147 始皇帝と兵馬俑
元日の空は、雲ひとつ無い、快晴の青空です。右側の2階建て家屋は広い土地に建つこの一帯の地主さんです。左側の葉を落とした大きな樹木は国道254号線、いわゆる川越街道の中央分離帯の並木です。欅や銀杏、クスノキ、ヒマラヤスギなど落葉樹(広葉樹)と常緑樹(針葉樹)がミックスして植えられていますが、ヒマラヤスギは8階建てのビルぐらいの高さと思います。朝日は東から昇るので、川越街道が荒川に沿って南南東から北北西に走るのが写真から分かります。朝日が上がるとき、元旦の太陽方位角ですと、さいたま市の日の出時刻が6時51分25秒、その直後書斎でパソコンに向かっているときに朝日が射してきました。そこでスマホで撮影しました。川越街道に面したマンションと、ふじみ野駅前の高層マンションの細い隙間の底部がちょうど地平線近く、そこから真っ赤な大きな太陽が昇ってきました。2016年の夜明けです。 太陽が上がっていく様子を見ていると、地球が自転していることがハッキリ分かります。弧を描いて左下から右上方向に太陽が移動して行くのです。ドンドン太陽高度角が上がって行き、家の周囲四方とも隣の建物との間に広い空間がありますので、1、2階すべての部屋にお日様の光が降り注ぎます。昼前には冬でも暖房不要です。 ■ 始皇帝と大兵馬俑展 東京国立博物館平成館の特別展「始皇帝と大兵馬俑」を見に行きました。会期は2015年10月27日(火) 〜 2016年2月21日(日)で、この後、九州国立博物館:2016年3月15日(火)〜6月12日(日)、大阪・国立国際美術館:2016年7月5日(火)〜10月2日(日)と巡回します。主催は東京国立博物館、陝西省文物局、陝西省文物交流中心、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社で、後援:中国大使館、協賛:野崎印刷紙業、協力:全日本空輸です。公式ホームページは→http://heibayou.jp/ 紀元前221年に中国大陸を初めて統一した秦の始皇帝の巨大な陵墓近くに埋められた陶製の軍団「兵馬俑」を中心に、始皇帝と秦王朝にまつわる貴重な文物を一堂に展示する企画展です。1974年に発見されたこの史蹟は、20世紀最大の発見と言われます。今なお発掘調査が続く兵馬俑について、最新の調査成果も取り入れて紹介されています。会場は大混雑していました。ガラスの内部の展示物を見るために行列ができています。外国人もたくさん来ています。日本人も、いかにもインテリっぽい人たちだけです。中国人の親子も多かったですね。中国よりも上野のほうが見やすいのかもしれません。説明を聞くイヤホーンは入場料1600円とは別に520円取られ、各言語に対応しています。日本語の音声ガイドはナント!壇蜜でした。 ■ 各種兵馬俑の迫力に驚き
■ 始皇帝の野望と度量衡統一 あわせて、始皇帝を取り巻く軍事以外の面も紹介されています。2両の銅車馬は始皇帝が実際に乗ったと考えられる馬車を青銅で細部まで再現した模型です。展示されているのは銅車馬の複製品ですが、約6千もの部品と彩色まで完全に写し取った出来栄えは圧巻です。輿のなかにも施された彩色の文様は、始皇帝の生きていた頃そのものと推定されています。始皇帝はなぜ兵馬俑や銅車馬を陵墓の周囲に埋めさせたのでしょうか?その背景には、死後も皇帝として永遠に世界の支配を夢見ていた始皇帝の野望が垣間見えます。競合する国々を滅ぼし、中国で初めて各国の国王を超える存在となって、最初の皇帝すなわち「始皇帝」となりました。それまで国によって異なっていた度量衡(どりょうこう)、貨幣などを統一し、新たな支配体制を確立しました。こうした始皇帝による統一事業の数々が、出土した重りや量りなどの出土品によって紹介されています。物の取引きには体積や質量(昔は重量と言いました)が要なので、これの基準をきちんと定めることが肝腎と考えるあたりが始皇帝の偉さです。貨幣も丸銭に角穴のスタイルを確立して、これが日本にも伝わりました。 ■ 広大な上野の森 しばらくぶりの上野の森でした。JRや地下鉄の上野駅からJR鶯谷駅、地下鉄根津駅にかけての広大な敷地(総面積約53万平米)に、東京国立博物館、国立西洋美術館、国立科学博物館などの文化施設が集中して立地しています。また彫刻家高村光雲作の西郷隆盛像があります。改めて見て、立派だと感嘆しました。公園には上野動物園や不忍池(しのばずのいけ)もあります。この池は、春には池の畔、端に桜をはじめ、様々な花が咲き、夏には池の一部を覆い尽くすほどの蓮に覆われ、一面の緑の葉と桃色の蓮の花が美しく、冬には鴨をはじめとした数多くの種類の水鳥が飛来し、とても賑やかです。前にも紹介しましたが、今や海外からこの池に花見客が殺到します。公園内の正岡子規記念球場では少年野球のチームが大きな声で練習していました。正岡子規は、明治初期に日本に野球が紹介されて間もない頃の愛好者であり、1886年(明治19年)から1890年(明治23年)頃、この球場がある上野公園内で野球を楽しんでいたということから、この名前が冠せられました。公園中央の広場には、噴水の周りにズラリとチューリップの鉢植えが並び、12月だというのにチューリップが咲いています。外国人たちが喜んで、チューリップをバックに記念写真を撮っていました。どんな人種の人も、花が好きなんだなぁと微笑ましく思いました。これが平和なんですね。 ■ 上野恩賜公園の謂われ 江戸時代、三代将軍・徳川家光が江戸城の丑寅(北東)の方角、すなわち鬼門を封じるためにこの地に東叡山寛永寺を建てました。以来、寛永寺は芝の増上寺と並ぶ将軍家の墓所として権勢を誇りましたが、戊辰戦争で寛永寺に立てこもった旧幕府軍の彰義隊を新政府軍が包囲殲滅したため(上野戦争)、伽藍は焼失し、一帯は焼け野原と化しました。1870年、医学校と病院予定地として上野の森を視察した蘭医ボードウィンが、公園として残すよう日本政府に働きかけ、その結果1873年に日本初の公園に指定されたそうです。1924年、宮内省から東京市に払い下げられ、この経緯から「上野恩賜公園」という名称となりました。1973年 公園指定100周年を記念して、上野公園生みの親のボードウィン博士の銅像が建立されました。ところが顔がボードウィン博士の弟と取り違えられていたことがわかり、2006年、ボードウィン博士の銅像の、正しい顔への建て替えが行われました。 ■ 国立科学博物館屋外の実物大シロナガスクジラ
■ 上野動物園など8つの文化施設のパスポート、1/2から1万枚限定発売 東京国立博物館や上野動物園など8施設への入場券がパスポートになった共通入場券「UENO WELCOME PASSPORT」が、2016年1月2日から10,000冊限定で発売されます。文化施設を一度に楽しめるチケット企画は、上野では初めてとのこと。利用期間は2016年1月2日〜5月31日、価格は税込み2,000円。パスポートでは、東京国立博物館、国立科学博物館、上野動物園、東京都美術館など8施設へ各1回入場できます。利用各施設の窓口、上野観光連盟、エキュート上野などで購入できます。上野の文化施設が連携し、文化資源の宝庫である上野の潜在能力を発展させる「文化の杜」新構想では、パスポートのほか、ポータルサイトの立ち上げや文化芸術イベントの開催を企画しているとのこと。行ってみてわかるのはガイジンの多さ、アメ横などもガイジンだらけです。今後東京オリンピックに向けてますます外国人観光客の増加が見込まれますので、この種の共通入場券は、形を変えてドンドン発売されるものと思います。日本人にもチャンスですよ(^-^) 近くに住んでいて、秋葉原など頻繁に行っているのに、上野の森が久し振りなんて、地方の人から見たら怒られそうですね。 ■ 紅白歌合戦パス 今年は紅白歌合戦を途中まで見て、プロボクシング:WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦にチャンネルを切り替えました。昨年までは、ゆく年くる年を見て、年が明けてさだまさしを見て、というパターンでしたが、今年は「市川由紀乃と福田こうへいの出ない紅白なんて見てもしょうがない」と、井岡一翔の勝利を見て寝てしまいました。そう言えば、先ごろNHKで紅白歌合戦の年代別視聴率を紹介していましたが、驚いたことに若い世代が高く、高齢になるほど低くなるんですね。やはりNHKも考えていて、若い世代に見てもらえるように出演者も考えて選考していると言うことです。だから筆者のように見なくなるわけです。前年は北島三郎が卒業し、今度は森進一が卒業しました。これは当然の成り行きで、いい加減卒業してよという歌手は他にもいますね。子供も若者も楽しめる紅白とは素晴らしいことです。NHKも十分考えて構成していることに敬意を表します。 ■ 強い井岡一翔 さてそのプロボクシング:WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦ですが、王者井岡一翔(26)が前王者の同級2位ファンカルロス・レベコ(32=アルゼンチン)を11回1分57秒、左、右の強烈なボディー2発でTKOで破り、2度目の防衛に成功しました。4月に無敗の王者レベコと戦って判定となり、井岡2対レベコ0、引き分け1という僅差の勝利でタイトル奪取しました。レベコ陣営は判定についてWBAに不服申し立てを行うなど、結果に納得していなかったので今回の再戦となったわけですが、今回レベコは「KO負けなので言い訳できない」と完敗を認めました。敗者は「人生初のKO負け。ショックだ」と傷の目立つ顔で、井岡について「前回よりも強くなっていたし、アグレッシブだった。3回にみぞおちにもらったパンチのダメージから回復できなかった」と語りました。井岡一翔は史上最速世界3階級王者ですが、5年連続で大みそかを締め、2016年はいよいよフライ級4団体制覇を目指し、ビッグマッチへ弾みをつけました。文句無しに強いですね。 ■ 元日のスポーツ 元日のスポーツといえば、ニューイヤー駅伝と天皇杯全日本サッカー選手権大会決勝ですね。第60回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)は43チームが参加し、群馬県庁を発着点とする7区間、計100キロのコースで行われ、トヨタ自動車が2年連続3度目の優勝を果たしました。コニカミノルタは2区で小犬が飛び出して選手が転倒したことが響き2位でした。Hondaは最後にトヨタ自動車九州に抜かれ4位、自動車メーカー同士だけに口惜しかったでしょう。地元Hondaを応援していただけに残念でした。やはりスポーツはその時々に勢いのある会社が強いのは当然で、DeNAが日清食品や旭化成を抑えて初の5位入賞がこれを象徴していました。 トヨタ紡織陸上部の糟谷悟(かすやさとる)の走りには感動しました。箱根駅伝でも駒沢大学で3度も制覇したほどのアスリートで、実業団に入社してからも1年目にしてレギュラーを獲得するほどの選手でしたが、そんな中での悪性リンパ腫発症、8時間の大手術、懸命なリハビリを終えて、遂に2016年元日の上州路を走りました。4区で区間28位、昨年に続き区間賞、区間新のHonda設楽悠太(埼玉県越生出身で以前から応援しています)の1時間2分45秒に対し3分19秒遅れでしたが、真ん中よりちょっと後ぐらいの成績です。悪性リンパ腫と言えば手の打ちようの無い病気と言われます。それに打ち勝とうとする彼の頑張り、アッパレです。今後も応援しましょう。 第95回天皇杯全日本サッカー選手権大会決勝は、順当な2チームの決戦となり、浦和レッズ 1−2 ガンバ大阪でした。筆者の周りは真っ赤な服を着たレッズサポータだらけで、サッカーの話はしないことにしています。コワイんですよ、負けたら。ガンバ大阪は昨季に続く2連覇を達成し、4回目(前身の松下電器時代を含めると5回目)の優勝を果たしました。 (2016年1月1日) |