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ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領の間で非難の応酬、両国間の緊張が高まっています。対ISの問題と、対アサドの問題、トルコ・シリア国境を挟む民族問題など、複雑な事情が絡んでいます。ロシア爆撃機をトルコ空軍が撃墜したのがコトの発端です。プーチン大統領とエルドアン大統領のどちらとも親密な関係を築いている安倍首相の出番のような気もしますが、平和の国ニッポンとしては口を出さないほうが賢明ということもあるし... ■ マクドナルド閉店ラッシュ 我が家の直ぐ近くにマクドナルド;McDonaldがあります。以前はケンタッキーフライドチキンKFCでした。最近業績不振によりマクドナルドが閉店ラッシュです。ハンバーガーという商品そのものが消費者に飽きられたかと言いますと、「モスバーガー」を運営するモスフードサービスが好調ですからそんなことはありません。モスは原材料高のため、5月に主力のハンバーガー類を値上げしましたが、産地直送の野菜を使うなど品質を訴求して客足の落ち込みを食い止めたのです。注文を受けてから作るというやり方が、お客様から好感されたようです。新鮮さや『食の安全』という、手間のかかること、コストがかかることをあえて続けてきたことが評価されたわけです。外食産業における消費者とお店の関係を考える上で、これは注目です。 これまでたびたびマクドナルドについては採り上げて来ました。それは成功と凋落の歴史として、経営的な面で学ぶべきものを感じてのことです。2013年まで日本マクドナルドのCEOを務めていた原田泳幸氏は、一時的には業績をV字回復させましたが、また失速して、メキシコからのサラ・カサノバ氏に交替しました。しかし業績は落ちる一方です。 ■ 将来的な最大のライバルは回転寿司だった マックは商品の値上げを打ち出したかと思うと、今度は低価格商品を投入するなど、ダッチロールを繰り返しています。これまで「値段が高い」というイメージがあったモスバーガーと、マックとの価格が実はあまり変わらなくなっていることをお客様は見抜いたのです。それなら安全・安心のモスということになりますね。「マックは安い」というイメージは、実はスーパーの目玉商品のようなものなのです。年寄りはそういうものに釣られますが、ハンバーガーの客層は若者や若いファミリーです。 藤田田氏が率いて急成長した頃の若者は今や老人です。当時の藤田氏は、回転寿司を将来的な最大のライバルと見ていました。今考えると、スゴイ先見の明と言えます。世界的に和食がもてはやされ、テンプラ、サシミを箸で食べるのがオシャレという時代になりました。スキヤキとかラーメンも和食なんだそうですよ。グンバツで好評なのがスシですね。今やロンドンでもパリでもスシがクルクル回っているし、丸亀製麺のうどんを始め、日本の外食産業が海外進出して大賑わいです。 ■ 外食産業の構造変化 米国的ファストフードは手軽に高カロリーの食品を食べることでした。しかしそんな若者が高齢化し、老人になると生理的に高カロリーのものを受け付けなくなります。しかも量も食べられない、すると回転寿司というのは自分の好きなものを自分に見合う量だけ食べられる、年寄りはそちらへ足が向かいます。しかも食べ終わってみるとマックより客単価は高いのです。若者はドンドン減っていますから、ハンバーガー業界そのものがジリ貧で、マックはモスに負けて足許が侵食されているわけです。少子高齢化に伴う消費構造の変化は、スーパーがコンビニに負けているのと同じ構図で、外食産業にも到来しています。今やファストフードの店舗数はマックを抜いてサブウェイが世界一です。サブウェイのサンドイッチに使うレタスも、産地を明確にしてお客様に安全、安心をアピールしています。スタバが急激に伸びましたが、今や我が家の周りでも和製珈琲店の開店ラッシュです。喫茶店が無くなって、ドトールが出てきて、それもまた形を変えてきたということです。 ■ 老人が来るコンビニ さらに言えることは、セントラルキッチン方式で大量仕入れ、大量製造して、お店ではバイト店員でも接客できる「マクドナルド方式」が、一連の偽装などで「安全・安心」の面から疑われるようになり、目の前で作り、出すという対面キッチンが主流となりました。回転寿司もその一種ですし、リンガーハット、餃子の王将、丸亀製麺なども皆そうです。昔の中華屋さんやラーメン店の方式です。モスバーガーもそれにならったということで、手間をかける分高くなります。一時期のファミレスもセントラルキッチン方式で、見えない厨房で、「チン」して皿に並べるだけ、味で分かりました。それならコンビニで弁当買って「チン」したほうがいいや、ということになったわけです。 一時期百円コーヒーで賑わったマックの客も今やコンビニへ行きます。コンビニはネット注文したものを受け取ったり、チケット予約したり、ATMしたり、役所窓口代行までやるようになりました。近場なので老人が来店するようになりました。今や老人が来る店でないともうからないというのがトレンドとなりました。 ■ See you
■ 三菱リージョナルジェット(MRJ)
■ 国産ロケット(H2A)
■ 反イスラムを懸念 冒頭触れた対ISの問題、米カリフォルニア州で14人が殺害された銃乱射事件で射殺された容疑者夫婦の動機はテロだと米当局から発表されました。組織によるテロではなく、共鳴する個人によるテロだというのですから、これは世界中どこでも起きる可能性があります。日本でも今や電車の中には制服を来た警備員が常駐していますし、ものものしい警備状態になっています。ましてや来年の伊勢志摩サミットや、2020年の東京オリンピックに向けて、警備態勢はいっそう強化されるでしょう。 ただ、欧米では「反イスラム」という雰囲気を感じて心配です。イスラム教そのものは全く危険でも何でもありません。神を信じるというのは、自分の弱さを意識して、自らを正しい方向へ導こうとして神にすがるのではないでしょうか?キリスト教徒もアーメンと祈って、動物を殺して食う罪を神に許しを乞い、感謝して食べるように思います。すると、宗教というのは、自分の心を神というものに対峙して、ある方向へ導いているわけで、その方向というのがどちらを向いているのかが問題なのです。自爆テロなんて、日本人はできるでしょうか?神風特攻隊は神を信じてではありません。天皇陛下万歳です。すなわち神というのは自分の命を捧げるほどの存在なのです。 これから世界的にはイスラム教徒がどんどん増えると言われています。その人たちを敵に回したらとんでもないことになります。日本でハラール対応の食事や食べ物を提供するところが増えていることは喜ばしいことです。目には目を、テロには空爆を、と言った考え方は危険です。ベトナムやアフガニスタンでの経験で何を学んだのでしょう?米国で、銃による大量殺戮事件が起きるたび「銃規制」が叫ばれますが、逆に米国世論は「銃規制反対」の方向へ向かいます。彼らは、銃を持って悪人に対抗する、身を守るのは当然、世の中は悪い奴らが多い、銃は絶対必要だ、とこうなるのです。もしイスラムを信仰する人々が悪い奴らだと考える人間が銃を持ったらと思うとゾッとします。仏教はほとけ様を信じていますから穏やかです。日本人は神も仏も自分に都合よく考えるヒトが多くて、あまり強烈に宗教にすがる人は少ないのですが、オウム真理教始め、自分が正しいと思う方向が社会全体の方向と違っていた時、信者が取る行動は命をも顧みないので怖いですね。日本という国家としては、あくまで八方美人で行って欲しいと念願します。 (2015年12月6日) |