンのビンを振りかざしたが、スポッと滑って後方の壁に当たって落ちたので、カラオケのリモコンで頭を何度も殴打した、白鵬たち周りの力士たちは貴ノ岩の頭から出血するまで止めに入らなかったということです。鳥取県警の調べに対し、貴ノ岩は「説教されているので目を見ていただけです」と言っているそうです。

■ 「横綱の品格に関わる」と日本相撲協会がお灸
 前人未到の40度目の優勝を飾った白鵬ですが、かつてはやんちゃな朝青龍とは違って模範的横綱と言われていました。それが最近ではその尊大な立ち居振る舞いがたびたび批判されるようになりました。九州場所終了後の定例理事会に宮城野親方とともに呼び出され、相撲協会からお灸を据えられました。九州場所11日目に嘉風に敗れた際、「自ら物言いをつけて土俵下に居座って手を挙げて、1分も土俵に上がらなかった」こと、千秋楽の優勝インタビューで「うみを出し切って日馬富士関と貴ノ岩関の二人を再び土俵に上げてあげたい」と発言したこと、「観客に万歳三唱を促した」ことの3点について「横綱の品格に関わる」として厳重注意を受けたのです。「うみを出し切る」というのはどういう意味なのでしょう?横綱にそこまで言われたら日本相撲協会としては厳然たる対処が必要です。厳重注意で済む話ではありません。それも、もう何度目か?かつてこれほどたびたび厳重注意を受けた横綱は居ません。日本相撲協会の監督官庁である文科省に文教族として影響力多大な自民党の伊吹文明元衆院議長(79)は派閥会合で、日馬富士の暴行問題を巡る横綱白鵬の言動に関し「のりを超えている」と苦言を呈しました。「大横綱だから何でもできると思い上がっているのではないか。TPO(状況)がよく分かっていない」と批判し、「いずれ親方になり、日本相撲協会の運営にも携わるべき人だ。日本社会の在り方や秩序をわきまえなければいけない」と述べたそうです。

■ リーダーシップを発揮すべきトップが...
 八角理事長が2017年11月28日に十両以上の全力士を対象に行った講話の席で、白鵬は自ら発言を求め「貴乃花巡業部長を代えて欲しい、貴乃花巡業部長のもとでは巡業に出たくないというのが力士の総意だ」と発言していたことも判明しました。これに対し八角理事長は記者の質問に明言を避けましたが、「そういう要望は力士会で決議し、協会の経営協議会に諮ることがルールだ」と諭したというのが真相のようです。しかし八角理事長はどうしてそんなに弱腰なのでしょうか。「横綱の品格に関わる」として厳重注意をした3点の行動よりも、日本相撲協会にとってはこちらのほうが余程重大です。確かに朝青龍が暴力事件で引退後、大相撲を引っ張ってきた功労者ではありますが、例えば企業組織でそういう発言が出たらそれはストライキのようなものです。横綱は労働組合の委員長ではないわけですから、あの役員のもとでは仕事したくないと従業員みんな言っているとリーダーが言った場合、社長は組織を運営する責任者としてどうするでしょうか。「そっかー、じゃあ、あの役員は外すから仕事してね〜」と言いますか?現実には貴乃花親方を外して巡業をおこなっていますから白鵬の言うとおりにしているわけです。会社はピラミッド組織なので、普通の会社ならこういうことはありません。もしそんな社長なら役員は着いて来ません。組織の引き締めを図り、社長のリーダーシップを発揮します。テレビ出演した梅沢富美男さんは、「理事長は『うるせえから黙ってろ』と白鵬に怒るくらいじゃないと」と、場所後の注意にとどめたことに苦言を呈したそうです。日本相撲協会は建物の屋根に例えられます。ピラミッド組織ではなく、パルテノン神殿の柱が各部屋だとすれば、その上に乗っている屋根だというのです。今後柱がグラグラ揺れて、何本かが外れ、屋根が落ちるようなことが無ければ良いのですが...

■ 横綱の品格にもとる相撲
 白鵬の相撲については過去たびたび苦言を呈してきました。立ち合いに変化したり、「猫だまし」なんて奇妙な手を使ったり、「張り差し」、「かち上げ」、「ダメ押し」という三つの危険行為です。現実にコレで相手力士や審判に怪我をさせてきました。豪栄道を負傷(骨折)させたり、嘉風との相撲で審判の井筒親方が大怪我したり...勢いある若手力士に張り手をかまして横を向かせてすばやく差すとか、かち上げで相手を脳震盪状態にするとか、肘打ちまがいのかち上げを相手の顔にかまして骨折させる、勝負あって俵の外へ出て力を抜いた相手にダメ押しして控えの力士や審判の上に落とす行為など、まさしく横綱の品格にもとる相撲です。格下の力士が横綱に対してこういう相撲は普通取れません。ましてや「横綱相撲」には有り得ません。双葉山は立ち合い、相手に有利にさせておきながら勝つ横綱でした。「後の先(ごのせん)」という相撲なのだそうです。大鵬も張り手や変わり身など一切無い横綱でした。それでも勝つのが横綱なのです。大鵬を尊敬していた白鵬は、大鵬を訪ねた折、「横綱になったそのときから常に引退を考えていた」と言われたそうです。横綱というのは負けられない、勝つか引退しかないという気持ちで一番一番とっていたと言われたのです。大鵬のような大横綱でさえ引退を常に考えていたのかと分かって、以後白鵬はますます精進したのだそうです。しかし2012年に1ヶ月先輩の日馬富士が横綱になった頃から白鵬の相撲が変わってきました。2014年には鶴竜も横綱になり、勝つためには手段を選ばないようになってきたと思います。それはライバルが台頭してきて、負けられないという気持ちが「横綱相撲」を忘れさせたのかもしれません。

■ 潔さこそ大横綱の品格
 大鵬の連勝記録が「45」でストップした一番は「世紀の大誤審」と言われています。1969年3月の大阪場所が開幕するまで、横綱・大鵬は44連勝で、当時、双葉山の69連勝に次ぐ記録であり、戦後では最長でした。元小結・羽黒岩(2016年10月逝去)がまだ戸田という四股名を名乗っていた頃、2日目に前頭筆頭で大鵬と対戦し、一気の押し相撲、大鵬は回り込みながらはたく、立行司の22代式守伊之助は、戸田の右足が一瞬土俵の外に出て、蛇の目の砂を掃いたと見て大鵬に軍配を上げましたが、すぐに西方勝負審判を務めていた千賀ノ浦(元大関・栃光)から物言いがつき、正面審判長の春日野(元横綱栃錦、審判部長)は「戸田の足が出た」と言いましたが、他の4人の勝負審判全員がそれを見落としていたため、協議の結果、行司差し違えで戸田の勝ちとなり、大鵬の連勝は45で終わってしまいました。自分の足が先に出たと思っていた戸田は大金星を挙げたわけです。ところがテレビ中継の画面では、伊之助の軍配通り、戸田の足が先に出ていたことがはっきりと映ったため抗議の電話が殺到しました。翌日の新聞各紙が掲載した決定的瞬間の写真でも戸田の足が先に出ていたことがわかりました。当時の武蔵川理事長(元前頭・出羽ノ花)は「カメラでは到底正確に相撲を捉えることはできない」と強気のコメントを出しましたが、客足は急速に遠のき、4日目には3000人を割ってしまいました。しかも、大鵬は急性肺炎のために5日目から休場し、人気急上昇中だった新鋭の花田(後の大関・貴ノ花)も急性上気道炎で場所中に2回も途中休場しました。そうした事態に協会は慌て、武蔵川理事長は急遽9日目に、「夏場所(5月場所)からビデオを勝負判定の参考にする」と発表したのです。ビデオの採用は、実は日本のスポーツ界では大相撲が最も早かったのですが、それを促したのがこの歴史的誤審だったのです。後で大鵬はこの一番について聞かれて、「誰が見ても勝負がハッキリしているのが横綱の相撲です」と言いました。このいさぎよさが大横綱の品格というものです。

■ 半チャンラーメン衰退
 「東洋経済」に「半チャンラーメンが静かに衰退している理由」という記事が載っていました。ラーメンファンの間では、「半チャンラーメンの聖地」として神保町が有名なのだそうですが、神保町と言えば「本の街」ですね。「半チャンラーメン」の元祖といっていい「さぶちゃん」が閉店してしまったのは、「町中華」の凋落を象徴しているようだ、というのです。店主の高齢化が進み、後継者探しも難しく、長時間労働となると閉店もやむなしというところですが、我がまちでも昔ながらの「町中華」の閉店は相次いでいます。
 半チャンラーメンの起源には諸説あるそうですが、実は「半ちゃんラーメン」(「ちゃん」はひらがな表記)は、大手チェーンの「幸楽苑」が商標登録しています。幸楽苑のウェブサイトによれば、「半ちゃんラーメン」のネーミングは、現社長の新井田傅氏が郡山市に出店した当時、麻雀帰りのお客の会話がヒントとなり生まれたそうです。「半荘(はんちゃん)」というのは麻雀の1局の半分を指し、響きが良い言葉だというところから、半チャーハンとラーメンの組合せを「半ちゃんラーメン」という名前で幸楽苑がメニューとして発案したそうです。町中華の凋落とともに、「半チャンラーメン」は「幸楽苑」の独壇場になってしまうかもしれない、と「東洋経済」の記事は締めくくっていました。

■ 丸鶴移転、ラーメン¥200→¥450
 187『麺目躍如』(2016年10月9日)で紹介した¥200ラーメンの丸鶴が8月末で店を閉め、数百m移動して11月1日新規開店しました。川越市藤間878から川越市寺尾901-7への引越しです。坂の上から坂の下へ、というところです。寺尾は先日紹介したとおり、水害で大変だったところですが、丸鶴の引越し先は東武東上線の線路に近いところなので、ここまでは内水は来ません。とんかつの「かつ一」とラーメンの「めん一」という同じ造りの店が並んで仲良く営業していましたが、「めん一」が昨年いっぱいで店を閉めました。多分兄弟姉妹だったんでしょう。
 新店舗は前に比べて広いし、駐車場が広くて車も停めやすい場所です。お客さんがたくさん来ても、老夫婦ではさばききれないでしょう。この新開店は無謀じゃないかなぁ?¥200ラーメンは話の種になるけどねぇ・・・

ラーメン丸鶴の新店舗、右隣が「かつ一」、道を右へ行くとすぐ東武東上線で、線路下をくぐって川越街道へ

■ 日高屋と幸楽苑
 ラーメンが450円になっても十分安いけれど、日高屋とか幸楽苑もあるし...と懸念するわけです。そうはいっても「町中華」の弊店が相次ぐ中で、あのトシでなお新規開店する丸鶴老夫婦の意欲はアッパレと言うほか言葉がありません。長年¥200ラーメンを続けてきた矜持が透けて見えます。ただラーメン屋というのは他の食の業態に比べて盛衰が激しく、つぶれる店が多いのも事実です。ラーメン通の間で、ふじみ野市で人気ナンバー1であった「田家ふくふく」でさえ閉店しました。ラーメンオタクである我が娘は、かつて「日高屋や幸楽苑のラーメン食べるくらいならカップラーメンのほうがマシ」とひどいことを言ってましたが、その理由はスープでした。人工調味料の味がすると言うのです。幸楽苑も反省してか、2015年5月26日をもって¥290ラーメンを廃止して最安¥390(税込み¥421)にした他、味噌野菜らーめんや五目うま煮らーめん、豚バラチャーシューめんなどの新メニューで客単価を上げようと必死です。また餃子無料クーポンをスマホに配信するなど、集客作戦も盛んです。ただ業績好調のハイディ日高に2016年、売上高でついに追い越され、利益率では前から圧倒的差をつけられている理由はその立店政策にもあると思われます。日高屋は家賃の高い駅前にあり、駐車場は無く、店舗も小さい店が多いのに対し、幸楽苑は郊外型で大型店舗、駐車場も広いです。日高屋は「ちょい飲み日高」という新語が生まれたように、安いアルコールが大ヒット、車の来店客が多い幸楽苑では飲んでる客が少ないのに、日高屋では昼間から飲んでる老人も居ます。また日高屋は駅前なのでカウンター席が多く、牛丼屋と似た形態です。したがって客の回転が早く空席も少ないのです。カウンター席ですから必然的に「ちょい飲み」になります。日高屋は立ち飲み屋もやっています。そもそもラーメン屋と牛丼屋は来客形態が同じようなもので、お一人様来店客が多いのです。吉野家が「吉呑み」をヒットさせたのは「ちょい飲み日高」と共通の理由です。なんと、うどんのなか卯も「呑み卯」というちょい呑みを始めました。卯呑みではネーミングが悪いからでしょうね。ビール初め、ドリンクすべて¥280です。

■ 利益で苦戦する幸楽苑
 幸楽苑は郊外型なので4人席のテーブルが多く、カウンター席は少なく、駐車場も広い、空き席が多くなり、飲む客も少ないので、駅前の日高屋より結局地代家賃が高くなってしまいます。利益は売上高から材料費や販管費を引いたものです。材料費は日高屋も幸楽苑もそう差があるとは思えません。粗利が同じなのに最終利益で差が出る理由は販管費にあるはずです。人件費と経費、なかでも大きな割合を占めるのは地代家賃のはずです。我が家の近くの幸楽苑は、お母さんたちだけで運営していて、そんなに人件費が高いとは思えません。結構お客さんは入っていますが、4人席は2人客が多いので、あまり混んでる感がありません。チャーハンや野菜炒めを作るローリングマシンなど感動的ですね。中華鍋を振るのは重労働で、屈強な男でなければできません。ああいう機械があるからお母さんたちだけで運営できるんですね。調理はすべてタイマーで管理されています。すると日高屋との差は?そう、地代家賃と客の回転率、「ちょい飲み」の売り上げの差でしょう。
 ただ幸楽苑の名誉のために言っておきます。日高屋のラーメンは美味しいとは言い難いですが、幸楽苑のらーめんは美味しいですよ。¥390らーめんはともかく、味噌野菜らーめんや五目うま煮らーめん、豚バラチャーシューめんはおいしいです。

■ 肉肉街道
 2017年11月10日、幸楽苑ホールディングスはラーメン店など561店舗のうち1割弱にあたる52店舗の閉鎖を発表しました。同社は先立つ今年10月、立ち食い形式のステーキ店「いきなり!ステーキ」を展開するペッパーフードサービスとフランチャイズ契約を結んで「いきなり!ステーキ」のフランチャイズ1号店を福島市にオープンさせると発表しました。なぜステーキ店への業態転換を急ぐのか、実はステーキ店は飛ぶ鳥を落とす勢いで成長しているのです。
 3回前に紹介しましたが、我が家の面する川越街道のリンガーハット(長崎ちゃんぽん)が廃業し、「東京トンテキ×ステーキの王様」になりました。すし銚子丸は何になるかと思ったら、「ステーキハウス・ブロンコビリー」になりました。向かいには「ステーキの宮」があり、並びにはまだ開店してそれほど経っていない「炭火焼肉・京雅(みやび)」があります。近辺には肉関係だけで、「焼肉きんぐ」、「安楽亭」、「びっくりドンキー」、「焼肉さんあい」、「牛国屋」、「炭火焼肉酒家・牛角」、「凱旋門」があり、「とんかつとんQ]や「かつ庵」などもあります。まさしく、国道254号線(川越街道)の肉肉街道です。ラーメンや寿司のような糖質系を避けて肉好きの人が増えたのでしょう。半チャンラーメンが衰退したのも、チャーハンとラーメンというダブル炭水化物が、糖質制限志向の人から敬遠されたのだと思います。

■ 飲食業界のパクリ商法は当たり前
 「いきなり!ステーキ」が大ヒットしている理由は「立ち食い」だからと思われます。ステーキを立ち食いするという発想は斬新です。立ち食いなら場所もとらず客回転率も高い、回転率が高いとかタクトタイムが短いというのはサービス業でも製造業でも、もうかりの基本なのです。
 とんかつ店チェーン「かつや」を主力とするアークランドサービスホールディングスが、外食大手のすかいらーくを相手取り、東京地裁に仮処分を申し立てました。問題になっているのは、すかいらーくが今年10月からチェーン展開を始めた唐揚げ専門店「からよし」です。アークランドが2014年から首都圏を中心に約30店を運営する唐揚げ専門店「からやま」と似ている点が多いとして、不正競争防止法に基づいた店名の使用中止などを求めているのです。普通に見てパクリですね。実は法廷闘争にはなっていないものの、とんかつ店「かつや」業態も、すかいらーくに模倣されているという認識があるはずです。すかいらーくがその「かつや」を彷彿とさせる、とんかつ店「とんから亭」の第1号店を埼玉県草加市にオープンさせたのは2016年6月、テイクアウト専用コーナー(かつ弁)の併設、店舗・建物形状、「メニュー」(とんかつのグラム数=80グラム・120グラム)、商品名(梅・竹・ダブル)、割り干し大根のサービス、100円割引チケットの配布など、「かつや」そっくりだからです。我が家の近くに新しくできた「かつ庵」も「かつや」そっくりです。こちらは「すき家」のゼンショーみたいですね。まだゼンショーグループのブランドには入っていません。おそらく実験的段階なのでしょう。1軒隣がはま寿司です。この業界のパクリ商法は当たり前みたいですね。もう「品格」も何もあったもんじゃありません。

■ 株価上昇
 前回触れたポーラの株価ですが、投資やマネーの総合情報サイト-Yahoo!ファイナンスで見ると、(株)ポーラ・オルビスホールディングス(4927)の2017年12月1日(金)の株価終値は4,120円、過去1年のトレンドは右チャートです。スゴイと思いませんか?1年で倍増です。
 化粧品業界はポーラに限らず絶好調、業界4位のポーラは高級品のポーラ、通販のオルビスが2大ブランドです。連結当期利益で2016年12月期17,447百万円、2015年12月期14,095百万円、2014年12月期10,382百万円、グイグイ増益です。2千株保有の株主がいたとしたら、1年で4百万円、株資産が増えたことになります。製造業などでも株価急上昇銘柄続出です。

ポーラの株価1年で倍増
(2017年12月4日)


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