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 朝日新聞社主催の新春恒例「現代書道二十人展」を見に行きました。今年で第60回を迎えました。例年上野松坂屋で行われてきましたが、今年は日本橋高島屋8階ホールで、1月2日〜7日の会期でした。現代書壇を代表する書家20人が会派を超えて新作を発表する展示会です。
 この後、大阪高島屋、名古屋・松坂屋美術館を巡回します。書が好きな人には行きたくてたまらない書道展です。遠い方は大変ですね。

我が家の玄関に飾ってある八幡平市の書家瀬川幸子さんから頂いた色紙
 出品書家は新井光風、池田桂鳳、井茂圭洞、石飛博光、江口大象、尾崎蒼石、角元正燦、河野隆、杭迫柏樹、黒田賢一、小山やす子、高木聖雨、高木厚人、樽本樹邨、土橋靖子、原田玉童、星弘道、真神巍堂、横山煌平、吉川美恵子(50音順、敬称略)の各氏でした。
 第60回の記念展となる今回は、還暦を記念して歴代の出品作家から出品回数の多い村上三島ら、歴代の巨匠15人(ほとんどが故人)の作品も特別展示されていました。

■ 大東文化大学
 この展示会で目に付いたのは大東文化大学の先生が多いことです。これだけ有名書家が大東文化大学に揃っているということは、この大学は書道に強い大学なんだなと、目からうろこでした。そんなことも知らないのか、と言われそうですが、板橋区高島平のキャンパスには行ったことがあるし、我が仕事場の地元だけに知り合いの企業があってよく周辺を歩き回っていました。先般の東日本大震災で生家を流された岩手県宮古市の年下の従弟が通っていて、3、4年次は埼玉県東松山市のキャンパスに移りました。こども動物自然公園の向かいで、子供連れで良く行きましたが、東武東上線高坂駅から物見山〜鳩山ニュータウンに向かう急坂を、例の緑とオレンジのユニフォームで大東文化大学の駅伝選手がトレーニングしていました。この大学は大正期における日本の政治・経済・社会・文化の近代化の過程で見られた西洋偏重の傾向を是正し、漢学を中心とする東洋文化の振興を図ろうという目的で設立された大東文化学院が起源です。書道教育には力を入れており、多くの書家や研究者を輩出しているそうです。1969年(昭和44年)4月に大東文化書道文化センター(後の書道研究所)を開設し、日本で唯一の書道専門機関となっています。
 右の額は1991年に亡くなった連れ合いの母の切り絵に、2010年に亡くなった父が「春がきた お花がさいた」と仮名書きを添えたものです。宝物です。

我が家の玄関に飾ってある今は亡き父母の共作

■ 戦後初、年初から連続5日株価下落
 今年の世界市場は、中国経済の先行き不安やイラン・サウジアラビアの対立、北朝鮮の「水爆実験」発表など、不安定要因が相次いだことで投資家の心理が悪化し、年初から大幅に下落しました。日経平均株価は5日間で計1,335円値下がりし、アジアや欧米株も軒並み下落しました。東京株式市場は、中国の景気減速や原油安に対する警戒感から、日経平均株価の8日の終値は1万7,697円と、昨年9月30日以来、約3ヶ月ぶりの安値となりました。日経平均株価が年明けから5日連続で下落するのは、戦後の1949年に東京証券取引所が再開して以来初めてだそうです。
 原油安で財政が悪化した産油国が、政府系ファンドの資金を株式市場から急速に引き揚げているので、原油安が止まらなければ、日経平均株価の1万7千円割れもあり得るでしょう。筆者予想は従来から書いているように、そこから反転して2万2千円ぐらいまで行くのではないか、ということです。上がるためには一旦下げて、上昇のエネルギーを蓄えなければならないのです。
 外国為替市場の円相場は、ちょっと前まで123円/USドルぐらいだったのに、中国リスクだけでなく、北朝鮮や中東の地政学リスクに直面して、年明けからリスク回避の流れが優勢となって、「円買い・ユーロ売り・ドル買い」の流れが強まりました。米国の利上げ以降、資源国通貨売りの流れが加わって更に加速しました。ドル円は117円前半まで下落し、ユーロドルは1.09半ばまで上昇しました。また、週末に発表された米国雇用統計が市場予想より良い結果を受けて、発表直後はドルが大きく買われたものの、やはりリスク回避の流れとなって戻ってしまいました。リスク回避の流れが強まると円高、ドル高となり、株のようなリスク資産は売却する方向になります。

■ 冬鳥の食べる実
 冬に鳥の食べ物になる実の成る木はたくさんありますが、我が旧家でもツゲやナンテン、アオキ、ナナカマドに鳥がたくさん来ました。そのフンからいろいろな場所で新たな芽が出るのです。新居では夏ミカンの若芽を小鳥がついばみます。

正月はなんてんの赤い実が鮮やかです

■ 米国の気を引きたい北朝鮮、幹部らの交通事故死が相次ぐ
 北朝鮮の水爆(?)実験、困ったものです。狙いは米国の気を引くことです。金正恩第一書記の側近の一人だった金養建政治局員兼書記(73歳)が交通事故死しました。北朝鮮では幹部らの交通事故死は珍しいことではありませんが、珍しくないこと自体がそもそも???ですね。そもそも交通事故死自体がなかなか無いことなのですから、交通事故死=消されたと考えるのが素直でしょう。金正恩体制になってから父の側近だった人たちが次々いなくなっています。

■ スンニ派とシーア派、野蛮な処刑をやめさせるべき
 サウジアラビアがニムル師を処刑したことに怒ったイランの人々が、テヘランでのシーア派民衆の抗議デモにつながり、テヘランのサウジ大使館が放火されたことから、サウジはイランとの外交関係断絶を発表しました。続いて、クウェートは駐イラン大使を召還、バーレーンはイラン行きの直行便を停止するなど、サウジに同調する動きを見せています。今回のサウジ・イラン危機の根底には、中東でイランの影響力が強まることに対するサウジや湾岸諸国の反発があると思われます。スンニ派とシーア派の抗争については、41『晩秋〜初冬』(2013年12月1日)をご覧下さい。イラク戦争後の2006年にイラクで始まり、毎日のようにバグダッドで100体以上の惨殺された死体が路上で見つかるなど悲惨な状況となりました。それがISの前身である「イラク・イスラム国」が生まれる契機となりました。ISIS(自称イスラム国、別名ISIL)の戦闘員がアメリカ人ジャーナリストやイギリス人ボランティアの首をはねる映像がインターネットで流されましたが、実はこうした野蛮な処刑が日常的に行われている国がサウジアラビアなのです。処刑は通常、砂漠を猛烈な暑さが支配する前の午前中に、公共の広場で行われます。世界で今も「公開処刑」を行っているのはサウジアラビアとイラン、北朝鮮、ソマリアだけです。「ぶった切り広場」という恐ろしい別名の広場に連れてこられると、たいていの受刑者は気力を失い、極度の脱力感で抵抗もできなくなるそうです。公開処刑はサウジアラビアで、サッカーを除けば「唯一の大衆的娯楽」だと言われています。路上で警察官が処刑することもあるそうです。アメリカにとってアラブ圏で最大の同盟国のサウジアラビアですが、米国も人権を言うのなら、こうした野蛮な処刑をやめさせるべきでしょう。死刑は、殺人や麻薬、政治犯などに適用されます。罪も無いのに殺されている人も結構多いのでしょう。死刑は取り返しがつきません。
(2016年1月11日)


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