122  自殺

 いい加減時事問題から離れて、もう少し文化的な、または娯楽的な話題に触れたいのですが、今回はまた暗いテーマで申し訳ありません。前週の新幹線のぞみ車中での焼身自殺は、岩手県遠野市土淵出身の71歳の男によるものでした。以前自殺について書きました。日本は自殺が多い国ですが、韓国がまた凄い。ロシアがナンバー1だったでしょうか?

■ 岩手県矢巾町の中2いじめ自殺
 今度は岩手県矢巾町の村松亮君のいじめ自殺問題で、大変な騒ぎです。7月19日(日)に開催予定だった矢巾町の夏まつりは中止になりました→矢巾町からのお知らせ。しかも、矢巾町教育委員会の名をかたり、子供がいる家庭について訪問、電話をしている事案もありました。矢巾町教育委員会では、一切戸別訪問、電話等の問い合わせについては行っていないので、ご注意くださいと広報しています。いじめ自殺は軽々にコメントできない事案です。中学校長の事案に対する発言が報道されましたが、こういう場合の発言はものすごく難しいのです。事実に正直に向き合って発言したように受け止めましたが、遺族から見ればその正直さが無責任に思えますし、ニュース性を重視するマスコミから見れば「責任転嫁」とか「管理不行き届き」とか、どうしてもそういう方向に持って行きたくなります。校長は事実を淡々と話しただけでしょうし、教育長は精一杯真面目に応対しました。しかし、ゴシップ好きの週刊誌や、ネットに依存する2チャンネル族にはそんなことは通用しません。少年野球を24年やっている私の意見では、子供の一番近くに居て、一番長い時間接している両親が、異変に気付かなかったとすれば、問題を学校の教師に転嫁してはいけません。確かに今回の先生の対応には結果論として問題はありました。しかし、お父さん、お母さんが目一杯コミュニケーションしていれば、息子の苦しみは分かったはずです。生きるの死ぬのといった問題に、学校の担任が真剣に向き合えるか?今のサラリーマン先生に期待するほうが酷です。私が見るところ、熱血教師は10人に1人しかいません。だから少年野球のような地域ボランティア、それもおじいちゃんみたいな世代から怒られ、ほめられることは貴重なのです。尾木ママみたいな評論家は、もっと冷静にコメントすべきですね。矢巾町は叩かれ過ぎです。ましてやいじめたとされる少年の顔写真がネットで流布されるにいたっては、こちらのほうが余程卑劣ないじめではないですか?

■ いのちの電話
 筆者の妹の嫁ぎ先はカトリックでした。カトリックでは自殺は禁じられています。宗教を信ずると言うことは、何らか弱い自分を神の助けによって導いていただこうということでしょう。したがって信者は自殺しないのだと思います。「さんきのつぶやき」154『X'mas』(2005年12月26日)で、妹夫婦とクリスマスのミサに行ったことを書きました。司祭である土井勝吾神父様は宮城県女川出身の中村雅俊のおじさんだそうですが、その説教が印象的でした。「心の貧しい人は幸いである」というのです。なるほど、こういう宗教を信じていれば、他人への感謝、思いやりは自然に出てくるのだろうと思い、また自殺など考えないだろうと思いました。筆者の恩師はやはりカトリックの信者で、教会の皆さんと「いのちの電話」のボランティアをされていました。「死にたい」という人からの電話を受けて、その話を受け止めてあげて、自殺を思い止まってもらう活動です。「死にたい」という人は弧独なのです。だれかに話を聞いてもらいたいのです。説教しなくても、ハイ、ハイと受け止めてもらうだけで、心が安らぐのです。自殺を考えて、「助けて欲しい」と思っている人に気付いて、その話を聞いてあげることが大事なのです。村松亮君もノートに「死」を「市」や「氏」と書きました。間違ったわけでもふざけたわけでもありません。「死」が怖かったのです。担任の女教師は、まさか本当に「死」を考えているとは思わなかったから、見当違いのコメントをしたのでしょう。ノートではなく、話す、聞く、そう、会話が大事なのです。

■ ギリシャ危機の影響は予想外でした
 ギリシャ危機のような局面は、投資家には絶好のチャンスと書きましたが、その通りになったでしょう?ただしギリシャ債務問題がここまで深刻になるとは予想外でした。筆者自身は、年初にギリシャの政権交代でチプラス政権となってから、ギリシャとEUの間で一連の金融支援交渉が、ここまで大きくもつれるとは予想していませんでした。債権者側の中心であるドイツの財政状況が改善していることもあり、支援交渉は現実路線で穏当に進むとみていましたが、その見通しは甘かったと言わざるをえません。6月末からギリシャに対する金融支援交渉は急展開し、7月5日の同国における国民投票において、「緊縮反対」が多数派となったのは予想外でした。米欧の株式市場は調整を余儀なくされ、欧州株は4月半ばのピーク時から約10%も下落、米国株もほぼ年初の水準まで調整しました。新興国株指数(MSCIローカルベース)もその余波から、米国同様、ほぼ年初と同水準まで下落、日本でも一時1200円ぐらい下落、121円まで円高が進みました。ギリシャ議会はその後、EUからの支援を受けるための財政改革案を承認、12日のEU首脳会議では支援を続行することになりましたが、ドイツとフランスの対立が徹夜交渉につながりました。
 チプラス首相はギリシャに戻って議会にEUに約束したことを説明して理解を得なければなりません。しかも期限は15日、国民投票で、「緊縮反対」が多数になったのに、その緊縮策を説明しなければならないのです。なんのための国民投票だったのでしょう?

■ 中国株下落で緊張走る
 ギリシャ危機に端を発して中国株価下落が起こり、日本でもギリシャは心配しないが中国が心配と、暴落が起きました。中国の株式市場は6月初めまで上昇を続けていましたが、先行き不安などで中旬以降、一転して急落、下落率は約30%に達しました。個人投資家が大半を占める中国の株式市場は、動きが激しいのです。1年間で約2.5倍上昇したのですから、このくらいの下げなんてチョロイものかもしれません。それにしても中国政府のなりふり構わぬ介入に驚きました。上がるのは放っといて、下げは支える、市場原理なんてクソクラエ、スゴイですね。改めて、中国はスゴイと再認識しました。

■ 村上ファンドが形を変えて活躍
 以前ありましたね、村上ファンド。時を経て、今や村上世彰氏の娘・村上絢氏(27)が最高経営責任者(CEO)を務める投資会社C&I Holdingsとして活動しています。大量保有報告書を提出している企業は現在5社ほどで、保有比率5%以下では30社程度に投資しているそうです。中堅・中小企業支援を手掛けていた旧ベンチャー・リンクが前身で、2012年3月に民事再生法の適用申請で経営破たんした後、村上氏らが引き継ぎ、投資会社として再出発しました。運用するのは、かつて世彰氏が設立したM&Aコンサルティングのように他者から資金を預かるのではなく、すべて個人資産=村上家の資金だそうです。絢氏曰く「村上ファンド時代は顧客がいて、説明責任があり、リターンを出さないといけなかった。今はわれわれでリスクを取り、決定できる」と話しているそうです。世彰氏は1983年に通商産業省(現経済産業省)に入り、退官後に投資会社を設立。阪神電気鉄道(現阪急阪神ホールディングス)の筆頭株主となり、プロ野球阪神タイガースの上場を経営陣に進言、TBS(現TBSホールディングス)に対しては経営陣による買収(MBO)を提案するなど物言う株主として注目を集めました。しかし、東京地検特捜部によってニッポン放送株をめぐる証券取引法違反(インサイダー取引)の罪に問われ、2011年に懲役2年、執行猶予3年の判決が最高裁で確定しました。こんなニッポンがほとほとイヤになった世彰氏は、自由を求めて一家でシンガポールに移住しました。この辺りのことは「つぶやき」177『村上ファンド』(2006年6月4日)をご覧下さい。世彰氏から投資哲学を学んだ絢氏がCEOに就いたのは今年6月、「当時は、父の考え方を浸透させるのには早過ぎた。日本に拒絶された部分もある」と絢氏は振り返ります。一方、現在は安倍政権が日本再興戦略でコーポレートガバナンスの強化を掲げるなど、企業の経営効率向上は今や国策となり、配当や自社株買いなど株主を意識した経営に舵を切った企業は増えてきています。絢氏は、父親が目指した理想に「時代の方が追いついてきた。父は日本が好き。父がやってきたことに携わり、上場企業に働き掛けながらより良い経営環境をつくっていきたい」と言っているそうです。
 2006年と言えばもう9年前になりますが、この「さんきのつぶやき」に書いてあること、今更ながら「へ〜え」と思って読み直しました。「ホリエモンだってあれほど自民党執行部と政府の支持があってさえ、東京地検特捜部は有無を言わさずしょっぴいた。中央青山監査法人も業務停止処分を受けた。次はどこだ?Mr. Murakamiは言い知れぬ恐怖を感じたであろう。日本の検察は出る杭を打つ。粉飾決算など摘発しようと思えばゾロゾロ出てくるはずなのにライブドアを狙った。何故か?」スゴイですねぇ(^-^) この年の9月に第1次安倍内閣が発足します。そして景気はグングン良くなって行きました。1年でこの内閣は終わり、やがてリーマンショックがやってきます。第2次安倍内閣になって、やっと村上世彰氏の時代がやってきたと言えます。しかし、証券取引法違反の前科者なので、娘の村上絢氏を前面に押し立てているのでしょう。

■ 初きゅうりの収穫
 引っ越してから3週間経ちました。旧居のお隣さんが赤帽さんだったので、近所付き合いで引越しを依頼したのですが、箪笥が大きくて階段から下ろせず、その上雨が降っていたので取り残しました。そこで少年野球のコーチの皆さんにお願いして、2階ベランダからロープで吊り下ろし、新居に運んでもらいました。少年野球のコーチはいろいろな人が居て、大工、内装屋、塗装屋、電気屋、農家、廃棄物処理業、若くてたくましいので頼りになります。箪笥運搬にも農家のトラックを借りました。
 猛暑が続いて、エアコンが活躍しています。1階リビングは広いので日立の白くまくん、2階寝室はいずれも三菱電機の霧が峰にしました。売れ筋がダイキンの「うるるとさらら」だというのは分かっていますが、実は筆者の仕事はエアコンや冷蔵庫など白物家電で、すべてのメーカーがお得意様だったので、どこでも良いのですが、仕事の関係上性能検査や耐久検査で・・・・これ以上書くと差支えがあるので・・・(省略)。冷蔵庫で氷を作ってくれるのは感動しますね。
 庭のきゅうりはどんどん育つので、収穫しています。黒星病やうどんこ病の気配があるので、除菌水のアルビシャットを散布しています。次亜塩素酸水なので、人体に無害だし、効果があるかどうかわかりませんが試しています。青紫蘇も青虫が付くので木酢液が良いと効きますが、アルビシャットで試しています。
 新築ラッシュのふじみ野市はふじみ野駅から歩いて9分の駒林元町3丁目で土地の分譲価格が129uで3,760万円とか、127uで3580万円とか看板が立っています。そこに100uチョットの2階建てを建てたら庭も無いような状況ですが、5〜6千万円になりますね。我が家は上福岡駅から1.1km、徒歩12分ですが、上福岡駅から我が家の前を通過して真っ直ぐ徒歩3分のところにミサワホームが土地145.65uに100.2uの家を建てて5,173万円、5棟建築中、売出し中です。 

きゅうりの初収穫、接木苗なので良く育ちます
 我が家の前を通過して歩いて6分、近藤建設の9棟分譲中の戸建て住宅は、土地が125〜127uに100.6〜102.88uの家を建てて4,280〜4,580万円です。近藤建設も高級住宅が売りですが、これでは庭がありませんね。この一帯は長谷工の高級マンションが建っていて、戸建ては「七彩の街」として、ふじみ野市との建築協定に則った建物の事前認可が必要です。したがって、豪華な建物が並んでいます。この辺りの人たちは、我が家の前を歩いて上福岡駅に行くか、東武バスに乗るのでしょう。ちなみに我が家は土地198.37uに建物2階建て100.81uです。3人家族には十分過ぎる広さです。我が書斎は2階の洋室6畳で、パソコンデスクに座り、ヘッドライトに照らされる川越街道の並木道の夜景を眺めながら、南部風鈴のチリンチリンという音を聞きつつ、これを書いています。大きな声では言えませんが、空調の会社の経営者だったのに実は冷房が嫌いなのです。したがって我が書斎のみエアコンがありません。だから南部風鈴がチリンチリンと鳴るのです。

■ ABCマート摘発、「ブラック企業」レッテルはヤバイ
 東京労働局は2015年7月2日、靴チェーン大手の「ABCマート」の店舗で違法な長時間労働があったとして、運営する「エービーシー・マート」及び同社の役員と従業員2人を書類送検しました。ABCマート創業者の三木正浩元会長(59)が、日本テレビの上重聡アナウンサーに、高級マンションの購入資金として1億7000万円の無利子融資をしたと先般ニュースで騒がれ、脱税ではないかとの噂が出たばかりです。「ABCマート」は我が近隣の「Soyoca」や「ララポート富士見」にも出店しています。景気が回復傾向にあり、少子高齢化で労働人口が減る中、ブラック企業とレッテルを貼られると、働いてくれる人材を確保しにくくなります。
 その典型が、牛丼チェーン「すき家」を運営するゼンショーでした。ゼンショーは、「ワンオペ」などの過酷な労働環境を従業員に強いたため、従業員の確保が難しくなり、2014年多くの店舗の一時閉鎖に追い込まれました。摘発されると、「ブラック企業」とレッテルを貼られ、売り上げが下がり、従業員を確保できないというリスクが出て来ます。一時期あれほど勢いのあったワタミも「ブラック企業」のレッテルにあえいでいます。

■ 訃報:任天堂岩田社長逝去
 任天堂の岩田聡社長兼CEOが、7月11日に胆管腫瘍のため亡くなりました。55歳、若過ぎます。2000年に当時の故山内溥社長に誘われ任天堂に入り、取締役を経てわずか2年で2002年5月、42歳の若さで社長に就任しました。2004年に携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」、2006年には家庭用据え置き型ゲーム機「Wii(ウィー)」を発売。2009年3月期決算では売上高が1兆円を突破し、過去最高を記録しました。その後、スマートフォン上で遊ぶソーシャル・ゲームの台頭などで業績が低迷して心配されましたが、2015年3月期決算では営業利益を4期ぶりに黒字転換させました。また、今年3月にはディー・エヌ・エー(DeNA)との資本・業務提携を決め、スマホ向けゲームへの対応を本格化させるなど、新たな事業展開に意欲を示していた中での早過ぎる死、2年前に山内溥氏を失ったばかりです。
(2015年7月14日)


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